緋弾のアリア〜蕾姫と水君〜   作:乃亞

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どうも乃亞です!
早いもので7月がもう終わっちゃいますね…
原作前からやってるこの小説、いつになったらキーくんはチャリジャックに遭うのか…!
???「オイ待て!」
やっべ、ということで本編どうぞ!


第12話

「んじゃぁーこれから明智班と弱市(よわし)班の四対四戦始めるぞぉー。審判だからぁ、一応説明しとくとぉ使用できる弾は…えーとあれだ、非殺傷弾(ゴムスタン)だけだぞぉ。実弾使ったら頭弾けると思っとけぇ。まぁーあたり所が悪けりゃそれでも死ぬかもなぁ」

 

などと気の抜けた声で説明を行っているのは相変わらず非合法そうなものを口に咥えている綴先生である。

 

「んじゃ、なんか知らんけどチームリーダーになってた明智だ。よろしく頼む」

「フンっSランクかなんだか知らんが調子にのるなよ!首洗って待っておけや!」

 

握手をしようとすると相手チームリーダー、弱市はすごい剣幕でまくしたててきた。

かっちーん。なんかすごく頭にきた。とりあえず勝利を確実にもぎ取るか。

 

相手チームの弱市班の構成は強襲科1人、諜報科1人、探偵科2人でランクはそれぞれBが1人、Cが3人だ。弱市が唯一のBランクだからそれで選ばれた形だな、おそらく。だが弱市が強襲科のBランクならキンジは強襲科の(HSS込みで)Sランク、不知火がAランク。さほど問題ではないはずだ。それよりも警戒すべきなのは諜報科Cランクの隠葉(かくは)陽太か。諜報科は隠密行動が多いからかランクが正しくない時があるんだよな。実力を隠してる可能性があるということだ。それに強襲科は諜報科に不利な傾向がある。そこを俺とレキの後方支援隊がどんだけサポートできるか、そこにかかってる所がある。

 

キンジと不知火で相手のフラッグを潰しにかかる、これがメインプランだがこれができなかった時は俺も前にでて制圧にかかる。シンプルだが、戦力に差がある時はこれほど簡単で精度が高い戦術はない。それに絶対半径2051mのレキ、それほどではないものの1800mの俺が学園島を半分ずつ担って鷹の目及び狙撃をする。

 

レキは近接がほぼできないそうだがもしそんな状況なら不知火は捕縛され、守るべきフラッグは攻撃されているに違いないし俺は近接の方が得意だ。あとは作戦を作る期間が短かったため、作戦を作るよりは現場の判断に任せたほうが信頼性は高いと判断した。

さぁ、相手はどう出るかな?

 

「キンジ、不知火聞こえるか?そろそろ市街地だろ、人の目線をよく見ておけ。お前らの顔をジッと見てる奴がいたら警戒して進め。後方支援は俺とレキに任せとけ。俺はともかくレキは外さんだろ?」

「……」

 

レキに聞いたがいつものようにぼーっと空を見てる。大丈夫なのかな、この人。

 

『あはは…まぁ明智くんまで後方支援に回らなくてよかったんじゃないかなとは思うけど明智くん達なら僕も安心して背中を任せられるよ』

『今の1年ならお前らが最強だろ、頼むぜ相棒』

 

不知火、いいタイミングでいいこと言ってくれるじゃねぇか!キンジもそれに続いて珍しく機嫌がよさげだ。

 

「そう言ってくれると助かるな。…さて、気づいてるかもしれんが、お前らの反対車線にいる奴は多分敵だ。遠慮なくやれ」

 

そう言うや否や、車をブラインドにしてその男が襲ってきた。

それに対しキンジと不知火は焦ることなく武器のナイフを抑え、捕縛用のワイヤーで手と足を縛り上げた。

 

「な、なんでわかった!?」

 

敵が情けない声を出しているが無視無視。

 

「どうだ?怪しいところはあるか?」

「…そうですね、探偵科の1人がこちらに向かってきています。」

「了解、そっちはレキに任せるぜ?」

 

俺の反対側を監視しているレキに尋ねるとレキは首を縦に振り何かを気にしている様子。ドラグノフの準備をしながら返してきた。丸投げするとレキはこくり、頷いて狙撃態勢に入った。

 

「私は一発の銃弾」

「銃弾は人の心を持たない。故に、何も考えない。」

「ただ、目的に向かって飛ぶだけ」

 

その言葉と共に射出された弾は導かれるように相手にあたり、1発で戦闘不能に持ち込んだ。やっぱすげーな、こいつ。てか俺もそろそろ仕事しますか。青く塗られたドイツ製のG43を構えつつ、不知火達の完全に死角に入り込んでいた隠葉を狙う。

 

こいつ、やっぱり実力隠してたな。不知火達が気づかないって相当だぞ?ここで俺が戦闘不能に持ち込まないと負けまで見えるぞ。

 

「やっぱり諜報科の奴は癖があるなぁ、不知火よ。ここは安心しておけ…よっと!」

 

俺のG43から放たれた弾は隠葉の脛にあたり、戦闘不能に持ち込めた。

 

『えっ、明智達今狙撃したよな?誰を狙ったんだ?』

「お前らの後ろ32mくらいで足をかかえてうずくまってる奴、敵で専攻は諜報科だぜ。抑える時も注意してな。俺はレキが戦闘不能にした奴を縛ってくる。あとはどこいるかわからんが残ったのはリーダー弱市だけだ。レキ、撃った奴が万一どっかに移動しそうになったらサポートよろしくな」

 

本気で驚いてるキンジ達に指示を加え、自分もロープを準備しつつレキに頼むとレキはその端正な顔でこくり。頷いたのであった。

 

結局、リーダー弱市はレキのサポート付きの不知火とキンジに発見され、あっけなく捕縛されたらしい。

そして『毒の一撃』俺が敵を縛りに行って帰る途中で終わってしまった。

 

「とりあえず乾杯しますか!」

「「「乾杯!」」」

「……」

 

レキも無言ながら合わせてくれて祝勝会は始まった。ちなみに会場はファミレス『ロキシィ』である。

そこで俺たち(レキはぼーっとしてるが)は好きなものを食べて勝てた喜びとレポートを書かずに済んだことを安堵するのであった。

 

「んでさ、キンジは今度のランバージャック幇助者(カメラート)どうすんの?」

 

思い出した俺は聞くとキンジは?という顔してからあぁ、とげんなりした顔をした。忘れてたな、こいつ…

 

「あの後顔合わせる機会あったから話したけど幇助者は互いになしでやることにした。あいつ曰く一対一でケリをつけてやる!らしい」

 

なるほどな、俺が手を出すのを恐れたか。それとも正々堂々ってことか?

 

「まぁ、リング役はある程度よんどくから頑張れや。ご愁傷様」

「助かる、迷惑かけてすまんな」

 

自分で蒔いた種とはいえ、さすがに不憫なので労うとキンジは本当に面倒くさそうな顔をしながら返すのであった。

祝勝会は8時まで続いて俺たちのこれからを互いに祈願し合ってそれぞれ帰途についた。


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