今回は主人公の微(?)強化&装備の微調整で四対四戦の最終準備みたいな感じです
それではどうぞ!
その
「キ、キンちゃん!もしよかったら…私のお弁当、食べてくださいっ!」
おお、こりゃまた大胆に来たな。しっかし白雪も可哀想だよな〜、思いっきりアピールしてんのにヒスりたくないキンジは人の好意、それも愛情が絡む問題には鈍感すぎて気づいてないってところがなぁ…。白雪の相談には乗ってやるけどあくまでこれは個人間の問題だし、俺が口出すのはナンセンスってやつだ。
「お、おい人前でキンちゃんはやめろって言っただろ。ありがたく食うから早く行った行った!」
ほーらいつも通り、キンジさんよ〜そんなんばっかしてると恨みを買うぜ?白雪はそういうタイプじゃないから良いけどな。ちょっと排他的、簡単に言うとヤンデレの気があるような気がするけれど。
「あ、うん。よかったら感想聞かせてね〜!!」
ザ・大和撫子白雪。やっぱり自分を前に出さないなぁ。そんなんだとキンジは10年経っても気づかない気がするぞ。
などと思ってたら俺たちの前、てかキンジの前に大男が立った。おっ、早速恨み買ってるぞキンジよ。
「おい、遠山ってのはお前だよな?」
大男は威圧的な風でキンジに迫る。おお、ちゃんと体格を生かしてるな、どこの所属か知らんけどそれなりの心得はあるっぽい。
「お前は誰だ?それで何の用だよ?」
キンジは困惑半分、迷惑半分といった感じで聞いている。ま、当然だよな。
「俺は車輌科の武藤剛気だ!てか同じクラスなのに知らないのはおかしいだろ!…それは置いといて、白雪さんに話しかけられてるのになんだよその態度は!?おかしいだろ!」
ほーらやっぱり白雪絡み。てかこいつツッコミ気質あるな。んで性格はガサツだな。顔はそこそこ良いのにモテない典型みたいなタイプじゃないかな。
俺はとりあえず困ったよう顔をして微笑んでる
「不知火、見るからにガサツそうなあいつはどいう感じなんだ?」
「うーん、車輌科のAランクで結構期待されてる人の1人かな。性格は明智君の言った通りガサツなんだけど運転に限ればすごく丁寧だよ。持ってる銃はコルト・パイソンだね。」
そう聞くとキンジと違って不知火は人の自己紹介をマジメに聞いていたらしく、すらすらと特徴をあげてくる。てかコルト・パイソン…??ああ、なるほど。整備が楽だからか。そしておそらくイイキャラ枠。
「なるほどね、ありがとさん」
とりあえずの謝辞をのべておき、不知火と事の成り行きを眺めることにする。
「決闘だ!ボコボコにしてやる!」
するとどういう因果か武藤がめっちゃ息巻いていた。キンジは意味分からんって顔してるけど。てか今の時期に
「ちょいっと待ちな。今は決闘はさせないよ。四対四戦前に俺の仲間が怪我で戦えないとなると少々面倒だからな」
「なんだよ、お前も遠山の仲間をするのか?」
口を挟むと気に入らなかったのか武藤がこっちも睨んでくる。なぁ〜んでこんなに武偵高の奴って血の気が多いのかね…仕方ないな。
「いや、こいつの味方というより……うーん、確かにこいつとは中学からの付き合いだからどうしてもお前よりはキンジの方に贔屓目をするのは仕方ないよな?それはともかく俺は
そう言いつつ横のキンジに中学の時使ってた
「仕方ないな、わかったよ。それで、どの方式だ?」
「ランバージャックだこの野郎!」
うっわー、武藤君決闘の中でも特に粗野なの叫びやがった。
ランバージャックとは、決闘する2人を人の壁で囲み、倒れるか
俺は粗暴すぎるのであまり好きじゃない。
「はぁ…」
ガックリうなだれるキンジの肩をポンポン、と叩く俺であった。ご愁傷様、キンジ。
ところ変わってここは狙撃科。俺は狙撃科の南郷先生に教えを請いに来ていた。ビシッ、ビシッ。とりあえず二発撃って先生にどこか直したほうが良いところを聞く。
「狙いをつけてから撃つまでが早すぎる。もっと感覚を開けて、余裕を持って撃て。」
要点ピシャリと抑えた答えだな、そりゃ。ちなみに隣でレキが撃っているのだがすごいな、目測で2キロはあるぞ。それをビシビシ当てている。
「ーー私は一発の銃弾、銃弾は人の心を持たない。故に、何も考えない。ただ、目的に向かって飛ぶだけ」
撃つ前に必ず言葉を呟いて撃っているのだが、あれが俗にいうルーティンというやつか。そこまで考えていると南郷先生に頭を叩かれた。いってぇ…
「他に意識を向けられるほどお前はうまくない」
「すいません。レキさんの狙撃を見て盗めるところがないか、探してました。」
言い訳する理由もないので素直にいうと南郷先生は珍しく若干思案した顔になって一言。
「あいつは天才の類だ。お前も天賦の才能は持っているが方向性が違う。普通に撃つ事だけを考えろ」
俺は天才ではないんだがなぁ…
でもルーティンということなら考えは、ある。それを試してみるか。
「南郷先生、少し試したいことがあるので的を1800mまで伸ばしていただけますか?」
そう聞くと驚いた顔をしながらもしてくれた。
…あれが1800mか。思ったより遠いが裸眼で見えないほどじゃない。ならいけるか。
そう判断した俺が想像するのは、自分の超能力である水を的まで伸ばしてレールのようにしたもの。そのレール通りに弾が進むのなら外れない。
「
俺が引き金を引くと……
ビシッ。予定通り弾は的の中心を捉えた。これなら出来るな。
そう思い2発、3発と撃つとビシッ。ビシッ。両方とも中心を捉えた。これ楽しいな!
俺が狙撃を終えると南郷先生は寡黙で表情のそこまで変わらない顔をわずかながら驚愕に歪ませていた。…おっとそろそろ時間だな。
「南郷先生、忙しい中わざわざお付き合いいただき、ありがとうございました。おかげでキッカケが掴めました。」
「あぁ……また来ても良いぞ」
そう礼を述べると南郷先生は俺にとってはこれ以上ない賛辞を送ってくれたのであった。
「ふう…時間ギリギリ間に合った!」
狙撃科棟を後にした俺が次に来たのは
「おーい、平賀さんいるかーー??」
俺が呼ぶと、ガサゴソ、ガサゴソ。そう音を立てながら装備科の期待のホープ平賀さんが「あやややや!」などと言いながら現れた。平賀さんはなんでも平賀源内の子孫らしい。んで発明の天才だ。法外な値段ふっかけられるのと違法改造も受けちゃうからAランクだが、実力はSランクのそれだ。
「あやや!明智君なのだ!注文の品は出来てるのだ!確かこっちにあるはず…あややや、ご注文の品なのだ!」
そう言って取り出したのは青く塗られた.44オートマグ。親父の形見だ。引退させようか考えていた時に平賀さんの話を聞いて、ものは試しで頼んでみたのだ。
「まず装弾数をダブルカラムにすることで解消してみたのだ!14発入るのだ!それでオートマグの排出機構をちょっと触って
そう言いつつ平賀さんは整備の仕方を説明する紙をつけて渡してくれた。
ダブルカラムになったのでちょっと太くなったがしっかりといつものように手に馴染んでくれた。すごいな、平賀さん!
「おお、良いね!ありがとう平賀さん、これでまだこいつを活躍させられるよ!んで代金だが、もう口座に振り込んであるから確認しておいてくれよな」
「わかったのだ!今後も依頼があったら受けるのだ、大口顧客さんなのだー!」
平賀さんはにぱー、という笑顔で答えてくれたのだった。
中学時代から色々な依頼を受けているし、実家もそこそこ
四対四戦は明日だ。
結構字数多くなったな…