緋弾のアリア〜蕾姫と水君〜   作:乃亞

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どうも乃亞です。
今回からカルテットに入ります!零司君はどんな4人と組むのか?どんな戦いを繰り広げるのか?この辺に注目していただけると嬉しいです。
それではどうぞ!


第9話

四対四戦(カルテット)?」

「そう、四対四戦。覚えてない?」

 

なんだそりゃ。4月中旬の昼下がり、俺は一緒に飯を食っていた不知火に唐突な話を投げかけられていた。ちなみにキンジもいる。

 

「あぁ、思い出した。4人1組で他の4人1組と戦うやつだったか。それがどうかしたか?」

 

ちなみにこれは戦闘に出ることの少ない救護科(アンビュラス)装備科(アムド)のチームが一方的に不利になることがないよう、様々な対戦方法があるらしい。

 

「そう、そのことなんだけどさ、明智君はもうメンバー決まったかい?もし決まってないんなら僕と遠山君のパーティに入らないかい?」

 

…ふむ、なるほどな。もうカルテットに向けてメンバー集めをしてるのか、堅実で真面目な不知火らしいな。中学時代組んでたキンジにオールラウンダーの不知火。これなら確かにこの2人なら戦いを合わせやすそうではある。しかし…1つ問題があるだろ、そりゃ。

 

「仮に組んだとしてもあと1人必要だぞ。どうするんだ?」

 

そう、まだそれだと3人だからチームの条件を満たしていないのだ。すると不知火はにっこり一言。

 

「レキさんとか明智君のクラスだし誘いやすそうじゃない?どう、誘える?」

 

ほぼ俺に投げてきた。意外と適当なのか?

「あいつか。始業式の時見たけど独特だよな。狙撃科らしいっちゃらしいタイプだな。絶対半径(キリングレンジ)も2051mとかって聞いたし、いいんじゃないか?女なのが嫌だが…」

 

俺はキンジの方を向くと、相変わらずの女嫌い発言。

まぁ、俺としても反対しない理由がない。敵に回ると絶対半径2051mという広大な範囲は太刀打ちできない。超能力を使えばまだ可能性はあるがそれにしても不利には違いないし、味方ならばこれほど心強いヤツもそういないだろう。

 

「あーうん、とりあえず後で誘ってみるか。お前らも当然だけど来いよ?顔合わせも兼ねるぞ」

というわけで2人を強い口調で誘い、了承を得たのであった。

 

「多分ここにいる気がする…」

 

来たのは始業式の日に俺がレキにご飯を分けた屋上である。なんとなくここにいる気がしたのだ。

 

「なんで屋上にいるんだよ。普通に飯食い終わったら狙撃科棟にいるんじゃないのか」

「いる可能性があるところで近いところがここだったからここから来たんだ。もし狙撃科棟にいなくてこっちにいたら二度手間だろ?」

「まぁ、お前がそう言うならそうなのかもな」

 

不思議そうな顔をしていたキンジに説明すると納得した雰囲気。ちなみにこの間不知火は優男スマイルを絶やしていない、すごいな。

 

「レキ〜いる「なんですか?明智さん」かっておっふ!!!びっくりしたぞ」

いやはや驚いた。いつの間にかこちらに来ていた。

 

「あぁ、でさ。今度さカルテットあるだろ?もうメンバー決まってる?」と聞くとレキはふりふり。

「いえ、まだきまっていません。」と首を横に振りつつ答えてくれた。

「ならさ、俺たちと一緒に組まないか?」どうだ…?

「はい、私でよろしければ」

 

レキは鳶色の瞳をこちらに向け答えた。よし、4人確保だ。ホッとした束の間、ピリッ…。少し殺気を感じ振り向くと何もいない。なんだったんだ…?

兎にも角にも4人揃った。あとは不知火に教務科に申請しに行かせればいいだろう。

 

「つーわけでレキ。今回のメンバーを軽く紹介させてもらうな。キンジ……はもう知ってるな?んじゃ不知火、自己紹介しときな」

不知火にそう促すとこくり。

 

「そうだね、僕は不知火亮。強襲科だよ、よろしくね」

「レキです。狙撃科です。」

 

不知火はといつも通りの柔らかな笑み。対するレキは無表情。

なんかすげえシュールだな、この感じ。そうキンジに目配せするとキンジも苦笑しつつ同意するのであった。

 

不知火にメンバーの決定の申告を任せつつ探偵科棟に行くと、見覚えのあるちっこいのがやってきた。

 

「あっちだ!今日は来るの遅かったね!!どったの?」

 

とてて、と近づいてきたのは入学試験の時の相手であった峰理子だ。こいつは峰、と呼ぶことを好まないので仕方なしに理子と呼んでいる。ちなみに「あっち」とは恐らく苗字から取ったのであろう、俺のことである。こいつはどういうわけか人を珍妙なあだ名で呼ぶことが多いらしい。例えばキンジは「キーくん」、不知火は「ぬいぬい」、みたいにな。

 

「あぁ、カルテットのメンバー集めてたからな。それより理子はなんでこの時間に探偵科の入り口なんかいるんだ?まだ終わる時間じゃないだろ?」

聞くと理子は両手を腰に当ててえっへんポーズ。どういうことさ。

 

「理子はこれから任務に行くのです!さー、いえっさー!」

「あっそういうことねなら早めに行ってこい。夜遅くに帰ったら明日に響くぞ」

 

こいつの軽い態度に付き合ってたらそれこそ日が暮れてしまう。なのでサッとあしらおうとしたら理子は不満だったのか頭の横に指を立てて俺を突いてきた。

 

「ぶーっ!あっちつまんない!もうちょっとなんかないの!?ぷんぷんがおー、だぞ!」ハァ、仕方ない。

 

「理子。武偵憲章5条、行動に疾くあれ。先手必勝を旨とすべし、だ。行動が遅いとそれが評価に繋がるぞ?」

「それもそだねー。んじゃ行ってきます!急ぐぞぶーん!」

 

と、理子は謎の飛行機のような格好で飛ぶような格好をした。これなら大丈夫だろう。なら俺のすることは1つ。

 

「はいよ、行ってらっしゃい。気をつけるんだぞ」

 

理子を送り出してやること。普段はあんなんでも武偵ランクはAだ。やるときはやるやつなのだあいつは。そんな理子を見ながら俺は今日の訓練の準備を始めるのであった。


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