Fate/Arie night   作:無限の槍製

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遂に聖杯戦争終幕!安定のぐだぐだ展開です!!


このバッドエンドに私達の気持ちを

「今すぐ殺してくれる!!」

 

「いくぞアーチャー!」「いこうマスター!」

 

ユステーツィアがさっきとは比べ物にならないぐらいのスピードで俺たちに迫ってくる。それでも俺には見える。あいつの動きが。

 

「はあああっ!!!」「うおおおっ!!!」

 

ユステーツィアのナイフと俺の菊一文字が激突する。超マハトマ人ゴールデンを超えた超マハトマ人ならユステーツィアのナイフぐらいなら受け止められる。それでも奴の背中から生えている血の両腕の攻撃は受け止められる気がしない。

 

「くっ!くああっ!!」

 

「おうりゃああ!!」

 

菊一文字で一閃。距離をとったユステーツィアに追撃を仕掛ける。

高速の5連突き、斬り下ろし、斬り上げ、全力の上段斬りの8連撃。更に剣を左に持ち替えながら左側から右へ回転しながら力任せに剣で薙ぎ払う。魔力をまとったソレは絶大な範囲をもつ。

 

しかしそんな大技だとその後の隙が大きい。案の定ユステーツィアはこの隙を狙ってきた。でも俺は、いや俺たちには背中を支えてくれる奴らがいる。

 

「せやあああ!!!」

 

ユステーツィアの攻撃を阻むように間桐がシンゴウアックスで攻撃する。聖杯戦争で成長したかのように間桐の目には迷いがなかった。次々と叩き込まれる間桐の攻撃。ユステーツィアもここまで反撃してくるとは思わなかったのか、まともに食らい続けている。

 

「今の私に出来ることを!」

 

『行こうか、桜』

 

「行くよ!ライダー!!」

 

『イッテイーヨ!!フルスロットル!!』

 

シンゴウアックス最大の一撃が振り下ろされる。ユステーツィアは流石に不味いと思ったのか血の両腕で受け止める。やはりあの両腕が最大の攻撃方法で防御方法なんだ。だったらあれを潰せば、

 

「桜!早くどきなさい!!」

 

声を発した瞬間に攻撃のチャージを始める遠坂とギルガメッシュ。ギルガメッシュはエアで、遠坂は……なんだあれ?でっかい弓か?

 

「我の財を貸してやってるのだ。ウッカリするなよ凛!」

 

「あんたこそ肝心なとこでヘマしないでよギルガメッシュ!」

 

「ちょ、ちょっと姉さん!?ギルガメッシュさん!?」

 

「撃ち砕け!山脈震撼す明星の薪(アンガルタ・キガルシュ)!!」

 

「死して拝せよ!天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!!」

 

間桐の叫びは届かず打ち出される星を砕く攻撃。容赦無く間桐に迫るが間一髪衛宮が間桐を救出する。ということは、

 

「なっ!?そんなバカな!」

 

血の両腕でシンゴウアックスを受け止めるユステーツィア目掛けて攻撃が炸裂する。そのおかげでシンゴウアックス諸共血の両腕を破壊する。今の攻撃でこの大空洞が壊れないか心配になったがそんなことは……ってもう崩れかけてるぞ!

 

「こいつは時間との勝負になるな」

 

「ここが崩れる前に倒せばいいんだ。そうだろ真琴?」

 

「そうだ。ならやることは分かってるな衛宮?」

 

「ああ!」

 

衛宮もリミゼロモードになる。これで超マハトマ人の俺とリミゼロ衛宮の全力形態のコンビだ。ぶっちゃけ前もこのコンビでボロ負けしたんだが、このままノリに乗ってくしかない。

 

「遅れるなよ士郎!!」

 

「!!……ああ、行くぞ真琴!!」

 

血の両腕を破壊されてガードが崩れたユステーツィアに全力攻撃を仕掛ける。面白いぐらいに攻撃が決まっていく。2人合わせて合計27連撃。俺の方が一回多かった。

 

「そこだっ!」

 

強化した左拳でユステーツィアを殴り飛ばす士郎。外套の力もあってかユステーツィアはかなり飛んでった。さっきまでの威勢は何処へやら。満身創痍もいいところだぜ。

 

そこへ追い打ちをかけるようにイリヤがアサシンのコンテンダーをユステーツィアの額に押し当てる。弾は装填してあるだろう。

 

「もう終わりよユステーツィア!」

 

「イリヤスフィール……いいのか?貴様が殺そうとしているのは自分のサーヴァント、そして我は貴様の先祖だぞ?」

 

「………」

 

「貴様がここで我を殺せばこのアサシンも消え去る。そうすれば貴様は聖杯戦争に敗退したことになり、聖杯を得ることが出来なくなる!それでもいいのか?」

 

「………だから何?」

 

「なんだと?」

 

「人の願いは絶えず変わってくの。人としての機能を既に失っている貴女ではわからないでしょうね」

 

それに、とイリヤは付け加える。

 

「サーヴァント、いいえ別世界とはいえ自分の親の不始末は、娘が片付けないとね」

 

グッと引き金を引く。その瞬間に立ち込める火薬の匂いと血の匂い。コンテンダーから放たれた弾丸がユステーツィアの額を貫いたのだ。

 

パタリと倒れて消滅していくユステーツィア。光の粒子となって消えていった。つまりこれで終わり。やっと終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とは思えなかった。

 

「随分しぶといなアンタも」

 

アーチャーの投影した剣が壁に何かを縫い付ける。やっぱり、あれで倒せたとは思えなかったんだ。

 

「今度はオレの体を狙ったのかユステーツィア?」

 

「クソッ!この贋作風情が!!」

 

「訂正しろユステーツィア」

 

壁に縫い付けられたユステーツィア目掛けて光の斬撃がいくつも飛んでくる。間違いなくセイバーだ。白銀の聖剣から放たれたのだ。

 

「アーチャーは贋作ではない。姿が変わろうと、理想が変わろうと、彼は私のマスターだ!彼の信念は本物だ!それを否定するというならば、」

 

右腕から星の聖剣が解放され、セイバーの手に収まる。その輝きはまさに星の光。闇を討ち払わんとする聖なる光。その真名は言わずもがな、

 

「彼のサーヴァントとして、貴女を倒します!」

 

「おのれぇ……」

 

約束された(エクス)……」

 

「おのれぇぇえええ!!!!」

 

勝利の剣(カリバー)!!!!」

 

飛び上がりユステーツィア目掛けて剣を振り下ろす。星の光を解き放つのではなく、直接叩き込む。これだけでも与えるダメージは段違いだった。

 

っていうか今ので大空洞が更に壊れそうなんですが。それにまだユステーツィア生きてるんだけど!

 

「クソッ、こうなったら、ここ諸共貴様らを吹き飛ばしてやる!」

 

「おいおいしぶとすぎるだろ。アーチャー、最後決めるぞ!」

 

「かしこまり!」

 

悪の小物っぽい台詞を言いながらユステーツィアが大聖杯の淵に立つ。まさに鍋の淵だ。中はモザイクつけないと正直直視できない。とにかく、ここで倒さないと本気で不味い。

 

「これが最後ねユステーツィア。正直うんざりよオバサマ」

 

「だそうだ。俺もうんざりだからこれで終わらせる」

 

「ふん、だが貴様らでもこれは防げるかな?」

 

瞬間ユステーツィアの姿が消える。間違いなくユステーツィアの宝具だ。あれはアサシンの肉体を使っているから使えるのだと思っていたが、どうやら違うみたいだな。流石に宝具となると見切るのは無理だぞ!?

 

時のある間に血を食らえ(クロノス・ブラッド)!」

 

「マスター!後ろ!」

 

「って言われても対応できないっての!!」

 

振り向いたときにはユステーツィアが迫ってきていた。顔が近い。まさに万事休す、形勢逆転、絶体絶命。ここまで来て負けるのかよ。

 

 

 

 

 

 

「そこで諦めてどうする狩野真琴。お前はどちらかと言うと諦めが悪い方だろう?」

 

「?この声は」

 

復讐者は殺人鬼となりて(ジャック・ザ・リッパー)

 

ユステーツィアの攻撃は1人の女性に止められた。復讐者のサーヴァント、アヴェンジャー。なんだまだ生きていたのか?

 

「貴様、我のスピードについてこられるのか!?」

 

「私の十八番、いや唯一の取り柄になってしまったこと。それがこの模倣殺人。他の人にできて私にできないことはない」

 

ユステーツィアの攻撃を全て相殺したアヴェンジャー。成る程な、こいつの宝具は確かに厄介だ。

 

「あとはお前らが決めろ。私の役割はここまでだ。全くアイツも人使い、いや守護者使いが悪い」

 

追い打ちと言わんばかりにユステーツィアの胸にナイフを突き立てる。最後はゆずるってか?いいぜ、やってやる。

 

「アーチャー!これで終わらせるぞ!」

 

「動きは私が止める。トドメはマスターが!」

 

アーチャーに魔力を回す。ここでアーチャーに仕留めてもらっても構わないんだが、まあ頼まれた以上やるしかないな。

 

「繰り返すページのさざなみ……押し返す草のしおり……全ての童話は、お友達なのよ!」

 

アーチャーの開いた本から放たれる童話の欠片がユステーツィアを拘束する結界となる。クマのぬいぐるみとか人形とかペロペロキャンディーとかメルヘンチックなものに拘束されるとは、哀れユステーツィア。

 

「クソッ、おのれ狩野真琴!貴様の存在を呪ってやるぞ!」

 

「それはつまり敗北を認めるってことか?なら潔くやられろ!」

 

右拳に魔力を集中させてユステーツィアに刺さっているナイフ目掛けて叩き込む。魔力が炸裂してユステーツィアの内部が爆発したような音がなる。でもまだやられるつもりがないと?ならもう1発!

 

「今度こそくたばりやが「避けてください真琴君!」え!?」

 

聞き覚えのある声に振り向いたら、あら不思議。俺目掛けてフラガラックが5つも飛んで来てるではありませんか。

 

「うわああああ!!!!」

 

急いで回避してフラガラックを全て避ける。つまりフラガラックは全てユステーツィアを貫いたということになる。更にダメ押しと言わんばかりに紅の槍がユステーツィアの心臓を貫く。

 

「おう、美味しいとかはもらったぜ!」

 

「最後の最後で出てくるのかよ!バゼットさん、ランサー!」

 

「ずっと寝たきりなんて私は我慢できませんから!」

 

ボロボロのバゼットさんとランサーが最後のトドメをもっていった。ユステーツィアは大聖杯の中へと落ちていった。最後に見たあいつの顔は「そんなバカな」って顔だった。つまりこればかりは完全に倒したってことになるのか。

 

「やっと終わった……」

 

眼下にはみんなが待ってる。俺の隣には相棒のアーチャーがいる。大空洞はもう崩壊寸前。今から走って出ないと巻き添え確定だ。

 

「マスター…帰ろっか」

 

「そうだな、帰ろう」

 

これでやっと帰れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴様だけは生きては返さん!!」

 

「なっ!?」

 

俺の右腕に鎖が巻きつく。ユステーツィアが俺だけでも道連れにするつもりか。引きちぎって逃げるには時間がない。だったら、

 

「アーチャー、みんなを頼む」

 

「え、ちょっと待ってよマスター」

 

「上等だぜユステーツィア!!地獄まで送迎してやる!!」

 

「マスター!!」

 

大聖杯の中を駆け下りる。ユステーツィアも流石に予想外だったのか呆気にとられている。その阿呆面に今からデカイの叩き込んでやるぜ!

 

「マスター!!離してよ士郎、バゼット!!」

 

「お前を行かせるかよ。俺が行く!」

「貴女は行かせません。私が行きます!」

 

「はあ!?だったら私が行くしいいいいっ!?」

 

「って何後ろから3人で転げながら来てるんだよお前ら!」

 

崩れゆく大聖杯の中を走り抜ける。途中で体製を整えたアーチャー、士郎、バゼットさん。待ち構えるユステーツィア。全く、どうしてこうなるかなあ!!

 

「バカな……こんなこと、ありえない!!」

 

「残念!俺が実行している時点でそれはありえるんだよ!!」

 

ユステーツィアの顔面に拳を叩き込む。その瞬間に鎖が外れた。これで上まで駆け上がれれば最高なんだけど、残念なことにもうそんな体力ありません。

 

「そこまでですユステーツィア!!」

 

「真琴を道連れになんかさせないぞ!!」

 

「マスターを返しなさああああい!!」

 

もう既に倒れかけのユステーツィアに更に叩き込まれる3人の拳。これがトドメとなって完全にユステーツィアは消失した。それと同時に大聖杯が嫌な光を放っている。

 

「はあ〜どうして最後はこうなるのか」

 

「あははーどうしてだろー……どうするのマスター?」

 

「ていうか逃げないと不味いよな」

 

「前に聞きましたが、この冬木の大聖杯。もし爆発したら冬木の半分は吹き飛ぶらしいです」

 

「半分で済むのか?」

 

「どうでしょう……とにかく、私たちは確実に死ぬでしょうね」

 

「………マジか」

 

大聖杯の光が更に強くなる。そして次の瞬間俺の意識は無意識に飛んだ。

 

「ちょっと起きてよマスター」

「起きてください真琴君」

 

「ぶがっ!?少しでも現実逃避させてくれよ!」

 

「どう足掻いても絶望的なので最後にこれだけ伝えます。

「どう足掻いてもバッドエンドならこれだけ伝えとく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大好きですよ、真琴君」

大好きだよ、真琴」

 

 

「………そういうのはもっと早くに言ってもらいたかったぜ」

 

 

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2月13日。丁度日付が変わったその時、冬木の一角が爆発で吹き飛んだ。




まさかの爆発オチ!!これはヒドイ!でも安心してください。まだ最終回じゃない!最終回は真面目にやるから石投げないで!!

というわけで次回、最終回!なんだかんだで進んで来たぐだぐだストーリーも遂に最終回ですよ!

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