Fate/Arie night   作:無限の槍製

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今回は遂に決着!


決着と正義の味方と世界

「絶対に許さないぞ!!この僕が!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って言ってたの誰だよ!!」

 

「仕方ないだろ!攻撃用の本なんか全然なかったんだぞ!!」

 

とある病室に姿を隠す俺たち。あんなカッコいいこと言ってたのに情けないぞ慎二。

 

「この本で毒を緩和してるんだから、あとはお前達がやれよ。桜は僕が守るからさ!!」

 

「今兄貴っぽいこと言ってももう手遅れじゃないかなぁ?アレ見たあとだとねえ?」

 

「うるさいなメイド女!ありゃあ僕じゃないって言ってるだろ!!」

 

「しかし慎二にはもとよりこの毒を緩和させるために呼んだんだ。戦力には数えていない」

 

「うわこのライダー、さりげなくディスりやがった!」

 

「ワカメだし」「ワカメだからか」

 

「魔法少女とガングロ包帯男は黙ってろよ!」

 

流石慎二。ツッコミスキルならきっとEXだ。

 

「でもまあこれくらいふざけれるなら大丈夫だろ」

 

「でしょうね。でどうするのマスター?」

 

「イリヤとアサシン、慎二が援護、俺とアーチャー、アーチャーのマスターで突撃する。これが妥当だと思うが」

 

「だそうだ。俺は今のところ問題ない」

 

「無茶したらダメよマスター」

 

菊一文字はさっきまで使っていたから強度が落ちているはずだ。あの素早いシンジを捉えるためにはジャックのナイフと金時のグローブが最適か。といっても長時間は無理か。

 

アーチャーは魔力を使いすぎたのか戦闘服ではなくメイド服を着ている。それでも戦闘はできるが……それも魔力で編み込まれてるんじゃ?

ライダーは片腕がないが、それでもデカイ斧を持っている。変身してないけどどうしたんだ?

イリヤの魔力の羽も短くなってるし、アサシンの装飾品もボロボロになってる。

 

何はともあれ時間はかけられない。

 

「おいおーい。何処にいるんですカー」

 

「ほらほらコッチだぜ!!」

 

「コッチだぞクソワカメ!!」

 

アーチャーと共にシンジの前に立ちはだかる。距離的に病室五つ。シンジが今駆け出しても少しは時間がかかる。それくらいあれば。

 

「総員構えぇ!!」

 

イリヤは魔法のステッキ、アサシンはロケットランチャー、慎二は攻撃用の魔術本。アーチャーとライダーは既に駆け出している。

 

「ファイアァァ!!!」

 

一斉に攻撃を開始する。それは先に駆け出したアーチャーとライダーを追い越してシンジを狙う。さて俺も行くか!

 

「無駄無駄無駄ァ!!!」

 

シンジも駆け出して攻撃を掻い潜る。そしてアーチャー、ライダーと刃を交える。サーヴァント二体に対して互角にやりあっている。背中からはなんか黒いガスみたいのでてるし……怪人の類か?

 

「ッ!?……ヤバ」

 

「少し退がれアーチャー!!」

 

アーチャーを下げてシンジと刃を交える。シンジが英雄二体分ならコッチは英雄六体分だ。フルに使えば勝てないことはない。

 

それでも俺の方がヤバイんだけど、な!!

 

「ハッハハハハハ!!どうした?もう終わりかヨ!!」

 

「んなわけ、ねえだろ!!」

 

シンジに拳を叩き込むが、シンジの体が煙のように消える。これじゃあ物理攻撃が通用しない!?

 

「やっと完全に馴染んだ…もう終わりダァ!!」

 

今度はシンジが分身する。廊下を埋め尽くす勢いだ。正直キモい。いやマジでキモい。マジありえねぇ。

 

「ぐはっ!!」

 

「アッハハハハハハハハハハ!!」

 

しかも全員が全員同じ強さ。三人でも倒せなかったのにこんなにも増えたら対処できないぞ。それとその笑いやめろ。ムカつくから。

 

「もう無理だろ?死んで楽になれよ」

 

「まだだ!アーチャー!!」

 

「正直これが最後の一発よ。これ以上は私が現界できない!」

 

そんなことはわかってる。だから俺も手伝うんだよ。

 

騎殺・疾走解体(ドライブ・リッパー)!!」

 

破壊神の流星(パーシュパタ・ステラ)!!」

 

金色の斬撃と青い矢が分身シンジを消していく。病院の廊下も消し飛んでいくけど……大丈夫かな?今更だけど桜以外の患者もいなかったな。

 

「だから無駄なんだよぉ〜。僕が死なない限り無駄なんだよ!」

 

「嘘!?奥まで届いてなかった!?」

 

「途中で消されたのか…それにしても」

 

「このままでは負けるか……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

病室の外から爆発音が聞こえる。

 

「………ん」

 

うるさい……うるさいなぁ……

 

「………あっ」

 

ふと意識が泥に呑まれる。

 

「………」

 

色が変わる。黒く染まり意識が遠のく

 

「…………フフッ…」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「う……やば」

 

イリヤの変身が解ける。

 

「ッ!?ぐはっ!」

 

「うわっ!」

 

アーチャーとアサシンが吹っ飛ばされる。残ったのは俺とライダー、あと慎二。シンジの数は減らない。それどころか増えている。このままじゃ全滅だ。しかし、

 

「(なんだこの魔力……!?)全員病室に入れ!!」

 

ライダーの咄嗟の発言。よく分からないが俺たちは病室に入る。次の瞬間廊下を走る黒い影。それはシンジ達を飲み込んでいく。

 

「なんだ今の……って、桜!?」

 

慎二の目の先には間桐桜が立っていた。でもおかしい。間桐は黒い服をまとっており、髪は白く変質している。

 

「……兄さん?」

 

「なんだぁ?自分から死ににきたのかぁ?」

 

「…………うん、死んで」

 

「は?」

 

直後シンジの半身が消し飛ぶ。それはシンジが死んだことを意味した。倒れるシンジだった物。徐々に黒い影に飲み込まれていき、姿を消した。

 

「……あれが…間桐?」

 

「なんか…黒いね」

 

「大丈夫なのかい?あれ」

 

「わかんないわよ。どんな魔術を使ったのか」

 

「さ、桜?」

 

「何をしている桜」

 

「大丈夫よライダー。ちゃんとベルト巻いてるから!」

 

さっきまでの間桐と打って変わっていつもの口調になる。一体何があったんだ?てか間桐さん……その黒いのをめくってベルトを見せるのは、

 

「マスター?」「アサシン?」「慎二」

 

「「「は、はい?」」」

 

「「「何を見ている??」」」

 

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「ねえシエル!!」

 

「なっ!……こんなところにもサーヴァント!?」

 

「む?なんだまた珍しいのがいるな」

 

「はあ?何あんた?偉そうに!!」

 

「我か?当然だ!我は王だからな!偉いのは当然だ」

 

「「………友達いないわね」」

 

「友ならいるが?それより足をかせ。我はあそこに急ぐのでな…ん?」

 

「!?今度は何?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

地獄を見た。

 

地獄を見た。

 

この世界の終わりを見た。

 

 

オレはその中である男に助けられた。いや、その男のほうが助けられたのかもしれない。あの惨状で唯一生きていたオレを見つけて、助けれて、助けられたのだろう。

 

 

それから、オレはあの人と約束した。

 

『任せろって!◼︎◼︎◼︎◼︎の夢はオレが叶えてやるから』

 

 

それから数年後。

 

『問おう。貴方が私のマスターか』

 

運命の夜に、運命に出会った。

 

今思えばあの時に運命に出会っていなかったら、オレの未来は変わっていたのだろうか?

 

 

 

また数年後。

 

オレは世界を旅した。そんな中、オレ一人ではどうにもできないことが起きる。このままでは全員が犠牲になる。そんな時に一人の男に出会う。

 

『救いたいか?ならば俺と契約しろ。死後『守護者』として働くと』

 

後先考える暇はなかった。オレはその男と契約し、人々を救った。

 

その後も世界を巡り人々を救っていった。見返りなんかが欲しいから救ったんじゃない。ただ、みんなが幸せに生きてほしいから。そんなオレを人々は『贋作者(フェイカー)』と呼んだ。投影した武器で戦う偽善者。まさしく贋作の塊と言えるだろう。それでもオレは人々を救った。

 

そんなオレの最期は、救った人々による処刑だった。気味が悪かったんだろう。でもオレは後悔しなかった。

 

 

 

 

守護者になるまでは。

 

 

 

オレは英霊の力でより多くの人々を救えると思った。だが現実はただの『掃除屋』にすぎなかった。

信じた理想に裏切られたオレは……徐々に過去の自分を恨むようになった。そして考えた。

 

『いつか聖杯戦争に呼ばれたら……昔のオレを殺す』

 

そうすればこの現実から解放されると考えた。だが登録された英霊は消えることはない。それでもオレはそれにすがるしか方法がなかった。自分を保てなかった。ただの八つ当たりだとしても。

 

そしてオレは……聖杯戦争に呼ばれた。

 

 

しかし、呼ばれた結果……あいつを殺すどころか、あいつに投影の仕方を教えてやるなんて、

 

「オレも……ヤキが回った……な!」

 

魔力の塊を食い止める。徐々に押されていく。このままだといずれ盾も破壊されてオレは消える。いやここですぐに消えた方が凛に被害がいくこともないだろう。

 

「ぐぅ……うぅ!……」

 

「しぶといな…アヴェンジャー、腕落としてこい」

 

「……そんな必要はない」

 

耐えきれずオレは吹き飛ばされる。窓を突き破り空を飛んでいく。その先には……

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ヤベェ…全然動けねぇ」

 

「なんか私たちだけ多くない?」

 

「サーヴァントを二体も相手してるんだから当然よ」

 

真琴やイリヤ、桜たちは疲れて動けないでいた。恐らくあとはクリーザを倒せば終わる。いや聖杯戦争はまだ終わらないが…

 

しかし、ほんの少しの休息も

 

「!?何…この魔力……だんだん近づいてる!?」

 

「!?アーチャー!イリヤを守れ!」

 

「慎二!桜は任せたぞ!」

 

ライダーとアサシンが窓から飛び出る。しかし次の瞬間には戻されてきた。しかもアーチャーのオマケ付きで。

 

「な!?アーチャーまで!?てかなんだよこれ!!」

 

アーチャーが展開している盾をライダーとアサシンが共に押さえている。しかし盾は一枚一枚と割れていく。このままだと三人もサーヴァントが消滅する。

 

「アサシン!!」「ライダー!!」

 

「アーチャー!ここから狙えるか!」

 

「やってみ、きゃぁ!!」

 

瞬間三人以外が吹き飛ぶ。魔力の渦が威力を増したのだ。盾の割れるスピードが更にます。そして遂に………全て割れた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ハハハハハハハハハハ!!見たかアヴェンジャー!吹き飛んだぞ!!病院が!!ハハハハハハ」

 

「………マスター。いやクリーザ」

 

「あ?」

 

ナイフで一閃。両腕を切り落とす。

 

「あ、がああああああ!!??」

 

「言ったはずだ……いずれお前も殺すと!」

 

 

無限の剣製 アーチャー

 

「この際聞いておこう。君も私と同じ、守護者なのだろ?」

 

「?まさかアーチャー、お前も」

 

「ああ。ま、守護者になった結果がこの世界だが。お前は何故この聖杯戦争に参加した?」

 

「……何故か。強いて言うなら……私の家族を殺したジャックを殺すことか……あとは」

 

「なんだ?二つあるのか?」

 

「世界が…平和になるように……って」

 

「……なんだ…私と志は同じか」

 

「そ、そうなのか?それは……なんというか」

 

「ああ、そう…だ…?何処に行った?」

 

 

「それが今だというだけだ」

 

「テ、テメェ!令呪……!?そうかだから腕を!」

 

「令呪は面倒だからな」

 

「いいのか!?ここで殺したらお前は現界できなくなる!魔力も供給されなくなって消える!願いも叶わないんだぞ!!」

 

「セイバーは2回目だろ?なら私にもチャンスはある」

 

「テメェ!!ぶっ殺してやる!!」

 

「………?……ああそうか。英雄王、お前が裁きを下すか」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「うわーー派手にやったわね」

 

「噂ではその剣は認めた相手にしか使わないのでは?」

 

「ふん。宝を使わずに放置では宝が腐るだろう?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「イッテテテ、おい大丈夫か?」

 

「イリヤは無事。気を失ってるけど。桜は?」

 

「なんとかな。傷はない」

 

あれからどれくらい経過したのか。俺たちは目を覚ます。病室は跡形もなく消し飛び空が見えていた。

 

「アーチャーたちは?」

 

「姿が見えないな……おーいライダー!」

 

「アサシン!アーチャー!!」

 

返事がない。まさか全員やられたのか?

 

「くっ……」「ふぅ……」

 

「アサシン!ライダー!」

 

瓦礫を押しのけてアサシンとライダーが出てきた。しかしアーチャーの姿が見えない。まさか、アーチャーだけが消えたのか!?

 

「アーチャーは……これをアーチャーに渡してくれって。アーチャーがアーチャーにって…ややこしいな」

 

「アーチャーの紅い外套…の切れ端?なんで私に?」

 

「いずれ必要になる。と言っていたが」

 

「肝心のアーチャーは何処なんだよ?」

 

「分からん。俺たちも気づいたら、と言った感じだ」

 

つまりアーチャーは行方不明か……ん?この魔力は?

 

外を見ると冬木ホテルから赤い波動が出ている。てかほとんどぶっ壊れてるじゃねえか!!てかこっちに波動飛んできてない?てかこのままだとヤバくね?

 

「みんな避けろ!!」

 

だが俺の号令は遅かった。俺とアーチャー、イリヤが当たってしまう。ううっおおお!!なんか体が熱いぞ!!それとなんか体から大事なものが抜けそうな感じ!?

 

そして

 

「いったあ〜」

 

ボンっ!と間の抜けた音と共に

 

「痛え……ん?今の声……」

 

「ええ!?なにこれ!!!」

 

事態はおかしくなる。

 

「ジャ…ジャンヌ!?」

 

「真琴………真琴!?」

 

「ちょっとマスター!!これ……てか私、今どうなってる?」

 

「え?アーチャー……ん?イリヤ?え?え?どっちだ?」

 

 

「………ん…あれ?」

 

「おや?起きましたかシロウ」

 

「セイバー……え?セイバー!!」

 

「はいセイバーですが?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

時刻は進み……夜

 

「ハァ……なんとか逃げ切れたか」

 

「……ん?戻ってきたか」

 

ソファにふんぞりがえる男。白い帽子に白いコート。とにかく白ずくめだった。

 

「は?誰だお前?」

 

「誰?俺はお前の呼んだサーヴァントじゃないか」

 

「サーヴァント?そうだったな。あの時光は7つだった。そうかお前は俺のサーヴァントか!」

 

「ハハッ。俺をサーヴァントと呼ぶか!いやサーヴァントって言ったのは俺の方だったな」

 

「まあいい!早くあのクソサーヴァントを殺してこい!あの野郎、ここまで来てやがる!」

 

「殺す?その必要はない。お前がこの世界からいなくなればいいんだから」

 

「は?」

 

男が指を鳴らす。するとクリーザは一瞬で消えた。まるで最初からそこにいなかったように。

 

「面白くなると思ってこっちに呼んだが…もういいか。お前たちも帰れ」

 

更に指を鳴らす。それによって四人の人が消えた。いや一人は人と呼んでいいのか。

 

「ハァ……ハァ……お前…は?」

 

「派手なやられようだなアヴェンジャー。いや◼︎◼︎◼︎◼︎◼︎と呼んだ方がいいか?」

 

「な!?何故その名前を……いいや思い出した。お前あの時の」

 

「ん?分かった?そうあの時の俺さ」

 

「何故……ここにいる」

 

「それは……暇だったから。それと面白いのが二人いてな」

 

「面白いの?」

 

「アーチャーとアーチャーのマスター、狩野真琴だ」

 

男はそう言うとアヴェンジャーの前まで歩いていく。

 

「まあこれからは俺がお前のマスターだ。よろしくなアヴェンジャー」

 

「その前に……お前は……なんなんだ」

 

「知ってるだろ?……でもまあ信じれないか。なら改めて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は『世界』だ。サーヴァントに例えたら…『セイヴァー』か」




フェイカー敗退?でもクリーザは消えました。もう出てこないよ!そして『世界』が乱入?

そして今回のありえないは……わかる人いるかな?

次回以降は最終決戦に向けていきます。でも次はキャラ設定です。

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