本を閉じ時刻を見る。丁度11時。奴が兵器を持ってくるのはそろそろだ。もうあれを食らうのはごめんだ。部屋を出て外を確認する。奴はいない。出かけるなら今のうちだ。外に出ればこっちのもの。あっという間にここを去ることができる。
「もう捕まるのはごめんだ」
自分のバイクに乗り込み城を目指す。しかし前方に敵を発見。既に兵器を所持している。逃げるにはトップスピードで逃げるしかない。
「逃げれると思っているのか?」
「はっ、誰だと思っている?」
敵は兵器を地面に置き、凶器を構える。もうあとには引けない。
「どうやら・・・・一度、寝る必要があるみたいだな」
寝たあとにはあの兵器を食らうのは明確だ。回避するには全力だ。戸惑う必要はない。自らの本能に従え!
「使いたくはないが・・・・天の鎖!!」
「そう来ると思っていたぞ英雄王!」
そう、ここに
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「ライダー・・・・まだーー?」
「もう少しだ。我慢しろ」
「道がハッキリしてるならバイクでもいいんじゃ」
アインツベルンのお城を目指して約20分。正直歩き疲れた。こんなに遠いとは。軽いとはいえパラディオンも邪魔になってきた。
「ん、見えてきたぞ桜」
眼前に見えたのは大きなお城。それこそ童話に出てきそうなお城だ。
「早速乗り込むか」
「ちょっと休もうよライダー。いざってときに動けなくなるよ?」
「・・・・確かに。俺はともかく桜は休むべきか」
やっと分かってくれたのか休憩タイムをとってくれるライダー。お弁当も作ってきた。お昼には丁度いいかな。
「はいライダーの分」
「む、すまんな桜。しかしこれほどの量を持ってくるとは」
「よく食べないと体動かないよ?」
「逆に動けなくなりそうだな」
そんなことはないと思う。栄養も考えてるし、なにより今全て食べるわけじゃないし。うん、問題ないね。
「まあ残すのも失礼か」
「残さず食べてね」
「ごちそうさま」「はやっ!?」
◇
お城の門の前まで来た。ライダーのことだから壊すのかとと思ったけどちゃんとノックしてる。
「・・・・・・・・返事はなしか」
でも返事がないからって門を壊さなくてもいいと思う。しかもライダーはお城に入った途端に銃でお城を撃ちまくる。
「何やってるのライダー!!あとで請求来ちゃうよ!?」
「ここは既にアサシンのフィールドだ。どんなトラップがあるか分からないからな。とりあえず壊した」
「とりあえず壊すのはやめようよ」
ライダーはズカズカとお城を散策する。私もあとに続いて散策する。
「・・・・・・・・」
「何処にもいないね」
「そうだな。アサシンのことだ。既にこの城を空けている可能性もあるな」
「ええ!?それじゃあここまで頑張った意味は!?」
「そう焦るな。とりあえず外に出るか」
ライダーと共に外へ出る。そこは中庭のような場所だった。そこでライダーが気づいたように呟いた。
「・・・・そうか、成る程な。城に入る前から俺たちは、アサシンのフィールドに足を踏み入れていたというわけか」
「そういうことだ」
何処からか声がする。男の声。ライダーの呟やきに反応してたから、もしかして、
「アサシン!?」
「後ろだ桜!!」
あと数秒後ろに振り向くのが遅れていたら確実に死んでいた。礼装の機能をフルに活用しアサシンを迎え撃つ。
「
「これは!?」
私の影から紫の影が飛び出し、地を削る。アサシンはそれをギリギリ交わすけど驚いているみたい。
「ど、どうですか!これがBBちゃんの力です!」
「ただの礼装ではないか」
「桜、あとは任せろ」
ライダーに促されて距離をとる。ライダーは前に宝具の一つを破壊されたらしい。となるとあと二つ。そしてライダーはその中でも最強を取り出す。
「
ライダーは銀色の仮面の戦士へと姿を変えた。まるで変身ヒーローみたいなその姿は頼もしい限りだ。
「それがお前の武器か?」
「ふざけた武器だろ?だが破壊力は気に入っている」
「その武器が足手まといにならないようにね」
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次の瞬間アサシンの姿が消える。宝具を発動したのだ。超高速で動くアサシンに対してライダーがとった行動は、
「迎え撃つ!!」
自身も超高速でアサシンを真っ向から迎え撃つというものだ。ライダーなら真っ向から挑むこともでき、更に相手の動きを遅くすることもできる。しかしライダーは真っ向から迎え撃つ。
「成る程ね。たいしたスピードだ」
「俺のこの速さは変身しているからこそだ。お前のように生身で動くことはできん」
「それでも凄いと思うけどね?」
ライダーの斧とアサシンのナイフがぶつかり合う。パワーならライダーの勝ちだろう。しかしアサシンはライダーの攻撃をナイフで反らしている。必要最低限のパワーでライダーの攻撃を交わしている。
(徐々にスピードが上がっている?これも本当の英雄の成せる技か。アップデートされていない俺では無理だな)
(徐々にパワーを上げている?少しずつだけど捌くのが難しくなってきた。このままだとナイフごと首が飛ぶね)
((仕方ない。本気を出すか))
それぞれ距離をとり、対人奥義の準備をする。ライダーは斧にバイク型のアイテムを装填する。一方アサシンはコンテンダーに最強の一発を装填する。英霊となったことで本当の『必殺技』となった互いの技。
「起源連弾!」
先に仕掛けたのはアサシン。放たれた弾丸から無数の弾丸が射出される。不規則な軌道を描きながらライダーを狙う。
対するライダーは待っていた。赤から青に変わるときを。そして『イッテイーヨ』の音と共に、最大級の一撃が放たれる。
「食らってみるか?・・・・ハアッ!!」
斧から放たれた斬撃は弾丸を全てかき消しアサシンへと一直線に進んでいく。アサシンはそれを上空へ回避するが、それも分かっていたのかライダーに地面に叩きつけられる。
「ぐっ!・・・・」
「ふん、その程度かアサシン?」
「どうだろうね」
(しかしおかしい。ここがアサシンのフィールドなら、少しはアサシンが有利でなくてはおかしい。桜にも異常はない。単なるはったりか?)
「考えるだけ無駄だ」
アサシンの謎の自信に不安を抱きながらも攻撃を続けるライダー。アサシンは同じように攻撃を反らし続ける。
「そこだっ!」
アサシンは懐から8本のダイナマイトをとりだし発射する。さしずめロケットダイナマイトと言ったところだろう。
「無駄だ!」
ライダーは銃で全て撃ち落とす。しかし煙幕でアサシンの姿が見えなくなる。ライダーは急いで桜の元に戻る。
「けほっ・・・・けほっ・・・・大丈夫ライダー?」
「ああ、しかしこうも姿が見えなくなるとは。室内じゃなくて助かった」
外のため風が煙幕を消してくれた。しかしアサシンの姿はなくなっていた。霊体化したか、それともマスターの元に戻ったか。ライダーは警戒をしたまま城の内部へと戻る。
「どうするのライダー?」
「・・・・帰るか?」
「どっちかと言うと賛成だけど、ライダーはいいの?」
「アサシンの姿が見えない以上お前の身の安全が優先だ。姿の見えない敵ほど厄介な奴はいないからな」
「じゃあ急いで出ないと。ここはアサシンのフィールドなんでしょ?」
「そうだな。急ごう」
ライダーは桜をお姫様抱っこで城を走る。しかしここはアサシンのフィールド。簡単に出られるはずもなく。
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「おのれ言峰・・・・くそっまだ口がヒリヒリする」
愚痴を言いながら歩くのは英雄王ギルガメッシュ。目指す先には大きな城が見える。殺るなら今しかないが。
(どうせ気づいているか)
しかし何故ギルガメッシュはあの城を目指すのだ?既にバカマスターが城に潜入しているが、奴が目的とは思えない。
「さて、我の勘が正しければもうすぐか」
城を眼前にしてギルガメッシュは空を見据える。雲一つない晴天だ。しかしサーヴァントの目には見える。晴天の中に光る金色の光を。
「さあ、裁きの時だぞ復讐者?」
「!?」
私の一瞬の気の緩みをとらえたのか、ギルガメッシュは宝具を飛ばしてくる。成る程な。奴のもくてきは私ということか。なら丁度いい。中のサーヴァントにもとばっちりを受けてもらおう。
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「ここがクリーザのアジト?」
「案外綺麗なのね」
「でもまぁ獣くせぇな」
「まあ化け物がいるのは間違いないようですよ?」
俺たちは今クリーザのアジトに潜入している。そして目の前には巨大な石像。いや訂正、動く巨大な石像だ。その名は『スプリガン』。面倒な敵が現れたな。
《ふん、邪魔な石像ね。焼き殺されたいの?》
《ジャンヌ殿、そうでなければ我々の前には現れないかと》
《殴りがいはありそうじゃん?》
《センスの欠片もないわねクリーザは》
《バラバラにしていいんだよね!!》
《・・・・た・・・お・・・す》
「さて、派手に殺っちゃう?」
「ふふっ、殴りがいがある」
「固そうだが、まあ刺さるだろ」
「皆ポジティブだねぇ。まあ殺るしかないんだろうけど。沖田さん、最強の剣豪の力、お借りします」
この時スプリガンは悟っただろう。『あ、詰んだわコレ』と。
BBちゃんはいつでも黒桜の力を使える。しかもノーリスク。これが通販でヨンキュッパで買えるのだからお買い得!
次回はチームアーチャー&ランサーVSスプリガン、そしてギルガメッシュ無双。