Fate/Arie night   作:無限の槍製

17 / 51
今回はバゼットランサーVSイリヤアサシン!


学園決戦 結

グラウンドに響き渡るマシンガンの音とそれを弾く金属音。かれこれ5分間ずっとこの状況だ。

 

「飽きないねぇあんたも。ずっとその調子で大丈夫か?」

 

「飽きる飽きないじゃなくて、これが僕のやり方だから」

 

「そうか?案外一直線に進みそうだけどなあんた」

 

「人をそうやって決めつけるのはよくないよ」

 

アサシンはマシンガンからナイフに装備を変えるとランサーに一直線に進んでいく。まるでさっきのランサーの言葉通りに。

交わる槍とナイフ。接近戦はランサーが有利と思われるが、

 

「(こいつ・・・・どういう原理だ?俺の槍捌きについてくるとは)うおらぁ!!」

 

「(流石クランの猛犬。イリヤが警戒するだけはある。でもあのときもランサー(・・・・)の敵ではなかった。ならば)そこだ」

 

「!?テメェ」

 

ランサーの一瞬、いやそんな隙は存在しなかったはずだ。しかしアサシンはランサーの槍を掴んだ。それもまるで分かっていたように。

 

「君はいつも槍の扱いが大雑把すぎる。だから簡単に止められる」

 

「おいおいスカサハの師匠にも言われたぜそんなこと。確か初めの頃だったか?」

 

「つまり、進歩してないと」

 

「んなことねぇよ!!」

 

ランサーは槍を手放しアサシンに炎のパンチを叩き込む。ルーンの一種アンサズ。その力で拳に炎をまとわせて叩き込んだのだ。

 

「まあ師匠からはルーンも教わったしな。キャスターで召喚されてたら・・・・まあ槍がねえとあれか」

 

「何だかんだでキャスターのときも槍を持って来そうだけどね君は」

 

「できりゃあいいんだけど、な!!」

 

槍を持っていないランサーは徒手空拳でアサシンを攻撃する。がアサシンもそれなりに格闘の心得はある。ランサーの攻撃を紙一重で交わしていくアサシン。

 

「とっとと返せ!」

 

「・・・・仕方ない。返してやる」

 

アサシンは、

 

「ついてこれたらね」

 

宝具を発動した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「手加減はできませんね」

 

バゼットはそう言いながら天使の詩(エンゲルリート)を破壊する。今度は破壊されないように念入りに魔力を込めたのに。

 

「もう終わりですかイリヤスフィール」

 

「そんなわけないじゃない!」

 

今度はセラにあまり使うなって言われたアレをやる。バゼットだろうがこれを食らえば消し炭になるわ。

 

多元重奏飽和砲撃(クヴィンテット・フォイア)!!!」

 

空中に描いた魔方陣から魔力の塊を放つ。体が少し痛む。でも負けられない。

 

「ふぅ・・・・せいやぁ!!!」

 

でもバゼットはそれを打ち砕いた。硬化のルーンを刻んだ手袋をはめているだけなのに。文字どおり砕いてしまったのだ。

 

「・・・・もういやぁ・・・・」

 

「今のは凄いですね。私も焦りました」

 

絶対嘘だよぉ・・・簡単に打ち砕いたじゃん。本当に人間バーサーカーだよ。もし英霊になってたら絶対引き当てたのに。絶対バーサーカーのクラスだろうけど。

 

「さて、私は子供だろうが手加減は・・・・いえ、やっぱり少しは手加減しましょう。さっきのは使い魔みたいなものですから手加減はできませんでしたが」

 

「子供相手に本気で玩具を壊してるものよ貴女!!」

 

「何事も全力で。これがモットーです」

 

それが悪い方向に進んでいった結果がこれか・・・

 

「安心しなさい。骨は少し折れると思いますが、ルーンで何とかします」

 

「そんなのやだよぉ・・・・」

 

靴に刻まれた硬化のルーンも発動して『本気バゼット』が誕生した。ああ、私もリズぐらい腕力があれば・・・・いやまだよ。私には切り札がある。

 

「鬼が出るか蛇が出るか。いでよ異世界の私!」

 

「!?いったい何を・・・・」

 

夢幻召喚(インストール)!!」

 

その瞬間私は光に包まれる。その身にまとうのは、

 

「魔法少女!プリズマ☆イリヤ!!」

 

そう、あったかもしれない世界線の私。あり得た可能性の一つ。今回は魔法少女か・・・・前はロリブルマなんて変なものが出てきたけど・・・・

 

「なんですかその魔術は」

 

「アインツベルンに伝わる伝説の秘技よ。アインツベルンの人間は皆出来る・・・・筈よ。お母様はやってなかったけど、お爺様は前に魔法少女になってたわ」

 

「お爺さんが・・・・魔法少女・・・・気持ち悪い」

 

「ええ、でもあれは凶悪な宝具よ。対腹筋宝具ね」

 

あの時のお爺様の顔は忘れられない。とんでもなく顔を赤くしていたから。

 

「まあいいでしょう。さあ続きです」

 

「いいわ。今一使い方が分からないけど。来るなら本気で来なさい!!」

 

この時言ってはいけないことを言ってしまった。

 

「本気で?・・・・いいんですか?」

 

「いいわよ。かかってきなさ・・・い?」

 

バゼットが消えた。次の瞬きの後バゼットが現れた。更に次の瞬きの後、私は飛んでいた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ちっ!このやろ!!」

 

ランサーは槍を取り戻した。しかしアサシンの宝具で追い詰められていた。ランサーでもアサシンの宝具のスピードにはついていけなかったのだ。

 

(こいつは面倒だな。ルーンで一帯を焼き払うか?それともゲイ・ボルクで仕留めるか?)

 

しかしゲイ・ボルクとて万能ではない。突き刺す相手を捉えていないとその宝具は真価を発揮できない。もしその必要もなかったら・・・・聖杯戦争は彼の取り合いだろう。

 

「こっちだ」

 

「・・・・・・・・なるほど」

 

ランサーは目を閉じる。そして思い出す。あの時の師匠との特訓を・・・・

 

 

『馬鹿者。目で見てはダメだ。心の目で、心眼でみるのだ!』

 

『心眼だと?』

 

『そうだ。ぶっちゃけ心眼のほうが見やすいだろ?』

 

『いやそんなことねぇけど』

 

『まあ心眼を鍛えることで心身ともに更に成長するだろう。というわけで心眼を鍛えるぞ。まずはゲイ・ボルク一万本を交わしてみろ!はい!!』

 

『うわ、無理だろこんなああああああああああああああ!!!』

 

 

あの地獄に近い特訓を耐え抜いたランサーにはこの程度は余裕綽々と言うもの。なら何故最初からしなかったのか。それは・・・・忘れていたからである。

 

「・・・・・・!」

 

アサシンがランサーの頸動脈を確実に狙う。しかしランサーはそれをなんなくと交わした。勿論目を閉じた状態で。

 

「ふーん。やっぱり狙うとこはいつも同じわけだ」

 

「どういう意味だ」

 

「べーつにー。ただテメェの癖は理解したってとこだ。まあ良くも悪くも暗殺者だな」

 

アサシンはランサーから距離をとる。しかしうまく距離がとれない。まるで自分の体が固まったように。

 

「まさか・・・・氷のルーン」

 

「わかってんじゃねぇか。ならこのあとも分かるよな?」

 

ランサーは朱槍をアサシンに差し向ける。魔力を集中させ狙いを定める。アサシンに交わす手段はない。

 

「その心臓、貰いうけどわっ!?」

 

「?今のは・・・・ランサーのマスターか?」

 

ランサーが宝具を解放しようとしたところにバゼットが飛んできてランサーを吹き飛ばした。

 

「自分から飛んできたはずもないが・・・・」

 

「大丈夫アサシン」

 

「ああ、イリヤかってえ?どうしたんだいその格好は」

 

「いやーそのー・・・・アハハ、ハァ」

 

どうやらイリヤがバゼットを吹き飛ばしたようだ。経緯は分からないがとりあえずランサーを仕留めようとするが、

 

「・・・・逃げられたか」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「たく。まさかお前が飛んでくるとはな。でもまあお前を吹き飛ばすとは、やるなあの嬢ちゃん」

 

「・・・・ん、あれ?私は・・・・」

 

「よお、起きたか。今度はこっぴどくやられたな」

 

「むう・・・・ならばリベンジです!勝つまでやりますよランサー!」

 

「ハハッ。お前はそうでなくちゃいけねえ!」

 

 

「大丈夫かいイリヤ」

 

「うん、まだクラクラする」

 

「少し寝たらどうだい?結界がなくなってるからそろそろ警察やらが来るだろう。どのみち今日はここまでだよ」

 

「そうね。出来ればランサーたちとは戦いたくないわ」

 

「同感だけど・・・・じゃあ当面の敵は」

 

「いつも通り、アヴェンジャーのところよ。いつまた攻めて来るか分からないんだから」

 

 

「救急車来たみたい」

 

「ああ。よし俺達も帰るか」

 

「分かったわ」

 

「・・・・・・・・なあアーチャー」

 

「どうしたのマスター」

 

「俺は聖杯戦争を止めるって言ったよな」

 

「ええ、それがマスターの願いでしょ?」

 

「ああ。でもあのクリーザだけは、聖杯戦争を止めてもまた新しい厄介事を持ってきそうなんだ。だからクリーザだけは倒さなきゃいけない。そんな気がする」

 

「確かにね。あのマスターからは血の臭いしかしなかったし。OKマスター。貴方のオーダーに従うわ」

 

「ありがとうアーチャー。よし帰るか!」

 

 

「恥ずかしかった・・・・」

 

「・・・・因みにBBの意味は?」

 

「え?ブラック・・・・ブロッサム・・・・」

 

「黒桜か・・・・」

 

「うん・・・・」

 

「多分一生気づかないんじゃないか?」

 

「うん・・・・」

 

「これからどうするつもりだ?」

 

「そうだね・・・・えーと、アサシン陣営、とか?」

 

「アサシンか・・・・分かった。次はそこを狙おう。因みに言っておくが、アサシン陣営は優勝候補だぞ」

 

「・・・・・・・・先に言ってよ・・・・」

 

 

「お手柄ねアーチャー」

 

「ほとんどは君がやっただろ。私は少し手伝っただけだ」

 

「いいえ、貴方が手伝ってくれたおかげなんだから。お手柄なのよ」

 

「そういうものか?」

 

「そうなの。ところで目下のところなんだけど」

 

「どこか狙うのか?」

 

「まずはライダー陣営ね。貴方も一度に戦ってるし。セイバーの話だとライダーの宝具は一つ減ったみたいよ。それにマスターもなんか気になるし」

 

「了解だマスター。当面はライダー陣営と」

 

 

「こっぴどくやられたなアヴェンジャー」

 

「ふん。お前だって一つストックが逝ったみたいじゃないか」

 

「ああ、その件だがな。実はもう一個減ってんだよ」

 

「なに?」

 

「多分あの小僧が最初にした・・・・宝具か?あれが効いたみたいでな」

 

「つまりあと4つか」

 

「まああの小僧を仕留めれば、おまけもついてきそうだしな。だがまあ、まずはアサシン陣営だ。アレを手に入れてからアーチャー陣営を狙う」

 

「お前も執着しているな」

 

「お前程じゃないさ」

 

 

「シロウ、お話が」

 

「どうしたセイバー?」

 

「はい。当面の間シロウは学校がないと思います」

 

「まあ確かに、あんなに暴れたら学校だって休校になるさ」

 

「それとシロウはBBちゃんに顔がバレています。それにあのしゃべり方だと、恐らくシロウの友人かと」

 

「俺の友達にあんなのはいないけど」

 

「ですのでここに攻めいってくる可能性もあります。シロウも警戒を」

 

「ああ、分かってるよセイバー」

 

「でしたらいいのですが。それともう一つ」

 

「なんだ?まだあるのか?」

 

「・・・・・・・・8騎目のサーヴァントが現れました」




真琴アーチャー→クリーザを倒す
士郎セイバー→ライダー陣営を警戒
凛アーチャー→打倒ライダー陣営
バゼットランサー→アサシン陣営にリベンジ
イリヤアサシン→アヴェンジャー陣営を警戒
桜ライダー→アサシン陣営を攻めることに
クリーザアヴェンジャー→まずはアサシン陣営、その次に真琴アーチャー陣営を狙う

それぞれの目標が決まりました。しかし次回は休憩!とある喫茶店のお話に

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。