戦いはいつだって突然だ。
誰かが寝ていようが、
「・・・・zzz」
《いつまで寝てるのよこいつは・・・・》
(ずっと寝てるわねマスター)
誰かが特訓していても、
「
普通に授業を受けていても、
(さて、目下のところ一番の難所はアインツベルンか・・・・どうするアーチャー?)
(攻めるところは君が決めたまえ。前線で戦うのは私とセイバーなのだから)
(ライダー、今日の弁当何がいい?)
(いや弁当より前の魚が・・・・)
(何・が・い・い?)
(・・・・・・・・唐揚げ弁当)
屋上で素振りをしていても、
「おや、今日の学食はカレーですか」
戦いは突然始まる。
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「!?」
異変に気づいたのは寝ている途中に頭痛がしたとき。ふと目が覚めると辺りは、いや学校は異空間てきな何かに包まれていた。
「って、皆倒れてる!?」
「マスター!恐らくこの結界よ。この学校を覆っている結界が、人間の生命力を吸いとってる!」
「なんともご都合展開だな!」
辺りを見渡すと衛宮がいない。あいつのことだ、事の元凶を叩きにいったのだろう。なら俺は特にあせる必要もないのだが、
「!・・・・マスター、廊下にサーヴァントよ。それと・・・・変なのが一体」
「一体?そのサーヴァントのマスターじゃないのか?」
「多分マスターなんでしょうけど・・・・聖杯からの受け売りじゃよく分からないわ」
廊下に出て確認すべきなんだろうけど・・・・まず、人間は一体とは滅多に言わない。一人が普通だ。『一体』の時点で人間じゃない可能性が・・・・それともうひとつ。滅茶苦茶殺気を感じます!多分十人が十人振り替えるレベル。
「アーチャー、廊下に出たら一気に狙撃しろ」
「あいあいさー。あ、メイド服から変えますね」
そう言うとアーチャーの服がメイド服から戦闘服になる。でも最初の頃と少し違い、白いのにはかわりないが。
「・・・・スカート・・・・か」
「ええ、スカートよ」
スカートだった。しかも少し長め。どうせならミニスカートがよかった・・・・あと長袖になってた。
《注意してください。これ、かなりヤバイ人の殺気ですよ》
《今回は手を貸してあげる。死なないでよ》
菊一文字とジャンヌソード(仮)を装備し警戒する。敵がいきなり教室に入ってくる可能性もあるからだ。
(いっせーので、ドン!でいくぞ)
(了解マスター)
(いっせーn「ドーン!!」
「いや早いよアーチャー!!」
勢いよく廊下に飛び出て狙撃するアーチャー。俺も急いで出ていくが既に煙幕で覆われていた。
「いたのか?」
「ええ、黒いフードの銀髪少女が」
黒いフードの銀髪少女?なんか暗殺者みたいだな・・・ん?それってアサシン?いやアサシンは赤いフードの男だ。となると・・・・
「サーヴァントに違いないのか?」
「ええ・・・・・・・・多分」
「おい!マスター、いや普通の人間だったら死んでるだろ!!」
「・・・・いいや、私のマスターは簡単には死なない」
「「!!」」
煙幕の中から現れたのは黒いフードの少女と、背の高い男。何か異様なものを感じるその男が口を開いた。
「おう、テメェらがアーチャー陣営か。俺の名はクリーザ。このアヴェンジャーのマスターだ」
「「アヴェンジャー!?」」
男の名を『クリーザ』。何処かの宇宙にいそうな名前だが・・・・アヴェンジャーのサーヴァント?
ランサーの話と合わせると、セイバー、アーチャー×3、ランサー、ライダー、アサシンの筈だ。このアヴェンジャーを足すと8人。一人定員オーバーだ。
「まあ聖杯戦争だからな・・・・死んでくれ」
「来るぞ!」
「ええ、ドンと来なさい」
「・・・・・・・・覚悟しろ」
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「セイバー!」
屋上に待機していたセイバーはライダーと対峙していた。セイバーはライダーに剣を向け、ライダーはセイバーに銃口を向けている。
「シロウ、下がっていてください」
「あ、ああ。大丈夫かセイバー?」
「問題ありません」
ライダーのマスターは姿が見えない。ここにいるのは俺とセイバー、ライダーだけか。それにしてもこの異様な気配。
「どう考えても・・・・アレだよな」
「でしょうね。私の宝具ならアレごと吹き飛ばせますが」
学校の上。そこには巨大な目玉がこっちを見ている。その目玉を中心に結界が展開されているのだからどう考えてもアレが原因だ。
「恐らくこの結界を起動させるための『何か』が学校中にあると思います。まずはリンと合流してこの結界を止めてください」
「分かった。セイバーも無理するなよ」
遠坂と合流するために屋上を出ようとする。
「おおっと!逃がしませんよ先輩!!とおっ!!」
「何奴!」「誰だ!?」
その影は屋上のフェンスをよじ登りながら現れた。服装から見て女性なのは分かる。でも顔は紙袋を被っていてわからない。
「はいはいどうも!ずっとスタンバってました!ライダーのマスターのま・・・・BBちゃんです!このBBはどんな意味で捉えても構いませんよ」
「「「・・・・・・・・」」」
「あ、あれ?ちょっとライダー。もしかしてバレちゃった?」
「何故そんな格好なんだ・・・・」
「シロウ気を付けて。あのBBちゃん、ただならぬ気配を感じます」
「ああわかってる。BBちゃん、何者なんだ!?」
「何故バレない・・・・」
ともあれライダーのマスターが出てきたからには俺も残って戦うしかない。投影もかなり練習して感覚も戻ってきた。
「さあ覚悟してくださいねセ・ン・パ・イ♪」
「
「負けない。いくぞセイバー!」
「はいシロウ。ここからは我々のステージです!」
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「どうやらギリギリ学校に潜入出来ましたね」
「その瞬間に結界が発動したのは・・・・何て言うかアレだな」
「なんですかアレって?」
「いいや、お前の名誉のために黙って・・・・どうやら奴さんはヤル気満々らしいぜ」
学校に潜入したバゼットとランサーの目の前に現れたのはイリヤとアサシン。待ち構えるように仁王立ちしている。
「待ってたわバゼット。案外遅かったのね」
「それはどうもイリヤスフィール。遅かったのはランサーがさっさとホットドッグを食べないからです」
「あの瞬間テメェを殺そうと思ったぜ」
「ホットドッグには犬は入ってませんよ」
「それでもゲッシュに少し引っ掛かるんだよ!」
まるで漫才だ。そうイリヤは思った。しかしこんなコンビだからこそ強いのかもしれないとも思った。
「行くわよアサシン。ここはもう貴方のフィールドよ」
「分かったよマスター。僕の殺り方で片付けよう」
「来ますよランサー。アサシンは任せます」
「おう。お前はマスターの方か・・・・心痛まねぇの?」
「そういう感情は今は捨てます。今の私は誰だろうと殴ります」
人間バーサーカーと化したバゼット。
そんなバゼットに引きながらもきっちり自分の仕事をこなそうとするランサー。
同じくバゼットに引きながら「うわぁ。今からこんなのと戦うの~?」と顔をひきつらせるイリヤ。
そんなイリヤの心情を心配しながらも目の前の
今、学校のグラウンドが戦場と化す。
◇
「もうなんなのよこれ!」
「ほれ、そこにもあるぞ」
「分かってる!」
凛はアーチャーと共にこの結界を起動させている原因を排除している。しかしそれも簡単にはいかなかった。
「くそっ!アーチャー、ちょっと手伝って!」
「了解した。少し離れたまえ」
サーヴァントの力を借りなければ解除できないほどソレは強固なものだった。恐らく凛一人では無理だろう。三日ぐらい前ならば分からないが。
「上は戦ってるのね」
「この気配・・・・アーチャーとアヴェンジャーか」
「わかるの?」
「勘だよ。さ、早く済ませよう」
そのアーチャーとアヴェンジャーの戦いがあそこまで熾烈を極めるとは、アーチャーは思ってもいなかった。
次回はアーチャーVSアヴェンジャー、真琴VSクリーザ!