「ん?」
時刻はじき午前10時。遅くはなったが郵便物の確認、ポストを開けてみた。中には新聞紙と見慣れない真っ白な封筒が1枚。
「真っ白。綺麗な封筒ね」
純白のソレはいかにも怪しい雰囲気を帯びていた。それ故に、中身が気になって仕方ない。
「そうだ。誰からかな。ん?」
送り主の名前は無記入。しかし、宛先はちゃんと書いてあった。
「ブラハム・レコッツ様・・・・」
と―――――――
◇
the 1st day/ 2・・・
「え?僕宛てに手紙?」
やはり覚えは無いようだ。送り主が誰だかわからないのだ、そりゃなんの手紙か見当すらつくまい。
「中身は何だったの?」
「いや、あなた宛だったから中身は確認していないわ」
「そう。―――じゃあ、開けてみるよ?」
どうぞ、と言うと、彼は封筒の
「えっと・・・どれどれ、―――ブラハム・レコッツ様。お誕生日おめでとうございます。ご健康と、幸多き1年になりますよう、お祈り申し上げます。」
「なんか、普通ね」
思っていたような特別感は無い。ただの、お誕生日のお祝いの手紙なので、―――え?
「あんた今日誕生日なの!?」
「うん?まぁ、違うけど。本当は明日。」
明日、と言うことは8月1日か。うん。覚えやすくてたいへんよろしい。
「それで、手紙はもう終わり?」
「待って。まだ続きが、―――この度はつまらないものですが、ホテルでのお食事を御用意させて頂いております。何卒、是非足を運ばれるようよろしくお願い致します。」
だってさ、と今度はこっちに手紙を渡してきた。実に興味なさげに。
「行かないの?」
「うん。興味ないしね。それに、送り主がわからない手紙なんて信用出来ないだろ?」
確かに。その意見には一理ある。送り主が誰だかわからない以上、簡単に信用してはいけないと思う。
「それに、疑わしい事はまだある。宛先、住所はカオの家なのに、宛先は僕の名義だ。この送り主は僕がここに居候している事を知っている。カオ、誰かに僕の事を言ったりしてないよね?」
していない。言えるわけがない。思春期の女の子のが男性と2人で暮らすなんて。そんな事、誰に言えようか。
「言ってないわ」
「だとしたら―――いや、アレは死んだ。ニュースにもなってるから事実だ。すると奇妙だ。この手紙はやはり怪しい」
私達は結果として、その手紙は怪しいと判断した。だってあからさまにおかしい。こんなの作ったりこんなのに引っかかる人なんて小学生くらいだろう。そう思い、やはり手紙の提案には乗らない事にしたのであった。
―――それでも、運命は何一つ変わらない。私達は、この夜を