東條創 LP4000 手札５枚
場 ノヴァマスター
魔法・罠 なし
セット １枚
藤原雪乃 LP3900 手札４枚
場 セットモンスター１体
魔法・罠 なし
セット なし
「私のターンね。ドロー……。私は魔法カード、エネミーコントローラーを発動」
「おいまさか！」
「そのまさかよ。コマンド入力、←→ＡＢ!! 私はセットしていた魂を削る死霊を生贄に捧げて、ノヴァマスターのコントロールを奪う！」
《エネミーコントローラー》
速攻魔法
(1)：以下の効果から１つを選択して発動できる。
●相手フィールドの表側表示モンスター１体を対象として発動できる。
その相手の表側表示モンスターの表示形式を変更する。
●自分フィールドのモンスター１体をリリースし、相手フィールドの表側表示モンスター１体を対象として発動できる。
その表側表示モンスターのコントロールをエンドフェイズまで得る。
「俺のモンスターを奪ったってことは、あのカードを使う気満々ってわけだよな」
「あら、バレてしまっているみたいね。魔法カード、モンスターゲートはモンスターを生贄に捧げることで発動できるの。私はボウヤから奪ったノヴァマスターを生贄にささげるわ」
《モンスターゲート》
通常魔法
(1)：自分フィールドのモンスター１体をリリースして発動できる。
通常召喚可能なモンスターが出るまで自分のデッキの上からカードをめくり、そのモンスターを特殊召喚する。
残りのめくったカードは全て墓地へ送る。
俺の融合ＨＥＲＯを除去し、なおかつ自分は大型モンスターを出すとはな。
一応、防御カードは伏せている。あのモンスター以外なら何とかなるか？ いやまて、こうやって考えること自体がフラグなんじゃ……。
「いくわよ。一枚目……あら、もう出ちゃったの？ 私は人造人間‐サイコ・ショッカーを特殊召喚するわ。これでボウヤは、罠を封じられた」
「ファッ!?」
《人造人間‐サイコ・ショッカー》
効果モンスター
星６/闇属性/機械族/攻2400/守1500
(1)：このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いにフィールドの罠カードの効果を発動できず、フィールドの罠カードの効果は無効化される。
おいおい、なんでまたよりにもよってサイコ・ショッカーなんだよ！
心の中で《次元幽閉》を伏せたから安心だ、サイコ・ショッカーとか以外なら大丈夫だ、とか思っちゃったのが原因なのか？ やっぱ説明は失敗フラグなの？ この世界でもそれは健在なの？
とにかく俺のフィールドはガラ空き。
これでは当然――
「バトルよ。サイコ・ショッカーでボウヤにダイレクトアタック」
目からのビームが俺の胸を貫く。
本当に、ソリッドビジョンシステムハンパねぇっすわ。そのモンスターのリアルさといい、デュエルディスクから伝わるピリピリとした振動といい、直接攻撃を受けるときは本当におっかない。
東條創：ＬＰ４０００→１６００
「私はこれでターン終了よ」
まずいまずいまずい、マズイぞぉ……!!
ライフ４０００で攻撃力２４００のダイレクトアタックは半分以上のダメージ。
あと一発直接攻撃を受けたら負ける。１６００という数値は、下級モンスターでも持っている攻撃力だからな。
罠を封じられている今、俺が出来ることはモンスターと魔法カードでの攻防のみ。
なんとしてもサイコ・ショッカーを退かさないと俺に勝機はない。
「俺のターン。ドロー!!」
引いたカードは……っ!?
とりあえず、俺はコイツにかけるしかない。
「俺はモンスターをセットして、終わりだ」
東條創 LP１６００ 手札５枚
場 セットモンスター１体
魔法・罠 なし
セット １枚
藤原雪乃 LP３９００ 手札４枚
場 人造人間‐サイコ・ショッカー
魔法・罠 なし
セット なし
「あら、手札は６枚もあったのに、やれることはそれだけ？」
しょうがねぇだろう。肝心の融合を可能にするカードを引き入れることが出来てないんだからさ。《フュージョン・ゲート》も《ミラクル・フュージョン》も、なんでこんな大事な場面で引けてないんだよ！
あぁ、そうだよ。大事故ですよ馬鹿野郎!!
ノヴァマスターがあんな簡単に処理されるとはなぁ……そこからのサイコ・ショッカーで罠封じとか鬼かお前さんは。
「私の番ね、ドロー。ふふ、良いカードを引いたわ。天使の施しを発動よ。この効果で３枚ドローして、そのあと２枚手札から捨てる」
「ここに来て強力な手札交換カード!?」
「でも、手札を交換すること自体が目的ではないわ」
「つまり、手札のとあるカードを墓地に捨てることが目的ってわけか」
「その通り。私は手札から黄泉ガエルとエッジインプ・シザーを捨てる」
使い勝手の良い生贄用のモンスターたちか。
墓地にあって効果が発揮するカードを手札に抱えてしまっていたが、これで墓地に送ることが出来たってわけか。
「私は手札を１枚デッキの上に戻して墓地のエッジインプ・シザーを守備表示で特殊召喚」
ハサミが何個も連なった化け物が現れた。
手札を消費するものの、生け贄要員として申し分ない性能を持っている。
「そして、エッジインプ・シザーを生贄に、モンスターゲートを発動する」
「二枚目ぇ!?」
「ごめんなさいねボウヤ。一枚目……あら、これは強いモンスターを引いたわね。混沌の黒魔術師よ」
何が強いモンスターを引いただよ白々しい。それはさっき自分で積み込んだカードだろうが。
「マジかよ。あんたそんなカードまでデッキに入っているのか」
《混沌の黒魔術師》
効果モンスター
星８/闇属性/魔法使い族/攻2800/守2600
「混沌の黒魔術師」の(1)の効果は１ターンに１度しか使用できない。
(1)：このカードが召喚・特殊召喚に成功したターンのエンドフェイズに、自分の墓地の魔法カード１枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に加える。
(2)：このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動する。
その相手モンスターを除外する。
(3)：表側表示のこのカードはフィールドから離れた場合に除外される。
「これで私の勝ちね。悪く思わないでね、ボウヤ」
「クッソ……」
「サイコ・ショッカーで、まずは伏せモンスターに攻撃！」
ふ……かかったな！
「残念。リバースモンスターはこれだ!!」
裏側のカードが表になり、現れたのは……剣を持ったペンギンだった。
『クェ！ クェェェ!!』
あぁ～ペンギン・ソルジャーがクソかわいいんじゃぁ～。
「ボウヤこそ……そんなカードをデッキに入れてるのね」
「何か文句あんのかよ。現に今、ペンソルのおかげで助かっただろ」
「そ、そうね」
なんで藤原の奴は引いてるんだ……？
そんなにペンソルがダメなのか？ なんでや、ペンギン可愛いやろ！
「さて、ペンギン・ソルジャーの効果！ それは、リバースしたときにフィールドのモンスターを二体まで手札に戻すことが出来る。戻すモンスターはもちろん、人造人間‐サイコ・ショッカーと混沌の黒魔術師！」
【推理ゲート】のデッキは魔法カードの効果により大型モンスターを生贄なしで召喚するデッキだ。だからバウンスにはめっぽう弱い。このデッキに入っている《ペンギン・ソルジャー》や《強制脱出装置》は藤原のデッキにとってキラーカードとなりうる。
ただ、《黄泉ガエル》といった生贄要因が存在しているため、手札に戻ったモンスターがもう出せなくなるわけじゃないから、そこは注意しなくちゃいけない。
とにかく、これで窮地は脱した！
「くっ……混沌の黒魔術師は、その効果によりフィールドから離れたときに除外されてしまう……！」
混沌の黒魔術師を除外しただけでなく、ターン終了時に魔法を回収する効果の発動も防げた。よくやったぜ、ペンギン・ソルジャー！
「なら、私はリバースカードをセットしてターンを終えるわ」
そして、俺のターンが訪れる。
どうにかして融合ＨＥＲＯを出すカードを引かなくちゃ、藤原が出してくる大型モンスターに対応できない。
「俺のターン、ドロー!!」
引いたカードは……来た、《強欲な壺》だ!!
これで何とかなるかもしれない。
「強欲な壺で、俺は２ドロー！」
引いたカードは……《ミラクル・フュージョン》と《マスク・チェンジ》だと!?
中々手札に来ないと思ったら固まって出てきやがった。
ちなみに《マスク・チェンジ》はサブウェポンとして入れてみたが、やっぱり攻め手が増えればこういう状況のときに対応できる確率が上がる。万丈目とのデュエルでＭ・ＨＥＲＯを採用した方がいいのかな、って思ったものの、何を抜いて枠を作れば良いのかずいぶんと悩んだものだよ。
とにかく、これで窮地は脱した！
「まずはエアーマンを召喚！ 俺はＨＥＲＯをサーチする効果を選択し、プリズマーを手札に加える」
「問題ないわ、続けて」
「そして俺はミラクル・フュージョンを発動！」
「その瞬間――」
「ゑ？」
「トラップカード、リビングデッドの呼び声を発動するわ。蘇生するモンスターはもちろん、カオスハンターよ」
「てことは、つまり？」
「ミラクル・フュージョンは墓地のＨＥＲＯを除外して融合するマジックカード。カオスハンターの効果によって除外できなくなったことで、不発に終わるわね」
やっぱり《カオスハンター》がウザすぎるぞオイ!!
リビングデッド警戒せずに《ミラクル・フュージョン》撃っちまうとか、とんだプレミじゃねぇか。《マスク・チェンジ》を先に使っておけば、また違った展開になったかもしれないのによ！
やっちまったものは仕方が無い。
気を取り直していくぜ。
「なら、俺はマスク・チェンジを発動！」
《マスク・チェンジ》
速攻魔法
(1)：自分フィールドの「ＨＥＲＯ」モンスター１体を対象として発動できる。
そのモンスターを墓地へ送り、そのモンスターと同じ属性の「Ｍ・ＨＥＲＯ」モンスター１体をエクストラデッキから特殊召喚する。
「エアーマンを、同じ属性の
「変身？」
「そう。
「そんなＨＥＲＯも使うのね、ボウヤ」
「色んな状況に対応するために、使えるものは使う。それはデュエリストとして当たり前だろ？ そしてそれを如何にしてデッキに組み込み、バランスを取るのかはデッキの持ち主の技量が物を言う」
「そうね、その通りだわ」
「エアーマンの属性は風。つまり現れるのは風のＭ・ＨＥＲＯ!! 現れろ、変身召喚！ Ｍ・ＨＥＲＯ カミカゼ!!」
《Ｍ・ＨＥＲＯ カミカゼ》
融合・効果モンスター
星８/風属性/戦士族/攻2700/守1900
このカードは「マスク・チェンジ」の効果でのみ特殊召喚できる。
(1)：このカードは戦闘では破壊されない。
(2)：このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手はバトルフェイズにモンスター１体でしか攻撃できない。
(3)：このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。
自分はデッキから１枚ドローする。
「攻撃力は２７００！ カオスハンターを上回ってるぜ」
「またもこう簡単にカオスハンターを」
「そいつだけは残しておけないからな。どうにかして破壊するしかない。いくぞ、カミカゼ！ ホーリー・ワールウィンド!!」
カミカゼによる風の刃によってカオスハンターはバラバラに切り刻まれ、戦闘破壊される。そして、カミカゼもノヴァマスターと同じようにドロー効果を持っている。
ま、カミカゼの場合は戦闘破壊したモンスターが墓地に行かないとドローできないけど、今は関係ない。
「カオスハンター撃破！」
藤原雪乃：ＬＰ３９００→３７００
「そしてカミカゼの効果で１枚ドロー」
引いたカードは《和睦の使者》……防御カードか。
次のターン、何のモンスターが出てくるか分からない【推理ゲート】の特性上、相手の手を予測して対策ってのは難しい。だから、ここは何も考えず伏せるのが吉だ。
「俺はリバースカードをセット。ターン終了だ」
東條創 LP１６００ 手札５枚
場 Ｍ・ＨＥＲＯ カミカゼ
魔法・罠 なし
セット 和睦の使者
藤原雪乃 LP３７００ 手札２枚
場 なし
魔法・罠 なし
セット なし