一次創作に行き詰っているので帰ってきました。
気が付けばARC-Vが終わってました。
新シリーズのヴレインズは5月10日から放送スタートだ!
3
危なかったぜ……。遅延証明書を取ってなかったら試験を受けられないとこだった。
あの駅員さんには感謝しないとな。
さてこのデュエル、俺の未来がかかっているんだ。絶対に負けられないぜ!!
と思っていたんだけどさ……何で俺の対戦相手が――。
「ワタシはクロノス・デ・メディチ。学園では実技担当最高責任者をやってルーノデス」
なんかめっちゃ強そうな先生が出てきちゃったんだけど。
ま、でも関係ないさ。結局は最高に楽しいデュエルを出来ればそれで良いんだ。
さぁ頼むぜ俺の最高の仲間たち。楽しいデュエルにしようぜ!
「光栄だなぁ、実技の責任者が対戦してくれるだなんて。もしかして、俺ってそれだけ期待されてるって事かな?」
「呆れてものも言えまセーン」
「ま、冗談はコレくらいにしておいて、早速試験を始めましょうよ先生」
「生意気な受験生ナノーネ。でも確かに無駄話をここまでにしておいて試験を始めルーノデス」
「行くぜ先生――」
『デュエル!!』
クロノス:LP4000
十代:LP4000
「先攻は俺からだな。ドロー!」
お、この手札はHEROデッキとして理想的だぜ。
まずはお決まりのこのモンスターからだ!
「E・HERO エアーマンを召喚! その効果により、デッキからE・HERO プリズマーを手札に加えるぜ。そしてカードを一枚伏せて、ターン終了」
さぁ、先生はどんなデッキで来るんだ? ワクワクしてきたぜ!
「HEROデッキねぇ、さしずめどこカ~ノ、スモールタウン~ノ、ヒーローダタ~ノでしょうネ~。世界の広さを私が教えてあげる~のデス。まずはフィールド魔法、
俺の周りが歯車の鋼鉄の街に変わる。
《ギア・タウン》……あれは“アンティーク・ギア”のモンスターを召喚する際、生贄を一体少なくすることが出来るフィールド魔法。
だけど、真の能力は破壊されたときに発動する!
「そして
通常魔法
「古代の機械射出機」の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分フィールドにモンスターが存在しない場合、自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊し、デッキから「アンティーク・ギア」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊し、自分フィールドに「古代の歯車トークン」(機械族・地・星1・攻/守0)1体を特殊召喚する。
やっぱり来たか、《ギア・タウン》を破壊するカードが。
てか、これはヤバイ。
先生にモンスター展開からの大型モンスターの召喚を許しちまう。
「アンティーク・ギアカタパルトの効果で、ギア・タウンを破壊するノーネ。そしてデッキから、
効果モンスター
星4/地属性/機械族/攻1700/守1200
「古代の機械飛竜」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「古代の機械飛竜」以外の「アンティーク・ギア」カード1枚を手札に加える。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分はカードをセットできない。
(2):このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時までモンスターの効果を発動できない。
「ワイバーンの効果で
これで先生のフィールドに二体のモンスターが揃った。
そして通常召喚権を残しているってことは、さっき手札に加えたあのモンスターを召喚されちまう。
どうすっかなぁ……。
「そして手札にあるもう一枚の
「げぇ……!! 何なんだよその引きは!?」
「これでワタクシのアンティーク・ギアを召喚するときの生贄が一体少なくなるノーネ! アンティーク・ギアワイバーンを生贄に、
地より現れたの機械仕掛けの巨人。
その右腕はとても大きく、全てを粉砕する威力があるだろう。
さすがは実技の最高責任者の先生だけはあるぜ。最初のターンでアンティーク・ギアの切り札を召喚するとはな。
でもこれじゃ、大ダメージは必須だなぁ。
だけどこの伏せカードを発動するタイミングは今じゃない。
「アンティーク・ギアゴーレムでエアーマンに攻撃するノーネ。アルティメット・パウンド!」
十代:LP4000→2800
「まだ終わらないノーネ。アンティーク・ギアナイトでダイレクトアタックなノーネ」
「ぐっ……」
十代:LP2800→1000
しょっぱなから痛いダメージを受けちまったぜ。
だけど、やられっぱなしでは終わらない。
観客席から「アイツはもう終わりだな」とか何とか聞こえてくるけど、そんな早々に諦めてたまるかよ。俺の手札はまだ五枚もある。次のターンのドローを含めたら六枚だ。
これをどうしたら終わりだと思えるのか、俺にはわからねぇぜ。
「これでワタクシはターン終了なノーネ」
遊城十代 LP1000 手札5枚
場 なし
魔法・罠 なし
セット 1枚
クロノス・デ・メディチ LP4000 手札3枚
場 《
魔法・罠 《
セット なし
「シニョール十代、この布陣をどう攻略するノーネ?」
「今に見てろ先生。HEROは絶対に諦めないんだからな。俺のターン!」
ドローカードは……《融合》の魔法カード!
だが、ここでこのカードを使っていいのか?
手札にあるHEROはバーストレディとエッジマン、そしてプリズマー。
クロノス先生のアンティーク・ギアゴーレムの攻撃力は3000だから、戦闘破壊は無理でもプラズマヴァイスマンなら、効果を使って破壊できる。
でも先生の場には《
手札には
「おろかな埋葬発動。デッキからE・HERO ネクロダークマンを墓地に送る。そして墓地に送ったネクロダークマンの効果を使い、E・HERO エッジマンを生贄なしで召喚する」
「攻撃力2600の上級HEROを召喚しましたか。ですが、それではワタクシのアンティークギア・ゴーレムを破壊できないーのデス」
「それでも、ギアナイトは戦闘破壊できる。いけ、エッジマン。パワー・エッジ・アタック!」
アンティーク・ギアナイト粉砕!
クロノス:LP4000→3300
「これでターン終了」
「ふふん、これで終わりなのですーカ?」
「だけど負けるつもりじゃないのは確かだぜ、先生!」
「せいぜい足掻いて見せなサーイ。ドロー」
さぁ、俺のライフは残り1000と少ないけど、先生の場には攻撃力3000の《アンティーク・ギアゴーレム》がいる。そして《ギア・タウン》を使ったコンボでもう一体の大型アンティーク・ギアを出してくるのは明白。
クロノス先生の手札はさっきのドローで手札は四枚になった。
「それでは墓地のアンティーク・ギアカタパルトを発動。ギア・タウンを破壊し、古代の歯車トークンを守備表示で特殊召喚」
《古代の歯車トークン》
星1/地属性/機械族/攻0/守0
「そして破壊されたギア・タウンの効果で、デッキから
まさに圧巻だぜ。
攻撃力3000のモンスターが二体も並ぶなんて、こんなにワクワクする状況、めったに遭遇できないぜ。
「ふふん、この布陣の前ではもう終わりなノーネ。バトル――」
「おっと先生、バトルフェイズに入る前にこのカードを発動させてもらうぜ。トラップカード、威嚇する咆哮! これでクロノス先生は攻撃宣言することが出来ない。マジックとトラップ、モンスター効果を封じられるのはバトルの間だけ。メインフェイズなら発動することが出来る」
「それは最初のターンに伏せたカード。それをこのタイミングまで取っておいたというノーネ!?」
「こういうカードはここぞっという時まで取っておくべきだからな」
「シニョール十代は、ドロップアウトボーイではないみたいですね」
「なんだよ先生。確かに俺は勉強は出来ない方かもしれないけど、デュエルだけは今まで負けなしだったんだぜ?」
「なるほど。では、そのデュエルの才能を見せてくだサーイ。ターンエンドなノーネ」
遊城十代 LP1000 手札4枚
場 《E・HERO エッジマン》
魔法・罠 なし
セット 1枚
クロノス・デ・メディチ LP3300 手札4枚
場 《
魔法・罠 なし
セット なし
さぁ、窮地は脱した。
そして俺のターン、引いたカード……これは!
「先生、このデュエル。俺の勝ちだぜ」
「何ですート!?」
「俺の引いたカードはE・HERO キャプテン・ゴールド。このモンスターは手札から墓地に捨てることでフィールド魔法の摩天楼 -スカイスクレイパー-を手札に加えることができる」
「ですが、スカイスクレイパーの効果は自分からの戦闘のみのサポート。このターンでワタクシの全てのモンスターを破壊しなければ、返り討ちナノーネ」
「焦るなよ先生。俺はこのターン――攻撃せずに勝利するぜ」
その宣言をした瞬間、クロノス先生の目が見開いた。それと同時に、会場がざわめき始める。そりゃそうか、バトルをせずにこのターンで勝利するなんて、どう考えても無理だもんな。
だけど、HEROにはこんな一発逆転のカードがあるんだぜ。
「E・HERO プリズマーを召喚し、効果を発動。フレイム・ウィングマンを公開して、フェザーマンを墓地へ。そしてプリズマーは、フェザーマンの名前を得る。リフレクト・チェンジ!」
プリズマーの身体にフェザーマンの姿が映し出される。
そして俺の手札には《E・HERO バーストレディ》がある。
つまり呼び出すHEROは……。
「そして融合を発動! フェザーマン扱いのプリズマーと、手札のバーストレディを融合し、来い! マイフェイバリットカード、E・HERO フレイム・ウィングマン!!」
E・HERO フレイム・ウィングマン
融合・効果モンスター
星6/風属性/戦士族/攻2100/守1200
「E・HERO フェザーマン」+「E・HERO バーストレディ」
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
(1):このカードが戦闘でモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動する。
そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
「そしてフィールド魔法、スカイスクレイパー発動!」
フィールド上に漆黒のビルが生えて行き、摩天楼を作り出す。
これこそHEROが戦うべきふさわしい場所だ。
摩天楼の中心にある一番高い建物の頂上に、フレイム・ウィングマンは佇む。
これがめっちゃカッコいいんだよな。
この演出考えた人を尊敬するぜ。お前、分かってるなって。
「これで舞台は整った! 一気に決めるぜ。行くぞ、フレイム・ウィングマン! 魔法カード、スカイスクレイパー・シュートを発動だ!!」
「そのカードは……」
「そう、このカードはE・HEROの融合モンスターを一体選択し、そのモンスターの攻撃力より高いモンスターを全て破壊する。そしてフィールドに摩天楼のカードがあるとき、破壊したモンスター全ての攻撃力を合計したダメージを相手に与える」
つまり、クロノス先生が受けるダメージは――。
「正義を貫け、フレイム・ウィングマン! スカイスクレイパー・シュート!!」
フレイム・ウィングマンは二体のアンティーク・ギアゴーレムを貫き、その身がボロボロと崩れていく。その瓦礫に埋もれる形でクロノス先生は6000のダメージを受け、俺は勝利した。
クロノス:LP3300→0
「やったぜ、勝っちゃったぜ俺!! ガッチャ! 楽しいデュエルだったぜ、先生」
4
「すごかったわね創」
「そうだな明日香、こりゃあ良いライバルになりそうだ」
ちょっと危なっかしいプレイングだけど、最後の流れは完璧だった。
《スカイスクレイパー・シュート》での勝利を確実なものとするためにアンティーク・ギアゴーレムの召喚を誘い、ライフポイントを完全に奪い取る盤面を誘った。
そして《威嚇する咆哮》で次のターンにつなぎ、ワンショットキルを成立させた。
受験番号110ってことは俺と同じであまり頭は良くないみたいだけど、それでもデュエルのセンスは本物だ。俺にはない、特別な何かを持っている。
まったく、羨ましい限りだ。
「どう思う、亮」
「そうだな。彼とデュエルする機会があればと、そう思ったよ」
「それはボクも同じだよ。これは面白い最後の一年になりそうだ」
吹雪さんと亮さんは、隣でそんな会話をしていた。
そして翔君は。
「すごいなーあの十代って人。本物のヒーローみたいにキラキラしてた」
「キラキラ?」
俺は思わず翔君の表現に疑問を思ってしまった。
「なんて言うかな? 特別な存在って感じがしたというか、ほら、戦隊ヒーローものとか、主人公たちが持っている特別感があるでしょ? あんな感じをあの人にも感じたんだ」
ちょっと抽象的だけど、翔君が言わんとする事は分かった。
つまり彼は中心に立つ人物ってわけで、つまりは主人公気質なやつってわけだ。
そりゃあキラキラしてみえるよな。
さて、これで全ての試験が終わったわけで、合格したものがあのデュエルアカデミアの地を踏むことになる。
おそらくあの遊城十代ってヤツもあの地を一緒に踏むことになるだろう。
あー、メッチャ楽しみだ。はやく行きたいぜ。
「明日香、翔君」
「なに、創くん」
「なによ?」
「とにかく、これから三年間よろしく頼むな。楽しい学校生活にしようぜ」
「もちろん! よろしくね創くん、明日香さん」
「えぇ、楽しくて有意義な学校生活にしましょ?」
そして俺たちはデュエルアカデミアの地を踏む。
きっと楽しいことばかりじゃないだろうけど、それは仲間と共に進んでいけばいいんだ。
一人では出来ないことでも、仲間と一緒なら乗り越えられるはず。
いざ、学びの島へ!!
十代さんの使うデッキに長い時間悩み、とりあえずクロノス先生とのデュエルは原作リスペクトでスカイスクレイパー+フレイム・ウィングマンのコンボでのトドメにしました。
久しぶりすぎて文が荒かったかもしれませんが、許してください。
【17年4月29日 追記】
またもガバガバ理解の最新カードを使ってデュエル構成したせいで、なぜか《古代の機械射出機》が永続魔法になってました。
とりあえず同じ状況になるように辻褄合わせしました。