※デュエル内容の修正が完了しました。
よろしければまた見ていただければと思います。
またなにかルールミスがあった場合は言って頂ければと思います。
「これで俺の勝ちだ!! The_シャイニングで亮さんにダイレクトアタック! オプティカル・ストーム!!」
「それはどうかな?」
「え……?」
「創……お前のプレイングは最高だった。俺の攻撃力5000のサイバー・エルタニンを除去し、逆に攻撃力4100のモンスターを、しかも3体も並ばせるとはな。だが、しかし、勝利の女神は俺に微笑んだようだ」
亮さんの二枚の伏せカードの内、一枚が公開される。
その行動を取ったということは、攻撃反応系の罠カードだということ。
大丈夫だ。たとえThe_シャイニングがやられても素材回収で次に繋げられる。
と思った瞬間――フィールド上の3体のThe_シャイニングがクリスタルの中に閉じ込められ、動きを止めた。
「残念だったな創。あと一歩だった。超古代生物の墓場。これにより特殊召喚されたレベル6以上のモンスターの効果を発動できず、攻撃もすることができない」
やらかした。
俺は盛大にやらかした。
攻撃を制限されたら、いくら攻撃力を上げたとしてもなす術もないじゃないか……こういった攻撃を無効化するカードである可能性をどうして考えなかったんだッ!! い、いや、落ち着け俺。亮さんの場にそれがあると知っていたとして、どう対策できた?
アシッドはあのタイミングで効果を無効にされたんだからこればかりはどうしようもないんだ。時の運が、俺に微笑まなかっただけのことだ。
もう、俺にできることは何もない。
「カードをセットして――」
このカードは《奈落の落とし穴》だが、おそらく亮さんの場に残った伏せカードはサイバー・ネットワークを破壊するカード。つまり、俺の伏せカードも破壊される。
「ターン……終了……です」
「よくやったと言ってやるぞ創。俺の戦術のことごとくを断ち切り、俺をここまで追い詰めたんだからな。ここまで出来るデュエリストはこの学園にはほとんど存在しない。お前をこの卒業模範デュエルの相手に選んで良かったと心から思う」
「ありがとうございます……!」
「胸を張れ、創! そして俺の一撃を受け止めろ!」
「はい!!」
「創のエンドフェイズ時、もう一枚のリバース発動。ダブル・サイクロン! 俺の魔法・罠カード1枚と、相手の魔法・罠カード1枚を破壊する。俺はサイバー・ネットワークと、創の場の伏せカードを破壊する!」
ついに《サイバー・ネットワーク》が発動され、破壊された。
これにより、亮さんが除外した光属性の機械族モンスターが放出される。
そして唯一の防御札の奈落の落とし穴も召喚するまえに破壊されてしまえば無力だ。
「破壊されたサイバー・ネットワークの効果を発動。除外されている光属性の、機械族モンスターを可能な限り特殊召喚する。現れろ、サイバー・ドラゴン3体! そしてサイバー・ドラゴン・ツヴァイ、サイバー・ドラゴン・ドライ!! そして、俺のフィールドの魔法・トラップは全て破壊される」
これで特殊召喚されたレベル6以上のモンスターが攻撃可能になった。
でも、俺のThe_シャイニングの攻撃力4100はそう簡単に超えられるものじゃない。これを超えるためには……あのカードを引き入れる必要がある。
いや、亮さんのあの表情……おそらくもう手札にあるのだろう。
あんな微笑みを見せられたら、もしかしなくても分かってしまいますよ。
「そして……俺のターンだ。ドロー!! ……これが、俺が信じる究極の融合カードだ。パワー・ボンド。機械族専用の融合魔法カード」
あぁ、やっぱりもうすでに手札にあったのか。
「俺は場のサイバー・ドラゴン3体を、パワー・ボンドにより融合。出現せよ、サイバー・エンド・ドラゴンッッッ!!」
その咆哮は、他のサイバーモンスターとは比べ物にならないくらいに大きなものだった。なぜなら、パワー・ボンドにより召喚されたモンスターは――。
「パワー・ボンドにより融合召喚されたモンスターは攻撃力が二倍になる。よってサイバー・エンド・ドラゴンの攻撃力は8000ポイント!」
「すげぇ……これが、真のサイバー・エンド・ドラゴン……!」
こうやってデュエルディスクを使った本気のデュエルで対面したのは初めてだ。
やっぱりすげぇや、パワー・ボンドで召喚されたサイバー・エンド・ドラゴンは。まず威圧感が全然違う。存在感も、何もかもが、全然違う!! あはは、言葉にならないや。
「これでは終わらない。今日は卒業模範デュエルなんだ。やれることは全部やり切って勝敗をつけようじゃないか。リミッター解除を発動!! フィールド上のモンスターの攻撃力を更に二倍にする」
《サイバー・エンド・ドラゴン》攻撃力8000→16000
「攻撃力16000の、サイバー・エンド……すげぇ!!」
「ふっ……これが、卒業生から在校生に向けての贈り物だ。いけ、サイバー・エンド・ドラゴン。エターナル・エヴォリューション・バーストォ!!」
そして……俺たちの卒業模範デュエルは、終わりを告げた。
長いようで、とても短い、最高のデュエルだったと、俺は胸を張って言えるだろう。
悔いはない。恥だと思える部分もない。俺はやり切った。全力全開で、やり切ったんだ。
俺はまだ一年生なんだ。これからまだ二年ある。このデュエルに選ばれた者として、これから入ってくる下級生の模範となれるよう努力していこうと思う。
亮さん、ありがとうございました。そしてまた会いましょう。デュエルアカデミア高等部のあの島で!
7
「私たち、負けちゃったわね」
「そうだな。俺たちもまだまだ、あの人たちの足元にも及ばないってわけか」
「でも、最高のデュエルだった」
「それは言えてる。確かに最高のデュエルだったな」
「ねぇ、創」
「なんだよ明日香」
「えっと、その、あのね」
「お、おう……」
夕暮れの校舎、教室で二人だけのこの状況で明日香が言葉を詰まらせている。
これが意味するものとは……。
「私――」
「ここにいたのねボウヤ」
「っ!?」
そこに現れたのは藤原だった。
そしてぞろぞろと現れる友人たち。委員長も万丈目もいる。
どうやら俺たちを心配して俺たちを探していたようだ。
「とっても凄いデュエルだったわよ、二人とも!」
そう言う委員長の原麗華。
委員長には今回一番世話になったからな。今回の卒業模範デュエルは委員長なしではあの結果は出せなかった。《サンダー・ドラゴン》だって、実は委員長のアイディアだし。
あれがあったからこそ、最後のThe_シャイニングを3体並べることができた。
あとで個人的にお礼をしよう。
「あんなデュエル見せられたら、私なんてまだまだって思っちゃうわよ。ボウヤ――いえ、東條君、私も強くなるわ」
やっとボウヤじゃなくて東條って呼んでくれたな藤原。
これでようやくお前に認められたのか? ったく、お前に認められるのハードル高すぎだろ。あれだけの死闘をしてようやくとか、笑っちまうくらいだ。
「……東條」
「なんだよ万丈目」
「日々お前と競い、お互いに高めあってきた。そして、今日のお前のデュエルを見て俺は思った」
「何を?」
「俺はまだ強くなれると。だから、これからも良きライバルとして共に闘ってくれ」
「当たり前だろ! 俺と万丈目は親友でもあるし、最高のライバルなんだからな。それは絶対に揺るぎはしない」
「そう言ってもらえると嬉しいぞ」
そうして万丈目は握手を求めてきた。
それに俺は応え、強く、とても強く握る。
この手は友情の証。そして、これからもライバルとして闘っていく決意。
その意味が込められていると俺は感じた。
「さーて、じゃあこれから打ち上げよ!」
とびっきりの元気な声で委員長は言った。
って、委員長てそんな声も出せたんだな。いつも真面目で、クールぶってんのに、こんなときはそんな風になるのか。
「打ち上げって……麗華、私たちに内緒でそんなことを計画してたの!?」
「ふふ、驚いてるわね明日香。アナタたちが卒業模範デュエルに選ばれて、急遽ね。みんなに協力してもらって、このことは今の今まで内緒にしてたわ」
「はは、すげーなお前たちの協力プレイは」
「さーて、東條君。私たちは別の場所で打ち上げよ!」
「は?」
ちょ、ちょっと、藤原? そんなくっつかないでくれますか?
なんかやわらかいし、良いにおいだし、チェリーな俺には毒なんですがそれは。
「ちょっと藤原さん!? どーいうこと!?」
「怒らないでよ原さん。冗談よ、じょーだん。まったく、相変わらず頭が固いんだから」
「創も、いつまで雪乃とくっついてんのよ!」
明日香さん、どうやらこの状況にご立腹みたいです。
「いや、俺がくっついてるわけじゃないでしょーが。ほら藤原、明日香も不機嫌になってることだし離してもらえると嬉しいんですけど?」
「あら残念。ま、ここは明日香の勇気に免じて言うことを聞いてあげましょう」
ん? どういうことだ?
明日香も顔を真っ赤にして恥ずかしがってるし。
もしかして、藤原のやつ俺たちの会話を聞いてたのか?
そう思って藤原を見ると、艶美な笑みをこぼすのみ。
まったく、だからお前は男を落とす魅力的な女の子なんだよ。これで俺たちと同じ中学生って信じられねぇよ。
「もう……雪乃ったら。ねぇ創!」
「おう」
「私も、ずっと創と一緒よね?」
「当たり前だろ。なに不安がってんだよ。俺たち、小さい頃から一緒だったじゃないか。それが今更なくなることなんてないよ」
「……うん。よし、じゃあ行きましょうか、打ち上げに!!」
「おう。行こうぜ、そして、最高に盛り上がろう!!」
『おー!!』
俺たちは忘れない。
そして、この絆を断ち切らせはしない。
仲間とともに強くなっていく。それが、俺たち在校生の責務なんだ。
これから残り二年間、俺は、明日香と、万丈目と、委員長と、藤原と、みんなと共に戦い、強くなる。そしてかのデュエルアカデミア高等部の島に足を踏み入れるんだ。
待っててください、亮さん、吹雪さん。
俺たちは、もっともっと強くなって、あなた達の前に再び現れます。
そのときはきっと――。
最高のデュエルをしましょう!!
中等部編 完
中等部編がこれで終わりました。
ちょっと東條創VS丸藤亮のデュエル構成がガバガバで、修正したら中盤以降からほとんど別物になっちゃいました。
でも、ゴールはほぼ一緒なので許してください。
それでもサイバー流積み込み風ドローは健在。やっぱりご都合主義の塊になってしまいました。
本当は《強欲な壺》とか《天使の施し》とかあまり使いたくないんですけど、ちょっと派手な演出にしたいと思ったら明らかに手札が足りないという状況によく陥ります。あとはあきらかに無理のある墓地状況だったりして《天子の施し》で無理矢理墓地に送らせたり。
結果、トップ解決のオンパレードだった修正前の亮さんのデュエルは《強欲な壺》に頼ることで必然性がちょっとは出たはず。
とにかく、これで大丈夫なはずです(震え声
次は高等部編で会いましょう!