艦隊の咆哮 〜戦場を彷徨う鋼鉄の漂流者〜   作:正海苔

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はい、艦これでもお馴染みのレイテ島防衛戦が始まります。
今回は防衛戦を行いながら超兵器戦に入りたいと思います。

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お知らせ 2016.9.2
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第4章 過去への払拭と南海の遊撃と大海戦
4-1 第2次レイテ沖海戦、開戦と出撃準備〜前編〜


出雲がシュトルムウィンド(八 雲)の一騎打ちから数日後……

 

「提督、軍令部から連絡です。至急出雲と八雲を連れて来てくださいと、です。」

「分かったわ、大淀、出雲と八雲に連絡とって貰ってちょうだい」

「分かりました、連絡します。」

「軍令部も国防部(国防総省)も必至なのね。」

彼女が考えていたのは、深海軍がパラオやトラック諸島では無く、直接フィリピンに大艦隊が侵攻し始めたことである。これは、出雲が前々から話をしていたことだった……が現地の提督達は提督や出雲の警告を無視していた為に返って後手後手に回され、今じゃ、レイテ島は占領目前(・・・・)である。

 

ジリリリン、ジリリリン、ジリリ、ガチャ

「はい、間違い電話ですよ〜切りますよ〜」

「出雲さん、撃っちゃいますよ〜」

「ごめんなさい大淀さん、で?どうかしましたか?」

「提督と八雲さんと一緒に軍令部に来てくださいと連絡です。」

「分かりました。こちら(・・・)の艦載機で向かいましょうと提督に伝えてください。八雲には俺から伝えます。」

「分かりました。」

 

あれ以降、八雲とシンディーは一時期だけ出雲の家に泊まらせてほしいと頼まれた。彼らが移る予定の寮が改装工事中だったので完成までの間だけだった……が。

 

「おい、八雲起きろ〜提督か……」

 

出雲は一瞬、見ちゃいけない物を見てしまった。なんと両名ともベッドの上でのお楽しみ(セッ◯ス)の後だったのである。

 

「おはよう、出雲」ツヤツヤ

「おはよう」ゲッソリ・・・ 

 

どうやらシンディーはツヤツヤだが、八雲は完全に干からびてしまっている。

まるでサキュバスに吸い尽くされたみたいに…

 

「昨晩はそうとうお楽しみの様だったね〜」アッハッハ〜

艦娘(アメリカ)は激し過ぎるよ」ゲッソリ・・・ 

「そうだな、取り敢えず急いで支度を急げ、軍令部に行くぞ」

「何かあったの?それと私も行きたいからシャワーを浴びて来ていい?」

 

シンディーことインディアナポリスは飛鷹や隼鷹、艦娘達とも仲良くしているので良かったし、同郷の戦艦艦娘アイオワもいるので居ごこちはいいみたいだ。

今は八雲の彼女である……正に奇 跡 だ(アンビリーバボ)

 

「今迄の警告を無視し、レイテ島は陥落寸前、報いが返って来た……それだけよ。」

「人間達は何処までも、強欲と身勝手(・・・・・・)なのは何処も変わらないのね」

「そのカス共の後始末を俺たちがやらざるを得無いからね、ほら早よシャワー浴びて準備をしろ」

「出雲さん、そこの2人共(飛鷹・隼鷹)には言わないの?」

 

後ろを振り返ると、早々と出雲と一緒に出かける準備をしていた。

 

「ありゃ、2人共いつの間に?」

「大淀さんから連絡貰ったから準備をしたのよ」

「だってさ〜、置いて行かれるのは嫌だも〜ん」

「いや〜それは無いよ」

「そんなことしたら、二度と(・・・)家に入らせてもらえないよ」

「フフ、そうね」

 

そう言って、準備を終え急いで提督達と合流後基地ヘリポートに向かい、そこには迎えのMi35Mk7改(キメラハインド)が駐機していた。

 

「ねぇ出雲、このヘリ何?随分物騒なシロモノだけど」

珍しく曙が質問してきた。

 

「あぁー、こいつね、ほい資料と参考写真だ」

「ありがとう」

 

この機体は、元が南アフリカでハインドを大幅な改修を施た、Mi35Mk3(スーパーハインド)を更に拡大発展と大改造版である。

 

機体自体は変わらないがローター、尾翼更にF C S(火器管制装置)と兵装搭載量が強化された。メインローターはKa52と同じだか各1枚増加、尾翼は単垂直双尾翼、エンジンを新型に換装、機関砲もマウザーMK30機関砲に換装してある。お陰で機動力、火力、人員・搭載量、航続距離が各1割から2割増し更に東西の兵装が搭載可能である。出雲にはこれが予備機を合わせて40機保有している。

 

(しかしまぁ、物好きがいるものだなぁ俺や八雲に提督、シンディーに飛鷹や隼鷹はわかるが第7駆逐隊(漣・朧・曙・潮)も行きたいとはな、珍しい事もあるもんだなホント)

 

出雲の思った通り、当日の秘書艦だった漣が一緒に行きたいと駄々こねてしまったが、提督や出雲が許可したのは問題無かったが…全員来るとは知らなかった。そう言いながら軍令部屋上のヘリポートに着陸すると檜垣中将と黒木中将が待っていた。

 

「提督朝早くから申し訳無い、出雲に八雲すまんな」

「早速だけど檜垣に黒木、現地の状況は?」

「それについての報告は中で話を……」

 

館内の統合作戦会議室に入ってみたが…いかにも現代風な感じだ。

そこには、各鎮守府の総司令が集まっており、各基地の提督達はいつ出撃できるようにと伝えてあるらしい、そこで元帥は出雲に耳打ちした。

 

(今回の戦果報酬、出雲が乗ってきたヘリに積んである。後で確認してくれ、いつもすまない)

(いえいえやるべきことやっているだけですよ)

 

そして、全員が着席したのを確認するといかにも穀潰し口先だけ(・・・・)参謀長が本題に入った。

 

「現地の基地艦娘達の情報を纏めますと、600隻規模の深海軍艦隊が現在レイテ島の東側サマール沖に展開していると思われ、また未確認情報ですが…複数の超兵器(・・・・・・)が関与していると思われます。」

 

周りがざわつくなか、出雲が質問した。

 

「おい参謀、あんた馬鹿か?写真見ても分かるように思われる(・・・・)じゃないだろうが、普っ通にいるぞ(・・・)これて言うか、あんたこんな使いもんにはならんピンぼけの写真良く出せるね〜。もう少し(・・・・)画像解析処理してから持ってくるとかそんな気無いの?決まったレールの上しか走れないの?恥ずかしく無いのかい?アッ?」

「……そっ、それは……」

 

さすがにやり過ぎだと檜垣達から止められ……

 

「まぁいいや話しても時間の無駄だし、聞く方が馬鹿だったわ!元帥、艦から回線繋いでこちらから画像など送りたいのですが…」

「許可する。」

 

そして、出雲との回線がオンラインになると、最新の画像を見せて更にピンぼけの写真を通信情報課(画像解析処理班)に回しほぼ正確(・・・・)な写真を見せた。解析が終わった頃に情報長が艦長に向けてこう質問してきた。

 

「艦長!どこの馬鹿タレが、こんな使いもんにならん写真を誰が、撮って出したんです?同業者としてハッキリと言いますが。小っ恥ずかしいですし恥晒しも良いところですよ」

 

これ以上言うと、軍令部側の質がガタ落ちするので出雲は乗組員達を宥めると、正確な画像が写し出されそれを出雲が説明し始めた。

 

「こいつは、超巨大双胴揚陸艦デュアルクレイターです。それともう1つは、超巨大光学迷彩戦艦マレット・シャドウプラッタです。前者は大した武装はありませんが…後者は艦娘達にとって最悪の相手です。簡単に言えば見えない敵(・・・・・)から袋たきにされます。こいつに関しては俺がやります元帥、俺と八雲を呼んだのは何かありますね?」

 

「察しが早い、その通りよ、各自手元にある作戦概要書を拝見してくれ」

 

レイテ島防衛戦

 

1、3方面からそれぞれレイテ島東側に展開する揚陸部隊並び機動艦隊の撃破を行う。

 

以下の3方面から各鎮守府がそれぞれ担当する。

・シブヤン海方面 大湊鎮守府

レイテ島に展開する揚陸艦隊と護衛艦隊の撃破

 

・エンガノ岬方面 横須賀鎮守府

サマール沖に展開する機動部隊の殲滅

 

・スリガオ海峡方面 ブルネイ基地

シブヤン海に展開する艦隊と共同で南から揚陸艦隊を撃破する

 

2、これに呼応して、ジャカルタ・チャンギ(インドネシア・シンガポール)基地からトラック諸島向けの輸送艦隊を派遣。

 

3、これに該当しない鎮守府または基地に関しては、近海警備、戦力・練度向上を行なってもらう。

 

4、出雲(・・)は単独遊撃部隊として、対超兵器並び艦隊の露払いを行なってもらう。

 

出雲は八雲にそっと耳打ちした。

(おそらく、エンガノ岬方面はウチらが担当だから、その際の旗艦を頼むわ、提督にはこの件伝えてある)

(分かった。任せておけ、今度こそ彼女達を守り通すよ)

 

出雲自身にとって、この防衛戦は何が何でも成功(・・)させねばならなかった。負ければ補給路分断、大規模戦力が行動不能になると読んでいたからである。前の戦争では、指揮系統の不備と杜撰、艦載機の不足と練度不足、昔気質(艦隊決戦)の敗退思想そして地理的要因の認識不足だった。

 

そして、締めくくりを元帥がこう言った。

「諸君!、これから先この様な事が起きる可能性がある、今迄の勝者の奢りは捨てよ、勝って兜の緒を締めよ、いつ如何なる困難にも臨機応変に対応してくれ……以上だ。」

 

そして、駐機していたヘリに他者多様に散らばり機内に乗り込むと、元帥が見送りに来ていた。

 

「提督、一番難しい海域だかよろしくお願いする。出雲に八雲、シンディーさん彼女達をよろしく頼む」

そして、元帥に敬礼してその後離陸、基地へ帰還し出撃準備をした。




ウィキペディアでハインドの派生形を見て貰えば幸いです。

次の話でオリキャラ艦娘出したいと思います。僅か10日程で沈んだ空母を鋼鉄風に仕上げたものです。

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