艦隊の咆哮 〜戦場を彷徨う鋼鉄の漂流者〜   作:正海苔

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作者が夏風邪を引いてしまいましたので投稿が遅れました大変すいませんでした

後編が書き終わりましたのであまり戦闘描写無いかもしれませんがよろしくお願いします

それでは本編にどうぞ


3-5 第2次キスカ島撤収作戦!違うよ大脱走だよ〜後編〜

14日 1300 キスカ島守備隊 本部

 

ここはアリューシャン列島の1つにあるキスカ島、現在は日本陸上自衛軍北部方面軍から渡瀬 和夫少将率いる5684名の将兵が厳しい情勢の中救援を待ち続けていた。

そんな中…

「参謀、現在の我が兵の状況は?」

 

「余り芳しくないです。二度に渡る救援艦隊派遣の失敗に潜水艦による撤収ではとても…」

 

どうやらこの参謀は国防総省副長官の息子だか、親父のように艦娘兵器派ではなくむしろ擁護派の1人だ渡瀬も同じく…

 

「現在の撤収した人数は?」

「6800名の内1116名です」

「うむ、1割7分か…」

 

バタァン

「報告します」

 

「なんだどうした?まさか救援艦隊派遣を中止するとかはないよな?」

「いえ、函館基地より通信です横須賀基地を主力とした救援艦隊が向かっているとのことです」

「おぉーやったぞ〜」「これで家に帰れる」

「キスカ湾に入港予定時間は明日16日0700です」

「分かった。将兵全員に伝えろ明日の0700に合わせてキスカ湾海岸に集結せよと」

「ハッ、了解致しました」

 

そして話は現在に至る。

 

15日1900 キスカ島南西110海里

 

艦隊速力を20ノットにして、キスカ島へ航行していた(どうやらあきつ丸と神州丸はこれが限界と伝えられたので合わせている)

 

「副長、現在の状況は?」

「今のところ敵艦隊はレーダーに反応しませんね〜、妙です」

「全くだそろそろ引っかかるころだか「艦長こちらCDC、キスカ島の西65海里に敵艦隊を捕捉しました南東方向に移動しています。もう一つはキスカ島の東120海里どうやら輸送船団と合流して補給しているみたいですいかがいたしましょう?」キスカ島の東にいる敵艦隊の動きを見張って頂戴それから周辺海域にも注意して捜索してシステムLの使用も許可する」

「分かりました」

「早速、網にかかりましたね艦長ご命令を」

「旗艦鈴谷に連絡、我これより敵艦隊の誘引し殲滅に移行する貴艦隊は予定通りの航路でキスカ島に向かえ、以上」

「了解致しました、連絡します」

「副長、総員に対艦戦闘用意発令」ビィ〜ビィ〜

「総員対艦戦闘用意繰り返す総員対艦戦闘用意」

「くそ、マジかよポーカーで大勝ちするはずのに」

「ほら終了だ、行くぞ」

「悪いね〜すぐ引っかかるのに賭けたから勝っちゃった」

「ちくしょ〜うわ〜ん」

 

どうやらすぐ引っかかるかかからないかポーカーしながら賭けをしていたらしい運のない奴はとことん運が無い、

そうこうしてるうちに戦闘用意が完了したと副長から報告を受けた。

 

「艦長配置完了しました。」

「よし航海長、光学迷彩をそのままにして砲術長最初にピケット艦に近づき通信指揮系統の破壊し撃沈するよ、奴らに情報がばれたら彼女達が危ないからね」

「了解です」

 

一方、鈴谷達救援艦隊は出雲から通信を受け艦隊速力を落とし西側から大回りして進入するようになったが木村司令(木村妖精)は少し考えごとをしていた。

 

「艦長?どうしたのさぁ?」

「鈴谷かいや何でも無いよ」

「艦長それであの時(・・・)もそうだったんじゃ無いの?」

鈴谷もいつもはJK風の喋り方だか今回はそうでもなかった 。

 

「大丈夫さ儂等にはお前達がいるし、出雲もいる大丈夫さ」

「そうだね、それで艦長お願いがあるんだけど」

「なんだい?」

「私達最上型姉妹と一緒にお休みの時お出掛けに付き合ってくれるかなぁ?」

「あぁいいとも」

「ありがとうございます艦長」

 

やはり鈴谷も彼女なりに艦長と再会して一緒に出掛ける約束をしたかのか、作戦中は自らテキパキと仕事をこなしていた。

 

一方同海域 2335

 

出雲は6隻目にして最後のピケット艦を沈めたばかりだった何せピケット艦とは出合い頭に艦橋と通信マストを速射砲とガトリング砲で蜂の巣にした当然艦橋にいた彼らは速射砲弾の直撃で上半身を失うか、57ミリ砲弾で身体が消滅するのどちらかしかない。

 

「艦長レーダーピケット艦全艦撃沈しました」

「分かった、これより敵艦隊に一撃離脱の奇襲を仕掛ける」

キスカ島の西側を哨戒していたのは戦艦凄鬼(モンタナ級)率いる34隻の艦隊であるこの内6隻をピケット艦として配置していだか、定時通信時刻になっても連絡がなかった。

 

「おかしいぞ?彼女達全員から一向に連絡が無い何かあったのか?」ボォン←爆発音

「どうしたの?何があったの?」

「大変です。左翼のネ級(バルティモア級)がいきなり轟沈しました」

軽巡凄鬼(ブルックリン級)すぐ皆に戦闘配置して今すぐ」

「分かりました」

戦艦凄鬼(モンタナ級)の予想は的中していた何しろ複数の爆発音(・・・・・・)を聞いたと同時に沈んだのだから…

「艦長、203ミリ速射砲に搭載したMS-SGP弾の威力と命中率そして最大射程154キロの誘導砲弾(・・・・)は見事ですね」

「うん試し撃ちしたかいがあったよいずれにしろAGS砲装備した超兵器と殺り合う(・・・・)はめになるからなぁ」

 

出雲の言うようにAGS砲を搭載した超兵器は多数存在する。

 

だかこのAGSは本来対艦対地砲撃用に設計された兵器で対空迎撃には使えないその代わりに長射程と命中率を持ち合わせている。

「これで敵艦隊の半数は沈めました。後は終わり次第残りの艦隊を殲滅するので?」

「あぁそれが終わったら、キスカ島に戻り救援艦隊がキスカ湾に入り出港する迄周辺海域の警戒を行うよ、何か質問はあるかい?」

「いいえ私は艦長の指示に従いますよ」

「お世辞を言うね〜、さて砲術長出番だよいつものように派手にね(・・・・)

「了解派手にやりましょう」

そして警戒艦隊の片割れは指揮通信機能を破壊され味方艦隊に連絡することもできずただ一方的(・・・)に殲滅された

 

8月15日 0100

一方、補給船団と合流した残存警戒艦隊38隻は補給作業を終わらせ補給船団はダッチハーバーに戻らせて急遽、先発艦隊が入る艦隊に急行した何しろ1時間近くも連絡がなかったのは余りにも可笑しい(・・・・)ので直接現地に向かうことにした。

 

「変だなぁ、それで戦艦凄鬼(モンタナ級)と連絡取れたの?駆逐水鬼(改ゲイボルグ級)?」

「ダメです連絡が全く取れないです、まさか艦娘達の救援艦隊に殺られたのでは?」

「まさか、あの島(・・・)に救援来た艦隊はことごとく潰したはずよ?まさかね〜「それはそれは残念だなぁ、実は御味方はもう海の底(・・・)なのだからなぁ次はお前達の番だ首洗って股開いて待っているんだな」」ガチャ

「姫様まさか奴がここに(・・・・・)?そんな」

「水鬼いや朝潮(・・)私のお願い聞いてくれるかしら」

 

この場で自分が艦娘の時(・・・・)の名前を呼んでくれた。

ここの艦隊の半数は元艦娘でありながらブラック提督達(・・・・・・・)の思惑で意図的に捨て駒されたりあの施設(・・・・)に送りこまれ人間達(・・・)の慰み者にされそれに耐えられず自害したはずだが何故か深海凄艦(・・・・)として蘇り人間達に復讐している、

 

「姫様いや陸奥さん(・・・・)命令は何でしょうか?」

「お前はすぐ様ダッチハーバーに戻り港湾水鬼に知らせるんだ」

「嫌です何故私だけ除け者にならなければならないんですか?」

「お前は私と同じ時期に深海凄艦となって来たんだ目の前で仲間が轟沈するのは見たくない」

「陸奥さん……分かりましたご武運を」

そう言って駆逐水鬼(朝潮)は単艦でダッチハーバーに戻らせた

「良かったのですか?姫様いや陸奥さん(・・・・)

「あなたははどうなの摩耶(防空凄姫)さん?」

「へっ、あたしの元の正体(・・・・)知ってたんだ」

「まぁ薄々とね」

「まっあたしは最後まで姫様にについて行くよどうせ元の姿には戻れないしな」

「ごめんなさいね」

 

その頃出雲艦橋内は静かだった、何故ならそのまま深海軍の通信傍受(・・・・)をして全てを聞いたのである、

 

「副長まさかと思うが」

「分かっています恐らく我々が来る前に自害した艦娘(・・・・・・)なのでしょう本当に嫌なものです」

「せめて苦しまない様に成仏させるよ砲術長MPBM弾装填一撃で終わらせるよ」

「了解です」

カチッ「深海軍警戒艦隊旗艦へこちらは日本国海上自衛軍横須賀基地所属の出雲だ聞こえたら応答しろ」

「こちらは深海軍警戒艦隊旗艦戦艦凄姫よ何か用なの?」

「先ほどの通信勝手ながら話を聞いてしまったのでな、結論から言うと一カ所の施設の破壊と数名のブラック提督の殺害はあったなおその施設にいた艦娘達は皆人間として(・・・・・)第2の人生を歩んでいるそれは確かだ」

 

それから数分無言が続いたが…

 

「ありがとう、仲間を助けてくれて、これで思い残すことは無いわ最後の役目お願い(・・・)出来ないかしら」

 

そう言って戦艦凄姫は揃えてこの世と断ち切る為に出雲にお願いした。

「分かりました……すまない」

 

「いいえ出雲さんありがとう(・・・・・)みんなのことお願いします」

ズトォーン←主砲斉射

そして、苦しまない様に主砲を斉射し敵艦隊の殲滅が完了した。

 

0700 キスカ島キスカ湾

出雲はキスカ島の東側で光学迷彩を使いながら救援艦隊の護衛と周辺海域の警戒を行い、キスカ湾には救援艦隊が到着し、撤収作業が行われれていた。

 

「この艦隊の指揮官は?」

「私はこの艦隊指揮官です」

「此度の救援艦隊来訪ありがとうございました。これで将兵は皆日本の土を踏めます」

「何、函館基地に着くまで我々が全力で守り通します」

「函館基地迄の道中よろしくお願いします」

こうして、キスカ島残存将兵5600名は3日後の昼に無事函館基地に帰還した……そして

「艦長、救援艦隊が無事キスカ島を離れ函館基地に帰還し始めましたいよいよ我々の仕事(・・・・・)ですね」

「あぁ次は目標はダッチハーバーだ総員気を引き締めてかかれ」

 

こうして第2次キスカ島撤収作戦は終了し次の目的地をダッチハーバーに向けて出発を再開した。

 




この話では何故?艦娘達が何で深海凄艦になったのは艦娘時に提督達や人間達に深く怨みと復讐心と艦娘時の記憶が残り深海凄艦として蘇ったのだろうと、あえて自分なりに考え、この話にしました

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