Charlotte(ルルーシュver)題名考え中   作:@まきにき

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1年で一番忙しいかもと思う、今日この頃。立派な社畜に成り果ててます...。



御指摘、御感想おまちしてます!


小さな変化

 

夢を見た。

その夢はまるで昔本当にあったことのように鮮明で、でもあやふやな夢。

小さい頃、俺と歩末がまだ母親と暮らしていた頃。母親は朝仕事に行くのが早いため俺達はいつも母親がいない朝食を取っていた。勿論それは夢の中でも同じだった。歩末が作ってくれた朝食を食べながら楽しそうに会話をしている風景。だが今とは異なる箇所があった。それは俺と歩末以外にもう1人誰か一緒に朝食を取っているという風景だった。歩末の顔は鮮明に出ているのだがそのもう1人はまるで顔に霧がかかっているみたいに分からない。分かることといえば性別が男であるということと、俺と歩末と仲がいいということだけだった。

 

 

「あれは一体誰だったんだ...」

 

「どうしたのですか?乙坂さん」

 

「ああ、すまない。起こしてしまったか」

 

俺達は能力者を探すためにここに来たまでは良かったが昨日能力者が現れなかったため交代で見張ることになった。今は友利達が見張ってくれているので俺と高城がテントの中で休んでいたのだ。

 

「さあ。交代の時間です~。て、何かあったんですか?」

 

「いや何も。少し夢をな」

 

「はぁ...夢ですか。因みにどんな夢を?」

 

「忘れたよ」

 

俺と高城は交代して見張っていたが結局誰も現れず友利達が起きてきた。

 

「お疲れさまです。どうでした?」

 

「まだ特に何もなかった」

 

「まだですか。流石に乙坂さんは気づいちゃいますか」

 

「狙いはだけどな」

 

「ふわぁ~おはようございます♪」

 

「おお!ゆさりん!おはようございます!」

 

「もう昼だけどなー」

 

「あ!ルルーシュお兄ちゃん♪おはようなのですぅ!!」

 

「ああ。おはよう」

 

「おはよう。歩末ちゃん、よく寝れましたか?」

 

「はいなのですぅ!隣でゆさりんが寝ていると思ったら緊張で快眠でしたぁ!!」

 

「そ、それは起用ですね...」

 

「ゆさりんお役にたてたようで嬉しいです♪」

 

「それでこれからどうするんだ?」

 

「ここは山ですよ?」

 

「それが?」

 

「山って言ったら釣りっしょ!」

 

「道具はあるのか?」

 

「乙坂さん達が持ってきてくれたじゃないっすか」

 

「まさか...」

 

俺達はここに来るまでに持たされていた、重い鞄の中から釣竿を4本出して持ってきた。

 

「歩末ちゃんの分は時間が間に合わず足りないので高城のを使ってください」

 

「いや、それは流石にわるいのですぅ!あゆは皆がやっているのを見ているだけで楽しいので大丈夫なのですぅ!」

 

「ああ大丈夫っすよ。高城なら今から巣潜りで魚捕まえて来ますから」

 

「え、ええ!!そんなこと出来るのでしょうか!!」

 

(で、出来るわけがない。ここは...素直に言うしか)

 

「高城さんって巣潜り出来るんですか!ゆさりん見てみたいです!」

 

「勿論ですよ!ゆさりんも歩末さんも見ていてください!私の華麗なる泳ぎを!」

 

高城が巣潜り出来るなんて知らない俺は友利に近づき皆に聞こえないように聞いてみる。

 

「高城って巣潜り出来たのか?」

 

「さあ。どうなんですかね」

 

「・・・さっき出来るみたいなこと言ってなかったか?」

 

「ええまぁ。でも大丈夫ですよ、川なら溺れてもなんとかなると思いますし瞬間移動使えば何とかなるっしょ」

 

「瞬間移動で壁に激突したら流石に危なくないのか?」

 

「まぁー危ないでしょうね。でも高城ですから心配ないですよ」

 

「・・・そうか」

 

高城は上着を脱ぎズボンを下ろそうとズボンに手をかけただがここには歩末もいる。歩末にそんな姿を見せる訳にはいかないので高城に乗り移ろうとするといつの間にか移動していた友利が高城を川の中に蹴り飛ばした。

 

「こんなところで脱いでんじゃねーよ!バカ野郎!歩末ちゃんもいんだぞ!」

 

「すまない。友利、正直助かった」

 

「いえいえ。悪いのは全部あいつなので」

 

「はわわわ。高城さん大丈夫ですか?」

 

「友利お姉ちゃん、流石に危ないとあゆは思うのですぅ」

 

「大丈夫ですよー。あれでも鍛えてますから、ほらもうあがって....」

 

川の水が浅い所に運悪く落ちたようで高城は川の石にぶつかりプカプカと浮いていた。

 

「乙坂さん!泳げますか!?」

 

「・・・すまない」

 

「だよな、くそっ!どうする....」

 

確かに俺は運動神経悪いから泳げないと分かってたと思うがこの状況を作った現況である、友利にそういわれるのは少し納得がいかなかったが取り合えず忘れて高城を助ける方法を考える。

 

「はううう。お姉ちゃんなら泳ぎ得意だったのに...」

 

「・・・歩末。すまないが大きな木の棒を拾ってきてくれないか?大至急でだ」

 

「何故かは分からないけど、了解したのですぅ!!」

 

「まぁだいだい予想はつきますが。私も念のため歩末ちゃんと一緒にいますね」

 

「悪いな。・・・美砂」

 

「み...さ?・・・たくっ...非常時だからしょうがねえけど次柚咲の前で呼んだら燃やすぞ」

 

「・・・ああ」

 

 

柚咲に乗り移った美砂が川に飛び込み高城を掴んで戻ってくる。

 

「高城は大丈夫か?」

 

「少し水を飲んでるぽいが問題ないだろ。少しすれば目を覚ますさ」

 

「そうか...!」

 

俺は安心したのと同時に美砂を見ておもわず目をそらした。川に制服姿のままで飛び込んだのだ、そのあられもない姿は容易に想像がつくだろう。俺が目をそらしたことで美砂も自分が今どういう状況か理解したようでこちらをにやにやと見てくる。

 

「ルルーシュって以外と純情なんだな」

 

「別にそういうわけじゃはない。それに意志は美砂でも体は柚咲だろ、勝手に見るわけにはいかないだろ。早く服を着替えろ」

 

「んーそういってもなーこの服以外に服なんて持ってきてないだろ?」

 

「・・・分かった。作戦を考えたのは俺だ。なら俺にも原因はあるだろう。買っておいた俺の服の予備がある。男物だが我慢して着てくれるか?」

 

「あたしは別に気にしないけどなーそこは柚咲に聞いてみないと」

 

「だがその姿でいたら風邪を引くだろ?」

 

「以外と優しいんだな」

 

「そうじゃない。後味が悪いだけだ」

 

「分かったよ、そういうことにしといてやる。柚咲に戻るのは服が乾いて着替えてからにすれば問題ないだろ」

 

「悪いな。それじゃあついてきてくれ」

 

俺は美砂をテントまで連れてきて外を見張りテントの中で美砂に着替えてもらった。

美砂が着替えている間に朝見た夢のことを思い出していた。

 

「あれはただの夢だったのか...」

 

「何がですか?」

 

「うっ...友利か」

 

「はい」

 

「いつからそこに?」

 

「ずっと一緒にいましたよ?」

 

「・・・見てたのか?」

 

「何をですかねー。まぁ柚咲さんが、いや美砂さんが透け透けになっているのを見て乙坂さんが目をそらしたところら辺は見ていましたけど」

 

「最初からじゃないか...歩末は?」

 

「高城に付いていてとお願いしてあります」

 

「それで何か言いに来たのか?」

 

「いえ別に。それにこうなることは予想していたので」

 

「分かった上で何も言わなかったのか」

 

「はい。他に方法はありませんでしたから」

 

「ルルーシュ、待たせたな。何か話し声が聞こえたが誰かいたのか?」

 

友利は俺の隣にまだいるので何故かは分からないが美砂に能力を使用しているのだと気づく。

 

「それよりも歩末も来てるんだ、そのしゃべり方どうにかならないか?」

 

「んなこと言われてもなーこれがあたしだしな」

 

「服が乾いて柚咲に戻るまでの間でいいから頼めないか?」

 

「んーそれなら1つ条件がある」

 

「条件?」

 

「あたしが生きていた頃好きだった喫茶店があるんだよ、そこでご飯奢ってくれたら柚咲になりきってやる」

 

「そのくらいなら別に構わないが」

 

「本当か?約束だからな」

 

「ああ」

 

「あーすいません。ちょっと待ってください」

 

「なっ!てめえいつからいやがった!?」

 

「最初からいました。いいですねぇー喫茶店私も御一緒してもいいですか?」

 

「言い分けねえだろ!」

 

「それは何故ですか?」

 

「そ、それは...」

 

「二人とも少し落ち着け。友利今回は美砂の言うとおりにしてくれ」

 

「乙坂さんがそういうなら」

 

「ふぅ...」

 

「ならその後日私とも喫茶店行ってください」

 

「はぁ!?何言ってんだてめえ?」

 

「ああん?お前には関係ねえだろうが?」

 

暫く友利と美砂の口論が続いたがなんとか二人をなだめて歩末の元に戻る。

 

「あ!ルルーシュお兄ちゃん!遅いのですぅ!」

 

「少し色々あってな」

 

「ゆさりんと友利お姉ちゃん何か機嫌悪そうですが何かあったのでしょうか?」

 

「ううん。何でもないよ歩末ちゃん。心配かけちゃってごめんね」

 

「ああ、悪いな...あっ」

 

「ゆ、ゆさりんが不良みたいになっているのですぅ!!」

 

「そ、そう言えば柚咲はドラマで不良少女の役をやることになったんだよな?」

 

「え?...あ!はい!そうなんですよー普段から役になりきる練習をしないといけなくってー」

 

「そうだったのですかー!それはとても気になるのですぅ!!いつ放送するのでしょうかぁ!!」

 

「え?...えーと」

 

歩末の質問に困った美砂は俺の方を見て助けを求めてくる。こうなった原因が俺にもある以上なんとかしなくてはいけないのでフォローする。

 

「まだ未定なんだろ?この間言っていたじゃないか」

 

「あっ!そ、そうでした!まだ未定なんですよー」

 

「そうなんですかぁー!というか!ルルーシュお兄ちゃん知っていたならあゆにもっと早く教えてほしかったのですぅ!!」

 

俺はなんとか誤魔化して美砂にボロが出ないようにフォローしていると夕方になった。

 

「結局今日も能力者は現れなかったな」

 

「だなー」

 

「美砂。女の子があぐらをかくのはどうかと思うぞ?」

 

「いいだろ別に。あんたとあたししかいないんだし」

 

「そう言えば友利はどこに行ったんだ?」

 

「ああー、なんかさっき森の中に入ってたぞ」

 

「そうか」

 

俺は少し心配になり友利が入っていったという森の中を進んでいった。暫く進んでいくと少し開けたところに出て友利が座っていた。俺は友利の隣までいき座る。

 

「何かようでしょうか?」

 

「いや。特に用はないんだ」

 

「そうですか。美砂さんを1人にしていいんですか?女の子ですよ?」

 

「それなら友利もだろ?」

 

「はぁ、まぁ女の子扱いなんて暫くされたことなかったので微妙なところですが」

 

「なあ、友利」

 

「はい。何でしょうか?」

 

「いつも聞いてるその曲なんていう曲なんだ?」

 

「ZHIEND (ジエンド)っていうバンド」

 

「聞いたことないな」

 

「兄が好きだったバンドです」

 

「へぇ。友利に兄弟とかいたのか」

 

「そう言えばまだ話していませんでしたね」

 

「なにをだ?」

 

「私の過去についてです」

 

「聞いてないからな」

 

「ええ。今回の任務が終わったら教えますよ」

 

「別に無理して話さなくてもいいんだぞ?」

 

「いえ。私が聞いてもらいたいのかもしれません」

 

「どういう意味だ?」

 

「さあ。私にもよくわかりません...。それよりこの曲聞いてみますか?」

 

「いいのか?」

 

「はい」

 

俺は友利からイヤホンを貸してもらいZHIEND (ジエンド)の曲を聞いた。聞いた瞬間にどこか聞いたことのあるような懐かしい不思議な感覚に襲われてそのあとに広いところに1人で立っているような不思議な気分になる曲だった。

 

「どうっすか?」

 

「いい曲だな。広いところにまるで1人で立っているような」

 

「おお!分かってるじゃないっすか!そうなんすよ。ZHIEND (ジエンド)の音楽はスゴくスゴく広大でひたすら孤独なんです。それは作曲もこなすボーカルが両目の光を失っているからだと思うんです。景色がどこまでも広がっていくイメージで。ZHIEND (ジエンド)のPVを撮るのが夢なんす」

 

ZHIEND (ジエンド)のことを話す友利は生き生きとしていて今まで見たことのない顔をしていた。

 

「ZHIEND (ジエンド)の活動を追ったドキュメントでもいいなぁ~」

 

「ああ。応援してるよ」

 

「あ、ありがとうございます...」

 

友利は何故か急に顔を赤くして顔を下に向けてしまった。俺は何か変なことを言ってしまったのかと思っていると友利が再び顔をあげた。

 

「それプレイヤーごとあげます」

 

「いや、それは流石に悪いだろ?というか顔赤いが友利熱でもあるのか?」

 

「い、いやいや!熱なんてないですから!能力の仕事で貯金もありますので新しいの買えますし。それに、そ、その嬉しかったので...」

 

「なら遠慮なくもらっておくよ」

 

「はいっす」

 

能力者が現れないまま2日目が過ぎていった。

余談だが高城は翌日の朝になるまでテントの中で眠っていた。

 

 

 

 

 




少し短かったですかね....。次回は友利の兄が登場します。

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