Charlotte(ルルーシュver)題名考え中 作:@まきにき
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翌日の朝。俺は友利 奈緒からの電話の着信音により起こされた。昨日引っ越しの準備をしたり歩末に転入のことを話したりと色々大変だったのでまだ眠いが目を擦って無理矢理体を起こす。
「あーすいません、まだ寝てましたか?」
「大丈夫です...それで用件は何でしょうか?」
俺は時計の針を確認してまだ6時を指しているのを見て二度寝することを決め友利 奈緒の用件を聞く。
「昨日話していた引っ越しの手続きが終わりましたので今日荷物を纏めてもらえないかと思いまして」
「荷物なら昨日のうちに纏めておいたので。引っ越しなら今日でも問題ないですよ」
「・・・相変わらず隙のない人ですね...わざわざ昨日言わずに帰ったのに」
「会って間もない相手に相変わらずと言われましても。はぁ...これで俺は正式に星ノ海学園の生徒になったわけですか」
「はい、妹ちゃんのほうも手続きは既に済ませてあります。お話はしてもらえましたか?」
「ああ話はしておきましたが俺と歩末が特待生として星ノ海学園に入るっていうのは良いいんですか?」
「いいとは?」
「こんな微妙な時期にそんなことして大丈夫なんですか?」
「ああ、大丈夫ですよ。話は通してありますから、それに特待生の方が助かるのではないですか?」
俺が思っている以上に友利 奈緒の顔は学外だけではなく学内でも効くようだ。生徒会長だと言っていたがそれも関係あるのか?
「確かにうちには払えるお金はないがここまでしてもらうのも悪いと思いまして」
「いえいえ。それにあなたにはしてもらいたいこともありますので」
「してもらいたいこと?」
「その話はのちほど」
「分かりました」
俺が星ノ海学園に転入するにあたり、歩末も同じ中学に通うには距離が遠すぎるので星ノ海学園に一緒に転入することになったのだ。星ノ海学園は聞いた限り高校というわけではないらしい、最初俺は中学は違う場所だと思っていたのだが星ノ海学園の目的は能力者の保護ということなので高等部と中等部があり近いので俺としても安心だ。
「引っ越しの準備お二人では大変だと思うので私達も途中で手伝いに向かいますね」
私達?ああ昨日の高城 丈士朗というやつも一緒に来るということか。
「そんなに荷物もないですし大丈夫ですよ。それに業者の人もやってくれると思いますし」
「話して起きたいことがあるんです」
「電話では話せないことなんですか?」
「別に話せなくはないんですが高城 も一緒にいた方が都合がいいので」
さっき話してた。してもらいたいことの話だと理解して話を進める。
「そういうことでしたらお願いします」
「今から引っ越し業者の人がいくと思うので、それではまたのちほど」
話す内容について気にはなったが深く追求せずに二度寝は諦めて引っ越しの準備をすることにした。
ーーー星ノ海学園の寮。
寮に着くと俺は少なからず驚いた。玄関のセキュリティーは最新で警備の人までいる。さらに部屋は二人で住むには広すぎるといってもいいくらい開放的な部屋だった。
「おおーー!すごい広い部屋なのですぅー!本当にあゆとルルーシュお兄ちゃんの二人で使っていいんでしょうかー!?」
歩末の疑問は俺にとっても、もっともな疑問だった。いくら能力者の保護をするとしてもここまでの設備と部屋を貸してくれるなど学校では無理だ。それならもっと大きな企業が絡んでいると俺は思い少し警戒をすることにした。
「確かに二人だと勿体ない部屋の広さだな」
俺達が話をしていると業者の人が俺達の荷物を部屋の中に運んでくれていた。荷物を運んでくれている業者さんに向かって歩末が。
「お疲れ様でござる!不詳私めにもお手伝いを!!」
俺は困っている業者さんを見て、その光景を微笑ましく思い自然と笑みがもれる。だがこのままだと業者さんの仕事にならないので注意する。
「歩末、業者さんの仕事を奪ってやるな」
「おおー!そういう発想はあゆにはありませんでしたー!」
業者さんが部屋に荷物を全部運び入れてくれた後業者さんが帰るとすぐに友利 奈緒と高城 丈士朗が来た。
「こんにちわーお邪魔しますーてかしてます~」
「うっ...能力を使っていきなり現れるのやめてもらえませんか?」
「おっ、やっと普通に驚いてくれましたね。最初驚かなかったのあなたが初めてだったので少しいら...能力を無くしてしまったのではと心配になったので試してみました」
「今明らかにいらっとしてるといいかけませんでしたか?」
「いえいえ、そんなことないですよ」
「あれ?皆さんはルルーシュお兄ちゃんと同じ学校の人達でしょーか?」
「はい。生徒会の者です」
「私は高城 。こちらは友利さん放課後になったのでお手伝いしようと寄ってみました」
「それは助かるのですぅー!」
「では手分けしていきましょう」
「はい!」
高城はどこから取り出したのか分からないエプロンを一瞬の間に着替えて決めポーズを取っていた。俺はエプロンの早着替えも能力なのかと思ったが別に早着替え出来るからなにというわけではないので考えるのを辞めた。
俺が部屋の掃除をしていると歩末と友利 奈緒が一緒にいたので気になり部屋を覗いてみると。
「歩末ちゃん、手品見せてあげよっか?」
「それは是非みたいのですぅー!」
「そこにいてね。一瞬の出来事だから」
「うん!て、えええ!!」
俺から見ると歩末がうんと言った後に驚いているので恐らくは友利 奈緒が能力を使って歩末の前から消えているのだろう。そしてゆっくり歩末の後ろに回り込み肩を叩いた。能力のことを知らない相手なら誰しもが驚くであろう、俺も妹の度肝を抜きすぎると思って止めたいがあまりに歩末が楽しそうなので止めにいくことも出来ずに少しずつ部屋に入っていった。
「ええ!すごいのです!いきなり後ろに現れたのですぅー!テレビに出てくる人よりすごいのですぅー!」
「喜んでもらえた?」
歩末は何度も首を縦に降って喜びを表している。そんな歩末を微笑ましく見ていると友利 奈緒と目があった。
「乙坂さんもやりますか?」
「遠慮しておきます...」
たねの分かっている手品ほどつまらないものはない。
「それよりも、そろそろ片付けも一段落つきそうなので聞きたいことがあるんですが」
「そうですね。分かりました、高城を連れてくるので待っていてください」
歩末の前で話すわけにもいかないので俺の部屋に集まることになった。
「それで俺にしてもらいたいことというのは?」
「あなたには私達の生徒会に入ってもらいたいんです」
「生徒会?」
「はい。あなたの能力は使えるので協力してほしいのです」
「何にですか?」
「能力を悪用しているやつらを脅すためにです。あたし達はそういう存在なのです」
「脅す?俺はなるべく能力に頼らないように生きてきました、ここ一年でこの能力を使ったのは」
「1度だけですよね?」
「なぜそれを知っているんですか?」
「あなたが能力をどのように使ったのかは分かりませんが私が見てきた限りでは3週間前に居眠り運転の事故が起きようとしているときに能力を使いそれを回避した。私は丁度その場にいました。悪用ではありませんでした...でも普段どのように使っているかなんて分かりません、ですからカンニング疑惑を訴え出たんです」
能力者は大抵能力をあてにしているのだろう、自分は特別だと他の人とは違う選ばれた存在なのだと。そんな能力者を見てきたから友利 奈緒は能力者に対して疑惑の念をもってしまうのだろう。
「何のために脅すんですか?」
「能力者を守るためです」
能力者に対して疑惑の念を人一倍持っているはずなのに誰よりも能力者を守ろうとしているその矛盾と覚悟に過去なにかあるのかと思ったが今は聞かずに歩末のためにも協力することを決意した。
「分かりました。俺で良ければ生徒会に入ります」
「ありがとうございます」
「それでは乙坂さん、これからよろしくお願いします」
話も終わり外も暗くなってきたので友利と高城は帰っていった。俺は疲れたので早めに布団に入ろうとすると歩末の声が俺の部屋まで聞こえてきたので歩末の部屋に向かった。
「やっぱりHow-Low-Helloの西森 柚咲は最高ーなのですぅー!」
俺が部屋を覗くと何かのバンドの曲と歩末の興奮した声が部屋でこだましていた。
「歩末、明日は学校なんだから早めに寝るんだぞ?」
「あ、ルルーシュお兄ちゃん!見てみて!今How-Low-Helloの西森 柚咲ことゆさりんがテレビに出てるのですぅー!」
俺はテレビをあまり見ないのでHow-Low-Helloの西森 柚咲と言われても誰だか分からなかった。
「そ、そうか..あまり遅くならないように寝るんだぞ?」
「了解したのですぅー!」
翌日。朝起きて俺は今玄関で歩末が来るのを待っている。勿論一緒に登校するためだ。
「ルルーシュお兄ちゃん!お待たせなのですぅー!」
「そんなに待ってないよ。それじゃあ行こうか」
「あ!ちょっと待ってくだされ!お弁当を作ったのですぅー!」
「いつもありがとう、歩末」
俺は歩末の頭を撫でながらお弁当を受けとる。
「歩末もルルーシュお兄ちゃんに食べてもらえると嬉しいので大丈夫なのですぅー!」
「それじゃあ行こうか」
「はいなのですぅー!」
俺は歩末を中等部の校舎まで送っていき自分の教室に向かう前に転入初日なので職員室に向かった。職員室で話を済ませて職員室から出ると友利と高城がいた。
「ようこそ我が校へ」
高城は友利の声に合わせてこちらに会釈だけしてくる。俺も会釈で返して三人で教室に向かう。
「ここにいる生徒は全員が能力者なんですか?」
「いいえ。ここにいる生徒の殆どは能力のありそうなものやこれから能力が出るかもしれないという疑いのある生徒が殆どです」
「むかーし我々のような特別な能力を持った者は脳科学者のモルモットになっていたんです。1度捕まれば人生終わり。」
友利は口調こそいままでと同じだがその声音はどこか悲しそうに聞こえて友利の過去と何か関係があるのではと思った。だが俺にはそれを確かめるすべはなかった。
「そうですか...」
「ありえないとか、冗談とか言わないんですね?」
「嘘ついているかどうかは目を見れば何となく分かりますから」
「そうですか...あ、あと何故に敬語なんですか?」
「生徒会長ということは年上ではないんですか?」
「いえ。同い年です」
高校一年で生徒会長、よほど頭がいいのかそれとも特別な決まりでもあるのか。俺はあまりに知らないことが多すぎると思いしばらくは情報を集めることにした。
「それなら何故あなたも敬語を?」
「ああ、私はこのしゃべり方が落ち着くので」
教室に着くと担任から自己紹介をしてくれと言われたので簡単に済ませて自分の席に戻った。
休み時間になると高城に学食に誘われたが歩末が作ってくれた弁当があるからと断ろうとした。だが学食も見てみたいとも思ったので弁当を持って学食に着いていくことにした。
ーーー学食。
「どこも混んでいて座れそうにないな」
「そうですね。サンドイッチでも買って教室で食べましょうか、乙坂さんはお弁当がありますしサンドイッチはどうしますか?」
「今回は遠慮しておくよ。だがあの列に並ぶのか?」
学食には何種類かご飯を注文できる所があったがどこもすごい行列だった。
「私の能力なら問題はありません。ただ速すぎて味を選べないのが難点ですが」
高城はそれだけいうと一瞬にしてその場から消えて周囲は風圧で吹き飛び強化ガラスは割れていた。誰から見てもはた迷惑なことだろう。
「乙坂さん」
後ろから声がして後ろを振り返ると頭から血を流した高城が立っていた。高城の瞬間移動は初めて見たがあの時無理矢理この能力で連れていかれそうになったと考えると冷や汗が出てくる。
教室に戻り教室を向かい合わせて高城と食べながら俺は高城の能力について少し調べることにした。
「パンを取ることは出来るが品定めする時間はないってことなのか?」
「そうですね、瞬間移動ですから」
「変に潰れているのも」
「瞬間移動ですから、力の加減なんて出来るはずがありません」
「着地する位置とか決めれないのか?」
「それができるのなら品定めも出来るでしょう」
「そうだよな....会長は女子同士で昼御飯を食べたりはしないのか?」
「彼女の能力は特定の一人に対してだけ見えなくなる力です。逆に言えばそれ以外の人間には見える。その不完全さ故に今の状況を招いたのでしょう」
「つまりいくら理由があってもそれは能力を使った暴力と周りには見えるからってことか」
「ええ。理解が早くて助かります、おっとこっちに来ますよ」
「協力者が現れます」
「協力者?」
「生徒会室に集合ということです」
この状況で生徒会室に集合という理由は1つしかない。
「能力者が見つかったってことなのか?」
「ほんとに察しがいいですね...」
ーーー生徒会室。
俺達が生徒会室に集まってしばらく過ぎるとずぶ濡れの男が急に入ってきた。そしてーーー。
「能力は...念写」
それだけ言ってずぶ濡れの男は生徒会室を出ていった。
「今のは?」
「特殊能力者の能力と居場所を教えてくれる協力者です」
「難波高校...待ち伏せするか。早退していくぞ」
「授業午後も残ってるはずだが...」
「生徒会は早退認められているので問題ありません」
ーーー難波高校。
「さあー聞き込み開始~」
「はい!」
友利の掛け声に敬礼をしながら返事をする高城。
「念写が能力ということは...ここ最近での写真での噂話などを聞けばいいのか?」
「素晴らしいですね...概ねその通りです。では!」
俺は校門にしばらくいると難波高校の女子生徒に話しかけられたので写真についてこの頃何か噂話などはないか聞いてみると何でも男子の間で何か流行っているという情報を得ることが出来た。
念写の能力を使用して女子生徒では流行っておらず男子生徒だけで流行っているという情報を整理して1つの解答に辿り着いた。犯人の狙いが分かった時後ろから友利に呼ばれて振り向く。
「挙動がおかしなやつがいました。あなたの能力で乗り移ってあいつの鞄の中身を調べてください!」
「その怪しいやつはどこに?」
「こっちです!」
ここでひとつ問題が起きた。俺は必死で走った別にふざけているわけじゃない。だが友利の背中が徐々に遠くなっていく。
「乙坂さん!足遅すぎます!ふざけてるんですか!?」
「はぁはぁ...お、俺はこれでも本気で走ってるんだよ」
そう俺は運動音痴なのだ。
「まさか...ここまで運動音痴だとは」
「はぁはぁ...すまない」
「いえ、それより早く追わないと」
「その事なんだが逃げたやつの行き先くらいならだいだい分かるから高城と会長で俺の指示通りに動いてくれないか?」
「・・・捕まえられますか?」
「ああ、従ってくれれば」
「分かりました」
今逃げてる男子生徒は恐らく自分が持っている物をバレたくなくて逃げている。その真相心理は警察に追い詰められた強盗と同じだ。それならば揺すれば簡単に捕まえられる、まず唯一相手に顔を見られている友利は校門にいてもらう。こうすることで男子生徒は帰ることは出来なくなる、普段の落ち着いた思考なら裏口から出るなど考えられるが今はそんなに余裕がないため身を潜めることに集中する。もっとも安心して身を潜めることが可能な場所は別館の1階男子トイレだ。まず理由として見つけたのが女子である友利だということで男子トイレに入っていれば安全だと考えるからだ、それに1階ならもしもバレたときに窓から出て外に逃げることも出来る。だがトイレの窓の所は俺が外から見張るので出てくればチェットクメイトだ。
この作戦を友利に話したときに、あなたは命令するだけで自分は何もしないのだと思っていました。と言われたがそれでは捕まえられない、これは1つの駒でも抜けたら穴だらけになってしまう作戦なのだから。
結果俺の予想通り男子生徒を捕まえることが出来、友利を呼び出した。
「さて、それでは調べさせてもらいますね」
「ま、待ってくれ!」
友利が調べようと鞄に手をかけようとすると男子生徒は鞄を抱き締めて待ってくれ!と必死に懇願してきた。
「その鞄の中にあるものなら大体予想はついている」
俺が言うと男子生徒はビクッと体を揺らして顔は青ざめ始めた。
「それでこの中には何が入っているのでしょうか?」
「女子生徒の下着写真だ」
「な、なんで...」
俺が言うと男子生徒は明らかに口調がおかしくなった。
「何故そう思うんですか?」
「さっき校門のところでここの女子生徒に聞いてみたところ男子生徒には流行っていて女子生徒には流行っていないと言われたんだ。そしてこの逃走となれば考えられるものは」
「女子には見せられない如何わしい物ですか」
「頭の回転が早いなそれでこれからどうする?」
「勿論下着写真は証拠になるので徴収します。それにこの人が念写したとは思えませんし誰から貰ったのかをしゃべってもらいます」
俺達が男子生徒の方に目を向けるとまだ鞄を抱き締めていたので俺はため息をつきながら能力を使い乗り移って鞄を友利に向かって投げた。
乗り移られた男子生徒は何が起きたんだみたいな顔をしたが鞄を持っていないことに気づくと慌ててこちらを見たが既に友利が写真を2枚見つけたあとだった。1枚は普通の女子生徒が制服姿で笑っている写真。そしてもう一枚はさっきの写真と同じ女子生徒が下着姿で写っていた。
「これが念写かーしょうもないことに使うなー」
「どうやら乙坂さんが言っていたことは合っていたようですね」
「さあこの写真をどこで手に入れたのか教えてください」
男子生徒は友利の質問には黙ったままだった。
「別にこの件を第三者に漏らすようなことはしません。真実だけ教えてください、教えてくれないとこの写真の子にあなたがこれ持ってたことばらしちゃいますよ?」
「・・・くっ、有働。二年E組」
「ありがとうございます。突入するぞー2年E組有働を捕まえる」
「あ、あの写真は...」
「この状況で返すわけないだろ、つか引くなっ!!」
ーーー二年E組。
「有働さんはもう帰られましたか?」
「え?有働君なら弓道部にいるんじゃないかな?」
「そうですかありがとうございましたーそれじゃあ弓道部に向かうぞー」
ーーー弓道部。
俺達が弓道部に着くと有働という生徒以外は丁度帰ろうとしていた。
「それでは部長お先に失礼します」
「ああ。お疲れ」
「いやーびっくりしたなぁー」
友利は能力を使い有働の前まで行って姿を表しながら有働に話しかけた。恐らく驚いたのは有働のほうだろう。
「うぉおお!お前誰だ!?どっから沸いて出てきた!?」
「酷いなー人をそんなゴキブリみたいに言わないでもらえますかね。それにまさかこんなハレンチな写真を念写能力で撮影して売り捌いている犯人が弓道部の部長だなんて~」
「うっ、写真?念写能力?なんのことだか」
「あなたのお客さんがゲロッたんすよ。あとあなたのロッカーも調べさせてもらいました。大量の写真が出てきてこのビデオカメラに証拠として録画しておきました」
「なっ...」
「部室のロッカーくらいなら簡単に開けられます」
友利の完璧ともいえる証拠を俺と高城は有働にバレないように柱の影に隠れながら見ている。
「えっ...くそ」
「どうしてそんなことを?」
「そりゃ金になるからさ」
「家計的な問題ですか。そんなお金もらっても親御さんは喜ばないっすよ」
「病気なんだよ!!仕方ないだろ!」
これでチェックだと俺は思っていたが有働は弓道着の中に手を入れて一枚の写真を取り出した。
「お前の下着姿を念写した。顔まで写っている、写真をばらまかれたくなかったら全て無かった事にしろ!」
「え!今ので念写終わりっすか!ぱないな!でもそんなの需要ないっすよ」
「どっから見ても上玉だろ?」
「マジっすか!誉められた!やったぁー♪」
この状況でなぜそこまで喜んでいられるのか理解出来なかったが先に進まないので俺は有働に乗り移り友利に写真を投げた。
「ナイス」
「ん..あれ写真がない!」
「ここにありまーす」
「何で...お前が」
「詰みました。観念してください」
弓道部の部長は追い詰められたことにより友利に向けて矢を向けた。俺はこの時に隣にいた高城の肩を掴み引っ張ることで1秒でも早く止めるために友利の元に向かった。考えもなく動くなんて俺らしくないが体が勝手に動いてしまった。
「全てを無かった事にしろ!」
「矢を人に向けるなんて最低ーです。武道精神ナッシングかよ!!」
「えっ...」
友利の言葉とともに俺の意識は右肩の激痛により意識を手放した。
目が覚めると知らない天井。知らない場所で俺は寝かされていた。
「ここは?」
「あ、目が覚めましたか」
俺が目を覚ますとベットの隣で会長がイスに座っていた。
「会長?」
「はい。」
「俺は一体...」
「あなたは有働さんが矢を引いたときに友利さんの前に立って友利さんの代わりに矢を受けたのです」
高城の声が聞こえた俺はまだ痛む右肩を左手で押さえながら起き上がるとそこには友利の他に高城もいた。
「そうか」
「そうか、ではありません...何故あの場面で私の前になんて出てきたんですか!一歩間違えれば死んでいたかもしれないんですよ!」
(友利さんがここまで取り乱して怒るのは始めてみます。でもそれは友利さんの中で何かが変わったから、そして影響を与えてくれたのは乙坂さんなのでしょうね)
「俺にも分からない。ただ」
「ただ何ですか」
「友達を助けるのに理由は必要なのか?」
「えっ...いやあの」
「さてさて乙坂さんも命には別状はないのでいいではないですか。」
「・・・そうですね、そのありがとうございました。助けてくれて」
友利と高城はそのあとしばらく話して帰っていった。友利達が帰ってからしばらくするとものすごい勢いで部屋の扉が開かれて歩末が入ってきて怪我のことで色々聞かれたが今日は疲れたから明日話すよと言って眠りにつくのだった。
次回はいよいよ、ゆさりんが登場します。