またまた久しぶりの投稿です。なのに超短いです。すいません。
代わりに……というのはちょっと違うかもしれませんが、数日後に息抜き回を投稿したいと思います。やっぱりほのぼのしてる方が書いてて楽しいんですよね。
あ、ちなみに最近の話は、時間的には現代日本視点が先行してて、幻想郷視点が後を追っていく感じになっています。
ということで、どうぞ。
「何か手がかりは見つかった?」
「……いえ、こちらは何も」
「ったく、どこ行ったんだよ碧翔……」
地霊殿の大広間。さとりや霊夢など、碧翔を探している面々が集まっていた。どうやら成果は出せていないようだ。……まあ当たり前なのだが。
ちなみに、今この場は霊夢とさとりが指揮を執っているらしい。
「地底はもう探し尽くしたと思うのですが、手がかりはありませんでした」
「こっちもダメね。萃香の話だと人間の里での目撃情報は一切無かったらしいし、私達も成果なしよ」
「全く、太陽の畑は遠いし、うっかり花踏んで幽香は怒るし、散々だったぜ」
皆、肩を落とす。……やはり面白い。人間一人いなくなっただけでこれだけの人数が集まるなど、滅多にないことだ。しかも当の本人は本当にただの人間で、かなりの人望がある訳でも、群を抜いて優れているものがある訳でもない。目立って悪いところがあるなんてこともないが、性格的にも能力的にも本当にただの人間だ。
「でも、そうだな……ここまで探しても手がかりが無いとなると、森のよっぽど深くで彷徨ってるか、外の世界にいるくらいしか可能性が……」
「っ……」
「さ、さとり様……碧翔ならきっと大丈夫ですって」
皆の間に妙な空気が流れる。
そうね……。覚妖怪の前に姿を現すのは気が進まないけれど……あの子の為にも、そろそろ出てみましょうか。
と、その時、霊夢が宙を見上げ――正確にはこちらを見て、言った。
「……じゃ、答えはあいつに訊いてみましょうか」
「……?」
皆がこちらを見る。流石霊夢と言ったところか。私はスキマから出ると、皆の前に立った。
「八雲紫……!」
皆が驚く中、霊夢は一つため息をついて言った。
「これだけ探しても見つからないし、どうせあんたの仕業でしょ?」
「あら、人聞きの悪い。別に私は何もしていないけれど?」
「あ、あのっ、碧翔について、何か知っているんですか?」
と、さとりがこちらに問いかける。……覚妖怪は今考えている事しか読めないんだったか。
「あの子なら、外の世界にいるわ」
「っ……!」
「あら、幻想郷に戻るって話なら、あの子は望んでいないかもしれないわよ?」
心が読めるんだから、私がカマをかけたのも、知っていて言っているのも分かっているはずだ。だが、今の私もあの子の本心は知らない。当然、知らないことは読めるはずもなく……。向こうの方から姿を表しても良かったかもしれないが……やはり先にこちらに来て正解だったようだ。
「あんた……ちょっと趣味が悪いんじゃない?」
「最近暇なのよ。霊夢だって薄々気づいてるんでしょう?」
「……碧翔に合わせてもらえませんか?」
と、さとりが言う。私としては別に構わないが……霊夢がまっすぐに目線を向けてきた。
「……少し待っていてくれる?」
さとりにそう告げると、霊夢は奥の廊下へと進んでいく。私もその後を追って、奥へ入った。
「……あんたが行ってきなさいよ」
霊夢は急に立ち止まって、私に背を向けたままそう言った。
「何故かしら?」
「さとりが行ったら、碧翔の本心が聞けないでしょ? 二人は今会うべきじゃない。というか、あんたもどうせ行くつもりなんでしょ?」
「……ふふ、霊夢にしては珍しいわね」
本当に。これも、あの子の影響なんだろうか。
「いいわよ、行っても」
「……碧翔に変なこと吹き込まないでよ?」
と、さとりもこちらにやって来た。
「すみません、二人の心が聞こえてきたので……碧翔を、よろしくお願いします」
覚妖怪の能力の有効範囲は結構広いようだ。……まあ、いいか。
「……ふふ、楽しみにしててね?」
二人にそう告げると、私はスキマの中へと入っていった。
本編の方はストーリー的に書くのが難しくて進みが悪く。一応流れは考えてあるんですけどね。
──
さて、本作のヒロインのさとりですが、総合的に見て他作品よりも包容力というか大人っぽさが無いと思われます。私の趣味です。はい。
実は口調でかなり悩みました。当初は~だわ、~かしら、などのキャラクター的なものにしようかと考えていましたが、そのような口調が好みではないという、私の個人的趣味で敬語に。でも実際敬語は可愛いと思うんですよ。