東方読心録   作:Suiren3272

1 / 34
皆さん初めまして。
初投稿なので、至らぬ点も多いと思いますが、暖かい目で見守ってくれると嬉しいです。
投稿ペースは週に一回を目標としているので、これからよろしくお願いします。

追記
少し文章を修正しました。話の内容や流れは変わっていないので、一度読んだ人は読み返さなくても大丈夫なはず……です。


序章 ~平凡な生活は続かない~

「よう、碧翔(あおと)

「ああ、おはよう。今日はいい天気だね」

 朝八時過ぎ。登校途中に友達の蒼月(あつき)が軽く挨拶をしてきた。

 今日はいい具合に晴れていて、青く澄んだ空には綿を散らしたような雲が浮かんでいる。さらさらとした風が髪をなびかせるが、もう後一ヶ月もすると生温くなり、湿り気が出てしまうのが残念だ。

 

「今日朝から小テストだってよ。だるくねえ?」

「はは、確かに大変だよね」

 通学路には俺たちの他にもちらほらと学生達の姿が見える。良く言えば安定した、悪く言えばありきたりでつまらない、そんな平凡な朝だ。

「そういやお前、プロフィールの紙書いたのか?」

「学校の掲示物のやつ? ああ、書いたよ」

 なんか教室の前に掲示するプリントを書かされた。学年が上がると大体あるものだけど……果たして意味があるんだろうか。

 そう思いつつ、もう一度内容を確認する為に、鞄からプリントを出して一通り目を通す。

 

 真剣碧翔(まつるぎあおと)。現在高校一年生。誕生日は六月十七日で、最近十六歳になったばかり。ついこの間までは中学校に通っていた感じたったのに、時の流れは早いな。

 プリントに何か誤字があったりは……大丈夫か。

「性別の欄、間違えてないか?」

「え? ちゃんと男になってるけど?」

「お前料理とか裁縫したりとか、無駄に女子力高いから女じゃねえの?」

 冗談めかしてそう言う。言っちゃえば確かに地味だけど、役に立ってるし、個人的には別に無駄じゃないと思う。

 

 俺の家は母と妹と俺の三人家族で、父は俺がまだ小さい頃に亡くなってしまった。母は仕事で忙しいから、基本的に俺がほとんどの家事を行っている。まぁ、そのおかげで家事スキルは磨かれたし、今の生活も悪くないと俺は思う。

 強いて言えば、無気力感というのだろうか、あまり生活メリハリがついていないせいで、一日が流れて終わっているように感じる。何か刺激的なものが欲しいな……。

 

 と、二人で他愛のない会話をしているうちに、学校に着いた。

 昇降口で靴を履き替えていると、同じクラスの女子である青澄(あすみ)に声を掛けられる。

「あーおと、おはよっ」

「ああ、おはよう」

「今回のテスト、どう?」

 身を乗り出して質問してくる。元気の良さが取り柄の彼女とは、席が近いのもあって最近よく話している。

 どう、というのはおそらく、どれだけ点が取れそうか、という意味だろう。最近はあまりやる気が起きないというか、どうも勉強するような気分じゃない。……気分で決めるようなものじゃないことは百も承知だし、頑張らないといけないのは分かってるんだけど……。

 

「んー……微妙かな。あんまり勉強してないし」

「ま、お前の勉強してないってのは宛になんねえな」

「あははっ、確かに、碧翔は真面目だからねー」

 真面目、か。どうだろうな。真面目って言葉の意味をどう定義するかにもよるけど、今は全体的にだらけてるし……生活を改善しない限り、良くも悪くも普通ってところか。

 いつものように、三人でそんな会話をしながら、教室に向かった。

 

 

* * *

 

 

 教室に入ると、いつもの様に自分の席に座る。教室の窓側、一番左の真ん中辺りにあるこの席は、周りに友達と喋っている人達が多く、あまり落ち着かない。そのせいか、最近は昼休みに図書室に行くことが多くなってるな。

 もう少し落ち着ける場所はないかと考えながら机でダランとしていると、HRの開始のチャイムが鳴った。

「――あー……いつも通りの朝、か」

 大きく伸びをすると、姿勢を整えた。

 

 

 

 ――普段と何ら変わらないHRを終え、二時限目開始のチャイムが鳴ろうとしている頃だった。

 テストに向けて準備をしていると、不意に視界が揺らぐ。気のせいかと思ったが、その直後、猛烈な眠気に襲われた。昨日は割と早めに寝たはずだし、朝も眠気は少なかったはずだけど……。というか、ここで寝たら色々とまずい。

 なんて考えているうちに、段々と瞼は降りていき……俺の意識は、眠りの世界へと落ちていった。




いかがでしたでしょうか。
自分自身、小説というのは今までそんなに書いた事が無いので、内心とてもドキドキです。
次回もよろしくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。