やはり俺がチート部隊の隊長をするのは間違っている   作:サラリーマン

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職場見学1

テニスコート侵略事件から数週間後、二宮さんの呼び出しから1週間後。朝起きて、時計を見ると9時半。これは完全に寝坊したな…まあいいや。もう寝坊という事実は変わらないしゆっくり行くか。そう思い、朝食を食べゆっくりと学校へ向かった。

 

学校へ行くと、平塚先生の授業中だった。先生は板書していたので音を立てずに席に着こうとしてたのだが、偶然後ろを振り返った先生と目が合った。

 

平塚 「今は授業中だから遅刻の理由はあとで言ってもらう。今は席について、授業終わったら私のところまで来い。じゃあ授業を進めるぞ」

 

席に座り授業を聞く。10分ぐらいで授業が終わった。まあそれもそうか。俺が来たのがもうほとんど終わりかけだったし。それから平塚先生のところへ向かう。

 

平塚 「じゃあ比企谷。遅刻の理由について話してもらおうか」

八幡 「純粋に寝坊しました」

平塚 「珍しいな君が言い訳をしないなんて…とりあえず反省文は書いてもらうぞ」

八幡 「わかりました」

 

反省文は回避できるのだが今回は俺が全面的に悪いので甘んじて罰の受けることにした。そうしていると後ろで扉が開く音がする。そっちに視線を向けると青みがかった髪の制服を着崩した女子が入ってきた。

 

平塚 「このクラスは問題児が多いな。川崎沙希、君も遅刻か?」

 

川崎と呼ばれた生徒は会釈だけして、自分の席に着いた。

 

平塚 「全く…川崎、君も放課後までに反省文を私に提出しろ」

 

平塚先生は教室から出た。俺は川崎の顔をどこかで見たことがある気がしていたが思い出せずにもやもやしたまま授業を受けた。

 

総武高もテスト期間に入り、作戦室でいつものように勉強している。ここには俺と謡の二人だけだ。陽乃さんは大学の方で楓子さんとめぐりさんは総武高でそれぞれ用事が入っているらしくまだ来ていない。ここに来てから2時間ずっと勉強していて腹が減ってきた。そこに、

 

謡 「ハチ兄、そろそろおなかすきませんか?防衛任務の前にご飯食べに行きませんか?」

八幡 「そうだな。食堂にするか?」

謡 「それでもいいですけどたまにはほかの場所で食べたいです」

八幡 「ならサイゼは?」

謡 「いいですね!そこにしましょう」

八幡 「よしじゃあ行くか」

 

それから財布とスマホだけ持って謡と一緒に一番近いサイゼを目指した。

 

 

サイゼに向かい歩いていると電話がかかってくる

 

八幡 「もしもしどうした?小町」

小町 『あ、お兄ちゃん?ちょっと相談があるから今から会えないかな?』

八幡 「いいけど防衛任務があるからゆっくりできない。今日は話を聞くだけでもいいか?」

小町 『もちろん!お兄ちゃんは今どこいる?』

八幡 「謡と一緒にメシ食うためにサイゼに向かってる。その相談は謡がいても大丈夫なのか?」

小町 『ういちゃんもいるんだ!…ういちゃんがいても大丈夫だよ!今塾でたとこだからお兄ちゃんたちの方が早く着くと思うから待っててね?』

 

なんか変な間があったが何だろうか

 

八幡 「りょーかい。先行って待てるぞ」

小町 『うん。よろしくねお兄ちゃん!』

 

それから謡に電話の内容を話し、引き続きサイゼに向かった。

 

 

 

サイゼに着き、案内された席に向かう。その途中で勉強している三人組が目に入った。

雪ノ下、由比ヶ浜、戸塚の三人だ

 

雪ノ下 「では次はことわざの問題。無慈悲なものでも時には慈悲から涙を流すことがあるということわざは?」

由比ヶ浜 「無慈悲?慈悲?」

雪ノ下 「…言い換えるわね。比企谷君のようなひどい人間でもたまには優しさを見せることがある。鬼の目にも…」

由比ヶ浜 「わかった!金棒!」

 

まさか高校生にもなって慈悲の意味が分からないやつがいるとは思わなかった。さらに答えも間違っているし。雪ノ下に関してはスルー。

 

八幡 「答えは鬼の目にも涙だ。おまえはあれか?鬼に恨みでもあんのか?鬼に対してひどすぎるだろ」

由比ヶ浜 「ヒッキー!何でここに?」

戸塚 「八幡も勉強会に呼ばれたの?」

 

戸塚にはあれから八幡と呼ばれるようになっていた。さらに侵略事件以降戸塚以外のほかのテニス部員も戸塚が昼休みに練習していることを知り一緒に練習するようになっていた。

 

雪ノ下 「あら貴方は呼んでないのだけど。なぜあなたがここにいるのかしら?」

八幡 「メシ食いに来ただけだよ。それに呼ばれたとしても参加しないけどな。由比ヶ浜に教えてるだけで時間なくなりそうだし。というわけで行くぞ謡」

雪ノ下 「ちょっと待ちなさい」

 

席に向かおうとすると雪ノ下に呼び止められる

 

八幡 「なんだよ」

雪ノ下 「今すぐ両手を括って待ちなさい。すぐに警察呼ぶから」

 

雪ノ下はスマホを取り出す。後ろにいる謡の雰囲気が徐々に悪くなっていくのを感じる。

 

八幡 「なんで俺がそんなことしなきゃいけないんだよ。行くぞ謡」

謡 「いいんですか?ハチ兄」

 

たぶんこれは言い返さなくていいのか?みたいな意味だろう

 

八幡 「ああこいつらに付き合ってたらそれこそ時間の無駄だ」

戸塚 「八幡!さっきからその子、ハチ兄って呼んでるけどその子って八幡の妹なの?」

八幡 「いや違うぞ戸塚。こいつは四――

小町 「いたいた、お兄ちゃん!ういちゃん!」

 

俺の言葉は入ってきた小町にさえぎられる。小町の方を見ると横には見知らぬ男が…

 

八幡 「おい小町今すぐその場から離れろ。お前の後ろに邪魔な虫がいるからお兄ちゃんがつぶしてやるから」

小町 「待てお兄ちゃん!大志君はそんなんじゃないから!さっきの電話で言った相談って大志君の総武高に通ってるお姉さんのことなの!」

大志 「お願いします!もうお兄さんしかいないんです!」

八幡 「お兄さんと呼ぶな。次呼んだら地獄を見せるぞ」

謡 「どこの頑固おやじですか…」

 

謡があきれていたが俺は気にしない。小町は誰にもやらん

 

小町 「とりあえず座ろうよ」

 

小町の提案で席に座る。それから俺と謡は注文をし、小町もここで食べることにしたのか一緒に注文した。今このテーブルには俺と謡、小町と大志それになぜか雪ノ下と由比ヶ浜

、戸塚もいた。

 

八幡 「雪ノ下、由比ヶ浜なんでいるんだよ」

由比ヶ浜 「何でさいちゃんはいいんだし!」

八幡 「当たり前だろ。戸塚だぞ。それよりほんとなんでいるんだよ」

由比ヶ浜 「総武高に通ってるなら私たちも何か協力できるかもしれないし」

小町 「とりあえず一回自己紹介しませんか?」

雪ノ下 「そうね。初めまして。私は雪ノ下雪乃よ。」

由比ヶ浜 「初めまして由比ヶ浜結衣です」

戸塚 「僕は戸塚彩加です。八幡とはクラスメートです」

 

小町は三人の顔を見て、

 

小町 「みんなかわいい人だね!お兄ちゃん!」

八幡 「まあ戸塚は男だけどな」

小町 「またまた。そんなわけないじゃん!」

謡 「そうですよ。ハチ兄失礼ですよ」

戸塚 「僕男なんだけどな…」

 

戸塚が言うと、小町も謡も目を丸くする。

 

謡 「本当に男の人なんですか?」

戸塚 「うん」

謡 「失礼しました。私は四ノ宮謡と言います。ハチ兄と小町さんとは親が友達だったので昔よく遊んでもらってました。今日は両親が仕事で帰るのが遅くなると言っていたので、ハチ兄と一緒にご飯を食べることになりました。」

 

さすが謡。この中では俺と小町と謡しかわからない昔のことを入れることで誰もこれが嘘だとは思わなかったようだ。

 

小町 「次は小町だね!いつも愚兄がお世話になっております!比企谷小町です!」

大志 「最後は俺っすね。川崎大志っす。今日は姉ちゃんのことで相談があってきました。話聞いてもらっていいですか?」

八幡 「小町から聞いていると思うが、今日はあまり時間がない。それでもいいなら話せ。」

雪ノ下 「貴方みたいな友達がいない人に用事なんてあるわけないじゃない。それに相談を受けたなら解決法を提示するのが筋じゃないかしら」

謡 「雪ノ下さん貴方さっきから何なのですか!あなたがハチ兄のなにを知ってるっていうんですか!外見だけ見て中身見ないで話すのやめてもらえませんか?虫唾が走ります」

 

正直驚いている。俺が謡と会ってからおよそ一年。謡が怒るのなんて初めて見た。このままだと謡と雪ノ下の口論になる気がしたので止める

 

八幡 「やめろ謡。雪ノ下、お前は小学生を夜に連れまわしてなんかあったときに責任とれんのかよ。小町や大志だって中学生だ。遅くなれば親は当然心配もする。それにこの相談を持ち掛けられたのは俺だ。俺の都合に合わせてもらう。急にしゃしゃり出てきたやつが文句言うな。本来ならこの件は、お前は聞く権利がないことを自覚しろ。…大志話してくれ」

大志 「はいっす。」

 

それから大志は話し始めた。

 


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