やはり俺がチート部隊の隊長をするのは間違っている 作:サラリーマン
急いで書いたからいろいろ雑だなぁ。
ルミルミ登…場…?
イルガーとかいう新型のトリオン兵を倒した次の日、C級まで動員した大規模な小型トリオン兵の駆除作戦が行われた。やはりイレギュラーゲートが開いた原因は、ユイがにらんだ通りラッドという小型のトリオン兵だった。迅さんが捕まえてきたそいつをエンジニアの人たちが解析をし、レーダーに映るようにしてから駆除作戦が行われている。で、俺がいるのは本部に頼んで結構反応が多い住宅街に一人で来ている。なぜ住宅街なのかというと俺があることを試すためになるべく人がいないところがよかったのだ。住宅街なら日中は基本的に主婦の人しかいないので避難してもらう人数が少なく簡単だ。
「いつも以上に深く集中して。そうもっと深く」
「自分の体の中にトリオンが血液みたいに流れることをイメージして」
フランとファルの指示の下、座禅を組み集中し、体中を巡るトリオンの流れをイメージする。
「そのまま体を流れるトリオンを手に集中させて」
膝の上で三角形を作るようにしていた手を胸の前まで持ち上げる。そこにトリオンを集中させる。今まで閉じていた眼を開けると、俺の手の間には一つの光の球体ができていた。
「それが、この技の核となるものだよ。ただこれより大きいものを作っちゃだめだよ。これ以上だと命を削る。」
「ああ。わかってる。」
「ならいいよ。じゃあその技を完成させようか!」
「球体を解放して、一気に光を広げるイメージだよ」
「ああ。……天使の法律(エンジェルロウ)、発動」
はじけた球体を中心に辺りに光が広がっていく。少しの間光り続けると光は解けるように消えていった。さて、成果は……
「ユイここら一体の反応はどうだ?」
「すごいですパパ!パパを中心に半径250メートル圏内のラッドの反応がすべて消えました!」
よし!実験は成功だ!
近くにいるフランとファルとハイタッチを交わす。
天使の法律はメタトロンの大技だ。俺が敵と認識したものだけを消失させるレーザーを広範囲に光として放つことができる。ただし広範囲な分威力は落ちる。範囲を大きくしたまま威力を出そうとすると、さっきフランが言ってたように命を削る。と、まあなんだ、便利ではあるが代償もそこそこあるという基本に忠実な仕様となっている。
「パパ人払いしたはずなのに近くに誰かいるんですか?」
「ああ、いや、これはだな……」
答えようとしてしどろもどろになっているとテレパスが通じる。
≪ねえハチ君そろそろ誰かに伝えてもいいんじゃないかな?私たちのこと。≫
≪……いいのか?≫
なんとなくいいきっかけがなくまだフランたちのことは誰にも話していない。それに……
≪大丈夫だよ。ハチの周りにはあの騒動の大本だって聞いて今さら騒ぎ立てるような人はいないでしょ?≫
≪それにそっちの方が今よりも自由に動けるしね!≫
≪お前はそっちの方が目的か!≫
フランのおかげでユイに伝える決心がついた。
「ユイ、今からちょっと出てきてくれないか?」
「いいですけど、どうかしたんですか?パパ」
「ちょっとな」
スマホにトリオンを込め、ユイを実体化させる。
「なんですか?パパ。あ、お久しぶりですフランさんファルさん!」
「久しぶりユイちゃん」
「あれでもなんでお二人がここに?パパは人払いしたんですよね?」
「ああ。でも人払いした原因の一端がこいつらにもあるっていうかな。とりあえず百聞は一見に如かずってことで見てくれ。フラン、ファル」
「ほいほい」
フランとファルが一瞬でこの場からいなくなる。
「え……」
「フラン、ファル」
もう一度二人に呼びかける。
「ほいほい」
今度は一瞬で二人が姿を現す。
「えええええぇぇぇぇぇぇーーー!」
ユイの絶叫があたりに響き渡った。
「あー見てもらって分かったと思うがネイバーなんだわ。この二人」
「正確には元ネイバーね。」
「で、現幽霊、かな?」
「……」
ユイが驚いた表情のまま固まっていた。驚きすぎて思考回路が停止してしまったのか?
「……はっ!どういうことですかパパ!フランさんとファルさんが元ネイバーの現幽霊って!」
「いやー実はな。かくかくしかじかで」
それからユイに今までのことを説明する。
「つまりお二人は大昔に亡くなった方で今はメタトロンの中に住んでいる。ということですか?」
「意識しかないから住んでいるってわけじゃないけどそう言うことだね」
「そうですか。……パパこのことはねえたちにはもう言ったんですか?」
「いやまだだけど」
「だったらねえたちに言うときに質問させてください。パパ今はラッドに」
「そうだな」
ここら一体のラッドはいなくなったとはいえ三門市全体にはまだまだたくさんのラッドが潜んでいる。話の続きはユイが言った通りラッドを全部倒して、みんなが揃った時の方がいいだろうな。
***
ラッドの殲滅が終わり、フランとファルのことをみんなは話してから1週間後、期末テストも終わりなんとなく学校中がだらだらとした雰囲気になっている中俺は駅の近くにあるコミュニティセンターへと向かっていた。
ことの発端は数日前、謡とルミルミが俺のところまで来たのが始まりだ。(ほぼ毎日謡とは会ってるんだけどね)
なんでも小学校の方で海浜総合高校と総武高校が主催するクリスマスパーティーの手伝いとして参加することになり、その会議に参加したのだが最悪だったらしい。いつまでも何も決めようとしない進行役がいたり、海浜総合のメンツが濃かったりとかなんとか。総武高の生徒会も参加していたんだが、会長と生徒会メンバーのコミュニケーションも取れてなく、散々だったらしい。何してんだ本牧よ。(旧生徒会でめぐりさんの手伝いをしているときに知り合った)そんなわけで総武高生徒会の手伝いとして俺に白羽の矢が立ったわけだ。
謡とルミルミの頼みだし、知らない顔がいないわけでもないから引き受けた。本牧にはすでに言ってあるというかこの案自体本牧の発案らしい。おい本牧よ。
謡とルミルミとはコミュニティセンター近くのコンビニで待ち合わせとなっている。
コンビニで謡たちと合流するとコミュニティセンターの中に入り、ひとまず本牧に挨拶する。
「よう本牧」
「久しぶり比企谷。今日は来てくれて助かったよ」
「よくも巻き込んでくれやがったなこの野郎。聞けばお前発案らしいじゃねえか」
「それに関しては本当にすまないと思う!」
「お前はどこのバウアーさんだよ」
けっこう似てんじゃねえか
「で、どこまで決まってるんだ?」
「何も」
「え?」
「だから何も決まってないよ。議事録に見るか?」
「ああ」
議事録を受け取り中を見る。
「オーケーオーケー把握した。……帰っていい?」
「「「だめ(だ/です)」」」
本牧だけでなく謡やルミルミにまで却下された。なんだこの議事録は。中身スッカスカだろ。
「ついてきて比企谷。一色さんと向こうの会長に挨拶するから」
そう言って連れてこられたのが亜麻色の髪をしたあざとそうな女子と意識高そうな男子のところだ。あ、一色ってあれか。生徒会長になったやつか。
「一色さん、玉縄君。こちらは比企谷。助っ人として来て貰ったんだ」
「比企谷だ。よろしく頼む」
一色も玉縄も最初は怪訝そうな顔をしていたがスケットと紹介されてからは納得したような顔になっていた
「よろしくお願いしますせんぱい」
うんあざとい
「僕は玉縄で海浜総合で生徒会長をしているんだ。総武高校と一緒に企画できてよかったよー。お互いにリスペクトできるパートナーシップを築いてシナジー効果を生んでいけないかなと思っててさー。」
……のっけからいいパンチ打ってくんなーこいつ。半分以上何言ってんのか分かんなかったし。
それから近くにいた人間がわらわらやってきて自己紹介をしていく。類は友を呼ぶって言うか、あの意識高い玉縄の下に集まったのは同じく意識の高い連中だった。
その中で一人、俺を見て驚いているのかぱちぱち目をしばたかせている奴と目が合った。
「ってひきぎゃや」
「俺の名前は比企谷だ」
「失礼噛みました」
「違うわざとだ」
「かみまみた☆」
「高校生がそれいって恥ずかしくない?」
「付き合ってあげたんだから最後まで付き合ってよ」
「俺はお前がこのネタを知ってることに驚きだわ」
俺と軽快?なやり取りをしたのは折本かおり。中学の同級生だ。
「比企谷って生徒会なの?」
「いやただの助っ人だよ」
「そっかー。あたしの同じ、なのかな?あたしは友達に誘われてきたんだけど」
「似たようなもんだろ」
「そうだねー」
そこで本牧が驚いた表情でいることに気付いた。
「比企谷って知り合いとかいたんだね」
「おいその言い方だと知り合いとか存在したのかに聞こえるぞ」
「そのつもりで言ったんだけど」
「確かにねー。比企谷って教室でもずっと本読んでんだもん。あたしが話しかけてなかったら一日誰とも話してなかったんじゃない?」
「ふっ。何を当たり前なことを」
「あたりまえだって。マジウケる。そろそろ始まりそうだから戻るね」
折本はたぶん所定の位置なのであろう席に向かう。コの字型にセットされた机と椅子に皆が座っていく。さて俺は、と端っこの席に座ろうとすると肩を掴まれる。
「比企谷はこっち」
そういって本牧に連れてこられたのは本牧の隣、席順で言えばコのつながってる部分から一色、本牧、俺、残りの生徒会、謡、ルミルミの順だ。
「いやいや俺端っこがいいんだけど」
「まあまあほら座って」
無理やり本牧に座らされ、渋々ながら折れる。
コの字型の真ん中、いつも城戸さんが座っている席には玉縄が座っている。ちなみに俺たちはコの下の部分だ。
改めてみると向こうの方が数が多い。俺たちは謡たちを加えても7人に対し向こうは倍近い。しかし、実質的にその差よりも人数差は大きく感じられた。その最たる理由は騒がしさだろう。海浜総合の方は男女入り乱れてにぎやかだが俺たちは静かだ。向こうが言い出しっぺらしいし、気合の入れ方が違うのは仕方ない。
状況から察するにメインは海浜総合で俺たち総武高はサポートだろう。
皆が座ったことを確認すると、向こうの生徒会長、玉縄は手を叩き注目を集める。
「えー、じゃあ会議を始めまーす、よろしくおねがいしまーす」
手慣れた感じで言うと、皆も軽く頭を下げる。
ついに会議が始まった
***
コミュニティセンター内の自販機でコーヒーを買い、近くのベンチでそれを飲みながら息を吐く。
なんなのあいつら。カタカナばっか使いやがって。あれが会議してるつもりなのかよ。
「比企谷どんな感じか分かったか?」
本牧が謡とルミルミを連れてこっちに来る。やべえあいつ。小学生を侍らせてやがる……あ、ブーメランだ。俺もコンビニから一緒に来てたわ
「いやまったく。」
「だよね。私も何言ってるのかわからなかったし」
高校生の俺たちでも理解できてないんだ。小学生のルミルミが理解できないのも当然だろう。
「とりあえずどうしましょう。このままだと開催できないか、できても薄い内容のものしかできないのです」
「まずあの空気をぶっ壊さなきゃダメだろうな。あいつらはこの会議のまねごとを楽しんでいる。そこからまずは主導権を奪わないと何を言っても流されて終わりだ。」
実際さっきの会議でも本牧や謡は出し物を決定させるためにいろいろと発言していた。が、玉縄はうまいことその提案を躱し、ブレストを続けた。
現状、出てきた意見はオーケストラやバンド、ジャズコンサートなどがあるが、何やるにせよオファーや練習などのことも考えるとそろそろ決めないと本気でまずい。
「一番いいのは会長がガツンと言ってくれればいいんだけど」
そう言うと本牧は玉縄と楽しそうに談笑している一色の方を見る。
こういう複数の組織が混ざる場合は得てしてトップの意見がその組織の意見となる。一色は会議の最中は理解できなかったというのもあるんだろうが発言がなく、ただうなずいているだけだった。
「現状じゃそれも厳しいな」
この現状を打開するには一色に意識を変えてもらうしかないだろう。
「本牧、一色を何とかしろ」
これについては俺がでしゃべるべきではない。もともと俺は助っ人でメインは生徒会だ。新生徒会の初めての仕事で関係ないやつを頼りにしすぎるのもよくないだろう。それに一色と他の生徒会の連中とのコミュニケーションがそこまで取れてないことも問題がある。
「ああ、わかってるよ」
「これでこの企画が成功するかしないかは本牧にかかってるわけだ。頑張れよ副会長。んじゃ帰るわ。こいつら送らんとだし」
「うんおつかれ」
二人を送り家に帰る。
ほんとに準備とかを考えると明日には具体的なことを決定しないともう間に合わない。本牧超頑張れ
***
いや、昨日一晩で何したのさ本牧。
「考え方としてはありだと思うんだけど二校合同でやることに意義があると思うんだ。別のことをやるとシナジー効果も薄れると思うし、ダブルリスクなんじゃないかなぁ」
「そうかもですけどー、わたし的にはこっちもやりたいなーって思うんですよね。両方見れるとかお得じゃないですかー?」
一色が昨日までとは打って変わり鋭い舌戦を繰り広げる。本牧には何とかしろって言ったけどさ、一晩でこんなに変わるとはだれも思ってないって。
今日の会議が始まると、一色は演劇案を提案した。しかし敵も幕間に演劇をはさむ折衷案を提示し、一色は金銭的な面から二部構成を提案した。
ここまでは非常にいい流れだったのだがここで会議が停滞した。そしてさっきのような一色と玉縄の会話が繰り返されている。
俺は邪魔にならないように小声で本牧に話しかける。
「一色、大丈夫か?さっき舌打ちみたいなものも聞こえたけど」
「どうだろう。結構イライラしてるみたいだし」
「気持ちはわかる」
「僕もだ。だからそろそろなんとかしないとね」
本牧が手を挙げて立ち上がる。
「二部構成に反対な理由って何?」
「んー、反対ってわけじゃなくてさ。ビジョンを共有すればもっと一体感が出せると思うんだ。イメージ戦略の点でも合同イベントの大枠を外さない方がいいんじゃないかな?」
「なあ、合同でやる必要ってあるか?」
ここが勝負とみて、俺も加勢に入る。
「それは合同でやることでグループシナジーを生んで、大きなイベントを」
「シナジーなんてどこにもないし、このままじゃ大きなイベントなんてできないってことに気付いてないのか?それにだ、会議って言うのは会議に参加してる人全員が内容を理解できて共有できて会議なんだ。なあ謡、留美。これまでの会議は内容をしっかり把握しながら進んでいたか?」
「いえ。会議が終わってから総武高校の人に聞いてやっと内容が把握できていました」
「それに難しい英語なんて使われてもわからないし」
謡とルミルミが正直に答える。
「聞こえたか?今までやってきた会議はただの偽物。そんな無駄なものに俺たちはもう時間を費やしたくない」
会議室は音を忘れたかのように静かになった。その隙を縫うようにいまだに呆然としてる出席者たちに本牧が話しかける。
「無理に一緒にやるより、二回に分けたほうがお客さんにも楽しんでもらえると思うし、それぞれの学校の個性とか出せていいと思うんだけどどうかな?」
「え、あ、うん。いいんじゃないかな」
不意な問いかけに反射的に答えてしまったのか折本は肯定する。その答えに自信がないのか隣の人と顔を合わせた。すると顔を合わせた人もうなずく。こうして雪崩式に二部構成になり、会議は幕を閉じた
次回更新は早くても9月下旬になると思います。
9月は大事なことがあるので