やはり俺がチート部隊の隊長をするのは間違っている   作:サラリーマン

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夏休みって何ですかね?
夏休みに入ったはずなのに入る前より時間がないってどういうことですかね?


原作突入2

 

「それでお兄ちゃん。小町が知らない間に知らない人を二人も家に泊めといてその二人に朝起こしてもらってたことに何か言いたいことはあるかな?」

 

フランとファルに乱暴に起こされた後、うちで寝ていた小町がフランの声に気付かないわけもなく、たたきつけられた後すぐに小町が俺の部屋に来て、説教モードに移行した。

理由を問いただされるも、俺もなぜこいつらがここにいるのかわかるわけもなく、必死にアイコンタクトでファルに助けを求める

 

≪ごめんねハチ≫

≪いつもみたいに会話できんのかよ!俺が必死にアイコンタクトした意味は!?おかげさまで目がいてえよコンチクショー!≫

≪まあまあそんなに怒らない♪≫

≪誰のせいだと思ってんだ誰の!それより早く助けて!小町ちゃんの視線がやばい≫

 

下を向ている俺の頭に刺さる視線の温度がやばい。視線で人が殺せるならもうすでに俺は何度も死にまくっているだろう。そんな中でやっと助けが入った

 

「えっと、小町ちゃんでいいんだよね?そんなにハチを怒らないであげて。ハチが疲れてるの分かってて無理を言ったのは僕たちだし、その恩を忘れて起こしちゃったのはこの子だからさ」

 

ファルの説得に小町も何とか怒りの矛先を収めてくれた。

 

「この人に免じてだからねお兄ちゃん。次からは誰かを呼ぶようならちゃんと一言言ってね」

「おう分かった。でだ、小町。こいつらの分の朝食も作ってやってくれないか。簡単なものでいいからさ。」

「最初からそのつもりだよお兄ちゃん」

「さんきゅうな小町。俺たちは部屋に行ってるからできたら呼んでくれ」

「了解であります!」

 

俺はフランとファルを連れ、部屋に戻る。それから適当に雑談をするふりをしながら、いつものようにテレパシーを送る

 

≪一応まだユイには秘密にしておくためにこっちで話すぞ。さてまずはどうやって実体化したのか聞こうか≫

≪ユイちゃんの実体化を見て私たちもしたいな~って思って、心意使って一晩かけてやっと完成したんだ!≫

≪心意って万能だな!≫

 

いやほんとにそう思うわ。トリガーを姿を変えるわ、さらに機能を追加するわ、何でもありだな。

 

≪本来の心意とは少し違うんだけどね≫

≪どういうことだ?≫

≪心意の基本技術は射程距離拡張・移動能力拡張・攻撃威力拡張・装甲強度拡張の4つで、これらを単品だったり組み合わせたりするんだけど、僕たちのは全く違うでしょ?一応心意ではあるんだけど、本来の心意とは違うってこと。≫

≪そういうことか…なあ俺でも心意って使えるのか?≫

≪使えるよ。心意は心よりいずる力。強い思いやイメージがあれば誰にでも使えるよ≫

 

誰でも使えるって割には今まで、見たことも聞いたこともなかったな。

 

≪なあ俺は今まで聞いたこともなかったんだがなんでだ?≫

≪たぶん誰も習得してないってことだよ≫

≪さっきは誰でも使えるって言ったけど、それは可能性の話。誰でも習得できる可能性はあるけど、実際に身に着けるのは難しい。身に着けるにはよほどの強いイメージか、気の遠くなるほどの時間が必要なんだよ。≫

 

一通り説明を聞くと、ちょうど小町から朝食ができたと呼ばれ、フランとファルとともに食卓に着き、食事を始める。

 

「そういえばお二人の名前ってなんていうんですか?」

 

食事が始まってすぐに小町がこれを言った。そういえばまだ言ってなかったような気もする。

 

「私はサフラン。サフラン・ツーベルクだよ!気軽にフランって呼んでね!」

「僕はファルコン。ただのファルコンだよ。ファルって呼んでね」

 

ふむ。最初からフランとファルって呼んでたから知らんかったが、フランはサフラン・ツーベルク、ファルはファルコンと言うのか。フランに家名があって、ファルに家名がないのは家の階級みたいなものの違いなんだろう。ディザスターが生まれた夢を見た時にも、フランが他とは違ういい家に住んでいたしな。

 

「比企谷小町です!よろしくお願いしますねフランさん!ファルさん!」

「よろしくね!小町ちゃん!」

「よろしく小町ちゃん」

「よろしくお願いします。お二人とも日本人じゃないようですけど、どこでお兄ちゃんと知り合ったんですか?」

 

……な に も か ん が え て な か っ た。

 

≪やっばいよ!ハチ君どうすんの!?≫

≪……俺がなんとかする。そっちも何とか話を合わせてくれ≫

≪うん。了解。任せたよハチ≫

 

「あーえっと、この二人はだな、海外の新しいボーダースポンサー候補の子供でな。親が商談している間に俺がこっちを案内することになって今に至る」

「うん、そうなんだ!お父さんたちが商談している間に、ハチにこの街を案内してもらおうと思って!」

「そうなの小町ちゃん!そうだ!小町ちゃんはこの街でいい服屋さん知ってる?できたら案内してほしいんだけど!」

 

よし!ナイスだフラン!うまいこと話をそらせた!

 

「わっかりました!お兄ちゃんじゃそういうことは分かりませんもんね!小町におっまかせーです!」

 

≪でかしたフラン!≫

≪でしょ!だから服のお金頂戴!≫

 

そりゃあこいつらがこっちのお金を持ってるわけがないか…

 

≪あんまり高い金額は渡せないからな≫

≪やったー!愛してるぜハチ君!≫

 

「なっ!」

 

ファルが声を漏らす。それに小町が反応した

 

「どうかしましたか?ファルさん」

「いや、何でもないよ」

「そうですか…あ、ファルさんもどこか行きたいところはありますか?」

「そうだな…特にないけど、強いて言うならおいしいものが食べたいかな」

「わかりました。それじゃあもう少しゆっくりしたら出発しましょう!」

 

こうして今日は小町、フラン、ファルの三人と出かけることと相成った。

 

***

 

「待て。ほんとに待って!それ以上は…それ以上は!」

「そうだよフラン。それ以上はハチが!」

 

「「俺(ハチ)の財布が持たない!」」

 

みんな大好き千葉県民御用達のララポでフランの頼みの服を見たり小物を見たりしていると、いい時間になったので近くの飲食店に入る。そこまではよかったのだ。そうそこまでは。フランたちがいたところとは全く違うこっちの味付けに感動したのか、さっきからフランの注文が止まらない。それこそフードファイターのごとく、注文した料理を腹に収めてはメニューを開き、また新たに追加注文をする。その無限ループ。エンドレスリピート。軽く計算してみたところ、もうすでに持ってきたお金の6割以上になっている。

 

「え~私まだ入るよ?」

「フランのおなかの心配はしてないの!ぼくたちが心配してるのはハチの財布!」

「そうですよフランさん!さすがに食べすぎです!太っちゃいますよ!?」

 

小町から飛んできたのは実に女の子らしいセリフだった。

 

「そのことは大丈夫!だって私はトリって痛ったぁ~!なにするのファル君!」

「いや、ごめん。足がすべちゃって」

 

危うくトリオンでできていることを口走りそうになったフランの足を対面に座っていたファルが足をけって黙らせる。

 

「トリ?トリってどういうことですか」

「トリじゃなくて特じゃないのか?俺にはそう聞こえたぞ。ほらいくら食べても太らない特殊な体質とかそういうことが言いたかったんだろ」

「何でお兄ちゃんが答えるのさ。けどいいですね~いくら食べても太らない体質って!」

「食べた分は頭にでも…それはねえな。普段から何も考えてなさそうだし、おつむも弱そうだし」

「何おう!普段からしっかり頭も使ってるよ!」

「ないな」

「ないね」

「ないと思います」

 

上から俺、ファル、小町だ。会って半日の小町にまで言われるとは…あの夢で見た時にはもっとしっかりしてる印象だったのにな。

 

「そろそろ出るか。次どっか行きたいところはあるか?」

「僕は本屋に行きたい」

「本屋か。ちょうど俺も続きが出てるか確認したかったし行くか。小町とフランもそれでいいよな?」

「異議なーし!」

 

こうして俺たちは本屋に向かった。

 

***

 

「ファルさんすごいテンション上がってるね」

「そうだな。俺もあんなファルは初めて見たわ」

 

俺と小町の前にはさっき本屋で買ったばかりの本を手に持ち、その本のことを熱心に語るファルとそれを聞いてうんざりしている顔のフランがいる。

なんでもファル曰く「この本がこっちの歴史を物語っている。こっちの世界って面白い!」だそうだ。

 

「ねえお兄ちゃん。ボーダーの関係者で空閑って人いる?」

「急にどうしたんだ。」

「この前うちのクラスに転校生が来たんだけどこの時期の転校生、それに三門市だからボーダーの関係者なんじゃないかなって。本人は否定してたんだけど、フランさんたちと同じで親がボーダーの関係者とかじゃないかなって思って」

「そうか。少なくとも俺は知らないな。もう少し古くからいる人ならなんか知ってるかもしれないから念のため聞いておこうか?」

「いやいいよ。別に知ったからなんだって話だしね。…そうだ!お兄ちゃん。小町そろそろB級に上がれそうなんだけどトリガーセットってどうすればいいかな」

 

お、とうとう小町もB級か。勉強をがっつりとさせたから上がるまでに時間がかかってしまったが、無事上がれそうで何より。

 

「基本はメイントリガーや戦術に合わせるが、詳しいことは家でな。」

「はーい。そうだ、帰る前にスーパー寄らないと。冷蔵庫の中結構からになってきたよ」

「まじか。おーいフラン、ファル!帰る前にスーパーに寄るぞ!そこ右な」

「はーい!」

 

フランの元気な返事が返ってきた。今日の晩飯は何にするかな。

その前に空閑、空閑な。なんとなくだが、これからそいつを中心になんかが起こりそうな気がする。名前、覚えておくか…

 




なぜ分割したんだろう

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