やはり俺がチート部隊の隊長をするのは間違っている   作:サラリーマン

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明日から修学旅行なのでただでさえ遅くなってた更新がさらに遅くなります




職場見学8

ボーダー本部への職場見学の次の週の月曜日、俺は少し寝坊して遅刻ギリギリで教室に滑り込んだ。俺が入った教室は空気が重くチャイムが鳴ったとはいえ先生も来ていないのに全員が席についていた。一瞬入る教室を間違えたのかと思ったが千種や川崎、我らが大天使戸塚がいるのでここは2-Fで間違いなかった。気にはなったがこのまま突っ立っていてもそのうち先生が来てしまうのでこそこそと自分の席に移動して座る。すると後ろから足音が聞こえ、俺の横で止まる。横を向くと怒ったような表情の葉山がいた。

 

葉山 「比企谷―

 

葉山を遮るようにして先生が入ってきた。

 

先生 「葉山ー。みんな座ってんだからお前も早く座れー」

葉山 「…はい」

 

先生の言葉に従い葉山が自分の席に戻った。

 

先生 「SHRを始めるぞー。はい号令ー」

 

担任が号令をかけるように声をかける。すると何思ったのか

 

「起立!踊りくるちゃえ!ス○ライクシ○ット!」

「プっ!」

 

クラスでこのネタを知っている奴(主に男子)が大爆笑していて、それを知らないやつ(主に女子)が冷めた目で見ている。ちなみに俺は必死に笑わないようにこらえていた。

 

先生 「誰がク○ナダのスト○イクショ○トを使えと言った!しかもあれは大号令だ」

「全軍、敵艦隊を駆逐せよ!」

先生 「モ○ストネタはもういいわ!はぁ。もういいわ、全員座れ。連絡していくぞー」

 

先生が連絡していくなか、前の席の千種が話しかけてきた。

 

霞 「比企谷お前、あいつになんかしたの?すげーさっきのアレが緩和したとはいえ空気重いんだけど」

八幡 「特にした覚えないんだけどな」

霞 「そしたらあんな怒らんでしょうよ」

八幡 「そうなんだが…」

霞 「ま、早く何とかしろよ。俺は静かなのは好きだが気まずいのは嫌いだからな。」

八幡 「俺に原因があるなら善処するよ」

 

それからSHRが終わり1限が始まった。

 

***

 

4限が終わり昼休みに入る。いつも通り購買によってからベストプレイスに行こうと思って席を立つと朝みたいに葉山に呼び止められる。

 

葉山 「比企谷、ちょっと来い」

八幡 「5分だ。手短に済ませろ」

 

葉山は何も言わずに教室を出た。俺は葉山についていく。葉山は階段を上り屋上に出る。

俺も屋上に出た。あと2分。

 

葉山 「比企谷、お前金曜日職場見学があった日の放課後、結衣に何した!」

八幡 「は?なに言ってんのお前」

葉山 「とぼけるな!あの日結衣はお前を誘うって言って学校に残った。俺たちは先に行って待っていた。しばらくしてから結衣は一人で来た。目の周りを赤くして!お前が結衣に何かしたんだろ!」

八幡 「どこにその証拠がある?」

葉山 「犯人は大体そういうんだ!『証拠はどこにある』『大した想像力だ。君は小説家になった方がいい』『犯人と同じ部屋になんていられるか!』」

 

…今ってシリアスな場面じゃないの?

 

八幡 「最後の被害者のセリフだろ。しかも死亡フラグ立ててる系の。証拠と言っただけで犯人扱いされるとか弁護士大変だな。なぁ、葉山ぁ」

葉山 「ッ!話を逸らすな!」

八幡 「逸らし始めたのどっちだよ。まあいい。確かにその日由比ヶ浜に会ったし、カラオケにも誘われた。断ったけどな」

 

何か言おうとした葉山を手で制す。あと1分

 

八幡 「というか一つ聞いていいか?なんで由比ヶ浜を止めなかった?カラオケは縦ロールを励ますために行こうとしてたんだろ?そこに凹ました本人を連れて行ってどうするつもりだったんだ?」

葉山 「そ、それは…」

 

葉山はなかなか答えられない。時間だ。

 

八幡 「答えられないならいいわ。時間だしもう行く。」

葉山 「待てよ。君は結衣が誘いを断っただけで泣いたと持っているのか?」

八幡 「知らねーよ。カラオケに誘われて断った。それが事実だ」

葉山 「それくらいで泣くわけないだろ!」

八幡 「いい加減にしろよ。そんな長々話に付き合っていられるほど俺は暇じゃない。どうしても知りたければ本人に聞けよ」

 

校舎に入りドアを強く締め速足で購買に向かった

 

***

 

その日の放課後。俺はすごくイライラしていた。昼休みが終わって、午後の授業が始まってからずっと葉山からの視線を感じていた。それが気になり授業に集中することもできずに、かといって寝ることもできなかった。ふとその視線が一つだけだったことに気付いた。他の葉山グループの連中は俺より前の席だが縦ロールは違ったはずだ。気になったのでさりげなく見てみると、何かを考えているような表情で黒板を見ていた。まあ理由はどうあれうざい視線を送ってこないならそれでよかったが視線が一つでもうざいことには変わりない。授業が終わるころには俺のイライラはピークに達していた。

 

八幡 「三バカいるよな?」

 

俺はこのイライラを三バカで発散することに決めた。

 

***

 

八幡 「いたいた。ランク戦しようぜ。弾バカ、迅バカ」

 

ランク戦ブースにつくとそこにいたのは 弾バカことA級2位太刀川隊のシューター出水とA級5位草壁隊のアタッカー緑川がいた。この二人にA級9位三輪隊の米屋の加えた三人がA級三バカと呼ばれている。

 

出水 「珍しいなハッチ。お前がランク戦に誘ってくるなんて」

八幡 「ああちょっとな。米屋はどうした?」

緑川 「よねやん先輩なら防衛任務だよハッチ先輩!そういえば学校にボーダーってことがばれたのほんとなの?」

八幡 「職場見学の時には」

出水 「俺も聞いたぜ!その時にお前ら比企谷隊と嵐山隊とかが連合組んで戦ったらしいな。連合には誰がいたんだ?」

八幡 「嵐山隊に加古隊、柿崎隊と奈良坂、那須、熊谷だ。時枝は解説役として参加はしてなかったな」

出水 「それで勝ったんだろ?やっぱお前らチートすぎだろ」

八幡 「それより早くランク戦やろうぜ」

緑川 「そうだね!今日はよねやん先輩いないし4割でいい?」

八幡 「ああ。」

 

いつも俺たちがランク戦するときには俺対三人でやっており、三人でやるときには5割以上取った方が取れなかった方に飲み物をおごることになっている。今は米屋がいないため俺は二人相手に6割以上勝利しないといけない。まあ今の俺に関係ないが

 

出水 「ハッチ何本やる?」

八幡 「200だ」

出水・緑川 「「え?」」

 

出水と緑川の首をつかみブースに投げる。それから俺もブースに入り、ランク戦を始めた。

 

八幡 「さあ、狩りの時間だ」

 

***

 

200本勝負が終わり俺が173勝25敗2分けという結果を収めた。イライラを解消できポイントももらえ、マッ缶も2本もらえる。一石二鳥いや一石三鳥の素晴らしいランク戦だった。

 

出水 「ハッチ強すぎだろ」

八幡 「今日はいらいらしたことがあったからな。そのイライラを込めたし」

緑川 「あ!」

 

突然緑川が声を上げた。

 

出水 「どうした?」

緑川 「俺これから防衛任務だった!ごめんハッチ先輩!マッ缶は今度渡すね!」

 

緑川が走っていなくなった。俺も時計を見るといい時間だったので帰ることにした。

 

八幡 「出水、俺は帰るけどお前は?」

出水 「そうだな…俺も帰るよ」

 

二人で並んで歩いていると後ろから声をかけられる

 

謡 「ハチ兄!出水さん!」

八幡 「おう謡」

出水 「久しぶりだな謡ちゃん!」

謡 「久しぶりなのです出水さん。お二人はランク戦ですか?」

八幡 「もう帰るところだけどな」

謡 「私も帰ろうと思っていたのでご一緒してもいいですか?」

出水 「もちろん!そうだ!職場見学の時のランク戦について聞かせてくれよ!」

 

それからランク戦について話しつつ比企谷隊の作戦室で俺と謡のカバンを回収、次に太刀川隊の作戦室に向かった。その時に事件は起きた。

 

加古 「出水くん!比企谷君!謡ちゃん!」

八幡 「加古さんどうしたんですか?」

加古 「今からチャーハン作ろうとしていたから食べてくれる人を探していたの!」

 

加古さんの口からチャーハンという言葉が聞こえた瞬間、俺と出水の顔が引き攣る。出水とアイコンタクトで会話を始める。

 

出水 (ハッチやばいぞ。どうする?)

八幡 (任せろ。俺に考えがある。)

出水 (頼んだ)

 

わずか一秒でアイコンタクトの会話を成功させる

 

八幡 「すいません加古さん。俺家で小町が待っていますし、小学生の謡をあんまり遅い時間に帰すのもアレなんで、俺と謡は遠慮させてください」

 

俺と謡のところを強調して言う

 

加古 「そうね。なら仕方ないわ。出水くん、いきましょう」

出水 「ひ~き~が~や~!」

 

出水は血涙を流しながら加古さんに連れられて行った。俺は心の中で合掌して出水を見送った。

 

謡 「そんなに加古さんのチャーハンはあれなのですか?」

八幡 「ああ。ただ100回に一回奇跡の味が出るらしい。何でも天に昇る味だとか」

謡 「…それはすごいですね」

八幡 「もうちょい確率高ければ挑戦する人は増えそうだけどな」

 

それから謡を送りつつ家に帰った。

 

余談だがこの日、ボーダー本部の医務室からは3人のうめき声が聞こえ、1週間太刀川さん、出水、堤さんの姿を見たものはいなかった。

 




*追記 この作品の加古チャーハンの当たる確率は1%になります

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