やはり俺がチート部隊の隊長をするのは間違っている 作:サラリーマン
じゃあどうぞ
職場見学の日の朝、自分の職場に職場見学をしなきゃならない俺はいつもよりテンションが高かった。なぜかって?そりゃあ、休むからだよ。ほんとに何が悲しくて自分の職場を見学しに行かなきゃならないんだよ。そんなわけで今日は休みます!なにがあろうと絶対休んでやる!…これってただのフラグじゃね?
小町 「あ、お兄ちゃんおはよ!」
リビングに入ろうとすると横の洗面所から出てきた小町と遭遇した。
八幡 「おう、おはよう小町。今日俺なんか熱っぽいから学校休むわ」
小町 「そうなの?けど――
小町の言葉は遮られた。
楓子 「あらそうなのですか?ハチさん?」
八幡 「…」
小町の言葉は楓子さんによって遮られた。当然現れた楓子さんに俺は思考が停止した。再起動には数秒かかった。
八幡 「えーと、楓子さんは何でここに?」
楓子 「ハチさんが今日の職場見学をさぼらないように見張- いえ、たまたま早く起きたので散歩がてら来ただけですよ?」
八幡 「…そこまで言ったならもう言い直さなくていいです」
楓子 「で、さっきはなんて言ったのですか?聞こえなかったのですが」
八幡 「熱っぽ—
楓子 「え?」
八幡 「熱—
楓子 「え?」
八幡 「…今日の職場見学は楽しみだなー」
思いっきり棒読みになってしまった。
小町 「楓子さん、兄をよろしくお願いします。」
楓子 「任されました。いってらっしゃい小町さん。」
小町 「行ってきます!楓子さん!あ、そうそうお兄ちゃん、お菓子の人と会えてよかったね」
八幡 「お菓子の人?」
お菓子の人…そんな人に心当たりはない。
小町 「結衣さんだよ。」
八幡 「由比ヶ浜?あいつからは食物兵器しかもらった覚えないぞ?」
小町 「食物兵器?たぶんそれじゃなくてお兄ちゃんが入院してる時の話だよ!」
八幡 「俺、あいつと入院してる時に接点なんてあったか?」
小町 「あれお兄ちゃん知らないの?学校であった時にお礼言うって言ってたんだけどな…まあいいや。お兄ちゃんが助けた犬の飼い主さんが結衣さんなの」
八幡 「は?」
楓子 「お話し中ですが小町さん、時間は大丈夫なのですか?」
小町 「あ…行ってきます!」
それから小町は走って学校に向かっていった。
楓子 「ハチさんもそろそろご飯食べないと遅刻しますよ」
八幡 「そうですね」
俺は考えるもそこそこにメシを食べ、制服に着替え、行きたくない学校に楓子さんと一緒に向かった。ちなみに俺がメシ食べてる間、楓子さんは俺の部屋から持ってきたラノベを読んでましたまる
ボーダー本部・大広間。
ここに職場見学のため総武高の二年生がそろっていた。さっきまでざわざわしていたが嵐山隊が登場しさっきまでのざわざわが歓声に変わる。それから静かになった頃合いを見計らい、嵐山さんが話し始めた。
嵐山 「総武高生のみんな、こんにちは!今日は俺たち嵐山隊が君たちの職場見学の案内をさせてもらう!よろしく頼む!」
嵐山さんのさわやかスマイルで歓声がさっきの三倍の大きさになる。嵐山さんはよくあのさわやかスマイルをずっと続けていられるな。この前、川崎の件で行ったホテルで雪ノ下と由比ヶ浜相手に別人としてあのスマイルを真似してみたがたぶんあれ以上は続けていられなかっただろう。
戸塚 「やっぱ嵐山さんってかっこいいね!ね、八幡!」
八幡 「ああ、そうだな戸塚」
俺の隣にいる戸塚がそう言った。確かに嵐山さんはかっこいい。少なくとも葉山が目じゃないくらいには。やべぇ、そう考えると葉山ってすげー劣化した嵐山さんって感じだな。そんなことを考えている間に嵐山さんは話を進める
嵐山 「初めにボーダーの忍田本部長から挨拶だ」
忍田さんが壇上に現れ挨拶する
忍田 「私がボーダー本部長の忍田だ。今日は来てくれてありがとう。今回の職場見学を通して君たちにボーダーについてより深く知ってもらおうと思っている。わからないことは嵐山隊や総武高のボーダー隊員に聞いてくれ。ではこれで私の挨拶を終わる。」
忍田さんの挨拶が終わり、嵐山さんが進める
嵐山 「次はボーダーという職種についてだ。―――以上で説明を終わる。最後に今日の予定について説明しよう。これから君たちには訓練室でネイバーとの戦闘訓練をしてもらう。その次に食堂で昼食をとり、午後の時間になったらランク戦ブースというところに行く。それで今日の見学は終わりとなる。最後にはスペシャルイベントを用意してあるので期待しててくれ!それじゃあ移動するぞ」
嵐山さんはそう締めくくり、移動を開始する。
俺は今、スナイパーの訓練場にいる。総武高生が訓練室に移動しているときに、嵐山隊のスナイパーの佐鳥と一人の男子生徒が別の道に曲がったのが見えた。気になった俺は戸塚にトイレに行くと言い、その二人を追いかけた。その二人が向かったのはスナイパーの訓練場。どうやら男子生徒はスナイパーの訓練をするみたいだ。男子生徒がトリガーを起動させる。
佐鳥 「じゃあここから100m離れたところに的が出るから、それを撃ってね。5発撃つごとに少しずつ距離が離れるから注意してね」
男子生徒はうなずき、狙撃を開始した
狙撃が終わり、的が近づいてくる。俺は後ろの壁に寄りかかっていたので、的が近づくのに合わせて的を見るために近づく。的を見て
八幡 「うまいな」
自然とそうつぶやいていた。弾のほとんどは中心部の近くにあった。俺のつぶやきに反応して二人が振り向く
佐鳥 「比企谷先輩じゃないですか!」
八幡 「うるさい。黙れ佐鳥」
佐鳥 「ひどいですよ、比企谷先輩!」
男子生徒 「えっと、二人は知り合いってことでいいのか?比企谷」
八幡 「ん?なんで俺の名前知ってんだ?」
男子生徒 「…お前クラスに興味なさそうだもんな。同じクラスの千種霞だ」
八幡 「そうか。よろしく千種。で、俺と佐鳥は別に知り合いじゃないぞ」
霞 「いやいや、学校でいつも寝ているお前に初対面の人とあんなやり取りできるほどのコミュ力あるとは思えないんだけど」
八幡 「…確かに否定はできないな。」
否定したいのに言ってることが正しすぎて否定できない
佐鳥 「というか、そろそろ学校でもばらしたらどうです?ボーダー隊員だって」
霞 「ああ、やっぱりそうなのね」
八幡 「佐鳥、職場見学終わったらランク戦しようぜ!もちろん100本な」
佐鳥 「中島君のノリで言わないでくださいよ!というか俺、スナイパーなんすけど」
八幡 「なんか言ったか?」
佐鳥 「俺、スナイ
八幡 「ん?」
佐鳥 「お
八幡 「ん?」
佐鳥 「サーイエッサー!」
霞 「漫才してないでそろそろ戻んない?」
千種があきれながら提案する
佐鳥 「そうっすね。そろそろ戻りましょうか」
千種の提案に佐鳥が乗っかり、歩き出す。逃げさせはしない
佐鳥 「ほら比企谷先輩も戻りますよ!」
八幡 「ああ。佐鳥、希望の死に方とか考えておけよ。なるべく希望に沿ってやるからさ」
佐鳥は顔面を蒼白にさせながら先頭を歩いた。