日本からきた留学生や生き残った男の子のおかげで今年のホグワーツは外まで聞こえるほど騒がしい雰囲気となった。
夕食の後、生徒達は自分達への寮へと戻る。
グリフィンドールは有名人が2人も入ったのが嬉しいのか、寮に帰っても騒ぎは収まらない。
男子学生はハリー・ポッターを囲い、話の機会を伺っている。女子生徒は安倍灯葉を囲い、喋っている。
ハリーを狙う女子生徒、灯葉を狙う男子生徒がいるのだが、なかなか話が出来ずに落ち込んでいる。その騒ぎはマクゴガナル先生がくるまで続き、それぞれの寝室へと帰っていく。
グリフィンドールの寝室は共同の部屋から別々な階段があり、階段の先には男性の寝室の搭、女性の寝室の搭がある。
男性の搭でも女性の搭でもルームメイトと話を咲かせている。
ハリーは同じ部屋となったロンと話をしている。
ロンは初めて友達となった故にハリーは嬉しそうに話をしている。
ロンは今日の事について話をしている。
「しかし、日本の留学生には驚いた。何だあの青い炎は?」
ロンの話を聞いて、ポッターは安倍灯葉の事を思い出した。
ロンは初めての友達ならば、安倍灯葉は初めて笑顔をしてくれた同年代の少女だ。
その笑顔は優しい笑みを浮かべていて、茶色い瞳、黒曜石のような輝きをもった綺麗な髪。その輝きにも劣らない笑顔を思い出してポッターは胸を熱くしていた。
一方、女子寮ではハーマイオニー・グレンジャーと灯葉は一緒の部屋になったらしく、ルームメイト、ラベンダー・ブラウン、パーバティ・パチルと話をしている。
「それがマホウトコロの制服?」
「そうですね。制服は巫女という衣装が元にデザインされました。そして、このローブは千早という服を元にデザインされました」
「可愛いね。登場時にもでた青い炎も日本の魔法?」
「ええ。それは狐火ですね。 そうですね・・・・実際にやりましょう」
灯葉は錫杖を取り出し、呪文を唱える。唱えると同時に錫杖を地面に叩き、一定のリズムで鳴らす。
―木の狐 尾を打ち合わす 狐火―
唱え終わると灯葉の右手の上に青い炎が出る。
ハーマイオニー達は青い炎をじっと見る。そして、ハーマイオニーは尋ねる。
「手熱くないの?」
「この狐火は色々な意味ありますけど、今は人を導く、惑わすという意味の呪文を唱えましたので熱くないです。近づけてみます?」
ハーマイオニーは青い炎に手を近づける。熱くないのか、手は青い炎と数cmの距離だが、ハーマイオニーは全く熱がる様子を見せない。パーバティ、ラベンダーはその様子を見て、青い炎に手を近づける。
「本当だ。熱くない。それをさっきやったの?」
「そうですね。他にも魔法見ますか?」
「もういいや。それより、その制服、ローブ着てもいい?」
「いいですよ」
そして、ハーマイオニー達はマホウトコロの制服を順番に着た。
服の着心地を試したり、鏡の前に立ち、似合っているかを確認した。学生服で色々遊んでいたせいなのか、深夜を回り、さすがに眠くなったのか、ハーマイオニー達はそれぞれ眠りについた。
しかし、眠りについていない人がいる。その人は他の人を起こさないように、静かにベランダの方へと歩いて行った。
その人は手に鳥がいる。鳥はイギリスでは見ない種類だ。その人は鳥に向かって話しかける。
「如月。貴方にまた別名を付けます」
その人以外には誰もいないのだが、ベランダに低い声が聞こえる。その声はベランダの人にしか聞こえない。
―流石にあの爺にバレたのは悔しい?今の名前じゃ私の力は10分の1も使えないし―
「うるさい。如月。貴方は安倍一族に仕える者。その使命を果たしなさい」
灯葉は苦虫を噛み潰したような苦い顔をして、言う。その苦い顔はポッターに向けた笑顔とはかなり離れた顔だった。
―まぁいいけど。さて、貴方はどんな名前をつけるのかしらね―
「貴方の名前は月神。そして、姿はフクロウ」
―いいわね。これからもよろしく。私の主様―
その声が最後に鳥は紙となり、鳥が手に止まっていた人の足元にひらりと落ちていく。
「今日から未知の事が始まる。暴いていこう。陰陽師の名にかけて」
マホウトコロの制服の設定としては
男性はよく見かける陰陽師の服
女性は巫女服のような物
で考えてくれると助かります。