ハリーポッターは休暇の間は漏れ鍋で過ごした。
過ごす間、本に噛みつかれそうになり、ハーマイオニーが猫を飼ったり、その猫がロンの鼠を襲って、ハーマイオニーとロンが喧嘩したりと、色々とトラブルがあったが、何事も無い休暇だった。
しかし、ハリーは脱獄した囚人、ブラックが気になっていた。
そして、あっという間に汽車に乗る日。
今日の列車は、凶悪な囚人、ブラックがいるせいか列車は混んでいる。
列車は走り出したら、いくらブラックでも乗り込む事は出来ないだろうし、学校側も今回の事に対し、対策しているだろう。だったら、列車が一番安全だ。
親達はそう思い、子供を列車に乗せていた。
そのせいで、ハリー達は一番後ろのコンパートメントしか席が無かったが、そのコンパートメントも先客がいた。
先客はボロボロのコート、炭まみれの帽子。口周りをマフラーで覆い被さり、眠っている。その様子は誰から見てもホームレスを連想させる姿だった。
しかし、席はここしか空いていないため、ハリー達はここに座る。ハリーとロンは怪しげな先客の客。ロンは先客に怪しげな視線を向ける。
「誰だ?」
「リーマス・ルーピンよ」
その男性の足下に鞄があり、その鞄には名札がついている。
「新しい防衛術の先生か?今年はましだといいけどな」
「さぁ。どうでしょう。ロックハート先生によりはマシだと思いますけど」
そんな事を話していると、汽車が急停車し、灯りが消えていく。
窓を覗くと窓が凍り付いていく。まだ残暑が残る時期。いくら雨で気温が下がっていたとしても、窓が凍り付くはずがない。
顔を青白く染めたハリー達は窓から離れ、身を震わせる。決して寒さで身体を震わせるわけではないが、自然と身を寄せ合っていた。
その時、列車がズシンと音を鳴らし、揺らしていく。
廊下が見える窓が徐々に凍っていき、徐々にゆらゆらと揺れる黒い布がハリー達の前に現れていく。
ハリー達は息を潜め、消えるの待つが、扉のレバーがさび付いているかのように音を立て、下がっていく。
扉の先には黒い布をかぶった何かがいた。老人のように細く、干からびた白い肌の手。頭部には、口の部分しか開いていない丸い穴。食事以外必要としていないかのように。
それでも何かは見えているのか、頭を揺らし、ハリー達を見つめていく。ハリーを見た瞬間、黒い何かは息を吸う。その瞬間、ハリーの身体を痙攣し始める。
ロンとハーマイオニーは助けようとするが、身体が言う事を効かない。
―助けて―
・・・・・誰かが叫んだ気がした。
薄れゆく意識の中、目の前に黒が紅になっていくと共に
葉灯りて
赤く染めゆく