灯葉が襲われた現場は柱は壊され、瓦礫と化していた。
天井もまた、一部が崩壊しており、闘いの跡が刻まれていた。その中に石となっている灯葉がいた。
灯葉は他の被害者と同様に病室へと運ばれる。
病室には発見者であるハリー、ロン、ハーマイオニー、そして、安倍灯葉と親しいグリフィンドールの生徒数人がいる。
全員、安倍灯葉を見て、悲しそうにしていた。特にネビルとハリーは悲しそうにしていた。
「トウハ。なぜ君が・・・」
悲しそうにしている中、グリフィンドールの寮監、ミネルバが来て、解散となる。
全員はグリフィンドールの寮へと戻り、就寝する。
しかし、ハリーは就寝する前にある物を取り出し、それを開く。
それはボロボロな日記で、灯葉が石になった現場の近くに拾った物だ。地面に叩き付けられたのか開いたまま捨てられていた。
普段は拾わないが、ハリーは何故だか気になってしまい、拾ってしまった。
ハリーは何気なく、インクを本に垂らす。
数秒後、垂らしたインクが消えた。ハリーは驚き、ボロボロな日記を見つめる。
その時、本からハリーにメッセージが書かれる。
「・・・あなたは誰ですか?」
ハリーは返事を書き、日記としばらくコミュニケーションを取る。はたから見たらおかしいな光景だが、今は深夜で誰もが寝ているから関係ない。
コミュニケーションが続き、気を許したのか、ハリーは今の心情を日記に書く。
今、起きている事件。ハリーが他の人達から疑われている事。友達が被害を受けた事を。
ありのままの感情を日記にぶつけた。
ぶつけた結果、返ってきたのは前に同じ事が起きていた事。その事件の犯人を知っている事を。
本はハリーに過去の光景を見せた。ハリーにはとても信じられなかった。
前に事件を起こした犯人はハグリットだという事を。
「まさか、ハグリットが、そんなわけがない」
信じられないまま、夜が過ぎていく。
朝、ロンとハーマイオニーにその事を話す。
ハーマイオニーはとても信じられないようだ。
「日記を見せて。ハグリットがそんな事するわけがない」
しかし、ハリーの部屋は荒らされ、日記が無くなっていた。
日記が無くなった事で、ハーマイオニーは信じなかった。ロンはハグリットに直接聞いてみようというになったので、夜、ハリーとロンはハグリットの家に行くことにした。
透明マントで、ハリーとロンはハグリットの家に行き、ハグリットに真偽を聞こうとした瞬間、訪問者が現れる。
「早くマントをかぶれ。声出すんじゃねえぞ。静かにな」
ハリーとロンは透明マントを被り、隠れる。
ハグリットは隠れた事を確認したら、扉を開ける。
「おっダンブルドア先生」
「こんばんはハグリッド」
「お邪魔する」
「ほー色々な臭いするな」
訪問者はコーネリウス魔法省大臣、ダンブルドア校長、そして、オールバックの黒髪をした男性だ。
コーネリアスはハグリットに言う。
「状況はすこぶるよくない。残念ながらマグル生まれ2人、そして、こちらの国の留学生1人も犠牲出してしまっては」
「俺としてはどうでもいいが、上がうるさいからな」
「俺は何もしてねえ本当でさぁ先生」
「コーネリウスわしはのうこのハグリッドに全幅の信頼を置いておる」
「しかしアルバス、ハグリッドには不利な過去がある連行せねばならん」
「連行?どこへ?まさかアズカバンの監獄じゃ…」
「そうするより仕方がないのだ」
その時、ルシウス・マルフォイがハグリットの家に入る。
「来ていたのか。ファッジ結構」
「それで一体わしに何の用があるのじゃ?」
「私をはじめ理事全員があなたの退陣を決定した。ここに停職命令がある。12人の理事が全員署名した。
あなたが現状を掌握できていないと感じておりましてね」
「このまま襲撃が続けばマグル出身者1人もいなくなり、こちらの国も申し訳が立たない」
ルシウスはちらりと黒髪の男性を見るが、黒髪の男性はどうでもいいのか、ハグリットの家を物色しており、
黒蜘蛛を手づかみで取り、観察している。
「蜘蛛が多いな。森だからか」
ルシウスは咳払いして、黒髪の男性を注意する。黒髪の男性は蜘蛛を置いて、ルシウスに返答する。
「こちらの学生が被害を受けるとは思わなかった。退陣についてはこちらも賛成だ」
「退陣を求めるならもちろんわしは退こう。しかしじゃよいかな。ホグワーツでは助けを求める者には必ずそれが与えられるのじゃ。あっぱれなご心境で…では」
「では、ハグリットも」
「もし…もし何かを見つけたけりゃクモの後を追っかけりゃええ。そうすりゃちゃ〜んと糸口が分かる。
まっ俺が言いてぇのは…それだけだ」
「ほぉ・・・蜘蛛の後ね」
そう言い残し、ハグリット達は家を出ていった。