ハーマイオニーは裏で何かを企んでいる中、時間が進み、今年もまたクィデイッチの寮対抗戦が始まる。
最初の試合はスリザリン対グリフィンドール。
スリザリン代表チームは顔を笑いながら、悠々と同じ黒い箒を飛んでいる。
他の寮達は悔しがる目でスリザリン代表の人達を見ていた。それに対し、スリザリンは今年は優勝するというばかりに応援している。
なぜなら、スリザリンの代表チームの箒は全て最新モデルのニンバス2001だからだ。
他の箒よりも断然性能が良い。もちろん、ハリー・ポッターのニンバス2000よりも性能が良い。それが一人だけだったらまだしも、全員がニンバス2001に乗っている。クィディッチの技術なら他の寮よりも勝ってると各寮の人達は言いたいだろう。しかし、箒だけは別だ。箒だけは見ただけで性能の差が丸わかりだ。
各寮の生徒達はいつも以上にスリザリンを悪口を言い、いつものグリフィンドールの応援に熱が入る。
グリフィンドール代表チームはその応援に答えるかのように気合が入っている。
スリザリン代表チームのキャプテン、マーカス・フリントはオリバー・ウッドに箒を自慢するかのようにニヤニヤ顔を向け、今年からシーカーとなったマルフォイもまた、ハリーに話しかける。
「どうだ!羨ましいだろう!」
ハリーはその言葉を無視し、試合の開始の合図、ホイッスルに集中する。
そして、ホイッスルが鳴り響く。
試合はスリザリンが優勢となっていく。
箒の性能の差もあってがスリザリンは90点入れて、グリフィンドールは60点差になる。
そんな中、ブラッジャーが執拗にハリーを狙っていた。ハーマイオニーはおかしいと気づいたのか、騒ぎ始める。
「なんなの!あのブラッジャー!?」
「誰が細工しているんだ」
しかし、ハリーはブラッジャーを回避しながら、スニッチをクィッディチの舞台場を支える柱を避けながら追いかける。マルフォイもハリーの横にぴったりと張り付いてスニッチを追いかける。
途中で障害物となっている柱はハリーは上、マルフォイは下を通る。ブラッジャーは柱の存在を無視するかのように体当たりし、柱を粉々にしながら、ハリーを追いかける。
スニッチを追いかけるハリーとマルフォイ。それを追いかけるブラッジャー。
その追いかけっこを写真に撮りたいのか、クィッディチの舞台場に繋ぐ橋の所に男の子がいた。その男の子はカメラを構えながら、ハリーの姿をとらえようとする。
しかし、男の子は写真に夢中となっており、ハリー達がこちらに来ている事に気づかない。
気づいた時には目と鼻の先だ。男の子は目を瞑り、衝撃に耐えようとする。
―驚かせろ 袖引き小僧 袖を引け ―
男の子は橋から退場し、一人の女性の元へ引っ張られていく。そのおかげでハリー達とぶつかる事はなかった。
男の子は恐る恐る目を開ける。
「・・・柔らかい?」
「さて、大丈夫でしたら離れてください」
男の子は女性とぶつかっていた。女性は灯葉だ。
男の子は離れて、カメラが無事かどうかを調べる。
「一年のコリン・クリービーですね?」
「そうです!助けてくれてありがとう!」
「危ないので、ここから写真撮りましょう」
「はい!」
コリンは再びカメラを構え決定的な瞬間を取ろうとする。
灯葉はコリンの後ろでじっとコリンを見ている。コリンはそんな事に気づいていない。
その時、観客席から歓声が鳴り響く。コリンもカメラを片手で持ち、両手を上げる。
「やったー!!ハリーがスニッチ取ったぞ!!」
ハリーはグランドに寝そべり、スニッチを高々に上げていた。スニッチは太陽の光を浴び、金色の体をさらに輝かせる。
ハリーは安堵していた。これで試合が終わる。後ろから追ってくるブラッジャーがいなくなると。
しかし、目に入る光の近くに黒い点が見える。黒い点は段々と大きくなり、ハリーの頭の横に落ちる。正体はブラッジャーだ。
ハリーは横にいるブラッジャーを見る。ズレていたら頭に直撃する。 体中に冷たい汗が走る。
ブラッジャーはそんなハリーにお構いなく、襲おうとする。
―燃え尽きよ 骨を鳴らせろ 狐火よ―
ブラッジャーに青い火がつく。青い火はブラッジャーをあっという間に炭へと変える。炭はハリーの顔に降りかかる。
「大丈夫ですか?ハリー」
「あ、ありがとう」
安倍灯葉は手を差し出し、ハリーを起こそうとする。
ハリーは手を取り、起きようとする。しかし、顔をしかめる。その時、ハグリット、ロックハート先生、それにロン、ハーマイオニーがハリーに近づいてくる。
ロックハートはハリーの様子を見て、杖を取り出し、治そうとする。
「骨折しているようだね。心配無用!今すぐ私が治してあげよう」
しかし、ロックハートのせいで骨折は治ったが、骨が無くなり、結局、医務室へと泊まる事となってしまうが、ハリ―は生徒で一番、次の被害者が出てしまった事を聞いてしまう。
二人目の犠牲者はコリン・クリービーだという事を。
大分更新が遅れてしまい申し訳ございません。