ハリー達がトロールを倒してから日が経ち、今日はハリーがクィディッチの初練習となる。
ロンやハーマイオニー、灯葉もハリーの初練習を見るべく、ハリーと共にクィディッチ競技場へと向かう。
クィディッチ競技場はもうグリフィンドールの選抜選手達がいる。ハリーを見かけると、オリバー・ウッドはハリーの肩を叩き、喜びの声を上げ、フレッド・ウィーズリー、ジョージ・ウィーズリーはハリーをからかう。
「ハリー。期待してるぞ!!」
「大丈夫さ。ブラッジャーから守ってやるさ」
灯葉達はハリーの練習を見守るべく、観客席へと行く。灯葉は待機席で懐から紙を取り出し、地面にひらひらと落とす。紙は子供へと変わる。子供は練習している選手を見て、目をキラキラさせて、興奮している。
「おーすごい!飛んでる!!あ、ハリーお兄ちゃんも!」
「トウハ。なんで、子供を出した?うるさいじゃないか」
「いいじゃないですか。水玄 箒に乗ってみたいんでしょ」
「うん!」
ロンは騒いでいる子供に対して、灯葉に文句を言うが、灯葉は水玄の頭を撫でて、子供に同意を求める。
ロンは灯葉に注意しても無駄という事を知り、ハーマイオニーを見て、灯葉を注意するように目で訴える。しかし、ハーマイオニーは灯葉と同様に頭を撫でる。
「いいじゃない!ロン。それにこの子。私の恩人でしょ。有難う」
「いいよ!ハーマイオニーお姉ちゃん」
ロンは溜息を吐き、選抜チームが休憩を取るまで、一心に練習を見ていた。
「10分休憩だ!」
オリバーの声で選手達は箒の高度を下げて、地面へと降り立つ。ハリー以外の選手は真っすぐ、休憩に向かうが、ハリーは初練習のせいなのか、その場にへたりこんでしまう。それを見た灯葉達はハリーの元へと向かう。
「ハリー。大丈夫か?」
「ロン、大丈夫。ちょっとよろめいただけ」
「ハリーお兄ちゃん。大丈夫?」
休憩していたオリバーがハリーを見て、何かを見つけたのかハリーの方に近づき、灯葉に興奮した声で話しかける。
「おお!君がマホウトコロの生徒か!!マホウトコロの生徒はクィディッチが上手いと聞く!見せてくれないか!?」
「けど今、私、箒がないです。それに代表ではないから邪魔になりますよ」
「「箒ならある。練習用の箒だけどな」」
「邪魔にはならない。休憩中の合間に見せてくれ」
灯葉の言い訳に対し、いつの間にか後ろにいたジョージ、フレッドが箒を手に持ち話しかけ、オリバーは休憩中に見せてくれと頼み込む。
安倍は言い訳が思いつかなかったのか、ジョージ、フレッドから箒をもらい、箒にまたがる。
「じゃちょっとだけですよ。ついでに水玄、一緒に乗りましょうか」
「うん!」
水玄も箒にまたがり、灯葉は箒の高度を上げ、飛び回る。その速さはグリフィンドールの代表チームと引けをとらない程だ。また箒の技術も、オリバーが自然に感嘆の声を挙げていた。ほぼ直角に曲がると思えば、急激に高度を落とし、地面擦れ擦れで飛び回っている。
水玄は箒に乗って楽しいのか、興奮した声が聞こえてくる。オリバーもまた興奮して、飛んでいる灯葉を見つめて、灯葉の技術を褒める。
「子供を乗せて、あの技術か!素晴らしいな。次世代のチェイサーだな」
灯葉は箒の高度を下げて、皆が集まっている所に降りる。水玄は箒から降りても、興奮が続いている様子だ。
「水玄。楽しみましたか?」
「うん。ありがとう!」
「流石!マホウトコロから来た事ある!上手い!選抜チームに入る気はないか?」
「今は箒よりも興味がある物があるので、遠慮します」
オリバーはチームに勧誘をしようとするが、灯葉は遠慮する。しかし、オリバーは諦めきれない様子で何かを考えている。
「じゃせめて!マホウトコロのクィディッチだけ聞かせてくれ!」
「……では代わりに」
「ああ、その事か。いいとも!」
オリバーは灯葉と共に練習場から移動する。マホウトコロのクィディッチを聞くために。
他の選抜選手は肩をすくめて、それぞれがクィディッチバカと愚痴をこぼし、オリバーが戻ってくるまで、休憩を取っていた。
一方、オリバーと灯葉はマホウトコロのクィディッチの話で盛り上がっている。
「そうか!だからあれほどの技術を身に着けたのか。練習方法は!?」
「練習方法は…」
オリバーは灯葉が話すマホウトコロの練習方法を必死にメモを取る。その練習方法にオリバーは驚いたり、関心したりなど、灯葉の言葉に一言一句に反応する。
「これで話は終わりです。オリバーさん。次は貴方です」
「これは参考になる。これからの練習に取り入れるべきだな。たしか、クィレル先生の事を聞きたいのか」
「ええ」
その時の灯葉の目は獲物を狙うような目だった。
次は秘密の部屋を書きます。
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