ハリーポッター マホウトコロの陰陽師   作:猫舌猫目

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陰陽師

 安倍灯葉がトロールを倒した後日、灯葉はダンブルドア校長に呼ばれる。

 呼ばれた灯葉はマクゴガナル先生と共にガーゴイルの像の前に連れていかれる。マクゴガナル先生はガーゴイルの像に言葉を言う。

 

「ショートブレッド」

 

 と言った後、ガーゴイルの像は動きだし、階段が現れる。その階段をマクゴナガル先生と灯葉は昇り、校長室の中に入る。

校長室は先代校長達の絵が壁にかけられ、絵に描かれている校長達はじっと灯葉を見ている。灯葉もまた、じっと見ている先代校長達を見ている。

 マクゴナガル先生は灯葉に言う。

 

「もう少しで校長が来ます」

 

 灯葉は校長の机に置いてある古い帽子がある事に気づき、話しかける。帽子は乱暴な口調で返す。

 

「久し振りですね」

「二度と来るなと言ったはず。東洋の魔女」

 

 その時、校長室の入り口のドア、灯葉の後ろの方からダンブルドアが灯葉に話しかける。

 

「ほほほ。随分と帽子と仲良いのう」

「ええ。まぁ。組み分けの際、良くしてもらいましたし」

「そうなのか?」

「まぁな」

 

 組み分け帽子はダンブルドアに短い返事を返して、ただの帽子へと戻っていく。

 ダンブルドアは灯葉に座るように促す。灯葉もそれに従う。

 灯葉が座ったのを確認して、ダンブルドアは杖を取り出して、皿の上にあるカップに紅茶を入れ、机の上にある袋からクッキーのような物を取り出し、紅茶と共に灯葉に渡す。

 

「来てもらったのはわしと長話をしてもらいたかったんじゃ。今わしが気に入っているお菓子をつまみながらの話となるが」

「そうですか。このお菓子は?」

「イギリスのお菓子、ショートブレット。マグルのお菓子は優れている」

 

 灯葉は先ほどのマクゴナガルの言葉を思い出すように、納得した顔をして、お菓子を頬張り、紅茶を飲む。紅茶を飲んだダンブルドアは話しかける。

 

「本題に入るとしよう。陰陽師とはいったい何かの?」

 

 その質問、紅茶を入っているカップを口から離して、皿に置く。皿に置いた瞬間、部屋には鈍い音が響く。灯葉はじっとダンブルドアを見て、質問に答える。

 

「陰陽師は一言で言えば、学者です。マグルだと霊や鬼といった魔物を退治する職業、魔を退ける魔法使い、退魔師と知られていますが、そういうのは陰陽師とは言えません。だってイギリスだって化け物を退治する魔法使いいますよね?」

「いるのぅ」

「だったら、その人も陰陽師になりますし」

 

 灯葉は含み笑いをして、紅茶を飲む。ダンブルドアも長いひげを濡らさないように紅茶を飲む。2人の間に一瞬の間が生まれる。

 

 

 間が終わり、カップを置き、灯葉は目に凝らし、ダンブルドアを見つめる。ダンブルドアが待っている答えを今から言うかのように。

 

「陰陽師とは陰陽道を真髄として生きる者。陰陽道とは陰陽五行思想を主として森羅万象を解き明かす学問。この世は陰と陽の2種類に分けられ、また木・火・土・金・水に分けられる。つまり、陰陽道は森羅万象を解き明かす」

 

 灯葉は椅子から立ち上がり、空を見上げて言う。

 その姿はまるで神から啓示を受けたかのように手を広げている。また、校長室の明かりを空から灯葉をさして、黒曜石のように輝いている髪は明かりを反射して、さらに輝いている。

 

「これこそが陰陽師。そして、安倍家の目的。これが私の目的です」

「なるほどのぅ。なら、森羅万象を解き明かした後、何をしたい?」

「森羅万象は常に変化する物。謎はいつも私達の周りにあります。例えば、ハリーポッター。もしくはダンブルドア校長が敵に奪われたくないが、壊したくもない大切な物とか」

 

 灯葉はダンブルドア校長に目の前にいる不敵な笑みを向ける。ダンブルドア校長はまだ残っている紅茶を飲みながら、返事をする。

 

「さて何の事か」

「いずれ解き明かします。ダンブルドア校長」

 

 灯葉は校長室から出ていき、寮へと帰っていった。

 




補足

陰陽師;陰陽道を元に森羅万象、この世の全ての現象、物を解明する魔法使い

マグルが霊や魔物を退治するのが生業と勘違いした理由:昔、現象を解明する際、殆どが霊や魔物が起こした現象で、解き明かす際、魔物を退治をして、その事が昔から今にかけて、マグルの間に伝わった為。


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