まさか上がるとは思われてないだろう作品ですが、まだ続いてたのです……(驚愕)
「創造の力について話すつもりが、またやってしまいましたね…」
秋人を見送ったあと、アリスはポツリとそう零す。
辺りに寄ってきた花達を愛でるように優しく触れる。
満天の星空のおかげもあって、花の彩がよく分かる。
「1つの世界で1つの知識…この世界で8つ目の知識が生まれたはず、なのに、まだ私が観測出来てないってことは生まれてないか、隠れてるだけか、分からないのが怖いけど…」
創造の神になるために、1部の記憶を除き全てを失った彼に、世界は知識を与えることにした。
1度目の世界は、創造。
2度目の世界は、時間。
3度目の世界は、色彩。
4度目の世界は、未来。
5度目の世界は、光闇。
6度目の世界は、存在。
7度目の世界は、破壊。
与えられた知識を形にしたのが「創造世界」の住人達だ。
最初は誰も居ない、ただ1人の世界だった。
それがもう、7人もその世界に住んでいることになる。
いや、この世界で与えられる知識があるのなら、8人目が居ることになるのだろうが…
「この世界は、何を与えたのかしら…」
与えられる知識までは、アリスに分かりはしない。
力を持つ者が現れた時はすぐに分かるのに、なんとも不思議だ。
ともあれ、8度目となるこの世界ではまだ、7人しか見つけられていないのだから。
「秋人さんが誰も失わずに出会える時までに、8人目が、知識が何なのか分かっておかないと、ね」
アリスは一人、満天の星空に向かって呟いた。
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カチッ、カチッ
秋人を中心にした時計が再び出現したのはあれから五分ほどの事。
針は急速に回りだし、現在時刻に到達して光の粒となり消えた。
「……んぁ」
伸びをしながら大きく欠伸して、間抜けな表情をする秋人と、こちらも負けじと間抜けな顔をしてしまう若葉たち4人達は少しの間そのままだった。
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「星咲さんは悪くないって、な?機嫌直してくれよ若葉」
「怒って無いし、それにそのアリスって人が読んだ理由も聞いたからもういいわよ」
戻ってきてからすぐに、秋人はアリスとの会話を四人に聞かせた。
創造の力の事や、七つの元あった世界のこと。
ただ、そうそう信じてもらえばしなさそうだ。
「でもその創造の力の使い方を聞き出せてないのは残念だよね、せっかく分かっても使えないんじゃ意味無いし」
「しかも、もう一つの異能は未だわからないと来たか」
「……そっちも聞いとくべきだったなぁ」
今になっての後悔は遅すぎる。それこそもう1度アリスに会って聞き出したいほどに。
「ま、まぁ結果的に俺の異能は分かったんだし、星咲さんも気にしなくていいよ、ね?」
戻ってきてから数分経った今もあまりいい表情を出来ないでいる星咲明は、誰から見ても分かるくらいには下手くそな作り笑顔をして、
「初めて人間に作用したかと思って怖かったけど、良かったよ本当に」
と、先程から変わらぬ答えを返しつつ水を飲む。
「あー、よし。とりあえず、当初の目的を達成したんだし、次行こ次」
「……お前も変に前向きだな」
秋人はアハハとから笑いしてから本題に戻る。
「星咲さんは、俺に教えてくれようとしてた事が分かった。んで、終わったけど、他にも何かあったりするのか?」
「……」
星咲明は、ここに来たちゃんとした理由をまだ明かしていない。
秋人の異能はきっと、オマケなのだろう。
どこかそんな気がしていた。
「……そうだね、ここまでせっかく来たんだから、お話しようか」
それは、これから始まる1つの物語の幕開け。
カチッ、カチッ、
小刻みに音を立てながら過ぎていく時間を、ゆったりと掛けながら
ーーーーー
やがて来る、7人の希望が集いし『朝』
「8日目」とされる今日が始まる日までの小さな話。
彼ら彼女らは皆、それぞれの思いを胸にその日を迎える。
「今度こそ、必ず全てを乗り越えて、貴方を倒します」
夜明け前でしかない今は、まだ力を蓄える時間だ。
今は、まだ。
次回から、星咲明の話の予定です。
設定は頭の中にありますが、拙い文章で伝えきれるかどうか未知です。えぇ、分からないのです。
つまらないのを重々承知で、また上がる日が来ますよ……!
世界観とか分かるわけねぇー。けど、頑張ります。ひっそりと、ひっそりと。