創造世界が終わる頃   作:雨風日傘

8 / 9
1ヶ月って早すぎませんかね?
もう秋とか関係ないほどに寒すぎませんか…?
この内容、寒すぎませんか…?(白目)
今回の話で秋人の異能解るのは解りますが、これでよかったのかな?
もう分かりません。
正直どうなのだろう。自分が投稿遅い癖にとある人の作品はめっちゃ楽しみにしてたりと、俺も見習うべきですな……


さてさて、あんまり寒すぎること書いてても仕方ないので!

「休日の午後にでも」どうぞ!!


第8話

「それじゃあ、やってみるね」

俺の前に立ち、手のひらを開いた星咲さんがこれから俺の、赤元秋人の異能の時間を遡るらしい。

だが、イマイチよく分からないのだ。

異能の時間に触れるというのは分からなくないが、どんなものなのかさえ分かりもしてない異能に触れる…

例えばの話だが、冬樹の氷を出せる異能。

これはもう分かっていることであるから、異能の時間。

まぁ考える限りだと、それが「いつ自覚できたか」とか「初めて使ったのはいつ」とか、そういうのを調べられるとかなら分からなくもない。

だが、秋人の異能は、秋人自身が知りもしてなければ、使ったことさえ無いのだ。

時間を遡ることで見えるものなぞきっと無い。

それに……

 

「なあ若葉さんよ?そもそもお前が教えてくれるんじゃないの?わざわざ星咲さんの力使わなくてもイイんじゃね?それに、さっき危惧した問題も、それで解決すると思うんだけど……」

 

「確かに、昨日からそうではあるのよ…でも、話をする場所は必ずその場所じゃないとダメなの…」

後ろで腕組している冬樹と秋人から視線を逸らさない若葉の話をしていた。

そして、

 

「……あれ?」

星咲さんが首を傾げた。

 

「おかしいな……時計が見えないよ…あれ?」

 

カチ、カチ、……

 

「時計が…見えない?」

 

カチ、カチ、……

 

「うん、秋人君の異能に…まぁ私しか見えないんだけど、時計がでるはずなんだよ」

 

カチ、カチ、……

 

「それで?出ないってことは、俺って異能が無いって事か?」

 

カチ……

 

「いや、そんなはずは……」

 

カチカチカチ

 

小さく。小さく。

発動者本人である星咲明でさえ今やっと気がついた小さな音は、この瞬間にようやっと、聞こえるほどの音が響いた時。

秋人の座る椅子の下に、魔法陣のようにでかい時計が描かれ始めて長針と短針が今現在の時間から、秒針が、カチカチと音を立てて、現れた。

金色に彩られた枠に銀の針。光り輝く時計が秋人を中心に逆回転を始めた。

 

「あ……あれ?どうなってるの!?」

星咲さんは慌てていて、自身の異能を取り消そうとしているのだろうが。もう遅かった。

 

急速に回転を上げていく針は何周したかわからないところでぴしっと止まり、秋人は力無くだらりとしていた。

 

そして、時計は音も無く消失した。

一瞬の出来事すぎて、冬樹や若葉が我に帰ると秋人に駆け寄り冬樹がおもいきり体を揺らした。

 

「秋人!おい起きろ!秋人!」

 

「……貴女、どういうつもり?」

 

「……異能」

 

「異能が何よ」

 

「私のこの異能は、人間相手に発動しないの。でも今、秋人君本人に発動したでしょ…それも、私が何も出来ないままに勝手に現れて、勝手に消えた…」

 

「それって…秋人が「異能」ってことなの…?」

ここまで、何も喋れなかった桜は目にいっぱい浮かべた涙を流しながら、やっと言葉を出せた。

 

星咲明は、過去に人間相手にこの異能を発動してみようとしたことは何度かある。

だが、1度たりとも発動したことは無い。

だけど今目の前で、秋人には発動できた。

 

「それに、今の異能だけどさ…わたし、何もしてないよ?発動はしたけど、それ以外何もしてない」

 

「だって今、針は逆に回って…」

 

「もう一回やってみて、今の時間まで戻せるかやってみるのも良いけど…怖いよ」

 

未だにだらりとしている秋人の手を、冬樹が強く握る。

 

「もう1度秋人にその異能、使ってみてくれ」

 

「言われなくてもやってる……だけど、発動しても時間が進みも戻りもしないの…」

星咲以外にも視認できた時計は現れず、時間は秋人を置き去りにゆっくりと、前に前に進み続けた

 

ーーーーー

 

「……これはどうなってんだ?」

目の前に広がるのは、辺り一面の花畑。

自分が座っているベンチを中心にしているかのように感じるほどに広く広く花が咲いている。

満点の星空のおかげで、暗く感じない。

「見覚えも無いし、本当にどこなんだここは……」

ベンチから立ち上がり、もう1度よく見渡す。

すると、1人の女性がこちらに歩いてくるのが見える。

花に意識があるかのように、少しずつ道を作るように移動して、やがて秋人の前までくると少し頭を下げた。そして、

 

「この花は、過去に無くなった世界の人達を彩る魂の花なのですよ」

 

どこか儚げな、少し悲しい声に秋人は首を少しかしげた。

 

「無くなった…世界?」

 

「そう。この花をもう増やしたくは無いわね」

 

女性は紅と蒼の二つの瞳で秋人と向き合う。

 

「初めまして、赤元秋人さん。良い機会だったので、貴方をここに呼ばさせていただきました。アリスと申します」

 

そう名乗った女性は、やんわりと微笑んだ。

 

ーーーーー

 

「アリスさん…ですね、あの、俺を呼んだ?のもきになるところですが、ここは何処なのでしょう…?」

全くもって、状況に頭が追いつかない秋人はアリスに問い掛ける。

 

「ここは…そうですね、お伝えする事が逆でしたね」

アリスは、そう言うとベンチに座りその隣をポンポンとしている。

 

秋人は過去に桜に同じようなことをされたが、意味がわからずに叱られたことがあった。

それのおかげで、隣に座れ!の意味を汲み取ることに成功する。

秋人が座るのを見届けてから、アリスは再び話を始める。

 

「この場所は秋人さんたちが住む世界とは隔離されている場所で、私の…罪を償う場所でもあります…名前とかは無いですね、自分で付けるのもなんなので」

 

また少し、微笑みながら話すアリスに秋人は少々ドキマギしながらも継いで質問を続けた。

 

「さっきの無くなった世界っていうのはどういうこと……って聞いてもいいんですかね?」

後になるほど声は出なくなっていった。

だが、アリスは紅の瞳を閉じてウインクをしてみせた。

 

「私がここに秋人さんを呼んだ理由はその事についてですから、むしろ聴いてください」

アリスは微笑むと、再び空を見上げた。

そして、話し始める。

 

「今、秋人さんたちの住む世界は、「8度目の世界」といいます。

さっきのお話に出てきた無くなった世界というのは、1回目から7回目までの世界に住んでいた人達の事です」

 

「その、1回目から7回目っていう世界は…?」

 

「終わってしまいました」

 

終わった、と表現するアリスに、秋人は少しだけ驚いた。

そんな顔をする秋人にクスッと笑ってアリスはまた話に戻る。

 

「秋人さんは、「世界は神様が7日間で創った」というお話を知っていますか?」

 

その話は実に有名な話だ。

子供の頃、誰でも一度はしたことあるんじゃないかって言われるくらいには。

そう思った秋人は、顔にそれが出ていたようで、返事を聞かないままアリスは続ける。

 

「このお話はね、本当は一回目の世界を言ってるの。1回目の世界は神様が7日間で創ったとされてる。でも、2回目からは違うの。」

 

「それは……どういう意味ですか?」

 

「2回目の世界からは違う神様が…、一回目の世界で神様になってしまった人がね、世界を構築し治したの。1回目の世界を「1日目」として。」

 

「1日目…?」

 

「秋人君は7日間で創ったって話はしってても、日にちごとに「何をしたか」知ってる?」

 

「……いえ、そこまでは」

 

「だよね、1日目は「創造」を創ったとされてるの」

 

ここで久しぶりに素の声が出てきた。

 

「天地創造の話なのに最初に創るのが創造って……変な話ですね」

 

「そうね…でもあの人は神様になる時に、自分の中で限られた記憶以外の全てを失ってるの、だから最初は創造なのかもね…」

どこか遠くを見つめて話をするアリスは改めて話に戻る。

 

「1回目の世界は、1日目は創造を創ったの。そして2日目とされる世界では時間…こんな感じにそれぞれの世界で1つ創っていったの」

 

「……あれ?時間って、じゃあ2日目の世界には創造と時間以外は無かったってことですか?」

 

「ううん、世界には時間も創造もあったよ、創ったというよりは、神様に知識を与えてる…そんな感じかな」

 

「限られた記憶以外を補うために世界を創ってる…?」

 

「そう、でもね、世界は7日間で出来たって言われてる。神様の7日間は1日につき何か一つ仕事をしたの。じゃあ、8日目は?」

 

8日目、それは秋人も知らない。

7日目に神様は休みを取ったってのは知っていたけど、この場合はきっと7日目も何かを創ったのだろう。

ということは……

 

「この世界でも、何かを神様は創るということですか?」

 

「そうだね…この世界は何が起こるかわからないんだよ…」

 

そこまで話すと、ふっー、と息を吐いて立ち上がるアリスはまた微笑んだ。

 

「それよりもさ、こんな話普通聞き入らないというか信じないというか、怪しいとか思わない?」

 

「……なんでか、そういったのが一切無かったんですよ、不思議ですね」

そう言うと秋人も立ち上がり伸びた。

少し体を動かしている秋人の隣で、アリスは思う。

 

(どの世界の創造の子達とも違う、7つの世界を繰り返さないように、約束を守る為に、私がこの子を、この世界も一緒に今度こそ…)

 

「……さん、アリスさん?」

 

「っ!」

 

少しビクッとなったアリスは恥ずかしいからなのか、秋人とは違う方に顔を向けた。

 

「ど、どうしたの?」

 

「いや、さっきの話の中で1つ……いや全部気になるけど、1つ上げるなら、1回目の世界で神様になった人のこと、知ってるんですよね…?それと、1回目の世界の頃から生きてるって事ですよね…?」

 

秋人はそこがとても気になっていた。

あの人と言うアリスはきっと知っている。

そして、過去の世界全てを見てきたのだろう。

つまるところ……

 

「アリスさんも、神様とかですか?」

 

「っぷ」

 

「?」

 

「いや、なんと言うか…さ、柄にもなくとても笑いたいの今」

くすくすとすごく綺麗に笑うアリスに少し照れてしまった秋人が髪の毛をガシガシとする。

 

「それに、私は女なんだから、女神って言って欲しかったな~」

ひとしきり笑ったあと、細い指で涙を拭い、アリスは再び微笑んだ。

 

「私は神様でも女神様でも無くて、もう亡くなったただの人間だよ、 残念でした。それと、あの人というのも

 

そこまで話したところで秋人の足元に立ち幅分の時計が現れた。

 

「少し長く、お話しすぎちゃいましたね」

 

「あの、コレは…?」

 

「元の世界の秋人さんの体に魂を戻さないといけない時間です。時間の子に、星咲明さんと秋人さんの周りの方々に謝っておいてください。私がタイミングを見計らって秋人さん自身に異能を発動させたので、星咲明さんの時間の異能が発動したわけじゃありませんから」

 

「なるほど……ぇ?アリスさんも異能を…?」

 

「私自身は人間ですけどね、異能はまた次の機会にしましょう。それよりも今一番言っておかないといけない話がありました。」

 

「それが一番なら最初から話してくださいよ…」

 

「お伝えする順番が間違ってましたね、ごめんなさい」

くすくすと笑うと、アリスはその後真剣な表情で秋人を見る。

 

「秋人さん、貴方の異能はあの人が創った1日目とされる「創造」の力です。でも、今の秋人さんはそれの一部しか使えないと思います…封印とは違う、あるはずなのに無いというのが現状です。」

 

「創造……そう言われても、イマイチしっくり来ないのですが…」

 

「それはまた体に戻ってから、色々お試しください…そして、お願いがあります」

 

秋人の両手を掴み、近づいたアリスと秋人の胸の前で手を組み瞳を閉じる。

 

ぇ?ちょっ、俺まだファーストk

 

「どうか必ず、「7人でまた会いに来てください」秋人さん!必ず全員を連れてきてください……」

 

お願いします!

そう頭を下げたアリス。ポカーンとしている秋人。

 

サッと頭をあげたアリス。ポカーンとしている秋人。

 

「秋人さんにしか出来ない事ですから、絶対に忘れないでください」

 

はっと、我に戻ると秋人は手をあたふたさせていたが、カチカチと大きくなった音でそれすらもやめてしまう。

 

「また、会いましょう」

そう言ってやんわりと微笑むアリスの笑顔は、星空の光に負けないほど輝いていた。

 

 

 




アリスさん、やんわりふわふわした感じです(書けよ)

「神様の天地創造7日間」の事ですが、宗教とか自分詳しくないですが、天地創造7日間だけお借りしてオリジナルにしますので気にしてしまう方居たら本当に申し訳ありません。
ですが、とりあえずはこの形でお願いします。

創造の異能、はいはい最強最強。
と思われた方居るかと思いますが、はい、最強ですよねぇー(白目)
まぁ主人公ですから、その辺はご割愛でお願いします。

投稿やはり遅いですよね……年内10話行けるだろうか
そもそもこの作品、足りないところだらけで完全に自己満でしかないんですよね…
いや。わかってるならもっとがんばれよ。
分かってはいても結構難しいです……
先輩方の作品色々拝見してますが、知識量、語彙力、風景
なによりも、想像(創造)出来るところがいいんですよね~。
脳内再生とは言いますがまさにあんな感じで。。。

次も頑張って投稿しますので、これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

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