創造世界が終わる頃   作:雨風日傘

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久々の投稿です~
いやね、4000文字が消えてなくなった時は、俺も消えてなくなろうかと思いまして……
まぁ消えていったとしてもまだ認知されないところかと思いますが……
さてさて、前回は星咲明(ほしさき あかり)と若葉さんのちょっっっっっとしたアレがありましたが、今回もちょっっっっっとしかありません。
果たして!この作品は戦うのか!
いや、戦わせる気満々ですが、ぶっちゃけ主の脳内ではバトルしかないので、逆にいろいろ持ち込むのが難しくてあれやこれや……キャラ像はあるのですがなにぶん日本語能力が低くて低くて……
リアルも忙しかったと言い訳させてくださいお願いしますm(_ _)m

では、「電車の待ち時間」にでも立ち寄ってください!
どうぞ!


第5話

「どーしたらこんなことになるのぉ!?」

既に路地裏など抜けさり、今は全力で迫り来る星咲明から逃げている。

桜は、なんでー!?どーしてー!?と叫びながら手をバタバタさせている。

 

「わかんねぇよ!とにかくアレをどーにかしなきゃとか思うけど……「今のこの状況」じゃ無理だぁぁぁぁ!!」

冬樹はタイミングよく横に飛んだ。

何故って?

 

「当たったらぜったい死ぬだろアレ!!」

秋人だけじゃなく、今は全員が対象となった火の玉達が勢い良く飛んでくるのだから、だ。

 

「とにかく走りなさい。じゃなきゃこれ死ぬわね」

今もなお冷静さを保ちながら、若葉が壁を創り、何発か同時に放たれた火の玉を防ぐ。

 

「アハハっ!何も逃げることないのに~」

火の玉の一つに腰を掛けて、綺麗にちょこんと体育座りした星咲が笑う。

星咲はずっとああして、秋人達を追いかけているのた。

最初は4発だったはずの火の玉は、今じゃ小さいのが何発も浮かび上がり、辺りはとっくに夜になっているというのに、赤の一色で一帯を照らし出していた。

 

「冬樹のさ、雪?氷?あれでなんとか出来ねぇのか!」

はぁはぁと、いい加減疲れ果てそうな秋人は、隣を走る冬樹に尋ねる。

正直ジリ貧もいいとこなのだ。

 

「どうにも出来ん!」

ハッキリと断られた。

 

「ちきしょう…どうすりゃいいんだよぉぉぉ!?!?」

秋人の隣を掠めるように火の玉が飛んできた。

地面に当たると同時に散ると、その場所がジュッといい音を出して煙を上げる。

やっぱ当たると死ぬなこれ…

 

(今はまだ、お前に知られるわけにいかねぇからな)

焦る秋人の横顔を見ながら、冬樹は自分を情けなく思う他無かった……

 

ーーーーー

 

「ねぇねぇー、そろそろ何かしてくれないなら殺しちゃうよー?」

 

星咲は小さな一つ一つの火の玉を一つに収束し始めた。

前で逃げ続ける4人にいい加減退屈したのだろうか、星咲明は溜息を吐いて指先をひょいひょいっと自分の真上に火の玉達を一気に集める。

追いかけてるうちに、気がつけばどこかの公園にまで来てしまっているようだ。辺りは暗くなり、今では星咲の作り出した火の玉がかなり明るく感じるほどに。

 

「でもこれくらいで死んじゃうなら、選ばれたなんて信じられないし?」

少しだけ、悲しげに俯いた。

10年前に取り上げられた7人に自分の名前があったこと。

何か特別な運命があるのだと思えて嬉しかったこと。

他の子には無い、「自分だけ、いや、自分達だけ」の特別感溢れる物に、興味と好奇心ばかりが先行した、いや、必然だったのかもしれないソレが星咲明にはあった。

 

そして今日、初めて自分以外の「特別」に出会えた。

きっと素敵な、何か劇的な何かが始まる。

そう思えてならなかった。

なのに……

夢見がちな少女は夢で終わらせたくないのだった。

きっともっと「特別」な事がこれから始まるのだと、そう信じて……

 

 

「さようなら?生きてたらまた会おうね?」

小さかった火の玉達は、今じゃ一つの塊になり、ちょっとした太陽のようにも見える。

 

ぜぇぜぇと息を切らしながら桜は

「しにたくないよぉぉぉー」

と、ちょっと泣いていて

 

冷や汗を少しだけ出した若葉が

「さすがに……これは防げないわ」

と、ちょっと弱気になっていて

 

手を額に当てながら少し考えるように冬樹が

「やるしかねぇか……?」

と、誰にも聞こえない声で呟いて

 

擬似的な太陽と星咲を見ながら秋人が

「めちゃくちゃだろぉおぉぉ!!!」

と、嘆いていた。

 

そんな喧騒を耳に入れてから、星咲はひょいと人差し指を上から下へ落とす仕草で擬似太陽を、4人の頭上へと向けた。

 

ーーーーー

 

モクモクと辺り一帯は煙に包まれていた。

 

「流石に、やりすぎたかな…?」

人の気配は感じ取れない。それに、辺りは忘れてはならないが夜なのだ。暗くてあまり良く見えないのも合わさっている。

 

「結局、選ばれてたとしても、1つしか……手帳しか開かないで倒せるようなら、戦闘系じゃ無かったのかもなぁ」

手帳をそっと閉じると、手帳は手元から消えてなくなる。

んー、と伸びをしてもう1度辺りを見回したが何も変わりはしていなかった。

 

「……まぁいいかな?あの4人は、いや秋人君以外は巻き添えだったけど、仮に生きてても、今日は帰ろうかな」

くるりと、半周回って帰路に着こうとしたら、目の前に人が立っていた。

スーツを丁寧に着こなす強面な面構えのおじさん、それが星咲明の第一印象だった。

 

「お嬢さん、こんなところで何しているのかな?」

強面な割にちょっと高めな声で話しかけてきたその人は、星咲の返答を待つことなく続けた。

 

「赤元秋人を初っ端から死なせるわけには行きませんので、さすがに手を出させていただきました」

秋人の名前が出たその時には振り返り、手帳を取り出して風を巻き起こしていた星咲は、へぇ、と口を釣り上げ笑っていた。

 

「どいてくれよ冬樹と桜と若葉……まじ重くて死ぬ」

「いいかしら秋人君?女性に向かって重いなんて言ってはいけないわ、死にたいの?」

「重いのは冬樹だけで、私と若葉さんは名前の通り、葉っぱのごとく軽いんだよ?」

「……いや葉っぱのごとくって、それもう人間じゃねぇだろ」

 

一番下に秋人を置く感じで次に冬樹、若葉桜の順にのしかかっていた。

その4人の隣であくびをしながら立っているのは金髪の若い男。こちらもスーツ姿は同様で髪をくしゃくしゃと触っている。

 

 

「おい爺さん、あのでけぇ火の玉はいいけど次が来るなら一言言えよ、あやうく殺しちまうとこだったぞ」

 

「なに、君なら次も防いでくれることくらい分かっていたよ、あと爺さんじゃないから」

 

二人の間に位置する星咲はそんなことよりもと、話に割って入る。

 

「お2人さんはどちら様?あなたたちのこと知らないんだけどなー」

 

「これはこれは、申し遅れましたな」

そう言うと、ぺこりと一礼、頭を下げるその仕草も様になっていて、ちょっとカッコよく見えたのは秘密だった。

 

「我々は、「創造世界」に居る7人の住人の二人ですよ。星咲明さん」

 

「へぇ」

少し興味が湧いてきたのだろうか、前のめり気味になった星咲はその細い指を顎に当てて思考するように見せる。

 

「まぁ、ゆくゆく会うんだし、ちょっと早めの登場って感じだな」

後ろからは未だにあくびをしたままの金髪が目だけは星咲を捉えて離さないままにそう答えた。

 

「その「創造世界」ってどこにあるのかな?」

 

「今は知らなくていいことですよ、それに、お嬢さんがやりすぎなのがいけない、私と彼はいつでも起きられるから良いものを……」

 

「まぁ徹夜みたいなもんだからな、ってか口が緩いぞ、この星咲って女しか話してねぇからってダメじゃねコレ?」

 

星咲はくるりと反転、今度は金髪の近くにいる4人を見やると、寝ている?意識を失ってる?どちらにせよ、動きが無かった。

今現状は星咲を間に二人の男。

場面だけ見やるとかなりアレだった。

 

「さて、お喋りが長いといけないので、今夜は帰らせてあげますよ」

 

「ただで帰るわけないよ?」

強面のスーツが再び一礼するところ、星咲は少しでも長引かせようと、手帳を手に取る。

だが

 

「お前に会うのはもう少し先だ、そうだな、「8日目の朝」を迎えた時、お前が生きていたらまた会うだろうよ」

 

金髪の男が耳元でそう囁く。

いや、いつの間に距離を!?

それどころではない、と。このままではこの時間が終わってしまう。焦った星咲明は手帳をーーー

 

「開けない!?」

 

「お休みお嬢さん、ゆっくりと今は寝なされ」

 

おじさんが手を横にスライドさせるのを見届けて、彼女は自室のベッドに何故かいる事を頭の隅に残したまま、意識が途絶えた。

 

 

ーーーーー

 

「本当にこんな奴が俺らのところまで来れんの?」

金髪が秋人の顔を見下してケラケラと笑う。

 

先程までとはえらい態度の差が激しくて、後ろに居るおじさんはため息を漏らす。

 

「あの方が選んだのだ。彼は、少なくとも彼は必ず我々の場所まで来る」

 

「今俺が何もしなけりゃ、ここでお別れだったけどな?」

 

「君は助けたよ、助けないと怖いだろ?」

 

「……まぁそうだな」

 

「それよりも、私が気になっているのはこのお嬢さんだよ」

 

「この茶髪か」

 

若葉を一瞥すると、おじさんはふっと少し笑う。

 

「あぁ、このお嬢さんは初めて感じ取る力を感じる。なにより」

 

「いや、楽しみは後にとっとこうぜ、それ以上はやめておこう」

ケラケラと笑い続ける金髪が、手を挙げて伸びをしながら言うと、おじさんもそうだな、とだけ答えて4人の前で星咲にやったのと同じように、手を横にスライドさせる。

 

「またな、創造の子」

 

ケラケラと笑う金髪が消えゆく秋人を片目に笑い続けた。

 

ーーーーー

 

「あいつら羨ましがるだろーな」

 

「今は私達が映ってないからってそんな事はいうもんじゃないぞ」

 

ここに居ない、眠っているほかの5人は、この世界を夢で見ている。

目が覚めるその日まで、彼ら彼女らは夢を見続けるのだ。

いつくるのかも分からない夜明けを待ち続けて……

 

「さて、そろそろ戻ろうか、「クラム」よ」

 

「だな、俺は眠くて仕方ねぇからよ、「ジール」さん」

 

「名前で返すなんて珍しいな、余程この世界を先に触れたのが嬉しかったのか?」

 

「いいや、久々に誰かの名前を呼ぶのもいいかと思ってよ」

 

金髪の男は 「クラム」

強面のおじさんは 「ジール」

彼らはそっと、夜の闇に溶けるように、この場から消えていった。

 

 

 




いやー、クラムは第1話(当時名前のみ)でしたが、今回出したました。
新キャラのジールさん!もっとカッコよく書くつもりだったんだけどなぁ……
え?ちゃんと書けって?
そのとおりでございます、反省点です今回の。

タイトルの「創造世界が終わる頃」
彼ら彼女ら7人が居るのは「創造世界」です。
果たして!どうなるのやら!
ルビとか横文字とか考えたのですが、いい感じのが思いつかなくって……

というか、こんな茶番劇を読んで下さる皆々様には感謝感激でございます。
たまぁぁぁぁぁぁに、こっそりと
「何でもいいから感想あったりしないかな~」なんて思っちゃう痛い人は私です。
ダメ出し、誤字脱字、読んだ!コメお待ちしてますm(_ _)m
目標はお盆中に6話まで載せることですね(小さい目標大きな1歩!)

今回もありがとうございましたm(_ _)m

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