創造世界が終わる頃   作:雨風日傘

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果たして、この作品は完結するのだろうか…
学生生活を書いてみたかった……それだけなんです……許してください…
本編?ちゃんと進みます最後の方でちょろっと!
読んで下さる方ありがとうございますm(__)m
「暇つぶし」程度にでもと思いますのでどうぞ宜しくお願いしますm(__)m


第2話

8度目の世界が創造されてから何年何百年何千年と時は経っていった。

彼ら彼女らが眠りから覚める8日目の朝はまだ来てはいない。が

着実に、この世界での物語は彼ら彼女らの目覚めるための、8日目の朝を迎えるための動きを少しずつ始めていた……

 

ーーーー

 

「だーかーらー!絶対冬樹がまちがってるって!」

日が登ってからまださほど時間は経っていないのにも関わらず、やけに元気な声があたりに響く。

 

「いいや、桜よ!俺の言ってることこそ正しい!なぁ?秋人よ!」

動きも声も派手な冬樹が俺に振ってくる、まだ朝早いんだから近所迷惑も考えろよ…

 

「どっちも間違えてんよ、その問題…」

 

徹夜明けのテンションからなのか、もはや2人の目は若干の狂気を感じさせるような、というか、寝ちゃいけないからわざと声とか大きくしてるなこれ、後で絶対落ちるな(確信)

 

「「えぇー!?」」

二人してまた反応がでかいなぁ…

 

「なんで……せっかくついさっきまで分かってたのに……」

桜はこの世の終わりだと言いたげに四つん這いになって下を向いてた。

 

「おかしいな…俺のカンニングペーパーは完璧なはずなのにっ!!」

悔しがるところさえも完全に間違えている冬樹はそのカンニングペーパーをビリビリと破り捨てていた、いや他の問題で使えるかもじゃんとっときなよ……

 

「二人して昨日の夜押しかけてきたのに…意味なかったなコレ」

 

俺ははぁ、と一息着いてから立ち上がる、もうあと一時間もすれば学校に出向く時間になってしまっている、寝たかったなぁ…

 

「桜よ、さっきは悪かったな、俺も間違えていたぜ…」

「良いんだよ冬樹…私達にはまだ時間があるんだから!」

 

ガシッとお互い力強く手を握り合う。

うん、とてもいい友情だけど…

 

「いや、現実見よーぜ…」

チクタクと進んでいく時計の針の音と、ドサッと倒れる二人。仲いいなおい。

 

「まぁどのみちここまでだったな」

今日は曇り空だし、少し雨も降るそうだから、早めにここを出たほうがいいだろうな。

 

「秋人は良いよね…数学は学年で1桁に居るんだからさ…」

 

「いや、お前数学以外は1桁のくせに」

 

「お前らの会話はレベル高すぎて俺はもう無理…」

 

桜は数学以外ほぼ満点を取れるのだから不思議なんだよな…

 

「数学も(点数が)1桁だからオール1桁じゃん良かったな」

 

「今絶対バカにしたよね!?」

 

「今のは俺にも分かったなぁ」

冬樹は学年で下から数えた方が早いのである。

そして俺は数学以外が微妙な感じなのだ。

 

「あーもう今日だけ学校休みたい!」

ジタバタと手や足を動かしながらゴロゴロと駄々をこね始めた桜に便乗するかのように、

 

「俺も行きたくないーー!!」

冬樹も真似し始めましたとさ。

 

「はぁ」

声に出るほどのため息が出てしまう秋人なのであった。

 

ーーーーー

 

「やっぱ眠いよぉ」

あれから少し経って今は登校中。

相変わらずの曇り空、というかさっきより黒い感じの雲になっていた。

 

「ふぁぁ…ところで、今日の「異特」は二人共どーなってんの?」

冬樹はかなりでかいあくびを放ちながらを、ちゃんと今日のことを覚えているようだ。

あ、もちろん数学の試験もあるよ?

 

「異能特別調査」

通称で異特

この世界では10年に1度必ずこの調査を受ける。

例外なく、誰しもが受けなければならないのだ。

なにやらお偉い様方が言うには、人は必ず大きさに関わらず、異能というか、まぁ能力のような物が使えるそうで、危険になるならないにしても、とりあえずどんな物を持っているのかを調査という形でするんだそうだ。

基本的に皆してずば抜けた何かを持ってる、なんて事は無いが、多少なりとも芽はあるとの事。

その異能特別調査が今日世界同時に行われるのだ。

 

「10年前にも受けたけどさ、やっぱ違和感あるよねー、私なんて今の所なーんにも無いと思うんだけどなぁ」

 

「俺はバリバリ出てるけどな!」

桜の微妙な反応に対して、冬樹は自分の異能?能力?を見せ始めた。

 

パキン、と小さな音が鳴るのと同時、

冬樹の手のひらの上に小さな氷の粒が出来上がる。

 

「冬樹は名前のまんまだもんねー」

「そうだよかっこいいだろー!」

 

桜は、ブーブーと口を膨らませては文句を吐いていた

 

「でも俺なんかより秋人の方が興味湧くよな!」

「十年前に世界で発表された「7人」の内の1人だもんね!」

 

ねー、と二人同時に振り向かないでよ……

ずっと2人の後ろを黙ってついてきていた秋人に、桜と冬樹が左右隣まで後退してきた。

 

「特に何も無いと思うけどねぇ、単純にあの意味のわからん機械が壊れてただけでしょ」

 

異能特別調査は、国が決めた日と場所ならばいつでも受けられる。

異能特別調査に置いて、何をするのかというと実は学校でやらされる体力測定系統と大差ないのだ。

身体能力に関しての異能発動等はこの体力測定の動きでだいたい分かるそうだ。

 

次にやるのは各年代毎に分けられてのそれまで試験。

要は100点満点のテストのようなものを受けたりもする。

脳に直接的にしろ間接的にしろ関与したり、思考や発想閃き等、かなり細かく見られたりもする(あと点数も微妙に見られたりして恥ずかしい)

 

次は血液検査だ。

体内に巡るものを鑑定してもらい神経に働きかける異能などもあるとのことらしいのだ。

 

次は世代等関係無しの10から15人程度のグループに分けられての、何でもない会話をさせられる。

ここも先の脳に関係したりもするが、他にも、共通意思や異能の共鳴なんかも見分けられたりする。

 

最後にあの意味のわからない機械だ。

あれに関しては本当にわからんのだ。

人の形をしたロボットのような物が椅子に置かれており、その目の前に座らされる。

じっと対面して1分ほど過ぎるとこれにて調査終了と言い渡されたのだ。

まじで、何なのかわからない…

 

「私もあれはちょっと怖かったな、なんかじっと見つめ合うというか、見られてた感じがして」

 

「俺は眠くてイマイチ最後の方覚えてないんだよな」

 

「まぁ、俺も桜と同じで、自分に異能があるなんて言われても実感ないかな」

 

「でもでも!世界で7人しか居なかったんだよ?」

 

「そうそう、お前が何も聞かされてねぇってのがおかしな話でもあるがな」

 

「俺も、世界で7人って、何の7人なのか知らないんだよな、勝手に名前取り上げられて個人情報を守るのがお偉い様のしごとじゃねぇのかな…」

 

当時、テレビを見ていたら、突然自分の名前と顔がテレビに上がった時は、「俺テレビ出たぁぁぁ!」

くらいだったのだが、その後が大変でした。

押し寄せる報道陣の波が家の前に迫ってくるのが毎日続き、学校にも行けない日々が秋人を悩ませたりもしたのだから。

 

「でもまぁ!今日の調査で色々わかるでしょ!もう10年も経ったんだしさ!」

 

「そうそう!今日で何かしら分かるだろうからそんな暗い顔すんなって!」

 

いつの間にか、秋人は暗い表情でもしてたのだろうか、自分でも気が付かなかったのを2人はすぐに察したのだろう。

本当にこの2人には頭が上がらないな…

 

「だな…それより数式の一つでも頭に入れとこうぜ」

「おまっ!今それ言うなよ思い出しちゃったじゃん!」

「秋人のアホ!せっかく忘れてたのに!」

 

…………いやいや君達もう少しそこも覚えとこうよ

 

ーーーーー

 

「ダメだ……お終いだ……この世の終わりだぁぁぁぁ」

「泣くな桜っ!!俺は問1の最初の4問以外解けなかったから安心しろ!お前は俺以上にとk」

 

「…………私問1の最初だけなんですが」

 

「「……」」

二人して、と言うか冬樹まで絶句しちゃったぞおい

 

テストが終わってから休憩に入って、二人して目にも留まらぬ速さでこちらに駆け寄り、

「「問1の最初の方だけ答え合わせしよう!!」」

めっちゃハモってました…

 

「お前ら……俺の睡眠時間を返せ…」

秋人は秋人で、徹夜明けの体に鞭打って必死に問題を解いていたのだが……

睡魔には勝てませんでした。

 

「秋人…購買でパン奢るから許して?ね?」

めっちゃ笑顔を向けてくる桜と

 

「俺もコーヒー奢るから許してくれ!」

めっちゃ苦笑いでウインクされました。

 

「……はぁ」

本日3度目のため息、まだ半日しか経ってないのに…

 

その後、三人揃って購買と自販機を周り再び教室へ戻ると

 

「あ、さくらー、さっき先生が呼んでたよー」

「わかったありがとー!」

 

桜はどうやら担任に呼び出しをされていたらしく、ごめんねとだけ残して一旦職員室へと向かっていった。

 

ーーーーー

桜が職員室に呼び出されてからしばらく待ったが帰ってこず、仕方ないと先に食べ始めてからのこと

 

「なぁなぁ秋人よ~」

 

「どしたん?」

冬樹はカレーパンを、むしゃむしゃとほおばりながら、立ち上がり、手を大きく広げた。

 

「俺!高瀬 冬樹は今日の夜飯をかけたジャンケンを申し出るッ!!」

 

ほう、急に何を言うかと思えばこいつ……

 

「良いぞ…受けてたとう!」

教室に聞こえるほど高らかに宣言した冬樹がニィっと嫌な笑みを浮かべる。

「それじゃあ……行くぜッ!!」

 

「「じゃぁぁぁぁんけぇぇぇぇぇん」」

 

お互い拳を握り締める

冬樹は下から拳を

秋人は横から拳を

全力で繰り出す

 

「「ぽぉぉぉん!!」」

お互いの手を確認したその時!

 

「ぽおーん」

軽やかにして爽快に、第3の声が介入する。

「「え?」」

 

秋人、冬樹共にパーに対して

桜はチョキを繰り出す。

 

「はいっ!私の勝ちだから二人の奢りね?」

「「……」」

 

ピースサインと笑顔を一緒に帰ってきた桜でした。

 

ーーーー

 

「結局奢りは確定なのか……」

「俺と半々だからマシだろ……」

「~♪」

 

ジャンケンを 終えてからは特に何も無かった。

今日は数学のテストのみだったので、帰り際に異特に立ち寄るだけなのだ。

 

「それより桜よ、一体何で呼び出しを食らった?」

「何かあったのか?」

秋人と冬樹がその理由を訪ねたとき、少しだけ間があった。

そして……二ヤァと笑いながら冬木に向けてこう放つ。

「なんかねー、今回の数学点数悪かったらあの教師のガチ補習だぞって言われてしまいました…」

「なん……だと……」

冬樹までもが絶句する意味が分かるのが辛い…

 

数学以外はほぼトップに居る桜でさえ、そんなことを言われるのだ、つまり…

 

「俺の青春は、この雨風と共に儚く消えるんだな……」

 

どこか遠い目をして、右目からキラリと涙を輝かせ、白い灰になっていく冬樹を二人して苦笑を浮かべた。

 

ーーーーー

 

「じゃあ私こっちだから!また後で~」

「おう、後で」

 

異能特別調査は男性女性とで少しだけ分かれた場所で行われる。

 

「ほら早く行こうぜ秋人!」

平日の午後1ということもあってか、どちらもかなり空いているようだ。

 

「木原 桜さん、どうぞ」

手を振る桜が女性専用の方へと入って行った。

 

「高瀬 冬樹さん 赤本秋人さん、どうぞ 」

名前を呼ばれて冬樹と秋人はその部屋に入ろうと、したその時。

 

 

 

「待って」

 

世界は止まっていた

 

ーーーーー

 

 

「ぇ?」

 

待って?え?誰?

秋人は声がした方へと振り返る。

そこに立っていたのは秋人より少し背が小さい黒髪の、紫と黄色の2色の目が、秋人を覗いていた。

 

「やぁはじめまして、赤本秋人さん?」

アハハっと笑ってみせる少年は、手をポケットから出して、秋人に差し出す。

 

「この手を握るかい?それとも今はまだやめるかい?」

 

何を言っているのか全くわからない。

ただでさえ、「異常」なことしか分からないというのに。

 

「……お前誰だ?」

少なくとも、秋人はこの少年を見たことも喋ったこともないのだ。

 

「んー、ゆくゆくは知っといてもらわないといけないけど、今はまだ知らなくていいと思うんだ」

 

少年は面白そうに喋り出す。

 

「8度目の世界を、君は救えるかな?過去の7回を、君は超えられるかな?」

 

何がおかしいのだろう、クククっと笑いをこらえながらも、秋人に対しての手は差し出されたままだった。

 

「まぁ、出現が唐突だからね、驚くのも訳ないさ、だから、これだけは言っとこうかな」

スッと、また手をポケットにしまい込むと、一言だけ言葉を放つ。

 

「君が気づいてないだけで、もう始まるってるんだよ?」

 

「だから!一体何が!」

 

「それは僕の口からは言えないでしょ~」

 

今度はこらえるまでも無く、アハハっと笑う。

 

「まぁ、嫌でもすぐに分かるさ、君達7人の間でね」

少年は後ろを振り返り手を挙げ、まるでさよならを告げるかのように少しずつ体が消えていく

「待てよ!何なんだよ!」

 

フッと、世界は動きを取り戻す。

声も音も、秋人と少年以外の何も発してなかった世界は唐突に動き始めた。

 

「あ…秋人さん?」

受付の人達が慌ててこちらにむかってくるのが見える。

そんなに動いたつもりは無かったが、どうやら部屋を飛び出していたようだ。

 

「結局……なんだったんだ…」

 

遠くから聞こえる冬樹の馬鹿でかい声だけが、今は耳に響いていた。




キャラ説明とかどうしよ……
少年しかちゃんと書いてねぇや……
次回は色々書きたいなと思います……
ありがとうございましたm(__)m

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