「………いっつ!」
「マイン…私が食べさそう」
「一人で食べれるわよ……」
「冷めてしまう…」
「………分かったわよ…あむっ………」
この前の戦闘でマインは負傷、シェーレは戦死。ナイトレイドには重い空気が漂っている。それもそうだ。仲間の一人が殺されたんだ。マインが一番それを悔やんでる。この仕事をしていれば、いつかは死は訪れる。誰だって例外ではない。それがいつかは分からない。それは俺も一緒である。だが、これで帝都も分かったはずだ。帝具には帝具だと。これからは帝具使い同士の戦いが始まる。帝都と革命軍での帝具での死闘が始まる。
「大丈夫かマイン。食いやすい物作ろうか?」
「別にいいわ。腕が動かない訳じゃないから。それならデザートでパフェ作ってくれるかしら?」
「任せとけ。極上のパフェを食わしてやる」
「む!極上?それならリュウ!私にも作ってくれ!」
「もうちょっと自重しようなアカメ?まぁいいけど」
さすがはアカメだ。殺し屋としてのキャリヤが長いのかシェーレが殺されてもまったく動じてない。クールなままだ。
「ほらよ!甘すぎない程度においしくしたイチゴパフェだ!アカメは特大サイズな」
「来た!ではいただく!」
「あら、おいしそうね?おいしくいただくわ」
「おう!隠し味付だ。この味は誰にも負けないぜ!」
「リュウおふぁわりら(おかわりだ)!」
「食うのが速いのもいいけどちゃんと噛んで食べなさい!」
あ、俺ことリュウ。完全にナイトレイドのコックになりまちた!<(`^´)>
なんでかって?アカメが自分で作る料理より俺の飯のほうが美味いからだってさ。
【訓練場】
「はぁぁぁ!」
「おぉぉぉ!」
訓練場に顔を出せばタツミとブラートが模擬武器で訓練をしていた。しっかしタツミ今日は何時もより気合入ってるなぁ。
「どうしたタツミ!腰が引いてるぞ!」
「ぐぁ!」
ブラートの槍捌きを防ぐ事が出来ず、その打撃が脇腹に直撃し地面に転がる。
「おいタツミ。えらい気合入ってるな?なにかあったのか?」
「別に…、早くレベルアップしたいだけさ。俺はアカメと約束してるんだよ!絶対に死なないって!」
タツミ……。
「そっか。なら頑張れよ!お前は強くなれると思うぞ。まぁ訓練してない俺が言うのもなんだけどな?」
「リュウは便利な能力があるからいいだろ?」
「俺のもそこまで万能じゃねえよ。まだ体力が無いからな~」
「ならリュウ!俺たち三人で特訓するか?」
「「はい……………………?」」
見事に俺とタツミの声がハモる。
「鍛えるなら俺と組みな!みっちり鍛えてやるぞ!」
「「おぉぉぉ!兄貴ぃ!」」
「さっそく行くぞ!レッスン開始だ!俺について来い!」
「おっしゃぁぁ!テンション上がってきたぁぁぁ!\(^o^)/」
「兄貴!厳しく頼むぜ!!」
俺とブラートとタツミは軽い身支度を済ませ、先に走り出したブラートの背中を追いかけた。
「あ、傷ついたら俺がベースキャプで手厚く介抱してやるからな?」
「なんで顔が赤くなってんだよぉぉぉ!!(ToT)/」
「色々とヤバイからやめてくれ兄貴!」
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【帝都宮殿】
「エスデス将軍。北の制圧見事であった。褒美として黄金一万を用意してあるぞ」
「ありがとうございます。北に備えとして残してきた兵たちに送ります。喜びましょう」
この女性がエスデス。帝国最強と言われている将軍で、なぜ最強と言われているか。それは圧倒的な力である。異民族40万人を生き埋め処刑にするとかなんとか。もちろん帝具持ちだ。能力は無から氷を生成する能力。自分の思う造形の氷を作り、敵に攻撃できる。隕石なみの大きさの氷、巨大な氷の槍、幾多もの氷の刃など、できるものは思うがまま。あとは自分オリジナルの能力があるらしい。(作者情報だ)
「帰ってきて悪いが仕事だ。ナイトレイドをはじめ凶悪な輩が蔓延っている。これを排除してくれないか?」
「わかりました。それなら一つお願いがあります」
「む?兵士か?」
「はい、賊の中に帝具使いが多いと聞きます。帝具には帝具が有効。【6人の帝具使いを集めてください】。兵はそれで充分。帝具使いのみの治安維持部隊を結成します」
「将軍には三獣士と言われてる帝具使いがいるはず。それから更に6人か……」
「陛下。エスデス将軍になら任せられそうです。私が帝具使いを用意しましょう」
「そうか!お前がそう言ってくれるなら安心して預けられる!頼んだぞ大臣」
このクソデブオヤジが、全ての元凶であるオネスト大臣。この顔をみるだけでわしは腹が立ってくるね!( ゚Д゚)(作者な)
こいつが今の帝国を裏から操っている張本人。まだ子供の皇帝を騙し、今の帝国を作り上げた。
「そうだエスデス将軍。後一つ、この者について何か調べてくれませんか?モグモグ………」
飯を食う時はちゃんと机で食べなさい!!
「この者?」
大臣から渡された書類に目を通していく。
中々分厚いな。
リュウ
身長:180センチ
体重:68キロ
装備武器:ハンドガン一丁・サバイバルナイフ一振り
見た目:少し赤よりの黒色の髪。全身黒色の服。左目に斬り傷。
帝都の依頼版に張り付けてあった依頼書を次々とこなしている人物。噂ではザンクを殺した張本人。依頼の受けている主な内容は一級危険種討伐。手配書の人物の捕獲。または半殺し。
「こんな装備で危険種を討伐?しかもあのザンクをだと?ふつうの人間とは思えないがな……」
「私もそれは思いました。帝具持ちと考えましたがそれらしい物を身に着けておりません」
「私の帝具のような能力者?ではなさそうだな………」
「エスデス将軍の帝具は特殊ですからなぁ。もしかしたら帝都の戦力になるかもしれません。とにかく調べてくれませんか?」
「わかった。今度帝都で探してみよう」
「よろしく頼むぞエスデス。後、ほかに欲しいものはあるか?やはり何か褒美を与えたい」
「そう……ですね…。言うならば」
「言うならば?」
「恋を……………したいと思います」
「「………………………………………………え??」」
一瞬にして凍り付く空気。
ン?ナンダッテ?コイ?(; ・`д・´)
「そ、そうか!将軍も年頃なのに独り身だしな。この大臣などどうだ?」
「ちょっ!?陛下?」
俺がもし女だったらこんなクソデブとは絶対に結婚しないな(=゚ω゚)ノ
「お言葉ですが大臣は高血圧な故、明日をもしれぬ命」
「失礼な!これで健康です。で?どういったものが好みなのですか将軍?」
「我ながら、好みにはうるさいらしく見合うものはそうそう見つからないと思います。いづれ正式な文書を作成しお届けいたします」
将軍の好み………気になる!!
________________________________________________
「行くぞタツミ!」
「よし来い!」
ブラートとの訓練の後、俺たちはアジトに戻り自己訓練を開始した。今は俺とタツミが模擬戦。ブラートは近くの革で鎧泳ぎ。鎧を装着したまま川を泳ぐという訓練。しかも逆からだ。あいつは化け物か?
「これを全部斬ってみろ!」
腰のホルスターからハンドガンを取り出しタツミに向かって発砲。マインほどではないが射撃には自信がある。こんどスナイパーライフルでも買うか。いや作ったほうが早いか?
ドドドドン!
「はぁぁ!」
一つ一つの弾丸をすべて一刀両断、中々の動体視力だな。全部の弾丸を真っ二つにしているな。アカメほどとはいかないが剣戟が鋭くなってきている。これがアカメの言っていた将軍級の器か。
ならこれならどうだ?
「エンペラー(皇帝)!」
リボルバー式拳銃の形をしたスタンド。射程はそこまで長くはないが弾丸も自由自在に操ることができる。ん?それじゃなんで普通のハンドガンを買ったかって?欲しいからだよ!
一発の銃弾を発射。その弾丸はタツミの剣に当たる瞬間、弾丸の軌道を変えタツミの腕をかすめる。
「くっ!なんだよ今の…その銃か?」
「弾丸だってスタンドなんだぜぇ~」
「ズリィぞ!」
「悪かった悪かったって。なら次はこれだ。うまく避けろよ?」
右腕に力を籠めタツミに向かって走り出す。その右腕は《ある回数》を重ねることでどんどん筋肉が膨れ上がっていく。
「とぉぉう!」
足に力を入れ大きくジャンプ。ほぼタツミの真上上空に達する。
「喰らえタツミ!17連……………」
「やばっ!?」
俺の拳が当たる瞬間にモンハ〇ンの緊急回避で避ける。
「釘パンチ!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドド!
釘パンチ:数回のパンチを同時に打ち付けるパンチで、その回数分内部から釘が突き刺さるかのように破壊するという技。
もちろん17連なので訓練場の地面に大きなクレーターができました!ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
「やべぇ……あれ喰らってたら俺死んでたぞ…おいリュウ今の技って……」
クレーターの中心にいるリュウに声を掛けるが…………。
「………………………………………………」
「おいリュウ?」
返事がない。ただのシカトのようだ。
「………………………………………………い」
「い?」
「いぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁあ!」
腕がぁぁぁあ!腕が死ぬぅぅう!釘パンチは腕に負担をかける技だ。しかもそこまで体力や体が出来上がっていない俺が使えば腕に激痛が走るのは当然である。
「おいリュウ大丈夫か?痛いのはわかったがそんなに痛いって叫んでたら兄貴が飛んでくるぞ?」
「大丈夫だ、問題ない」
「立ち直り早いな!?」
だって介抱されたくないもん!この前の特訓で俺が危険種の攻撃でたまたま気絶した時、ベースキャンプで俺の服脱がして介抱とか言いながら本当に俺を襲いそうだったからな!!
「あかん………いやな記憶が蘇ってきてしもうた…………」
作者「なんで関西弁なんだよ」
うるせ!
そんなやり取りをしていると……。
「おい二人とも」
「ん?」
「ラバ?」
「ナジェンダさんの緊急招集だ。おそらく任務だと思うけどいやな予感がするぜ」
「了解だ。すぐに行くよ」
______________________________________________
「集まったな皆。悪いニュースが入った。エスデスが北方を制圧し、帝都に戻ってきた」
「「「「「「「!?」」」」」」」
「レオーネ。帝都に行きエスデスの同行を探ってきてくれ」
「りょうかあい!どんな奴か興味あったんだ」
「殺戮を繰り返す危険人物だぞ。用心しろ」
「オーライオーライ」
ボスの警告を聞くレオーネだがその口はニヤリと笑っていた。
(ってことは、隙あらば倒しちゃっていい人間だよね?帝国最強と言われるドSの将軍!大臣並みに仕留め概がある)
「そして………エスデスの帰還と同じくして帝都で文官殺人事件が起きている。被害者は文官4名とその護衛の61名。問題はナイトレイドと書かれたこの紙が殺害現場に残っている事」
ボスが見せたのはナイトレイドのマークに文字で【ナイトレイドの天誅】と書かれた紙だ。
書いてある絵ヘタクソだな。俺の方が上手く書けるぜ(=_=)
「俺達に罪を押し付ける気か」
「でもさ、普通分かるだろ。犯行声明なんてワザとらしい………」
「そんなの簡単だ。俺たちを誘い出すためだろ?」
「リュウの言うとおりだ。最初に1、2件は怪しく思われたが今は我々だと断定されている」
「なんで!?」
「殺されたのは一流の護衛を連れていた者たちだ。並みの賊では返り討ちにあうだけだからな」
「強そうなのを選んで襲ってるって事ね。そんな事ができるのは………」
「こちらと同等の力を持つ者……」
「つまり帝具持ち。エスデスの手のものと考えて間違いないだろう」
「本物を誘い出して狩る気だな」
「それを分かった上でみんなに言っておきたい。今殺されている文官たちは能力も高く、大臣に抗う国を憂う人間たちだ。そんな文官たちこそ新しい国になった時必要不可欠なんだ。後の器用な人材をこれ以上失うわけにはいかない。お前達の意見を聞こう」
ボスの、皆の視線がタツミを見据える。
「俺は政治の派閥とか良く分からないけど………………
「ナイトレイドの名前を外道に利用されてるってだけで腹が立つ!!!」
「そうだな……その通りだタツミ!」
「兄貴!」
「「「「(コクッ)」」」」
タツミの言葉を聞き、全員が小さく頷く。
「よし!決まりだ!勝手に名前を使うとどうなるか殺し屋の掟を教えてやれ。次に狙われるであろう文官たちの候補は二組。アカメとラバック。タツミとブラートで、それぞれの護衛に当たれ」
「「「「おう!!」」」」
「俺と兄貴が守る文官はどこへ向かう予定なんだ?」
「帝都近郊、大運河の出発点に停泊する巨大豪華客船【竜船】!!」
さぁ、帝具使いの戦いが始まるぜ。
「さぁ!外道を狩れ!」
ボスの言葉を聞き、四人は一斉にアジトから出発していった。レオーネも偵察のために帝都に向かう。
あれ?
「ボス…俺は?」
「リュウはアジトで待機だ」
「▂▅▇█▓▒░(’ω’)░▒▓█▇▅▂ うわあああああぁぁぁぁぁぁぁ!」
皆……頑張れよ(血涙)
「さぁリュウ。私の怪我が早く治る為にパフェ作りなさい!」
「ぢくじょぉぉぉぉぉぉおおお!がじごまりまじだぁぁぁぁあああ!」