斬る?違う、粉砕だ   作:優しい傭兵

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第二十三話

「派遣?」

 

早朝に起こされた俺はリビングでナジェンダの話を聞いていた。

 

「あぁ。キョロクでボリックの屋敷に行くまでの潜入ルートなどを革命軍密偵チームが探してくれているんだが、その密偵チームを捜している帝国の兵士達がゴロゴロいるんだ。勿論イェーガーズもな。その護衛としてナイトレイドから一人派遣してくれとの事でな」

 

「その派遣要員が俺か?」

 

「今はタツミとラバック、レオーネとチェルシーがキョロクで偵察も兼ねて動いている。アカメとマインはまだ手配書が回ってないとしても危険だからな。いつでも動けるお前しかいないんだ」

 

「なるほど、了解した。その密偵チームがいる場所は?」

 

「キョロクの町の南側の端にある一軒家だ。元は廃墟だったところを住処にしている。だれも寄り付かないからな」

 

「おk。じゃさっそく行って来る」

 

「くれぐれも怪我をしないようにな」

 

と、いう訳でさっそくキョロクの町にレッツラゴーだぜ。スーさんから弁当も貰ったし準備は完璧。チェルシーには後で言ってもらうようにボスに言ったし大丈夫だろ。

 

 

「気をつけて来い。なにかあったらすぐに戻って来るんだぞ」

 

「ありがとスーさん。弁当美味しく頂くぜ!じゃいってきまーす」

 

なんだが遠足気分だな。(゜-゜)

 

 

 

-キョロク聖堂付近-

 

 

 

「なんていうか・・・すんげぇ人の数だな・・・」

 

帝都には人口では負けるが活気はこちらの方が断然上である。おそらく安寧道のお陰で生き生き出来るって訳か。安寧道の力オソロチィ。

 

あ、このソフトクリーム美味ぇ。(^ω^)ペロペロ

 

ドンッ

 

おっと、移動中に通行人の肩に当たってしまった。

 

 

「あ、すいません」

 

「いや、こっちこそ・・・・・・・・・あ」

 

視線を下に移していくとそのぶつかった人の服に俺の舐めていたソフトクリームがベッチョリと・・・・・・。

 

チーン

 

 

「あーーーーー!悪かったいやわざとじゃないんだぁぁああ!」

 

「いやいや大丈夫だよ。宿に戻って洗えばいいし!」

 

「いいやそういう訳にはいかん!お詫びに何か奢らせてくれっていうか奢らせろ!!(ToT)/」

 

「そ、そこまでしなくても俺は大丈夫なんだが・・・・・・」

 

「問答無用!まずこっちに来い!」

 

「って話しをキケェェェェッェエエエ!!」

 

俺はその人の腕を掴み全速力で飯屋へ向かい、かなり豪華の飯をおごった後、キョロクの傍にある小さな野原で話をしていた。お弁当はすでに俺の腹の中さ。

 

「さっきはありがとな。なんだが飯を大量に奢られたけど・・・・・・」

 

「気にすんな。俺がやらかしたんだからよ。あ、いい忘れてた。俺はリュウだ」

 

「俺は帝国海軍の軍人で今はイェーガーズに所属しているウェイブだ」

 

 

なるほどウェイ・・・・・・・・・・・・・・・ん?

 

「い、いまなんと????」

 

「ウェイブって名前だけど?」

 

 

ぎにゃああああああああ!!!まさか俺は敵と飯を食っちまったのかーー!ウェイブって名前は知ってるけど顔は一回も見た事ないんだよォォォオオ!そして今思い出した!結構前にぶっ飛ばしたインクルシオに似た帝具付けてたのこいつだぁぁああああ!!

 

ま、いいか←(オネスト大臣)

 

 

 

よし、情報でも集めるか。

 

「そのイェーガーズってのが何でこんなところに?」

 

「あぁ、安寧道のボリックって奴の護衛任務で来たんだ。今は仲間の一人が中々動けないのがいてな、その分俺が頑張らないとと思ってな」

 

なるほど、その動けないってのはクロメの事か。チェルシーに急所を抉られてんだからな。いや抉られて生きてるクロメもやばいけど・・・。

 

「今度こそ、ナイトレイドの奴らを倒してやる・・・・・・。あのデストロイヤーも・・・・・・」

 

俺のことですね分かります。

 

「なんでそんなにまで・・・・・・ナイトレイドを潰したいんだ?」

 

分かりきっているはずの疑問をウェイブの問いかける。ウェイブの返した言葉は・・・・・・。

 

 

「帝都に仇名す賊でもあるが、仲間を傷つけられて・・・・・・黙っていられねぇんだ」

 

敵だとしても、こいつは仲間思いの奴だと言う事が分かった・・・・・・。

 

「そっか・・・・・・」

 

「あ、悪いな。会ったばっかの奴にこんなこと言って・・・・・・」

 

「大丈夫だよ。ナイトレイド、倒せるといいな」

 

「おう!ありがとうな。リュウ」

 

「いえいえ。じゃ俺は用事があるからこの辺で。また会えたらまた飯でも食おうぜ」

 

「あぁ!またな」

 

そういい残し、俺は野原を後にした。

 

(面と向かって話せたからいいが、ウェイブか・・・・・・。あいつは強い。おそらくエスデスの次に強いかもしれない・・・・・・。用心しないと・・・・・・)

 

 

「そいえばさっきのリュウって奴・・・。どこかであったような・・・・・・。気のせいか」

 

ウェイブもこれから夜の護衛任務のためにイェーガーズが泊まっているボルスの屋敷へと向かった。

 

 

 

それから約五時間、ウェイブと別れた後、ボスの言っていた密偵チームがいる廃墟が分からず迷子になっていたが無事に到着。

 

「ここでいいんだよな?」

 

見た感じ、心霊スポットみたいな場所だな・・・。よくこんなところで居れるな。俺だったら一時間も持たないぞ。

 

「よくぞおいでくださいました。リュウさん」

 

廃墟の中から二十代くらいの男の人二人が出迎えてくれた。

 

「今回の護衛任務。よろしくお願いします」

 

「まかせとけよ。じゃそっちで集まった情報でも聞こうかな?」

 

案内された後、俺は建物の中にいた数十人の密偵チームに挨拶し渡された書類に目をとうした。

 

渡された書類には、安寧道から半径30メートルの地形の数々。ボリックに関する少ない情報(少ないんかい)。そしてその書類の中に気にる項目があった。

 

 

「羅刹四鬼?」

 

「それは最近手に入れた情報です。皇拳寺羅刹四鬼。教団を牛耳るためにボリックが集めた暴力の化身です。やつらは皇拳寺の中で一番の実力者で、調べた中では帝具持ちにも勝つほどの実力の持ち主達です。今もキョロクでイェーガーズと一緒に警備に務めている処も目撃しています」

 

帝具もちに勝つか・・・。俺も勝った事あるけどまさか皇拳寺にもいたとはなぁ。

 

「面白そうな奴らだな。思い切って潰してみるか?」

 

「なっ!?それは危険すぎます。いくらリュウさんでも四人を相手にするのは・・・・・・」

 

「いけると思うんだけどなぁ~。・・・・・・・・・・・・ん?」

 

体に感じた嫌な気配を感じ窓から外を眺めた。

 

「リュウさん?」

 

「やれやれだぜ・・・。全員此処から逃げろ。この場所はもうとっくにばれてる!」

 

「え?」

 

その時・・・。

 

 

ドガァアアアアアン!

 

住処の天上が崩れ、そこから二人の細身で背の高い男と大柄で逞しい髭を持つ男が降ってきた。

 

「まさかこんな所に革命軍奴等がいたとはなぁ~。全員地獄行きにしてやるぜぇ~」

 

「違うだろうイバラ。魂の開放と言え」

 

着地した男達は密偵チームのメンバー全員に視線を移した。

 

「で、俺がもらっていいのか?シュテン」

 

「儂が行こう。ではいまから、貴様らの魂を開放してやろう!!!」

 

大柄な男がその太い腕を、俺を案内してくれた男性に向かって振り下ろした。

 

「ぬぅぅぅん!!」

 

「!!」

 

ズシィィィィン!!

 

「何?」

 

シュテンから振り下ろされた腕は男性に当たることなく俺の片手によって防がれた。

 

「速く逃げろ!!」

 

「「「「「「うわぁあああ!!」」」」」」

 

密偵チームは一斉に家から飛び出し、その場には俺たち三人だけとなった。

 

「貴様、中々の実力を持っているようだな」

 

「おぉ、おっさんに褒められたけど嬉しくないね」

 

恐らく、こいつらがさっき見た羅刹四鬼。んでこの二人のその中での実力は1、2位かな?

 

「お~お~。お前がもしかしてデストロイヤーか?いつも仮面に顔隠してるのに今は素顔丸出しだな~」

 

「お前らよりイケメンだぜ☆」

 

「ケケケ。ならその実力見せてもらうぜーーー!」

 

ドガァアァァアン!

 

飛んできた拳が住処の壁に直撃。結果、粉砕し俺たちは住処から飛び出した。

 

 

「おっとと・・・・・・」

 

地面に着地した時、俺は二人に挟み撃ちの状態になっていた。

 

「では今から!貴様の魂を開放してやろう!!」

 

最初に動いたのはシュテン。両の太い腕を振り上げ俺に向かって攻撃してきた。

 

 

「皇拳寺百烈拳!」

 

隆々とした筋肉の体から繰り出される 連続の拳撃。ふむ、なら俺は・・・。

 

 

「北斗百烈拳!!」

 

これしかないでしょ。

 

「ぬぅぅぅぅん!」

 

「あたたたたたたたた!」

 

 

ドドドドドドドドド!!

 

百を超える拳撃。お互いの拳はすべて相手に防がれてしまった。

 

「貴様も、どこかの拳法を学んでおったのか・・・」

 

「まあな」

 

違うけど。

 

「だけど、今のでお前の負けは決まったぜ?」

 

「何を根拠に言っておるのだ貴様」

 

「試してやるよ。その筋骨隆々の体で受け止めてみろ!」

 

拳を握りシュテンに向かって走り出す。

 

「貴様の軟弱な体でこの鍛え上げられた肉体がやられるものか!」

 

シュテンが体に力を入れた瞬間、ケ○○ロウみたいに筋肉が膨れ上がり着ていた胴着もビリビリに吹き飛んだ。キャー///

 

「ハイパーエキセントリックウルトラグレートギガエクストリームもっかいハイパーすごいパーンチ!!」

 

名前なげぇ(@_@)

 

 

ボゴォォォォン!!

 

シュテンの筋骨隆々に止められたと思ったがよかった。シュテンの胴体に直撃すた拳はそのままめりこみ、最終的には拳が貫通した。

 

「がはぁ!!な、なぜだ!鍛え上げたこの肉体がぁ!!」

 

「北斗神拳の経絡秘孔の一つ、大胸筋という秘孔をついた。お前の筋肉はぶよぶよの脂肪になったんだよ」

 

「お・・・・・・のれぇ・・・・・・」ドサッ

 

拳が貫いた時に心臓も一緒に破壊したので、シュテンは糸の切れた人形のようにバタリと地面に倒れた。

 

「シュテンを倒すとはお前やるなぁ~。だがよぉ、羅刹四鬼で一番の実力を持ってる俺を倒せるかぁ?」

 

戦いを観戦していたイバラはその細長い体をのたうつように動かし俺の挑発してくる。

 

なんかその動き腹立つなぁ(ーー;)

 

「んじゃまぁ、今すぐ殺してやるよぉ!」ゴキンッ

 

体の関節を外し、その長い腕を関節を外した分腕をのばして攻撃してくる。

 

「ヘイヘイヘイヘイヘイヘイヘイ!!」

 

「ゴムゴムのガトリング!!」

 

ドスドスドスドスドスドスドスドス!!

 

腕が伸びるならこっちも伸ばさないとなあ!

 

「いまだ!」

 

伸ばした腕を戻したイバラに隙が出来たので、一瞬で接近し拳を叩き込む・・・・・・が。

 

「ひゃっはぁ!」

 

ドシュン!

 

体の体毛の穴から勢いよく針のようになった体毛が飛び出す。

 

「ハリネズミかお前は!!」

 

速めに察知したお陰で回避できた。危ない危ない・・・。蜂の巣になるとこだった。

 

「俺たちは皇拳寺での壮絶な修行に加え、寺の裏山に居るレイククラーケンの煮汁を飲んで修行してきたんだ。そのお陰で体を自由に操作出来るんだよぉ」

 

いや気持ち悪いのこの上ねえな・・・・・・。そんな体いらねえよ。

 

「なら、その気持ち悪い体ごと、一瞬で消してやるよ!!」

 

右足に力を込め、足を振り上げた。

 

「レッグナイフ!!!」

 

ドバァァァン!

 

 

足から飛び出した月牙天衝に似た斬撃。威力は少し劣るがスピードはこちらの方が上。その斬撃はイバラの体を真っ二つにし、その場に残ったのは衝撃によって消えた体の両手両足だけであった。

 

「ふぅ。羅刹四鬼の二人の処理終了。と、言いたい処だけど・・・・・・・・・その木の後ろに隠れてる奴出て来い」

 

見た感じ誰も居ない場所に声を掛けると、白い袴をきた女性が現れた。

 

「いやぁ~ばれてたなんてね。君、中々の実力者だね」

 

「褒めていただき光栄の叱り」

 

軽くお辞儀するが、顔は無表情のまま。

 

「分かってると思うけど私は羅刹四鬼のスズカ。今ここで二人の仇をとってもいいんだけど、分が悪そうだからやめておこう」

 

「賢明な判断だな。俺もやめておこうと思う。今は疲れたしな」

 

「はははっ。そんな事微塵も無いくせに。だけどいつかは殺すからね」

 

そういい残し、スズカは闇の中に姿を消した。

 

 

「メンドクサイ奴らも出てきたもんだな~。俺の半分の能力の居場所も分からないし」

 

 

この所、能力探しも兼ねてキョロクを歩いて偵察しているんだが、一向に手掛かりが掴めない。エスデスの言っていた【アレ】も気になるし・・・。

 

 

 

嫌な予感がプンプンするぜ。

 

 

 

 

以外にも、俺の勘は外れないのだ。




今回も読んでいただきありがとうございます!




これからも頑張って書いていきます!!



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