斬る?違う、粉砕だ   作:優しい傭兵

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第十八話

-アジト・訓練場-

 

 

「300ッ!・・・・・・301ッ!」

 

オッス!オラリュウだ!筋トレなうでごわすよ。この前のエスデスと別れてアジトに戻った時にスーさんからご馳走を食べさせてもらってな。流石に食べ過ぎたと思って筋トレ(ダイエット)なうなんだ。

 

だが、今回はハードトレーニング設定だ。

 

それはなんと!!

 

「リュウ、何をブツブツ言っている。気が抜けているぞ?」

 

「ほらほらリュウ!もっとペース上げないとラバとタツミに追いつかれるぞー!」

 

アカメとレオーネが背中に座っている状態だ。中々な体重のおも…ゲフンゲフン!中々なキツイトレーニングだな。

 

ちなみにタツミは………。

 

 

「こらタツミ!リュウとラバに負けたら承知しないわよ!」

 

「にゃははは。ほらタツミ!ペース上げて!」オシリペシペシ

 

「め、めちゃくちゃ言いやがって・・・・・・300!」

 

マインとチェルシーが背中に乗っている。まるでお嬢様に躾されている下僕みたいだ。べ、別に羨ましくなんかないし!!

 

一応ラバの状態をお伝えしておこう。一応な・・・・・・・・・?

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ズッシリ

 

「なんでだよ!なんで俺だけスーさんなんだよ!リュウとタツミは女の子が乗っているのに俺だけ男かよ!!理不尽だ!理不尽にも程がある!!」

 

 

ちなみに500行くまでにギブアップした野郎はスーさんの棍棒でのケツバットだ。

 

 

「ぐぬぬぬぬ!!も、もうダメだぁぁぁぁあ!」

 

ドシーン!

 

ラバ、アウト~。

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・お、俺もだ・・・・・・・・・」

 

ドスーン。

 

タツミ。アウト~。

 

 

はっはっは!まだまだだな君達!その程度では俺を負かす事なんかできぬぁーい!」

 

 

「リュウ、途中から声が出てたぞ?」

 

「え」

 

「これは重さアップだな」

 

「え」

 

レオーネが俺の背中から飛び降り、近くに落ちていた筋トレ用の重さ500キロの岩を持ってきた。え?誰がこんなの使うのかって?スーさん意外に誰がいる・・・・・・(震え声)

 

「重し追加~~~★」

 

ズッシリ!!

 

「ギャアアアァァアアア!?オモイオモイオモイオモイオモイ!!シヌシヌシヌシヌシヌシヌシヌ!(゜ロ゜)」

 

「大丈夫だ。問題ない」

 

ここでその名言出されても!!

 

 

あ、これヤバイやつだ・・・・・・。さすがのスゥゥパァァァな俺でもこの岩は重すぎる!!

 

 

人にも限界はあるのだよ?レオーネ君?

 

 

 

ドガアァァァァァァァァァァァァァァァン!!!

 

 

 

潰れた後、生き残った俺とタツミよラバは全員揃ってケツバットを美味しく頂きました。

 

 

キモティーーーーー!♥♥(嘘です)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その筋トレが終わった後、ボスことナジェンダが風呂に入っている間に軽くミーティングを行っていた。

 

 

「新型危険種を全部狩り終えたのは良いが、それからと言うものイェーガーズは私達に狙いをつけてきている。皆、任務の時は充分気をつけてくれ」

 

アカメの一言に全員深い頷きを返した。あの時の新型危険種の討伐の日では、俺たちナイトレイドのメンバーが倒した危険種の数は二桁にもいかなかった。どうやら殆どの危険種はイェーガーズが狩り尽くしたらしいな。帝国の事だから捕まえたりして実験台にしてるに違いない・・・・・・。あ、スーさんの淹れてくれたコーヒー美味し。

 

 

「まぁ目ぼしい賊はもうナイトレイドだけだしね、ここは南の島でバカンスしていたリュウを差し出して手を引いてもらっちゃおっかな~?」

 

 

 

 

「ブゥゥゥーーーーーーーーッ!?」

 

口に含んでいたコーヒーが全て口から霧のように噴出す。コーヒーの雨だ!!キタネェ!

 

 

「好きで行ったわけじゃねえよ!!へんな奴の手で無理矢理巻き込まれたんだよ!!」ゲキオコプンプンマル!!

 

 

「美人と南の島で二人っきりとか、別に羨ましい訳じゃねえけどさぁ。なんだったら置き去りにしてくればよかったじゃん。別に相手が相手だし、羨ましくなんかないぜ?いやマジでぇ!!」(号泣)

 

ラバ?俺と同じ目にあって同じ台詞を吐けるか?

 

 

「涙拭けよラバ。ドSとの思い出を上書きしてやる!!私の乳を喰らえ!!」

 

「むぐぅ!!?」

 

なんかこの頃、胸に殺されかける事が多いような・・・・・・。あ、でもやっぱりレオーネの胸最高だ・・・。柔らかくてモチモチ・・・。おっぱい万歳!!

 

 

 

「アイツは昔からしぶといからな。置いて来ても自力で戻ってきただろう。だったら貸し借り無しにして次に会うときに全力で戦えるようにしたほうがいい」

 

風呂場から帰ってきて、タオルで頭を拭きながらボスが入ってきた。

 

あ、そっか。ナジェンダって元々帝国の将軍なんだっけ?

 

「昔から?そういえばボスって歳いくつ?」

 

「私は二十台中半だ。エスデスはもっと下だが・・・・・・・・・」

 

え?

 

「ボスってそんなに若かったの!?白髪だったから結構歳いってるかと・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(`m´#)ムカッ 」ニコリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、フラグ・・・・・・。

 

*ナジェンダの髪は白く見えるが銀髪である*

 

 

 

 

 

ドカバキグシャボキゴキドカゴキ!!!

 

 

「あ・・・・・・が・・・・・・がが・・・・・・・・・・・・・・・」シュ~

 

 

俺以外のみなさん。ボスが怒ったら怖いという事が分かって滝のように汗を流している。ま、殴られてるのは俺だけど?

 

 

 

「女性に年齢の事聞くのは失礼だよ?リュウ」ツンツン

 

「め、面目次第もございましぇん・・・・・・・・・・・・」

 

チェルシー?痛いからツンツンするのやめようか?

 

 

 

 

 

「じゃ、全員集まった事だし作戦会議を行うぞ。会議室に集まってくれ」

 

「ボス~。リュウ死んでるけどいいの?」

 

「引きずって連れて来い」

 

右足スーさん、左足をレオーネに掴まれ、俺は引きずられながら会議室に入っていった。

 

ダズゲデェ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ついに革命軍が蜂起を始めた。そこで俺たちに与えられた最初にミッションが伝えられた。安寧道といわれた広く民衆に知れ渡っている宗教が存在する。その安寧道はここ10年で東の大きな勢力と化して来ていた。だが、その安寧道が武装蜂起、宗教叛乱を起こす事が分かった。俺たちはそれを利用する考えである。帝国の腐敗政治は民を苦しみ続けてきた。革命軍の蜂起が起こる前には民衆の怒りが爆発すると見えている。『この国はすでに末期まで来ていたのだ』。だがいくら大きな勢力としても帝国の勢力に潰される。だからこそ俺たちはそこを狙うのだ。武装蜂起が起こった瞬間、革命軍と同盟関係である西の異民族に帝都に攻め入ってもらう。そしたら、帝都は兄部にも敵、外部にも敵を作る事になる。だけどそれでも持ちこたえるであろう。その瞬間に、革命軍が西側で蜂起を開始する。三段構えである。けれど、それでも持ちこたえるであろう。理由はエスデスは勿論、帝国の切り札である『ブドー大将軍』とその近衛兵が迎撃してくるであろう。だが、そのお陰で 帝国内部の警備は激減する。その時が悪の根源、オネスト大臣の暗殺のチャンス。俺たちナイトレイドは宮殿に突入し、大臣を殺す。帝都を中から斬り崩すのだ。その時は大臣にはしっかりと死んでもらうか。オラオラ&無駄無駄の刑だな。それでも足りないくらいだが・・・・・・。

 

 

「だが、その安寧道の内部が揺れているらしい」

 

ほえ?

 

絶大なカリスマを誇る教主の補佐にボリックという男が居るらしい。だがその正体は大臣が送り込んだ帝国のスパイだったのだ。ボリックの目的は安寧道を教主の変わりに掌握し、武装蜂起をさせない事である。

 

「そこで私たちの出番だ。私達は安寧道の本部までいきボリックを討つ。奴は一部の信者には食物に少しずつ薬を混ぜて中毒にし忠実な人形にしている外道だ。遠慮はいらんぞ」

 

 

ここで俺とスーさんの心が一つとなった。

 

 

「食材の大切さを分かっていないらしいな!!」

 

「食材に薬を盛るとは、食材に対する侮辱だ!!」

 

 

 

 

 

 

「「絶対に許さん!!」」

 

憤怒の炎ぉぉぉぉお!!

 

 

ガシッ!!っと腕を組む俺たち。さすがスーさん分かってらっしゃる。

 

 

「お前達、怒るポイントちょっとズレてないか?」(汗)

 

 

食材を使っている時点で俺とスーさんの敵だ。ブッコロス!!!

 

 

「最後にイェーガーズだが、あいつらはエスデスが率いている以上、大臣の私兵であることに代わりはない。そこで今回の任務を円滑に進める為にも先に潰しておくべきだろう」

 

!!!

 

 

 

「あいつらは今、全力で私達を狩ろうとしている。ならば帝都の外までおびき寄せ・・・・・・・・・・・・・そこで仕掛ける!!!!」

 

 

来たな・・・・・・。

 

 

「いよいよ前面対決ってわけね!」

 

「中でもクロメとボルスは機会があれば消してくれと本部から依頼があるしな。今の不敗政治にあいつらは特に関係ないが、それでもやるしかない。できるな?リュウ・・・・・・・・・」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

帝国海軍ウェイブ、帝国暗殺部隊クロメ、帝都警備隊セリュー、帝国焼却部隊ボルス、それと中で一番職が分からないラン。この人達は今の帝都がどれだけ腐っているのか知らない者が多い。もしかしたら新しい時代に必要かもしれない人材かもしれない。だが、今はそんな事を行ってる場合じゃない。俺は殺し屋だ。自分の意思でここに入ったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ!!もし標的じゃない相手とやるときでも全力全開で戦う!!それが例え、新しい国に必要な奴でも!!敵になるならこの手で叩き潰す!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナイトレイドのメンバー、一人一人と目を合わせていき頷き返す。みんなの目は何時もの目ではない。戦う覚悟の出来た目だ。

 

「よし!!!」

 

 

ナジェンダも笑顔でそれに答える。

 

 

 

(良い目だね。強い覚悟を感じる。これなら敵に情けを掛けられて命取り・・・・・・なんてこともなさそう・・・・・・・・・・・・)

 

 

勿論、チェルシーも一緒だが、その心にはもう一つの感情があった。

 

 

 

 

(って・・・・・・あれ?まただ。なんで私・・・・・・リュウの事ばっか見てんだろう・・・・・・・・・・・)

 

チェルシーはこの頃、リュウを見る事が多くなった。そのリュウの強い覚悟を見せた熱い瞳を見ると、いつも胸が熱くなる。

 

 

 

 

(・・・・・・・・・・・・・・・やっぱり・・・・・・この気持ちは『そうなの』かな・・・・・・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

エスデスside

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

エスデスは自室にて自分のメモ帳に目を通していた。そこに書かれていたのは無人島に飛ばされた時に書いたリュウの絵であった。その心にあるのは勿論恋心。またリュウに会いたい気持ちであった。

 

 

 

「隊長、ナイトレイドのアカメとマインと思われる人物が東のロマリー街道沿いにて目撃されたそうです・・・・・・・・・」

 

 

 

エスデスはメモ帳を閉じて軍服についている帽子を被る。その瞬間に恋をする目から、帝国最強の人物としての目に一瞬で切り替わった。

 

 

「イェーガーズ全員を招集しろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人が次第に朽ち行くように国もいずれは滅び行く。新国家の誕生を目指す者たちと国を守る者たち。思想、理念、目的、全てを違えた彼らは避けられぬ運命によって衝突の日を迎える。必殺の武具をその身に纏い、己の決意を胸に秘め

 

 

決戦に挑む!

 

 

 

この戦いの運命は、帝国の悪を破壊する者、『デストロイヤー』と帝国に仇名す輩を滅ぼす者、『帝国最強の怪物』の手に委ねられた。無敵の力と、最強の力。2つの巨大な力の戦いが始まる!




今回も読んでいただきありがとうございます!

そして新しく評価をしてくださった


門田圭介さん


ありがとうございました!



いよいよ来ました。ナイトレイドVSイェーガーズの戦い。
これからも頑張って書いていきます!!



感想・評価お待ちしております!

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