斬る?違う、粉砕だ   作:優しい傭兵

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第九話

俺、マイン、ボス以外のメンバーが任務に行って二日が過ぎた。文官警護組からはまだどんな状況なのかも連絡はなし。エスデスの偵察から帰ってきたレオーネは尋常じゃないくらい汗をかいて戻ってきた。話を聞くと単独行動をしていたらしいがそのエスデスから湧き出していた殺気が尋常じゃなかったらしい。何十万、何百万というほどの人を殺してきたからか、ありえないくらいの殺気。自分の本能に従い撤退してきたらしい。

あの獣のレオーネをビビらせるってどんだけの人!?(;゚Д゚)さすがは帝国最強。その名前は伊達ではないというわけか。

 

作者「ニュー〇〇〇〇は伊達じゃない!」

 

そうそうそんな感じ。

 

今の俺たちはアジトで待機。と言ってもやる事がない。ボスは革命軍のなんたらとかで出かけてるし、マインは療養中だし、レオーネはマインと一緒にいるし。

その通り、俺はボッチです。悲しいねぇ~。←誰かに似てるな

 

てな訳で。

 

「ギィィィヤアァァァァァ!」

 

「危険種討伐ターーーイム!」

 

ドカァァァァァァン!

 

アクション戦隊の爆発ですね、わかります。

 

「ギャハハハハハ!演出ご苦労ゥ!華々しく散らしてやるから感謝しろォ!」

 

今回の帝都での依頼は帝都から少し離れた処に位置する大きな湖に住んでいる巨大イカの討伐。一級危険種にも登録されているほどの怪物。日に日に湖を通りかかった人や動物を食べてデカくなったとか。

育ち盛り?(´・ω・`)

 

色々と被害が大きくなっているからこいつを討伐してほしいとのこと。報酬金もかなりの額である。だがしかぁし!俺の目的は金でもあるが違う!それは………………………………。

 

「俺たちの晩飯ィィィィィィィィ!」

 

晩飯の材料目的が最もの目的である。アジトのみんないっぱい食べるしね。特にアカメ……。これだけデカいイカなら蓄えにでもなると思ってな。完璧にアジトの厨房は俺の物となった。料理すきだからいいんだけどね。

 

「ギシャァァアアアアァァ!」

 

イカの大きく開いた口から紫色ぼドロドロの液体が吐き出される。スピードがないから軽く避けてみたら俺の立っていた位置が溶けていた。なるほふぉ、あれは溶解液か。しかも王水レベルかな?

 

「いいねいいね最高だねェ!きっちり俺の敵やってンじゃん」

 

「キシャーーーー!」

 

「悪いが一瞬で終わらせてもらうぜ。マインには上手いもん食わして怪我治してもらうんだからな」

 

「ギュアアアァァァァアァ!」

 

10本の足を俺に向かって延ばしてくる。しかも普通のイカじゃないから一つ一つの足に銀色の刃がくっついている。俺を串刺しか?

 

「やれるもんならやってみろぉぉぉ!ピッピカチュー!」

 

リュウの10万ボルト!

 

バリバリバリバリバリ!

 

「ギュオォォオアアアアアア!」

 

効果は抜群だ。

 

ズゥゥン←地面に倒れる音。

 

巨大イカの丸焼きが完成した。上手に焼けましたぁ~。

 

「よし俺の大好物のイカのゲソあぶりでも食うか」

 

醤油を少し掛けるとうまいぞ。

 

イカのゲソを切ろうとした瞬間。

 

 

 

 

 

 

「ヴァイスシュナーベル!」

 

「っ!?」

 

大量の鋭い氷片が湖の奥から飛んでくる。

 

「いきなりなんだ!?金剛槍破!」

 

一振りで百の妖怪を薙ぎ払う刀。鉄砕牙を一瞬で作り出し、金剛槍破を放つ。この技は普通の衝撃波ではなく金剛石の槍を相手に向かって放つ技。そしてその金剛石の槍で、飛んできた氷片の槍を相殺する。

 

「おいコラ!人の飯を邪魔するのはどこのドイツだ!」

 

ドイツそぉれぇい!

 

湖の奥にある木の茂みから姿を現したのは……………………………。

 

 

 

「ほう。私の技を相殺するとは中々やるな」

 

まさかの帝国最強のエスデス将軍襲来。

 

ではみなさんご一緒に。

 

「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええエスデス将軍!?」

 

自己新記録の「え」の長さだな。

 

この人がエスデス?レオーネがガチでビビったっていう………。

 

「貴様がリュウか?」

 

「なんで俺の名前知ってらっしゃるの…。そうだけど?」

 

「帝都の依頼をすべてこなしているらしいな。中々やるじゃないか」

 

「いやぁそれほどでも~」テレテレ

 

「だがまだ甘いな。攻撃に転ずる瞬間が遅いな。もっと鍛えるべきだ」

 

「一発で俺の弱点見破られた!?確かに……俺は攻撃に転ずるのが遅い。これからもっとやばい危険種とやりあうかもしれないんだ。もっと頑張らないと……!」

 

(将来の可能性を考えている。しかもあの攻撃力…将軍級だな……。よし次だ)

 

「貴様はなんでこんなところで危険種の狩りを?」

 

「え?ん~金がほしいてのもあるし食いたいからってのもあるかな?」

俺将軍相手にタメ口だけどいいのかな?ま、気にしない!

 

「怖くないのか?」

 

「怖くないと言ったらウソになるけど生きていく為には強くないとないけないと思うからだ!!」

 

(肝も据わっていて危険種の討伐もできる。しかも私より年下か………。これはいけるかもしれない)

 

「質問だリュウ。お前は帝都育ちか?」

 

「はい?」

 

(やべえええええええええええ!?俺って帝都育ちとかじゃなくて根っからの別の世界の住人なんですけどおおおおおお!?)

 

「えっと、俺はユクモ村っていう処の住人で…………(ウソ)」

 

それはモ〇ハン!

 

 

 

「ユクモ村か……あの村の出身か」

 

「そ、そうなんですよ?」なぜか疑問形

 

この世界で存在しとるんいかい!

 

(今のところほとんでパーフェクトだ。もしかしたらこの少年は……………さぁ最後の関門だ!無垢な笑顔を見せてみろ!!)

 

「リュウ。お前はまだまだ伸びる。これからも自分に厳しく鍛錬をするんだ。そしたらお前はもっと強くなれる」

 

「鍛錬…。わかった!帝都の将軍に褒められたらなんだか自信がわいてきたぜ!ありがとう!エスデス将軍!(無垢な笑顔発動)」

 

(・ω・)完璧な100%な笑顔だぜ!

 

 

 

 

キュン///

 

 

 

 

「あ…………………………………………………」

 

 

 

 

 

コイスルオトメイッチョアガリィ!(`・ω・´)

 

 

 

 

 

「リュウ、さっき言った通りにお前は弱い。なので…………………………………………………」

 

 

「私が鍛錬してやろう!!」

 

 

「はい???」

 

「私が鍛錬すればお前は更に強くなる。今日でお前は私のモノだ」

 

「理屈があってませんけど!?なんで俺があなたのモノっていう事にぃ!?」

 

「今のお前の笑顔…。私はお前に惚れた…。心が温かくなったんだ。お前のすべてが欲しい。リュウ、私はお前が好きだ!!」

 

「いきなりの告白!?まだ会って一時間も過ぎてませんけど!?」

 

「好きなものは好きなんだ!さぁ、行くぞ!」

 

エスデスは俺の意志など関係なしに俺をどこかに連れて行こうとしている!誰が行くもんかぁぁ!マインやボスたちが俺の帰りを待っているんだー!(正確に言えば晩飯の為)そして俺はゲソを食いたいんだー-!

こうなったら久しぶりの………。

 

「ザ・ワールド!『時よとまれ!』」

 

久しぶりのザ・ワールド。俺以外の時間が止まった。

 

「いやぁ見るからに美人だなこの人………。敵じゃなかったらいいのに…………」

 

こんな俺を褒めてくれた人が敵でいいのだろうか?いや、でも結局はこの人もあの大臣側にいるんだ。いつかは戦わなくてはいけないんだ。慈悲なんかいらない。

 

「できればもう会いたくないな。そう願っておこう」

 

8秒経過。

 

「じゃあな。帝国最強」

 

時間が止まっている間に俺はエスデスの前から姿を消した。

 

 

 

 

 

おっと危うくイカを忘れるところだった。

______________________________________________

 

「はっ。リュウはどこに?」

 

あたりを見渡してもリュウの姿は見えない。時を止めている間にできる限り遠くに行き姿を隠したのだ。

 

「リュウ…。せっかく好きになったのに………」

 

あたりを見渡しても誰もいない。リュウもイカも。

 

「しかしどうしてリュウが目の前から消えたんだ。ずっと見つめていたのに………。私の摩訶鉢特摩(まかはどま)と似たような能力か?ますます面白い奴だリュウ。また会おう。そのときこそお前を惚れさせてやる!」

 

 

「そういえば今日は例の帝具使いがくるそうだな。ふふふ……「イエーガーズ」の誕生が近いぞ」

 

 

エスデスはそのまま踵を返して帝都へと戻っていった。

 

_______________________________________________

 

 

「危ない危ない。この事はボスに伝えとくか」

 

俺はそのままイカを持ち上げたままアジトへと帰還した。帝国最強、エスデス。あいつが帝都に戻ってきたって事は絶対に大きな戦いがあるはずだ。それも帝具使い同士の。革命軍と帝国軍、二つの勢力がぶつかる日もそう遠くはないのだろう。あいつらにはそれなりの思想や理念があるかもしれないがこっちにだってある。ただでさえ帝都で苦しんでいる人たちがいるんだ。守らないと、助けないと。

 

アジトに戻ると文官警護組が帰ってきていた。アカメとラバックは無事だったが、タツミとブラート組ではブラートの死体を持っていたタツミしか帰還していなかった。話を聞くとエスデス軍の三獣士と戦闘しブラートは戦死したとのこと。タツミはブラートの帝具「インクルシオ」を受け継ぎ正式な帝具使いとなった。

タツミは泣かなかった。ブラートは男らしく名誉の戦死を果たしのだ。メンバーの全員も泣かなかった。悲しくならなかった。ここで苦しんでいてはいけない。これ以上仲間を死なせないために。死んだ友の死を無駄にしないために!

 

 

この時が帝具使いの全面戦争の始まりであった。

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ!気合い入れるためにみんなでイカ食おうぜ!!」

 

それから数分後、イカはアカメとタツミによってほとんどを食べつくされた。


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