魔法科高校の攘夷志士   作:カイバーマン。

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『おれは司波深雪でも坂田銀時でもない、おれはお前を倒すものだ』
とか言ってほしいですねぇ

俺は、坂田銀時でも司波深雪でもねぇ
貴様を倒すものだ‼︎

読者の一部の方達から感想欄に書かれていたこの台詞。

元ネタは知らないけど滅茶苦茶カッコいいんで個人的に大好きです



第二十七訓 融合&四刀

(あれ? ここは何処だ、俺は一体何を……)

 

暗闇の中でリーナはゆっくりと意識を取り戻した、ほのかに冷たい風が顔に当たりながら彼女が目を覚ましたその先には……

 

「ハァハァ! さようなら過去の私……!」

「ギャァァァァァァァ!!」

 

こちらに対して荒い息を吐きながら刀を振り上げ、この時を待っていたと言わんばかりの愉悦がこもった笑顔で立っている土方十四郎がそこにいた。

 

「こんにちは新しい私土方十四郎ぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

「のわぁぁぁ!!」

 

ギラリと光る刀を垂直に振り下ろしてきた土方であったが、間一髪リーナは真横にのけ反りをそれをギリギリのタイミングで避ける。

 

「あっぶね! お前今マジで俺の事殺そうとしただろ! ふざけんなよ! マジ冗談じゃ済まされねぇからなコレ!」

「チッ、私の優秀な身体能力が仇になったか……」

「舌打ちしてんじゃねぇよ! つーか自分殺してなに人の体で人生再スタート決めようとしてんだ! いい加減諦めろ!」

 

一撃で仕留めれなかった事に苦々しい表情で舌打ちする土方にリーナが抗議の声を上げながら立ち上がると、ふと彼の背後で何やら得体の知れない気配を感じる。

 

「おいちょっと待って……おれが寝てる間に一体何があったんだ」

「ああアレ? 私も何がどうなったかわからないけど、どうやらさっき言ってた融合って奴みたいよ」

「融合だと!?」

 

リーナの疑問に土方がごく自然な感じで説明すると、彼女はすぐにそちらに目を見開いて覗かせる。

 

億にいるのは先程自分と土方をぶっ飛ばした張本人である神威。

 

そして彼と対峙しているのは、辺りに漂う白い霧の中に佇む二つの木刀を腰に差した銀髪の少女

 

それこそが坂田銀時と司波深雪が融合した事により生まれた超戦士……

 

「坂波銀雪って名乗ってたわよ確か」

「オイオイマジかよ……! 遂にアイツ等やりやがったのか……! ってちょっと待て」

 

ずば抜けた潜在能力と超越した魔力、そして数多の歴戦を潜り抜けた経験と強さを持つ最強の生命体の誕生にリーナは驚きの声を上げるも、すぐに真顔に戻り土方の方へ振り返る。

 

「坂波銀雪? なんだそのゴテンクスみたいな安直な名前……」

「し、きっと自分たちなりに一生懸命考えたんでしょうからそっとして置いてあげなさいよ」

「いや別に乏すつもりはねぇけどよ、銀と雪ってなんかいい感じに合うのはわかるよ? けど自分達の名前を混ぜて超カッコいい名前にしてみました的な感じがすげぇ伝わってくるんだよ」

「聞こえちゃうから止めなさいよ、融合したもんだからテンション上がってつい一時のノリに身を任せちゃっただけなのよ、悟空とベジータもフィージョンした時は最初凄いノリノリになってたでしょ? きっと同じやつよ」

 

ヒソヒソ声で会話を始めるリーナと土方、しかし彼女達の声は静まり返っている部屋の中だと端にいてもしっかりと聞こえる程であった。故にその声は部屋の中心に立つ銀雪にも聞こえ……

 

「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!! 誰がベジットだ! 誰がベジータとカカロットで混ぜました的な一時のノリに任せたネーミング付けるか! コレはただ雫が言ってたから拝借しただけだから! 別に俺達が考えた訳じゃねぇから!」

 

ムキになって否定する彼女の周りからはピキピキと音が鳴りだし床や天井に少しずつ霜の様なモノが出来始める。

どうやら彼女自身の感情の上げ下げによって体内に眠る魔力が自動で動いているらしい。

 

「チッ! あの野郎に軽くやられた程度で気絶してやがったクセに勝手な事言いやがって……」

 

苛立ちを募らせながらも銀雪は向かいに立つ神威を見据える。

戦うべき相手は後ろの二人ではない、光井ほのかや北山雫をその手に掛けた彼ただ一人である。

 

そしてその神威はというと突然変貌した彼女の姿を見て楽し気に笑顔を浮かべていた。

 

「入れ替わった人たち同士による合体……うんコイツは面白い、まさかこういう展開になるとはさすがに俺も予想できなかった」

 

神威にとって銀時と深雪の融合は嬉しい出来事だった、何故なら彼は入れ替わって戦力が著しくダウンしている相手には何も興味を持てなかった。

しかし相手がこんな状態になり、いつも通りどころかいつも以上に力が増幅されている気配を感じては

 

「こんな事されたら俺も本気でやらないと失礼だ」

 

当然全力で戦いたいと思うではないか、目を見開きすぐに拳を構え、神威はダッと床を蹴って彼女の方へ駆け出す。

 

「さあやろうかお侍さん、そして異世界からやって来た魔女っ娘さん……!」

 

一気に間合いを詰めて飛び掛かると、銀雪目掛けて神威は拳を振り上げ叩きつけようとする。

しかしそんな彼に対し銀雪は死んだ魚の様な目をしたまま動こうとしない。そして

 

「!?」

「おい兄ちゃん」

 

突然空中で神威の動きがピタリと止まった。空中に浮いたまま自分の体が動かなくなった事に神威は驚くがすぐに気付いた。

 

いつの間にか部屋の天井から氷で形成された氷柱のようなモノが数十本も張り巡らされており

その中の何本かが自分の背後で集合し、巨大な手の形に変化して自分を後ろから握り締め、拘束していたのだ。

 

「レディーに対していきなり襲い掛かるってのはちと無粋過ぎじゃねぇか?」

「へぇ……」

 

ノーモーションでの魔法式の展開をしながら平然とした様子で神威の下へと一歩前に出ると、

銀雪は腰に差した二本の木刀の内の一本を右手に持って構える。

 

「失せろ発情期! テメェ如き相手に銀雪さんがなびくと思ったら大間違いじゃボケェ!!」

 

身動きが取れない状態の神威に必中の突きをどてっ腹に浴びせた。

その威力は高く、彼を捕まえていた氷の手も一緒に破壊し、そのまま部屋の外へと彼を思いきりぶっ飛ばしてしまう。

 

「これが融合体の力か……深雪の感情によって暴走していた魔力を自由に操り、あの男が持つ剣術を併せ持つだけでここまで圧倒できるとは」

「おのれ銀時! 俺と真由美殿を差し置いて深雪殿と合体した上にあんなカッコよく決めおって!」

「かくなる上は私達も合体よ桂さん! フィージョンよ! フィージョンのポーズをすれば合体できるわ!」

「黙ってろ二人共」

 

その戦いを傍観しつつ坂波銀雪の底知れぬ力の片鱗を冷静に解析する徳川茂茂であるが、傍にいる七草真由美と桂小太郎は彼女を見てギャーギャーとまた喚きだしている。

そんな二人を茂茂が冷たく黙らせようとしている中、激しい音と共に部屋から消えてしまった神威をすぐに追撃する為に、銀雪はもう片方の木刀も左手に携えて部屋から出ようとする。

 

「それじゃあお兄様、ちょっくら行ってくるわ」

「待て深雪、いや銀さんと呼ぶべきか?」

「どっちでもあるがどっちでもねぇよ俺は」

 

彼女が一歩歩くたびにその足元にある床が凍り始める。

どうやらまだ完全には力の掌握が出来ていないらしい、勝手に発動する魔法式を気にも留めずに行ってしまおうとする銀雪をすぐ様茂茂が止めに入る。

 

「その体は俺が思うに長い状態を維持するともう二度と二人に戻る事は出来ない」

「はぁ!? そんなの聞いてねぇんだけど!?」

「ノートに書かれた融合についての記述の最後に、融合体になった後の注意事項が書かれているんだ」

 

長時間融合したままだともう二度と元の体に戻る事は出来ない。

いきなりそんな事を言われて流石に銀雪も大きく口を開けてショックを受けると、茂茂は手に持ったノートを彼女に見せるように開く。

 

 

「一度魂合わせれば、入れ替えられし元凶を止めぬ限り二つの器と魂には戻らぬ、更には強大せし器、長き時を重ねるとその器と魂もう永遠に元に戻らず……つまりそういう事だ」

「そういう事ってどういう事?」

「元々俺達が入れ替わっている原因を断ち切らなければ元に戻る事が出来ないという事だ」

 

説明してもわかってない様子で小首を傾げる銀雪に茂茂は丁寧に教えてあげる。

 

「つまり俺達が入れ替わった原因はこの場所にある入れ替わり装置、それを破壊出来ればまた二人に戻れる筈だ」

「なーんだそんなの簡単じゃねぇか、安心しろよお兄様、あのバカ兄貴も入れ替わり装置もこの銀雪さんが全てぶっ飛ばしてやるから」

「……」

「ま、おたくは気長にソファにくつろいでジャンプでも読んで待っててくれや、全部俺に任せておけばいいんだよ全部」

 

何やら少々小馬鹿にしたような態度を取って来る銀雪に茂茂が無言で固まるが、そんな反応もスルーして銀雪は両手に木刀を持ったままニヤニヤ笑いながら部屋から出て行った。

 

「全部任せろ、か……」

「……達也くん」

「会長?」

 

アレも融合の影響なのか、いつもの深雪であればあそこまで傲慢な態度で接する事は無かった。

銀時という存在が混ざった事によって兄に対する反抗的な部分が芽生えたのであろうか。

妹は果たして何事も無く戻れるのかと心配する茂茂に対し、珍しく神妙な面持ちで桂が彼に話しかけると

 

すぐに頬を膨らませて完全にバカにした態度で

 

「自分を常に慕ってくれていた可愛い妹がちゃらんぽらんのおっさんに寝取られて変貌しちゃって、ねぇ今どんな気持ち? ブフゥ!」

「……」

 

含み笑いをしながら挑発的な物言いをしてくる桂に対し、茂茂はゴミを見る様な目を向けながら沸々と殺意が湧くのをその身で感じ取るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして部屋を出た銀雪は早速両手に片方ずつ木刀を持ったまま、神威をぶっ飛ばした方向に向かって駆け出す。

 

「こちとらテメェの相手なんざしてるヒマねぇんだ」

 

右手に持ってる方の木刀の周りを冷気が包み込み始め、そのまま銀雪は真正面から対峙する。

 

ぶっ飛ばされてもなお余裕の笑顔でコキコキと肩を鳴らしている神威と

 

「残念、こっちは相手する気満々なんだけどなぁ」

「相変わらず化け物だぜコイツ……」

 

先程の一撃を食らってもなおピンピンしている様子の神威目掛けて銀雪は木刀を振りかざす。

木刀に纏わりついていた冷気が急速に凍り始め、木刀に付着すると鋭き氷の刃に形成された。

 

「どりゃあ!!」

 

それはもう木刀というより刀に近い氷の剣、振り下ろされたその剣を神威は頭上で両手を組んでガードしようとする。

 

「!」

 

だが寸でで神威は嫌な予感を覚え、ガードを解いて大きく後ろにのけ反った、

 

なんとか避け切れたが目を見開き笑みを消した顔の頬には僅かに切り傷が出来る。しかしこれしきの傷など夜兎である彼であればすぐに塞がるであろう。

問題なのは避けた自分に対して既に左手の木刀を構え、こちらに対してギラギラとした目つきで笑っている銀雪の方だ。

 

「避け切れると思ってんじゃねぇ!」

 

二本目の木刀が横薙ぎに振るわれ、神威の脇腹にミリミリと食い込む。しかしその程度では神威は怯まない。

左手と右手にそれぞれ得物を持つ二刀流であると力の配分が分断してしまうのは常識。しかし銀雪の振るう二本の木刀はその常識すらも疑ってしまう程強力なモノであった。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

風を切り、漂う冷気を突き抜け、銀雪は二振りの木刀で神威に反撃のチャンスさえ与えず怒涛に攻めていく。

一方神威はというと、その一撃一撃を避け、受け止め、時には直撃を受けつつもその表情にはますます笑みが広がっていく。

戦闘狂である傭兵部族、夜兎からすればこの様な特殊な相手と戦えるだけでテンションも高揚するというものだ。

 

「面白い……! 侍と魔法使いの戦い方ってのは俺の予想をずっと上回る強さを持っている……!」

「!?」

 

だがしかし、いかに強力な相手であろうと負けるという可能性を持たないのもまた夜兎の特徴。

額から血を流しつつもその目は標的である銀雪を射抜き、神威は僅かに見せた隙を突いて片腕を伸ばしと、そのまま銀雪の胸倉を掴み上げ

 

「待っていたんだこういう戦いを……! 血沸き肉躍る本当の殺し合いを……!」

「ぐはッ!」

 

片腕で胸倉を掴んだ事によって銀雪を拘束、そして右手の拳を強く握ると神威は満面の笑みでそれを彼女の腹に思いきり浴びせる。

夜兎の本気の拳を並の人間が思いきり食らっては運が良くて骨が折れる程度、最悪そのまま死ぬ。

苦悶の表情を浮かべ顔から汗を流す銀雪、しかし彼女はすぐにフッと笑うと

 

「へ、殺し合いだぁ? おい兄ちゃん、言っておくが俺は別にテメェと命賭けて戦う程酔狂じゃねぇんだよ」

「おっと……してやられちゃったかな?」

 

彼女の腹に食い込ませた拳に違和感を覚える神威、銀雪のその柔らかい肌にその拳は届いていなかった。

自分の拳と彼女のお腹の間に入るように、氷の壁のようなモノが小さく空中で形成されていたのである。

しかもその壁、形を変えて自分の拳を絡め取り離そうとしない。

 

「俺がやってんのは、おイタが過ぎたテメェを懲らしめるだけだ」

「フフ、そうこなくっちゃ、ね!」

「チッ!」

 

右手が使えないなら左手を使えばいい、神威は左手の拳を構えてそれを彼女の顔面に叩きこもうとする。

銀雪は舌打ちしつつ二本の木刀を十字の構えでガードするも

 

「ぐ! コイツ……!」

 

その一撃を完全に封殺さる事は出来ず、後方に軽く飛ばされてしまった。

 

「さっきよりも拳の強さが増してやがる! コイツ今まで本気じゃなかったのか……!?」

「本気さ、この戦いで本気を出さなかったらいつ出すのさ、けど」

 

右手に絡みついている氷の結晶を砕きながら、神威は余裕と言った感じで腰に手を当て改めて銀雪と対峙する。

 

「俺ってば相手が強ければ強い程もっと強くなっちゃう性質だからさ」

「やっぱコイツ化け物だわ、あの大食い娘のバカ兄貴で、あのハゲ親父のバカ息子なだけあるぜ……」

「その二人と比べられるのいささか不満だなぁ」

 

やはり融合体でも神威はそう簡単に一筋縄でいく相手ではなかった。

夜兎の中の夜兎、その類まれな戦闘スキルに思わず銀雪も少々圧倒されてしまう。

そして神威は再び駆け出し彼女に対して飛び掛かる。

 

「さあまだまだやろうか、俺とアンタ等”二人”の戦いを……!」

「……二人だけじゃねぇよ」

「?」

 

飛び掛かって来た神威に対し、銀雪はそっと左手に持っていた木刀を何故か腰に差し戻す。

その行動をいまいち理解できなかった神威だが次の瞬間、体と頭にグラつきが生じ始めた。

 

「これはあの時の……!」

 

頭の中を何度も揺さぶられてる様な気持ち悪い感覚、思わず地面に着地し額に手を置く神威の耳に

「どうもー、ああやっぱりダメ、思った以上にキツイ……」

「!」

 

呑気ではあるが少し息の荒い様子の少女の声が飛んでくる。

頭に手を置いたまま神威がバッと銀雪の背後へ顔を上げると

 

「休んでたらいきなり氷の床で運ばれて仕事させられた件」

「残念ながら万事屋に入った空には多少の事で簡単に休ませねぇ、入ったら休ませず死ぬまでコキ使うという鉄の掟があるんだよ」

「おーなんというブラック企業」

 

ちょっと前に自分が倒したはずの北山雫が、氷の壁に背を預けながらこちらに手を突き出していた。

恐らく発動しているのは前に食らった奴と同じ魔法式、人体の体や脳に衝撃を与え一時的に体の自由を奪う「共振破壊」だ。

 

「なるほど、俺と戦いながらも氷を操って、その子を部屋からここまで運び込んだのか……」

「魔法も剣術も小細工だって一流の銀雪さんにとっては晩飯前なんだよ」

 

そしてヘラヘラと笑っている銀雪が右手に持つ木刀には凄まじい冷気が集中し始める。

力。否、魔力を溜めて自分を一撃で仕留められる程の強力な魔法式を組み込んでいるのであろう。

しかし周り一帯を氷漬けにしかねない程の魔力を集中して操るという事は、そこに僅かばかりに隙が生まれるというモノ。

神威はそれを見逃す程バカではない。

 

「でも残念だけどこの魔法は俺には通用しない、さっきも見ただろ? こんなの少々怯むだけで全然大した事ないよ」

「あまりウチの優秀な従業員をナメねぇで欲しいな、大した事ないと本気で思ってるんならかかってこいよ」

「ああ、言われなくてもそうさせて……」

 

この程度の精神負荷など彼にとっては少々時間を稼げるだけの事だ、コレだけではまだ銀雪の魔力が貯め終える事は出来ない、それを突いて神威はクラクラする頭を押さえながら前に出ようとする、だがそこで

 

「!?」

 

突如鋭い閃光が彼の両目を眩ませる、その光は未だかつて経験した事のない程の眩しさ、思わず片手で目を覆う前に、神威が僅かにうっすらと見えたモノとは。

 

「これで……少しは時間稼げるよね」

「上出来だ小娘、後で宇治銀時丼奢ってやる」

「ああうん……それは遠慮するよ」

 

床に横になったままこちらに対して手をのひらをかざし、眩い閃光魔法を放つ光井ほのかの姿であった。

神威によって少しの間気絶していた彼女であったが、目を覚ますと共に状況に混乱しつつも銀雪を助ける為に敵の視界を奪う為に使われる魔法式、閃光魔法を神威に向けて放ったのだ。

 

「テメェを倒すのは坂田銀時でも司波深雪でも、ましてや坂波銀雪でもねぇ」

「!!」

 

しばしの間の時間の中で、ようやく目が慣れて銀雪が見れた時にはすでに遅かった。

銀雪の右手にはいつの間にか木刀を覆被さる様に様氷が生成され始め、身の丈2メートルはあるであろう巨大な大剣が出来上がっていた。

 

それを両手で掴み上げると彼女は鋭く眼光を光らせながら、共振破壊と閃光魔法という二重魔法で怯んでいる神威に向かって駆け抜けながら振り被る。

 

そして

 

「どっせぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!!」

 

振り抜くと共に派手な音を立てながら神威の腹を抉る様に直撃し、そのまま彼を後ろにぶっ飛ばすだけでなく、後ろにある壁さえも次々と突き抜けて見えなくなってしまう程。

 

そして視界から見えなくぐらい彼が飛んで行った事を確認すると、銀雪の手に持っていた大剣が一瞬で溶けて元の木刀に戻った。

 

 

 

 

「俺達”新生万事屋”だ」

 

 

 

皆の力が合わさったその一撃、戦闘狂・神威を制す。

 

 

 

 

 

 

 

 




1話丸々バトルパートになるなんて27話目にして初めてじゃないですかねぇ……

ところで私事ですが今現在連載している3作品の内の1つが完結しました。

それに伴い新作を書きたいと思うのですが

銀魂×SAOか
銀魂×ドラクエ11

どっちを書こうか迷っておりまして現在模索中、お楽しみに

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