モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み)   作:ニルドアーニ四世

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影の侵食 2

 

 

 

二人は同時に地面を蹴り、拳を武装色で黒く染めるとぶつかりあい火花が舞った。そして片方の拳が一方的に押し負けるとそのまま船の外へ飛ばされた。

 

「...拳は砕いたな。」

 

船に残っていたモリアは骨を砕いた感覚を得て呟いた。建物に激突したのかリンダの土煙が立ち昇る様子をこの様子を見て早く帰れそうだと思った。そしてモリアは船から飛び降りて歩いてリンダの元へ向かった。

 

「案外弱ぇな...。最強(笑)ルーキー。」

 

モリアは土煙が立ち昇る場所の手間まで来ると貶すように言い放った。煙が晴れると右手がドス青黒く変色して腫れているリンダを見下すように見た。確実に骨まで砕いている

 

「バケモンだね...。再痛感させられるよ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕の能力の有能さをね...。“譲渡(ギフト)”。」

 

リンダがそう言い放つとモリアは己の右拳に激痛が走った。右手を見ると先ほど見たリンダと同じようにドス青黒くなっている。するとリンダは立ち上がると折れていたはずの右手が元通りになっていた。

 

「僕は“パスパスの実”の譲渡人間。常人では渡せぬモノを僕は一方的に譲渡できる。僕の疲労や痛み、傷、病気も...。かなり特異な能力でね。僕を殺すには一瞬でやるしかない。致命傷程度じゃ死ぬのは君...

 

さぁおいでよ...七武海。」

 

 

(恐ろしく厄介だな...。ダメージも傷もヤツが認識できぬ程の早さで始末するしかない...。最強のカウンター能力といえる...。)

 

 

「考え事なんかしてる暇あるのかい?」

 

リンダは隠し持っていたであろうナイフを手に持つと己の腕に突き刺した。そして再び“譲渡(ギフト)”とつぶやくとモリアの腕からナイフによる出血の傷が溢れ出てきた。

 

「...毒か。麻痺系と言ったとこか?」

 

モリアは毒が全身に回らぬ様に腕に力を加え圧迫した。するとリンダは笑みを浮かべると口を開いた。

 

「正解...。30秒位で全身に回る神経系の毒だよ。」

 

 

「そうか...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感謝する...。」

 

「は?」

 

リンダはモリアの言葉に目を丸くさせるとモリアはニャッと笑った。そして全身から影の煙のようなモノが溢れ出した。

 

「“常闇狭霧(ブラック・ミスト)”」

 

すると地面にポタっと水滴の音がした。するとモリアの身体は黒い霧のようなモノに覆われている。

 

「何言ってるの?『プシュ。』...“譲渡(ギフト)”。」

 

リンダは自分の腕を斬り裂いて“譲渡(ギフト)”をしたがモリアは何ともないようだった。その様子を見たリンダは焦ったように何度も繰り返した。だがモリアはその様子を満足そうに見据えていた。

 

「俺は影を自在に実体化する事ができる。ならば逆に虚無化も可能。俺という実体化された影を虚無化しただけのことだ。」

 

原作のモリアは頂上戦争でオーズJr.の身体を“角刀影(つのトカゲ)”で貫いていた。モリアは覇気を使用できないはずであるのに影を攻撃として利用できるという事は影を実体化して攻撃する事ができると結論に達する。つまりその逆、実体化してある影をただの影にする事も可能である。そしてこの技はモリアという実体化された影を虚無化したに過ぎない。

 

「なッ...でも覇気で攻撃すれば君を捉えられるよね。」

 

リンダは右腕を武装色で硬化し、モリアへ間合いを詰めて殴ったが、まるで霧を殴ったかのようにすり抜けた。今度は足を硬化して回し蹴りをしたが再びすり抜けた。

 

「無駄だよ...。お前じゃ俺に勝てない。」

 

 

(原作のルフィがゴムだからという理由で打撃が効かないのなら、モリアが影だからという理由で打撃、斬術、銃、その他大半の悪魔の実の攻撃系能力も全てを無駄な足掻きと化す事ができる。ロギアより数段厄介だろうな。なぜならパラミシアは覇気で捉えられない実体のない攻撃が可能だからだ...。無論この技も弱点は存在する。)

 

 

本来ロギアが無敵である条件は3つーーー、

“相手が覇気を覚えていない”こと

“己以上の覇気の使い手”でないこと

“弱点を突かれない”ことに

 

おおよそ、これらに限られるであろう。頂上戦争での青雉は白ひげの覇気を纏った槍で刺されたが無傷だった。つまり彼の覇気が白ひげを上回っていたと予測できる。

 

この技は全身を纏う影の霧に武装色を纏っているため、敵の武装色より自身が上回る場合にのみ無敵の防御を誇る。いや、防御とより回避能力というのが正しいのかもしれない。

 

「お前の攻撃は通らず、俺の攻撃はお前を捉える。今のお前にできる事は俺が身体を実体化させている時にその部位を攻撃するしかない。」

 

無論虚無化したのならモリア自身も攻撃が不可能である。だからモリアが攻撃に転ずる場合はその部位を実体化せねばならないのだ。だから敵が格下の場合はその実体化した瞬間にモリアにダメージを与えるしかない。リンダは絶望したような顔でモリアを見るとモリアは狂気的な笑みを浮かべて言い放った。

 

「そんな事不可能だって思ったろ?あきらめなよ、影に攻撃してダメージをあたえようなんていうバカはこの世に存在するか?」

そう言い終わった瞬間にリンダの首はゴキッと折られた。そしてかすれゆく意識の中で目の前にいたはずのモリアがただの黒く薄っぺらな影になっているのをかろうじて理解したが、そのまま絶命した。

 

「“影法師(ドッペルマン)”...。やっぱり俺の能力はチートだな。原作のモリアももっと使いこなしていれば最強格だったのにな。さてこいつの死体を貰うか、こいつの能力は使えそうだ...。」

 

モリアが満足そうに笑みを浮かべて己の影にリンダの亡骸をモリアの影の空間に収納すると先ほどいた海軍本部へ戻った。

 

 

 




更新遅れてすみません。最近は忙しいのでまたしばらく投稿できないかもしれません。番外編を書いてから本編に進もうと考えてます。


ちなみにモリアが礼を言ったのは即効性のない毒や睡眠薬でなかったからです。あと地面に落ちたの水滴は毒です。

パスパスって念能力だったら強そうですね。不遇な放出系を変える可能性を秘めてそうだけど、オーラじゃないから不可能か...

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