モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み) 作:ニルドアーニ四世
<ビスケット室>
〜ゾロ、たしぎ、モネside〜
子供達の遊び場として使用されるビスケット室でユキユキの実の能力者であるモネと“海賊狩り”のゾロとの戦闘が始まろうとしていた。たしぎはモネによる攻撃で手負いの状態だ。
モネはゾロが女を手を出さない人間だと思っていたが、彼による頬に斬撃を受けて唖然としていた。
「確かに俺も斬りたくねぇもんある、だがお前、絶対に人を噛まねぇと保証できる猛獣にあったことあるか?」
ゾロはそういいながら刀を抜くとモネとの間合いを詰めるために走り出した。
「俺はねぇ。」
(なに⁉︎体が動かない)
ゾロの覇気と気迫によりモネの体は硬直して逃げることができない、そして彼は彼女を頭から真っ二つに斬り裂いた。
「一刀流“大辰憾”」
ゾロがそうつぶやくと彼女は静かに地面へ倒れた。だが暫くすると斬り裂かれたはずの彼女は動き始める。しかし体は原型を保てずに崩れていく、彼女はロギア系の能力者であるからだ。だがゾロが刀に覇気を纏っていれば自身が死んでいたこと、そして圧倒的強者への恐怖からうまく体を動かせないようだった
***
〜スモーカー、シーザーside〜
「おい、さっさと歩け」
「離せ!俺様は天才だぞ」
スモーカーは海楼石の仕込まれた十手の先端をシーザーに突き立てて前へ進ませていた。彼は物凄く不機嫌な顔をしながら歩かざるを得なかった。全身の力が抜けていくような感覚を覚えながら反抗できるのはせいぜい文句を言うことぐらいであった。
スモーカーは海賊から受けた施しをそのままにしておくことが気に入らなかった、ルフィとローの同盟の目的がシーザーの誘拐であることを知っていた彼は捕獲することにしたのである。そしてローに渡し貸し借りを帳消しにした。
***
〜パンクハザード、海岸〜
海兵と海賊の垣根を超えて彼らは宴を行なった、ナミらが救出した子供達も参加し皆で楽しんだ。彼らの間には確かに微かな絆が芽生えていたのかもしれない。
ルフィはパンクハザードから奪ったタンカーに子供達を早く保護させるように頼むと、スモーカーはたしぎと子供達を乗せて出航させた
***
〜サニー号〜
子供達を出航させたルフィらとローはサニー号に乗ると自分達が次の目的地へ向かおうと準備をすると舵の下に“でんでん虫”が無造作に置いてあることに気がついた、そして誰も自分のでないと言うとローはモリアの手のモノだと考え自分が管理すると言った。
そして数時間後に“でんでん虫”がなり、ローはそれを動じることなく取った。すると受話器の向こう側から低く響くような声が聞こえてくる。
「ようやく気がついてくれたか、なんどか連絡をしたのだよ。」
「...モリアか?」
ローは張り詰めたような空気を出しながらも少し冷や汗をかいていた。やはり声だけで強者特有の威圧感を感じたのである。
「あぁ、貴様と取引がしたい。」
「こっちもだ。」
ローは静かに答えると、モリアは自分の要求を言った。彼はシーザーとホグバックの解放、そして二度と自分に喧嘩を売らないということである。それに対して自分達と自分達に関係のある人達に永久的に手を出さないということだった。
人造悪魔の実のスマイルを創れるシーザーと名医のホグバックを失うわけにはいかないモリアはメンツよりも彼らの命を優先した。
「パンクハザードの件は水に流し、これからは互いに不干渉ということでいいな?いいならシーザー以外は解放する。」
「あぁ。だがシーザーの心臓を持っているはずだ、そんなデリケートなものをお前達には預けられない。」
「わかった、シーザーの心臓は俺が渡す。だが本体は俺たちが安全な場所に避難してから解放する。場所はヤツから聞け。」
そして彼らは待ち合わせの場所と時間、そして取引はローがホグバックとシーザーの心臓を渡した時に成立するというルールを決め終わると最後に彼はニヤリと笑いながら伝えた
「あぁそうそう、俺たちから細やかなプレゼントがある。ただ見誤るなよ」
***
<パンクハザード、崖の上>
〜およそ半日前〜
パンクハザードの崖の上でローとルフィは同盟を組むという決断をした。そしてローは彼の練っていた計画を語り始める。
「ここは“四皇”ゲッコー・モリアの縄張りの一つ。ログの取れない無人島であるから、実験所と化している。」
「じゃあ標的はモリアなの⁉︎そんなの絶対にイヤよ!!!!」
ローの能力で人格移動させられたナミはフランキーの身体をしていた。
「俺達が喧嘩を売るのはモリアじゃねぇ。カイドウだ。たがこればかりは賭けざるを得なかった。」
ローはナミの言葉を封殺して語り始めた。
「パンクハザードだけじゃなく、モリアは“ある物”を製造しているドレスローザという国を縄張りにしている。」
「ドレスローザ?」
「頂上戦争で戦死したドフラミンゴの納めていた国だが、その部下達がモリアの傘下に入ることで守られている。」
モリアは頂上戦争でドフラミンゴを政府の指示により暗殺した。そして彼の遺言によりファミリーを傘下に加えて守ったのである。当然、ファミリーはその事を知らない。
「だが、そこは既にカイドウの息がかかってる。ドフラミンゴの行なっていた闇取引は終わらせたが、そこの部下が無断でカイドウとの取引のみ続けている。」
元々ドフラミンゴは闇取引のジョーカーとして裏社会で暗躍していた。そんな彼の最も大きな顧客がルフィらの標的となるカイドウである。だが当のモリアは四皇についたばかりで縄張り全てを把握できているわけでないのか継続して取引が行われているという
「だからそこへ潜り込み、取引の証拠を抑え、モリアへ提供する。それで安全を買うしかねぇんだ。理想を言えばシーザーを誘拐してまず取引をしてからな。」
なぜローが裏切り者を教えることが大事だと言うのか、それは取引を行なっている相手が問題なのだ。同じ四皇の中で最も敵対している組み合わせだからである。赤髪は攻めて来なければ攻めないタイプであり、ビッグマムはモリアと同盟を組んでいるという噂がある。事実、敵対したことが今まで一度もない
だがカイドウは異なる、元々過激な男で新世界で小競り合いをよく起こすようなタイプであり平穏を求めるモリアとは小さな抗争も何度かあった。そんなカイドウの戦力の一つを味方が提供していることをモリアは把握できずにいるため、最も効果的だと判断していた
「取引ってのは、いつでも破れるもんだ。無法者の俺達には特にな。どちらかが破ったところでそれを罰する第三者がいねぇからだ。それを解消するには2つの方法がある」
「相手が守らざるを得ないカギをこちらが握り続ける事、そしてデカい貸しをつくり、それを返えさせねぇ事だ。」
そして現在、ルフィとローの同盟はモリアが取引を受け入れざるを得ないカギであるホグバックとシーザーを握っており、これから行うのは裏切り者を摘発するという貸しをつくるのが彼の計画である。
***
数時間後
〜パンクハザード、上空〜
数字の3という髪型をしているメガネの男が巨大な鳥の背に乗って海の上を移動していた。彼の乗る鳥は本物の鳥ではなくスマイルを食べた能力者である。そしてパンクハザードの海岸に着くとそのまま飛び降りる。そこにはまだ海兵達が残っていたのである。急にミサイルでも降ってきたかのような土煙が舞うと中から人影が見えてきた。その男は知的で細身な印象でありながらも鍛えあげられた肉体をしている。“でんでん虫”を手にとっており報告を行なっている。
「こちらギャルディーノ、パンクハザードに到着。とりあえず皆殺しにするガネ。」
『構わん、全てを消してこい。まだ取引は締結していないからな』
元バロックワークスMr.3こと四皇ゲッコー・モリアの参謀“純白の細工師”ギャルディーノがパンクハザードへ舞い降りた。
お待たせして申し訳ありません、夏を満喫してました。
前回の話が長過ぎたので体感では千文字ぐらいだと思ったら三千文字ありました。なんか少しモチベーションがあがった気がします(笑)
あと感想欄にて、ハリスの関西弁に違和感を感じたとの指摘をいただきましたのでドレスローザ編まで落ち着いてから修正しようと思っています。