モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み)   作:ニルドアーニ四世

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この上なき手抜きです。次からちゃんとしますのでご了承ください


バギーズデリバリー 2

 

 

 

 

 

 

 

 

(モッ...モリアだとォォ!!! 俺様は神に選ばれたんじゃねぇのかよォォォォッッッ!!!!)

 

 

(すっごくマズイガネ!!!モリアは市民に害を加える海賊を狩り尽しかねない男...。それを解放した我らは間違いなく始末されるガネ!!!!)

 

 

 

二人は心の中で大声をあげ、己らの幸運の終わりを実感し絶望した表情を浮かべた。新旧の七武海同士であるとはいえ実力差は歴然であっからだ。。

 

更に彼は自分達のような海賊を毛嫌いしており、どちらも民間人に損害を与えた経験がある。そして先日のインペルダウンの騒動から自分達を始末しに来たとしても不思議でなかったからである。

 

「急なことで悪いが取引をしたい。あいつは俺の用も尋ねず襲いかかったため潰した。」

 

「おっ...おう...。」

 

モリアはバギーと取引がしたいと申し出た。彼の目的はMr.3の引き抜きとバギーズデリバリーの矯正及び殲滅である。

 

そしてモリアは部下を攻撃したのはやむを得ない事であると言い放つが、バギーはビビって何も言えなかった。

 

「見ろよあのキャプテン・バギーとゲッコー・モリアを...ありゃ生ける伝説の筆頭格の二人じゃねぇか!!!!」

 

「あぁ違いねぇ...あのモリアがキャプテン・バギーに取引を持ちかけにやってきたんだ!!!」

 

「おい!!!もしかして...モリアがキャプテン・バギーと同盟を結びたがってるんじゃねぇのか?」

 

「いやもしかしたら傘下に入れてもらう様に頼みに来たのかも...。」

 

元インペルダウンの囚人にしてバギーを崇拝する部下達が都合のいい解釈をしてお互いを見回すとテンポを合わせて雄叫びをあげながら、右手を天へ突き上げた。

 

「「「「「「バギー!!!バギー!!!バギー!!!バギー!!!バギー!!!バギー!!!バギー!!!」」」」」」

 

(オイッッッ!!!!何言ってやがんだよ!!!!あのモリアだぞ!!!! 俺なんかの傘下に...)

 

己の命の危機とは裏腹に能天気に騒ぎ立てる部下達を心の中で叫び、チラッとモリアを見ると彼はこめかみにビクッと筋を入れ、ご機嫌斜めの様子だった。

 

(ブチ切れそうだガネ!!! どうにかせねばいかんガネ!!!!)

 

(どちらにもひけねぇじゃねぇか!!!!だったら...)

 

二人は心の中で会話のキャッチボールを交わすと、バギーは意を決して口を開いた。

 

「静まれぃこの馬鹿野郎共がぁ!!!!」

 

バギーの大声に騒いでいた部下達はぴたっと止み、彼に注目を集めた。

 

「俺への来客に恥かかすんじゃねぇよ。作業へ戻りやがれぃ!!!!」

 

バギーの一言に一部の部下達は涙を流しながら、膝から崩れ落ちて声をあげた。

 

「流石だ...キャプテン・バギー。白ひげの首を狙っていた者同士だから敵なのに...あんたはライバルに恥をかかせぬようにと...。」

 

「キャプテン・バギー...器がデカすぎるよ。俺達じゃ計り知れねぇ!!!!」

 

「こうしちゃいられねぇ!!!作業へ戻るぞ!!!!」

 

部下達は再びバギーにさらなる心酔と勘違いを深める事となる。

 

これも一種の才能であった。彼には確かにカリスマ性というものを有している。だがそれに実力が伴っていないだけである。そしてその実力を買い被る部下達はバギーが海賊王になると信じてやまなかった。

 

そして完全にバギーがモリアに気を使っただけであると盛大に勘違いをかました部下達は先ほど当たっていた仕事に戻っていく。

 

 

(上手くまとまったガネ〜!!!)

 

 

Mr.3は心の中で絶叫した。

 

 

 

***

 

 

 

 

数分後

 

 

 

〜テントの中〜

 

 

 

 

「まずは要件の一つからだ...貴様らの創る予定の会社だが、気に食わん。」

 

 

((ですよね〜))

 

 

バギーとMr.3は人払いをしたテントにモリアを招き、話を聞いていた。彼らはモリアの言葉の一つ一つにビクビクし、決して彼の機嫌を損ねぬ様にせねばならなかった。

 

 

「俺の言葉の意味がわかるな?“今の所”戦闘の意思はない。」

 

 

(今更止めますなんて言えねェェよ!!!!)

 

 

(かと言ってモリアを敵に回して生き残る自信はないがね...)

 

 

 

モリアは従わぬのなら潰すと言い放つ。その顔からは冗談とは到底思えず、どうしていいかわからず2人は慌て始める。

 

 

「だが貴様らとて急に路線を変更するには少し手間取るだろう。俺の傘下に入れ...。俺は白ひげ海賊団の抑えた海域の支配圏を広げている。」

 

 

(傘下ってことか...俺としちゃ争って滅ぶぐらいならモリアの傘下として生き残る方が賢いよな?兄弟。)

 

 

(ただ問題なのは脱獄囚に私達が小物だとバレてしまうこと...。だけどいつかはバレることだがね。)

 

 

「脱獄囚達が格下のお前達に従うのは買いかぶっているからだ。いつか反乱が起きるのは抗えぬ未来...。」

 

 

(言い返せねぇぇぇッッ!!!!)

 

 

「だっ...だが政府直属の七武海が海賊の傘下に下るのはマズイことだがね。」

 

Mr.3がどうにかしてモリアの傘下入りを断ったとしても、無事に済む方法を考えて彼なりの答えを言い放った。

 

世界の均衡とは“海軍+七武海=四皇(の一角)”である。ある意味敵対関係にあり、政府の傘下となる七武海がいち海賊に従うのは少々無理があった。

 

(よくやった兄弟!!!俺はモリアからのオーラでちびりそうだ。)

 

バギーはMr.3の頭のキレに感謝しながらモリアの顔を伺うが、彼はそこまで甘くなかった

 

「そこは配慮するつもりだ。あくまでも建前でいい。会社の管理を俺達がやる代わりに敵対組織や海賊達との戦闘は俺達が請け負う。対価としては十分だろう。」

 

モリアにとって最善の解決策は会社の方針を管理しつつ、己の傘下にいれることである。どう考えても戦闘に自信のない2人にとってはかなりの好カードである事を理解していた

 

 

(つまりは...反乱が起きたら守ってくれるということだがね。)

 

 

(どちらを選んでも俺達は死ぬ可能性があるわけだ。だがモリアを選ばねぇと今死ぬ...)

 

 

((のる〔ガネ〕ぞ!!!))

 

 

 

 

***

 

 

 

 

一時間後

 

 

 

 

 

 

「野郎共!!!! 俺達バギー海賊団はゲッコー・モリアのさn...

 

 

(言っ...言えねぇぇッッッッッ!!!!かと言って今更反故にはできねぇぇッッッ!!!!)

 

 

バギーは先ほどMr.3と決めた傘下加入の話を緊急招集された部下達の前でしようとしたが、つい口ごもる。どちらに回ろうとも己の命を散らせかねないバギーの表情が少しずつ青ざめて様子を不審に思う部下達が声をあげる。

 

「どうしましたキャプテン・バギー⁉︎」

 

「体調でも悪いので?」

 

「“さn”って...もしかして傘下に入るのか?」

 

部下達は自身らのボスの表情から悪い話であるのを悟ったのか、モリアとバギーへ疑いの表情を向けざわつき始める。

 

 

(どっ...どの道()られんじゃねぇかよ!!!!だったら一世一代の大勝負じゃぁいッッッ!!!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「モリアと同盟を結ぶことになったァァァァァァッッッッッ!!!!!!!」

 

バギーその一言に部下達は大声をあげて同調した。キャプテン・バギーとモリアが手を組めば四皇どころか海賊王への近道だと各々が勝手に深読みしてしまった。

 

バギーの発した言葉が先ほどの話と異なる事からモリアがこめかみに筋をビクッと入れた様子を見てMr.3の顔から血の気がひいていた

 

 

(救いようのない程やばいガネぇぇぇッッ!!!!)

 

 

 

 

***

 

 

 

 

〜テント内〜

 

 

 

 

 

 

「約束が違うではないか?俺は同盟と傘下は別ものだという認識だが...。」

 

「すまねぇ...でもよぉ...。」

 

「まぁ...いい。血の気の多い部下らに傘下になると明言するのは少々キツいか。ただ俺の命には従わせる。」

 

「「はい...。」」

 

同盟者であるモリアへの配慮の為略奪は禁止 戦争などの戦力としての派遣海賊傭兵会社として運営することとなる。

 

そしてバギーには商才があったのか、はたまた需要が多かったのか盛大に栄える事となる

 

 

 

「ところでMr.3...。俺の配下に来ぬか?俺は貴様を高く勝っている。クロコダイルのように使い捨てなどせん。」

 

モリアはMr.3とバギーの過去など把握しており、その上での取引と勧誘である。彼は確かに民間人に損害を与える海賊を始末する。だが最終的に平和への礎となるか、モリアが当人に殺すのは惜しいと思わせる程の価値があり改心するのであれば別だった。

 

今回ではMr.3は殺すには惜しいと思い、バギーら海賊派遣会社は平和への礎になると考えたのだ。戦争とは悪というの名のついたエゴである。いくら綺麗事を並べたところで民間人に害を与えた以上悪であり、モリアの殲滅対象の一つとなる。

 

バギーの傘下である屈強な海賊達の加担により戦争が早く終結する可能性が高いと感じたからである。そもそも相応の戦力が欲しがり、要請するのはより財力に余裕のある方である。

 

戦争において優位に立つのは財力のある方で戦争(それ)を終わらせる為に呼ぶ易いと判断した

もちろん劣勢の側が要請する可能性も低くはない。だが勝算の低い場合に第三者であり、七武海とはいえ海賊の手を借りるとは思いにくい。

 

なぜなら一般人から見れば略奪をされる懸念の方が大きく、そうされても七武海であるまめ海軍は手出しができない。万が一そうなれば自分らの保身に関わるからである。

 

 

「きゅ...急過ぎるがね...。買いかぶっちゃ困る。私はまったく強くないガネ。」

 

Mr.3は両手で拒む様に振りながら声をあげた。だがモリアは淡々と口を開いた。

 

「弱いのなら俺がお前を強くする。お前ならば我が側近へ迎えよう...。」

 

 

(とんでもないがね...私があのモリアの幹部など買い被りにも程があるがね...)

 

(だがよ兄弟...断っちまうとここで死ぬぞ。さっきの俺の同盟発言で確実に機嫌が悪くなっちまってる。)

 

 

「わかっ...わかったがね。その代わりバギーズデリバリーに害を加える者を全力で排除するのが条件だがね。」

 

「市民を傷つけたり、悪戯に均衡を崩しかねない行為以外により生まれた敵は排除しよう。政府の強制招集におりには顔の割れていない強力な部下を預ける...。討ち取った者は全てバギー(貴様)の手柄にせよ。」

 

「了解だガネ。」

 

「兄弟...。」

 

「このバギーデリバリーを任せたがね。」

 

Mr.3は立ち上がりモリアの元へ向かおうとした。そしてバギーは勢いよく立ち上がり号泣しながら彼へ抱きついた。するとMr.3もまた泣き始め彼と熱い抱擁を交わした。

 

 

 

 

 

 


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