モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み) 作:ニルドアーニ四世
数年後
〜高級ブティック〜
原作通り七武海になったモリアはペローナを連れて栄えている街へ買い出しに来ていた。ペローナが気に入っている店の新商品がウィンドウに飾られているのを見ていたのでモリアが提案したのだ。
「好きなものを持ってくるといい...。金の心配はするなよ。」
モリアはペローナに時折モノを買い与えていた。もちろん勉強などは腕の良い家庭教師の家で教えてもらい、航海術や地理学も叩き込んだ。原作ではペローナは航海士であるためか吸収は早いようだ。今では完全に打ち解けた。初めはモリア様と呼んでいたが、モリアがそれを許さなかったのでモリアと呼び捨てになっていた。
「ありがとなモリア。選んでくる!」
10歳になったペローナはオシャレに興味を持ち始める年頃でその事をモリアは配慮し、最近はよく出かけるようにしている。モリアはペローナの走っていく様子を見て微笑んだが、背後から気配を感じた。するとブティックのガラス張りのドアを勢いよく開くと激しく息切れをしている金髪の男がいた。
「ゼェ...ゼェ...。あんたが七武海のモリアか?」
金髪でそこそこ顔の整っている男がモリアに尋ねた。そして歩いてモリアの目の前まで来た。
「あぁ...。生憎だが部下なら間に合ってるし、必要ない...。」
モリアは男の目的を見抜いて拒否をした。まだ拒否した。このようなことはよくあるのだ。
「頼むッ!俺をあんたの部下にしてくれ!」
男は手を床について土下座をした。その様子にブティックにいた店員と客は二人に注目した。だがモリアの目は冷ややかであった。
「ならばお前の価値を見せろ...。お前は俺に何をくれる?そしてお前は何がしたい?」
少なからず使えぬ人間ならはなっからいらないし、必要ない。料理も掃除もモリアは自分でできなくはないが、ペローナがやってくれる。意外と家庭的な女なんだとモリアは思っていた。
「俺は力をあんたに...。そして俺を“墓場の王”にしてくれッ‼︎ 。」
モリアはこいつが自分が強さに自信を持っているのかと考えたが、見たところ覇気は使えないが、かなりガタイはいい。力に自信があるのだろう。だがその程度の強さならこの海には幾らでもいる。
「あ...“厨二”はなおさらいらねぇ。相手すんの面倒くさいんで...。」
(厨二病くせぇな。ってか墓場の王...どっかで聞いたことあるな。なんだっけ?)
「俺はアブサロム!悪魔の実を食ったからあんたの役にたてるはずだ。頼む!俺を“墓場の王”にしてくれ!」
アブサロムは決意の固さがうかがえる瞳でモリアを見た。モリアはアブサロムが本気でそうなりたいと考えていると理解した。
「なんだこの厨二野郎は?モリア...誰こいつ?」
派手なゴスロリの数着の服が入ったカゴを持ったペローナがモリアの側に来ていた。するとアブサロムを偏見の目で見ていた。
「俺も知らねぇ...何の実を食った?」
(こいつアブサロムじゃねぇかッ⁉︎ 確かホグバックに身体を改造したんだったな...。だからわかんなかったのか...。)
「俺は“スケスケの実”の透明人間。」
モリアはアブサロムが自分を探していたと理解した。そして最近ペローナが気に入っているブティックの店員にモリア達が来たら連絡でもするように頼んでいたのだろうと考えた。
「おいモリア...。こいつ多分変態だぞ...。確実に女湯を覗いてる。私は嫌だぞ。」
「奇遇だなペローナ。俺もそう思った。」
ペローナは幼いながらもアブサロムが変態であるということを見抜いた。むろんモリアも原作知識でエロサロムであることを知っている。
「誰がエロサロムだッ⁉︎ そんなのはどうでもいい!どうだ?あんたの諜報部員として使えるはずだ。俺を部下にしてくれ!」
アブサロムは地面に頭をつけてモリアの部下にしてほしいと頼んだ。だがモリアの返事はアブサロム本人だと知ってから仲間にすることは決めている。
「着いてこい...。お前の能力は使えそうだ。」
モリアの返事にアブサロムは顔を輝かせて大声でなんども礼を言った。モリアは微笑むとペローナは声をあげた。
「おいモリアッ!こんな変態を仲間にすんのか?能力もウソかもしんねぇぞ!」
ペローナは客観的にアブサロムの事が信用できないとモリアへ訴えた。だがモリアは最もらしい答えを言った。
「いや、本当だ。変態扱いされた時の対応が手慣れていたからな。さぁカゴを渡せ。精算してくる。」
こうして変態厨二野郎のアブサロムが“墓場の王”になるべく仲間になった。
王下七武海“常闇海賊団”(モリア命名)
...構成員合計3名