モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み)   作:ニルドアーニ四世

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老兵の決意

 

 

 

 

「自由になって早々悪いが死んで貰うぞ。貴様の存在は戦局を左右し、政府の不安の“種”を取り除けば借りができる。」

 

モリアはエースを悪の芽でなく、出芽すらしていない種と称した。彼からしてみればロギア系最強種メラメラの実など取るに足らない能力者の一人に過ぎないのだ。

 

「エース!こいつはめちゃくちゃ強ぇぞ!!!気をつけろ!!!!」

 

ルフィはモリアとの戦いで容易く殺されかけた苦い思い出がまだ癒えていないのか声をあげた。するとエースはルフィの前へ出た。

 

「下がってろルフィ...。こいつは全力の親父と張り合った男だ。」

 

「白ひげのおっさんと!!!!」

 

モリアは張り合うという言葉を聞いてピクッと不快そうな反応をしたが、特に何も言わなかった。無理して否定する手間かける気にはならなかったのだ。

 

「しかも今より10年前だからな...。だがモリア。俺がお前を討ち取りゃ俺達(白ひげ海賊団)の士気が上がるとは思わなかったのか?」

 

「格下に敗れることを考えながら戦う者がいるか?無論微塵も考えぬ者は敗れるが...。」

 

「へぇ...じゃ俺に負けたら俺が格上だな。」

 

「まだ若いな...力量も探れぬか。いや理解してもなお引かぬのか?面白き男だ。」

 

二人は互いに挑発をし合いニヤッと笑うとすぐにエースは炎を纏った手で大きく振りかぶった。

 

「さぁな...“火拳”ッ!!!!」

 

豪炎の拳がモリアを襲い焼き尽くすとその様子を見たルフィが口を開いた。

 

「やったか?」

 

「いや...まだだ。」

 

「“常闇狭霧(ブラック・ミスト)”...。やはりまだ若い。」

 

炎の中から無傷のモリアが現れるとゆっくりと歩いて間合いを詰め始めるとエースは少し表情を強張らせながらつぶやいた。

 

「やっぱり一筋縄じゃいかねぇか...。流石は七武海最強の男。」

 

「最強など客観的に見た第三者の邪推に過ぎぬ。呼称などあてにならぬぞ。海賊王(ロジャー)の名を継がなかった理由に多少なりと含ませるのではないか?ロジャー(海賊王)の息子と呼ばれたくないという心情が... 」

 

「俺はゴールド・エースじゃねぇ...ポートガス・D・エース...そして白ひげの息子だ。」

 

「これは失礼...。無粋だったな。」

 

モリアは自分の非を認めるとエースは二本の燃え盛る炎の槍を投げつけた。モリアは“影血閃”で盾のようにして軽々ガードをした。

 

「無駄な足掻きだ...。」

 

モリアがつぶやくと彼の周囲にフワフワとした黄緑色の無数の光が囲んでいた。エースがニヤリと笑うと声をあげた。

 

「“螢火...火達磨ッ”!」

 

モリアを取り囲む無数の光が爆発し激しい土煙が舞ったが、それが晴れる前にエースの足元の地面からモリアがすっと現れた。彼は地面へ影となりスイスイ移動して回避したのだ。

 

「能力の発動が遅いな...。」

 

モリアは足に覇気を込めてエースの腹を蹴りあげた。実体を捉えられたエースは口から血を吐くと両手を地面についた。

 

「エース!!!!こんにゃろ!!!!」

 

「下がれルフィ!!!!おめぇの敵う敵じゃねぇ!!!!」

 

ルフィがエースに加勢しようとすると、エースの怒号が響いた。

 

「エース...。」

 

ルフィはエースの言葉の本心を長い付き合いから理解していた。モリアには自分達では手に負えない強さであるが、エースは自分とルフィがモリアから逃れる事もできないということを理解していた。

 

「こいつは俺の敵だ...。手ぇ出すな。」

 

「...流石は二番隊長。力の差を理解しても尚立ち塞がるか...。そろそろジンベエが加勢に来るだろうから早急に始末せね...ッ!!!! 」

 

突然モリアの背後でバトルシップが動き始め、海軍本部へと突っ込み始めていた。そこには赤犬に唆されて白ひげを刺したスクアードとその部下たちが乗っていた。

 

「たとえ償いにならなくてもこうでもしなきゃ俺の気が収まらねぇ!!! エースを連れてみんな逃げろォ!!!!」

 

海兵や氷の大河を破壊し突き進む中、突如ドゴォォッッという激音が響いた。すると白ひげが片手で抑え、受け止めていた。

 

「親父!!!!」

 

腹からポタポタと血を流し命を削りながら戦場で暴れ続ける白ひげはスゥと息を吸うと大声をあげた。

 

「今から伝えるのは最後の船長命令だ。よォく聞け野郎共...

 

 

 

お前らとおれはここで別れる!!!!全員必ず生きて新世界へ帰還しろ!!!!」

 

 


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