モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み)   作:ニルドアーニ四世

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ゴースト娘

数年後

 

 

 

〜ミルトーン教会〜

 

 

 

“西の海”のとある田舎の国のとある村にどこにでもあるような寂れた教会だが、そこに住む孤児の一人の女の子が有名であった。村中の人々は彼女をこう呼ぶ...

 

 

 

 

“ゴースト娘”

 

 

 

 

 

その子は亡霊を呼びおこしただの。からかった少年の精神を呪いで不安定にしただの。壁をすり抜けただの。そんな噂が近辺に流れ海兵や名だたる研究者がその娘の調査に乗り出したが、皆が返討ちにあった。その噂を世界中にいる情報屋の一人から仕入れた男がその教会へやってきた。そしてその庭にいた教会のシスターらしき女性へ声をかけた。

 

「俺はゲッコー・モリア...。“ゴースト娘”はここにいるのか?」

 

モリアの名前を聞いたシスターはビクッとしたが、怯えた顔を首を勢いよく降って会釈をすると走って逃げていった。

 

「...俺が海賊で民間人を襲わないことを知っていただろう...。明らかにゴースト娘の事で乱したな...。まぁいい...。」

 

モリアは気配を察知する“見聞色の覇気”を使用し、教会の地下に一人の女の子が体操座りをしていることを感じた。

 

 

 

原作のモリアが覇気を習得していないのにカイドウと張り合ったという情報があった。だがその後のモリアは覇気の習得前のルフィに敗れた。また同じ七武海の“クロコダイル”も同じである。七武海にも成り得る強さを持つ者ならば覇気を習得していなかったとは考えられない...。二人の共通点は過去に自分より強者に敗れたという点だ。

 

覇気の真髄は『自分を疑わない』ということ。つまり裏を返せば“自分を疑ってしまう”と覇気は弱体ないし使用が不可能になるのだろう。原作のモリアは自分で『昔はおれも自力の過信と野心に満ちてた』とルフィに言っていた。そして頂上戦争後にクロコダイルは『傷はもう癒えてる。』と言っていた。つまり傷が精神的なモノで己が敗れた白ひげが死んだことにより癒えたのなら辻褄が合う。つまり...

 

 

“自分の強さを疑わなかったが、強者に敗れて自分が信じられなくなった”

 

 

という事だろう...。考察するに七武海就任後に二人は強者に敗れて覇気を使えなくなったのだろう。政府としても七武海に就任させた以上メンツがある。だから他の海賊達に敗れぬように偉大なる航路の前半の海で強者に敗れぬように指示を出していたのだろう。

 

 

 

そしてカイドウに挑んでいないモリアが覇気を使えるというのは自然な流れであった...

 

 

 

***

 

 

 

 

〜地下室〜

 

 

 

 

そこは薄暗く床は足を載せるたびにギシギシ鳴り響いた。ランプにより明るいものの不気味な空気を醸し出している。すると小さなクマのぬいぐるみを持っている可愛らしい少女が壁にもたれかかって座っている。

 

「お前が“ゴースト娘”だな...。」

 

モリアが尋ねると女の子は敵意をむき出しにした顔で睨みつけた。そして口を開いた。

 

「私はバケモノよ!呪われたくないなら出て行って!」

 

ゴースト娘は声をあげてモリアを威嚇した。だがモリアはニヤッと笑うと口を開いた。

 

「ほぅ...。呪ってみるがいい...。」

 

興味深そうな顔をしたモリアは己に呪いをかけるように挑発した。この娘が自分の探し求めていた人である可能性が高いが、決定的ではなかったため、“能力”が本物であるかを確かめたかったのだ。

 

「ふん!“ネガティヴホロウ”!」

 

娘は手から小さな白い光を発するとたらこ唇に黒く丸い目をしている可愛らしいオバケのようなモノをモリアへ飛ばした。

 

「“影縫(シャドウ・ストリング)”。」

 

モリアは影で産み出した黒い針を“ネガティヴホロウ”の影に突き刺すとホロウは動かなくなった。人は影と表裏一体である。人が動けば影も動く...。つまり影が動かなければ人も動かない...。そしてこの針は影を固定する力を持つ。この世で影ができない物質は存在しないため、モリアは万物の動きを止めることが可能なのだ。もちろん針を抜かれたり、全身を強力な武装色で覆えば解放されるという弱点もあるが...

 

「なんでうごかないのよっ!」

 

娘は声をあげた。今まで己の能力が自分の意思に反したことがないのに、己の指示無しに止まったからだ。モリアは動かなくなったオバケを見て嬉しそうに笑った。

 

 

(やっと会えた...将来の“ゴーストプリンセス”にして“ホロホロの実”の能力者...ペローナ。)

 

 

「それは俺がお前と同じ能力者(バケモノ)だからだよ。」

 

モリアが手から影を出してペローナに見せつけた。するとペローナはあり得ないというような顔をしてモリアの影に興味を抱いた。

 

「だが俺とお前はバケモノではない...。マズい果物を食ったろ?」

 

マズい果物とは悪魔の実である。ここは”偉大なる航路(グランドライン)“でない以上、悪魔の実の存在は知られてなく、また呪いであるという噂があったため、ペローナが悪魔の実の存在を知らないと考えたのだ。

 

「うん...変な白い果物を食べたらオバケが出せるようになった...。」

 

ペローナは自分と同じような特別な力を持つ人間に初めて出会い、モリアに純真無垢な好奇心を抱いていた。その様子を見抜いたモリアはゆっくりと口を開いた。

 

「本当はこんな所に居たくないのだろう?ペローナ...。俺と共に来い...。お前のいる狭き地下室(世界)から俺のいる(世界)を見せてやる...。」

 

まぁ...俺もそこまでは出歩かないがな...とモリアが付け加えるとペローナは元気よく返事をした。そしてそのままモリアと手を繋いだまま(ペローナの要望であってモリアがロリコンなわけではない)地下室を出た。そしてシスターに事情を説明すると厄介払いができたというような顔をして快くモリアが引き取ることを承諾した。

 

 

 




オバケに影があるのはご都合主義です!

すんません



この覇気の設定どっかの作品で見たことあんぞ...という方もおられるかもしれません。ですが多分その作品も私の書いたヤツです。探そうと思えば作者検索で簡単に探せますが、初投稿やら手抜きやら何やらでグダグダなので見て欲しくはないです...。

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