モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み)   作:ニルドアーニ四世

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海軍の策 1

 

 

 

 

 

 

「来るな!! ルフィッ!!!!」

 

突如処刑台の上でエースがルフィへ向けて大声をあげた。その言葉を聞いたルフィは彼の言葉を理解できないというような顔をした。

 

「わかってるはずだぞ!!!俺もお前も海賊なんだ!!思うままの海へ進んだはずだ!!!!俺には俺の冒険がある!!!俺には俺の仲間がいる!!!お前に立ち入れられる筋合いはねぇ!!!!

 

帰れよルフィ!!!!なぜ来たんだ!!!」

 

 

(頼むルフィ...お前にまで道連れにならねぇでくれ...これは俺の失態なんだ...)

 

 

エースは自分には自分の冒険があり、ルフィには関係ないと無慈悲に言い放った。だが彼は自分だけでなくルフィまでもが犠牲になる事を恐れていたのだ。彼の言葉に悟ったか悟らずかルフィは少し怒った様な顔をして大声をあげた。

 

「俺は弟だ!!!! 」

 

その言葉を聞いたマリンフォードの海兵達がどよめき始めるのをよそにルフィはエースのいる処刑台へ目掛けて全力疾走で向かっていた。

 

「...少なくともロジャーの子ではあるまい...。義兄弟が妥当か...。」

 

モリアが海賊を“影血閃”を身体の周囲に待機させまるでとても太い鞭の様な形にして振るい弾き飛ばしていた。

 

「何をしている!!!たかだかルーキー一人に戦況を左右されるな!!!エースと同じ未来の有害因子“革命家 ドラゴン”の実の息子だッ!!!!」

 

ルフィの特攻に海兵達が押され始めるとセンゴクが彼らを処刑台の上から鼓舞し、“世界最悪の犯罪者”と呼ばれる男の実の息子であるという事実を伝えた。ドラゴンとは世界政府を倒そうと目論む革命軍のリーダーであり、国民に圧政を強いる国が次々と革命軍の手により落とされているのだ。その場に居合わせた両勢力は驚きを隠せぬ様子だった。だがそれはモリアも同様であった。

 

「なんだと...⁉︎」

 

 

(“麦わら”を始末すれば革命軍を敵に回しかねんな...それは避けておきたい。少し語弊はあるが同士討ちなど実に滑稽だ...)

 

 

モリアは本来は世界政府などクズの巣窟という認識であり嫌っている。彼が七武海の座に今でもついているのはスリラーバーグの安全、また世界の均衡を守るため、そして政府の情報網を利用するためである。革命軍は世界政府と敵対しており、世界政府の犬とも呼ばれる七武海だがモリアは予め政府との協定で海賊以外の任務に従うかどうかはモリアが決めると約束してあるので直接は革命軍と争ったことはなかった。

 

「オオオッ!!!」

 

モリアがルフィに手を出す優先順位をかなりさげる決心をすると巨大な金棒を持った海軍中将がルフィへ向けて振り下ろそうとした。それに対してルフィは指を噛み空気を注ぎ込むと拳を巨大化させた。

 

「“ゴムゴムのォォ巨人の回転弾”ッ!!!!」

 

巨人の中将は金棒をルフィへ叩きつけるが、ルフィはそれ以上のパワーで押し返し殴りつけると気絶して倒れた。

 

「好きなだけ何とでも言えッ!!!俺は死んでも助けるぞォォォッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

〜数十分後〜

 

 

 

 

 

「元帥殿準備が整いました。」

 

「あいつら!エースに何する気だ?まだ時間じゃねぇぞ!」

 

センゴクへの謎の報告がエースの処刑だと勘付いた海賊達だったが、彼の言葉は予想外のものだった。

 

「直ちに映像でんでん虫の通信を切れ!! 我々に対して世間が不信感を持っては困る...

 

 

数時間後...世界に伝わる情報は我々の『勝利』この二文字でいいんだ。」

 

でんでん虫の映像を切ることを命じるとセンゴクは静かにつぶやいた。そして彼の策はゆっくりと稼働していく。

 

「湾頭を見ろ!! 何かいるぞ!!!」

 

“白ひげ海賊団”の背後に巨大な人影が現れると彼らは目を見開いた。皆の顔や容姿が同じ顔で七武海であったからだ。

 

「動いたな...本来は海賊を湾内に追い込んで“パシフィスタ”で進路を塞いで集中砲火という算段か...。」

 

モリアが海軍側の作戦を見抜くと同時に20を超える“バーソロミュー・くま”を鉞を担いだ金太郎の様な男が引き連れている。これは“パシフィスタ”と呼ばれる世界政府の人間兵器である。

 

「さァおめぇらッ!!!待ちくたびれたぜやっと出番だ!!!!」

 

 

 

開戦より約一時間半の死闘を経た頃『海軍』が大きく仕掛ける

 

“戦争”は急速に流れを変え

 

最終局面へと一気に雪崩れ込む

 

 

 


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