モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み)   作:ニルドアーニ四世

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稼働せし時代の歯車 *〜頂上戦争編〜*

 

 

 

 

 

数日後

 

 

 

〜海軍本部〜

 

 

 

 

モリアは政府に用意された豪華な一人部屋で新聞を読んでいると一面にシャボンディでの大事件が載っていた。ルフィが天竜人を殴り飛ばし人質にして立て籠もったという...するとモリアは笑い始め、新聞を畳んで机に置いた。モリアは世界の均衡の為に世界政府の命に従うが、天竜人は嫌いなのだ。むろんマリージョアをタイガーと共に襲撃したのはこれが理由である。

 

「クックックッ...ルフィが“ヒューマンショップ”で天竜人を殴り飛ばしたのか。つくづく自分に素直である意味傍若無人な男だ...。ヤツは俺の助言など憶えておらぬだろうな。まぁいい...天竜人もヒューマンショップもじきに潰す予定だったから俺としてはどうでもいいことだが...。」

 

 

(その後の“麦わらの一味”はシャボンディ諸島で天竜人の呼んだ海軍大将“黄猿”と衝突。そして一味は全員行方不明となった。手配書と情報が取消されてないことから生きていると推察される。まぁ...くまの能力なら可能だが、思いつく限りの動機がない...。そんな事よりも戦争覚悟で“白ひげ海賊団”の二番隊隊長の公開処刑を行うなど政府は危険な橋を渡るものだな。長年は“白ひげ海賊団”に対して慎重に接していた政府だとは思えん。)

 

 

 

***

 

 

 

 

同日

 

 

 

 

〜アマゾンリリー〜

 

 

 

 

 

 

「ふふふっ…そなたを気に入ったぞ。目的地を言え...船を貸そう。」

 

ルフィはモリアと同じ“王下七武海”の“海賊女帝”ボア・ハンコックへ向けて声をあげた。ルフィはシャボンディ諸島でくまの急襲により、仲間はバラバラとなったのだ。そして天竜人を殴り飛ばした事件を耳にし、ルフィに天竜人の奴隷だと語ったところ惚れたのだ。そしてインペルダウンに収監されたポートガス・D・エースが兄である事をハンコックに話し、インペルダウンまで自分を送ってくれる様に頼んだ結果彼女は了承した。

 

「じゃが...一つ言わねばならぬ事がある。ルフィ...。七武海に妾より遥かに強い男が一人おる。名を“ゲッコー・モリア”という...。」

 

「モリアっ⁉︎」

 

ハンコックの口からモリアというワードが出てきてルフィは声をあげた。ほんの数日前ルフィはモリアに海賊としての格を見せつけられ、更に黄猿、くま、戦桃丸に力の差を思い知らされたばかりだったのだ。

 

「世間ではタイガーの他に主犯がもう一人いたとされている。それがモリアじゃ。当時から七武海だった彼は立場を失うリスクを犯し奴隷達を救う為に尽力したのじゃ。」

 

「...。」

 

ハンコックら奴隷を解放したのがモリアであると知ったルフィは何も言えなかった。ルフィの知るモリアは海賊を地下へ幽閉し、自分の戦力とする男であるのにハンコックにとっては大恩人であったのだ。

 

「妾は戦争にてお主の手伝いをしたいが、フィッシャー・タイガーと同様にモリアには一生かけても返せぬ大恩がある。彼が第一に望むのは世界の安定じゃ。彼は平和のために海軍を滅ぼさぬように白ひげを殺し、兄上を処刑させるじゃろう。妾は彼の障害にはなれぬ。一番良いのはエースをいち早く救い、白ひげがその場から逃げることじゃ。じゃがモリアが白ひげを逃がさん。かつてはモリアは白ひげに僅差なれど敗れた。なれどそれ過去の話...。白ひげは老い、モリアはさらなる鍛錬を積んだ。おそらく今戦えばどうなるかは分からん...

 

つまり妾はバレぬようにお主のサポートをしつつ、七武海として白ひげ海賊団を足留めせねばならん。よいな?妾はお主とモリアの味方じゃ。そなたに過度な肩入れはできん。」

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

同日

 

 

 

 

〜インペルダウン Level6〜

 

 

 

 

「わしゃこの戦争を死んでも止めたかった。“白ひげの親父さん”とモリアさんが本気で争えば必ずどちらかが死ぬ!...わしはどちらにも容易く返せぬ恩義がある。あの二人の殺し合いを前にわしはどちらの味方もできん!」

 

“白ひげ”と戦うことを拒否した王下七武海の一人“海侠”のジンベエが世界最強の大監獄“インペルダウン”の最下層で嘆いていた。すると同室の“白ひげ海賊団二番隊隊長”ポートガス・D・エースが口を開いた。

 

「よせよジンベエ...。親父もモリアも分かっているはずだ。ここにいる以上“白ひげ海賊団(俺たち)”側だろ。それにタイガー(恩人)魚人島(故郷)じゃ後者を取ることも...。そして仁義に貫くお前が仁義に背くこともな...。」

 

「...。」

 

エースは嗜める様に言うとジンベエは何も言い返せなくなった。ジンベエはモリアには兄貴分のタイガーを救ってくれた大恩、そして大海賊時代に故郷の魚人島は大いに荒れたが白ひげの縄張りにした事により島は平和になったのだ。この二つの恩を天秤にかけるなら後者に決まっていた。

 

「おいおい...“白ひげ”とモリアがやり合うのかよ!どっちが死んでも面白ぇ!!!!」

 

「俺をこっから出せ!!!!二人の首を取ってやるよ!!!!」

 

同じLevel6内の囚人達がジンベエとエースの会話を盗み聞きすると声をあげ騒ぎ始めた。どうやらここの囚人達はモリアと白ひげに怨みがある様だった。

 

「おめぇらが親父の首を取るだと?」

 

「モリアさんは貴様らの様な輩には負けやせん。政府の命(生け捕り)によって見逃された奴らじゃ相手にならんぞ!」

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

同日

 

 

 

 

〜海軍本部〜

 

 

 

ポートガス・D・エースの公開処刑まで、あと6日...。“白ひげ”が監視船を全滅させたことにより“海軍本部”は一層緊張を増し、マリンフォードの港には各地で名を挙げる屈強な海兵達が続々と着港...“正義”の名を持つ全ての戦力が海軍本部に集結していた。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

〜聖地マリージョア〜

 

 

 

警護として居合わせた海兵達が固唾を呑む中既に招集された七武海の海賊達にも戦闘陣営が伝えられるがいずれも手に余る曲者揃い...ただ一つだけ理解できることは彼らが一丸となって戦う事はまず考えられない

 

 

 

 

 

 

 

 


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