モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み)   作:ニルドアーニ四世

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七武海の来襲 2

 

〜スリラーバーク〜

 

 

 

<海岸>

 

 

 

 

「“獣人化”...。」

 

アルフレッドがそう呟くと身体は黄金色の毛が生え、更に上半身の筋肉が発達し鋭い牙がギュッと三日月型に伸びた。可愛らしい草食動物のようなアルフレッドに獰猛な肉食獣が半分程混じったようだった。

 

「“古代種”か...。」

 

「正解。俺は“ネコネコの実 <モデル>サーベルタイガー”を食べた...

 

 

 

んじゃ始めようか...。」

 

アルフレッドが地面を後ろ脚で力強く蹴り、くまとの間合いを詰めようとした瞬間に身体を白いゴーストが身体をすり抜けた。

 

「水虫のおっさんに踏みつけられた最高級ヘチマになりたい...。」

 

アルフレッドは跪き途轍もなくネガティヴになった。これはペローナの出したゴーストによるもので防御不可避の精神攻撃である。

 

「...その姿は可愛くねぇ!!!!何度言わせりゃわかんだ!!!!」

 

ペローナはプンスカしてアルフレッドに獣人化をやめる様に叱った。彼女はアルフレッドの獣人化が余り好きではない様だった。

 

「しょうがないじゃん!だって案外この能力はパワーは強いけど顎の力と脚力は意外と弱いんだよ!だからミンクの跳躍力とスピードが必要なの!」

 

アルフレッドはペローナに反論をした。確かに生物学者の話によればサーベルタイガーは顎と脚力は弱かったが現在のライオンやトラなどより遥かに前脚が発達しており、強靭な筋力を誇った。一説によればサーベルタイガーは唯一古代で最強と呼ばれる一種のマンモスを食料とした肉食獣であるのだ。ただマンモスが気候変動の影響で絶滅した事により小型の動物を狙ったが脚力の弱さ故捕らえる事ができず餓死したという...

 

「ホロホロホロ...下がってな。そもそも私の能力じゃイチコロだ。」

 

 

 

 

***

 

 

 

数分後

 

 

 

モリアはペローナとアルフレッドの二人が侵入者を片付けるのに手間取っていると思い、侵入者のいる海岸へ歩いていた。見聞色の覇気で気配を探ると巨大な人間がペローナを手の平で叩くとペローナの気配が一瞬で消えた。モリアはその瞬間に海岸の影へ一瞬で移動をした。

 

「クソがァァァァァァァッッッッッ!!!!」

 

獣人化したアルフレッドはくまへ単調に突っ込んだ。くまは手の平で弾こうとしたがアルフレッドはニヤッと笑うと身体を元に戻し小さくなり躱した。そして爪を突き出して武装色の硬化をし、更にミンクの特性の電気を纏いくまを思いっきり斬り裂いた。くまの服だけでなく肉体が深く斬り裂かれ何やら機械がビリビリと故障を起こしていた。

 

「ッグ⁉︎...。強いな。」

 

「硬えな。サイボーグ(鉄屑)かよ。最低でもあと3発ブチ込んだら昇天させられるな。」

 

アルフレッドはじっくりとくまの身体を見聞色の覇気で観察した。すると全身が機械に覆われていることから急所を確実に狙える部位か見当たらない事から3発で倒せると予測した

 

「...流石に今の一撃をもろに受けたら死ぬな...。モリアには強力な部下がいる...。だが俺には勝てん...」

 

「ホザけッ‼︎ その手に触れられずに闘えばいいだけのことだろうが!!!!」

 

アルフレッドが素早く突っ込むとくまが消えアルフレッドの背後へくまが瞬間移動した。アルフレッドは素早く勘づき振り向くと同時に電撃を纏わせて斬り裂こうとすると手の平でくまは軽く弾き、そのまま素早く間合いを詰め体勢を崩したアルフレットを触れるとその場から消した。

 

アルフレッドの背後へくまが移動した時に海岸へついたモリアは確かにアルフレッドが一瞬で消されたのを見た。そしてペローナも居ない事からくまにやられたと判断した。

 

「“くま”ッッッッッ!!!! てめぇ...俺の部下に何をしやがった⁉︎」

 

覇気を剥き出しにしたモリアがかつてないほどブチ切れてもくまは全く動じなかった。今までスリラーバーグへくまが訪れた事はないため、モリアは彼が戦争を仕掛けに来たのかと推察した。

 

「戦闘の意志はない...。お前の部下達が早とちりをして俺に攻撃を仕掛けた。正当防衛といったところだ。」

 

「そうか...。それは申し訳ない事をした。」

 

くまはモリアへ戦争をするつもりはないと言い、状況を説明するとモリアは部下らの非礼を詫びた。非があれば素直に謝罪をできるのがモリアの人間としての器の大きさを表していた。

 

「俺がここへ来たの...『なに勝手に話を進めてる?』

 

くまが単調に語りだすとモリアが遮った。モリアは大分大人しくなったが、目を瞑っていてもわかる程にモリアが怒りを覚えていた。動じぬくまにモリアは口を開いた。

 

「幾ら俺の部下の過失で正当防衛だとしても...お前が俺の部下をやったという事実は変わらねぇだろ...。」

 

「...安心しろ。お前の部下達は無傷で無事だ。俺は“ニキュニキュの実”を食べた肉球人間。ありとあらゆるモノを弾く能力だ。」

 

モリアが部下に手を出した以上くまを許す気はないと言い放つとくまは戦闘をする気はないのか反論をした。

 

「つまり俺の部下を弾き飛ばしたという事か?どこにいる?」

 

「二人とも“シッケアール王国”へ飛ばした。あいつらの希望通りに飛ばしたから旅行をさせているとでも思えばいい。」

 

シッケアール王国が確かに“偉大なる航路”に存在する王国だという知識のあったモリアは少し思考を研ぎ澄ました。確かにシッケアール王国はジメジメしていて薄暗かったはず...、いかにもペローナが好きそうな場所である。そしてアルフレッドはペローナのいる場所がいいとでも言ったのだろう。

 

「...それならいい。お前が嘘をつく理由もメリットもねぇはずだ。とりあえず何の用だ?事前に連絡でも寄越すのが筋だろうが。」

 

モリアはくまが部下達を飛ばす理由がないと考え、話を聞いてから部下達を戻させようと思った。

 

「新たな七武海についてと強制召集の通達だ。一つ聞くが...“麦わらの一味”は来てるのか?」

 

くまは淡々とモリアへの伝言係としてこの島へ来たという事を伝えた。また“麦わらの一味”というワードを聞いたがモリアは顔色一つ変えなかった。

 

「政府は何か仕掛ける気か?まぁいい。“麦わらの一味”とは先日エニエスロビーを落としたルーキーだったな。ログからしてこの海域を通る可能性があったから警戒していたが、見つからなかった。おそらくもうこの海域は抜けてるはずだろう。」

 

モリアは“麦わらの一味”がスリラーバークには来ていないと言った。くまは普段のモーガニア、均衡を崩す危険のある海賊らを狩り続けているため疑うことなく信用した。

 

「そうか...。あと今すぐマリージョアへ向かうようにとの伝言だ。」

 

「了解したと伝えろ。その前に俺の部下へ伝言と無事を確認させて貰う。“影便(レター)”」

 

モリアは二匹のコウモリをシッケアール王国へ飛ばした。メッセージは“しばし休暇を与える。所用が片付いたら迎えに行く”というモノである。むろん二人を見つけなければ戻ってくる仕組みであるため、二人の生存を確かめる事にもなるのだ。そしてくまが自分を弾いて消えるとモリアは振り返るとスリラーバークへ帰って行った。

 

 

 




サーベルタイガーの件は諸説ありですが、この作品ではそういう設定でお願いします。


まさか昨日だけで平均評価8.8から6.6まで落ちるとは思ってなかったですね。スリラーバーグ編の駄作感が伺えます。戦争編で巻き返しますのでお付き合い下さい(必死)

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