モッ...モリアさんは最強なんやで(棒読み)   作:ニルドアーニ四世

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七武海の来襲 1

 

 

 

 

 

 

 

 

〜スリラーバーク海岸〜

 

 

 

 

 

「久しぶりの侵入者だと思って来てみたら...。七武海の“くま”じゃねぇか。戦争がしてぇなら今すぐにでもおっぱじめるかよ?」

 

ペローナがアルフレッドと共に侵入者の元へ急いで向かった。すると巨大で丸い身体、そして左手に聖書を持った男がいた。二人はすぐにこの男が誰かを理解した。モリアと同じ“七武海”の一人である“バーソロミュー・くま”だったのだ。ペローナはくまの狙いがわからぬ以上、挑発的な態度をとっていた。

 

「旅行をするならどこへ行きたい?」

 

くまは何気ない世間話のような質問を二人にぶつけるとアルフレッドはビクッとこめかみに筋を入れて口を開いた。

 

「あ?根暗拗らせて中身までシケってんのかよ。クソオタク野郎がッ!」

 

アルフレッドはくまの物静かな様子に悪態をついたが、隣にいるペローナはアルフレッドとは異なる態度をとっていた。

 

「でも...やっぱりバカンスなら。暗くて...湿ってて...怨念渦巻く古城のほとりで呪いの唄でも歌って過ごしたい。」

 

ペローナは頬を片手で押さえながらゴースト・プリンセスの名に相応しい旅行先を答えた。するとアルフレッドはペローナの様子を見て口を開いた。

 

「んじゃ俺はモリア様のいる所かペローナ様のいるところ。」

 

「ハッ!ペースに乗せられた‼︎」

 

アルフレッドがペローナに習って素直に答えた。するとペローナは自分の置かれている状況を思い出した。ペローナがくまの前に行こうとするとアルフレッドがモフモフの腕でペローナの進路を塞いだ。

 

「下がってて...俺が先にやるよ。その代わり...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

倒したらニンジンと撫で撫でを所望する!」

 

アルフレッドが真顔でくまを倒したご褒美をペローナに求めた。その様子に満足したのかペローナはご機嫌な顔で返事をした。

 

「ホロホロホロ...構わねぇ。単純な戦闘スキルじゃお前の方が上だ。」

 

「OK...。んじゃ初めから飛ばしますか...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“獣人化”...。」

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

〜スリラーバーク〜

 

 

 

 

侵入者がくまであると知らぬモリア達は未だに部屋の中にいた。モリアは“麦わらの一味”に質疑応答を終えると巨大な骨つき肉を大量に乗せた皿を床に置き、むすっとして肉にかぶりついていた。

 

「クックック...拗ねているのか?俺の恩情と仲間の力に救われた命が腑に落ちぬか?」

 

モリアはルフィを揶揄うように尋ねるがルフィは返事をしなかった。するとナミ、ウソップ、チョッパーがルフィの元へ急いで移動をしてナミがルフィの頭を押さえつけた。

 

「ほらルフィ!謝んなさい!」

 

「そうだルフィ!モリアの旦那に礼を言え!」

 

「ルフィ〜...。俺はまだ死にたくねぇぞ〜!」

 

三人は約束を守ると言ったモリアの発言を鵜呑みにせずに怯えているのかモリアの機嫌を損ねぬ様にしたいようだった。

 

「うるせぇ!俺は謝らねぇし!認めねぇし!許さねぇ!納得もできねぇ!」

 

ルフィが軽く力を入れて三人の拘束から逃れると声をあげた。やはりルフィはモリアのやり方が納得できぬ様だった。

 

「ならばなぜ食事にありついている?それになぜ敵視する男を倒しにかからん?」

 

するとモリアは静かにルフィへ問いかけた。するとルフィは突然静かになると口を開いた

 

「よくわかんねぇけど...。お前が間違ってないってのはわかる。それに今の俺がオメェに勝てねぇってのも...。」

 

「ほぅ...潔いな。」

 

ルフィは戦闘前のモリアの言葉がずっと引っかかっていた様だ。ルフィは今まで自分の自由や仲間へ手を出した者達を倒してきた。今この状況にあるのは自分がその者達に勝利したからであり、敗れていればこんな仲間だけでなく自分の命をも失っていただろう。その事を時間と共に思い出し、単純な頭なりにじっくりと考えたのだろう。

 

「だけど認めねぇ‼︎ 俺はいつか強くなってお前をぶっ飛ばす!!!!」

 

「「「ルフィ!!!!」」」

 

ルフィがモリアのやり方を認めぬと盛大に宣言すると再び胡麻擦りトリオは再びルフィを抑え込もうとした。絶対に自分の信念は曲げず嘘をつけないルフィを抑え込めないのはわかっているが何もせずにはいられない様だ。

 

「すみません旦那ッ‼︎このバカはッ!!!!」

 

ウソップはルフィの上に乗りかかりながらモリアへ向けて必死に機嫌を損ねぬ様に全力を尽くしていた。だが三人の心情とは裏腹にモリアは突然笑い始めた。

 

「クックック...放してやれ。」

 

「「「へ?」」」

 

ご機嫌そうなモリアが三人にルフィを解放してやる様に言った。その様子は先ほど今まであった者の中で最強の敵だったモリアからは想像もつかぬ様子だった。

 

「それでいい...。俺達は海賊なんだ。いつでも自由に生きればいい。ただその自由を守るには力がなくちゃいけねぇ...。こんな簡単な事は自由じゃ無くならねぇとわからねぇモンなんだ。」

 

モリアが海賊の先輩として麦わらの一味に海賊としての在り方を説いた。この言葉によりモリアを警戒し、離れていたルフィとトリオ以外は少しモリアの生き方を認めた。

 

「今日は負けたけど...俺はいつかお前より強くなって海賊王になる!!!!」

 

ルフィが真剣な表情で自分では足元にも及ばぬ事を見せつけられたモリアに向けていつか自分が勝つと宣戦布告をした。するとモリアは笑みを浮かべると口を開いた。

 

「クックック...再戦の日を楽しみにしているぞ。俺は“侵入者(客人)”を迎えに行かねばならん。俺が戻るまでこの城からは決して出るでないぞ。」

 

 


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