ついに純が恋愛に動き出す?第16話スタートです。
宵っ張りな質なのでなかなか寝付けない。
情けなく椎名の隣で泣いてしまった夜。俺はベットに寝転がりその事を思い出す。
・・・・・・。
「あぁー!恥ずかしいー!」
ついこの前知り合ったやつに泣いてるところ見られるのめっちゃ恥ずかしい!
ベットの上でゴロゴロ転がったところで顔の暑さは取れず。
「・・・散歩でもするか」
ちょっと表で深呼吸更新してこよう。
行きつけの公園じゃ近い気がしたから少し遠めの公園を選ぶ。坂の上にあってまぁまぁ体力も消費していいのではないだろうか。
夏も近づいてるはずなのにまだ夜は肌寒く(昼間は少し暑く感じるくせにどういうことだ)、パーカーを来ている(紘汰さんから貰ったパーカーとは別のグレーのパーカーである)。
歩きながら考える。自分が何故あれを見て泣いてしまったのか。
・・・てか思い出すだけで泣きそうになる。
何故だ。何故そこまでの感情を生み出す?
思わず涙が落ちそうになり空を見る。空を見ながら考える。
・・・ん?
そこで違和感に気付く。
4月のとある日が、2日間が思い出せないのだ。
俺はその日のことを思い出しくて携帯を見る。特に何も・・・。と、思ったが写真ファイルにその2日間の後ろの方の日に写真が1枚。
そこには俺、泊さん、詩島霧子さん、霧子さんの弟の詩島剛さん、あとは確か、桜井侑斗さんだったはず。
さらに違和感。桜井さんはこの日にしか会ってないはず。なのに何故覚えてる?
この一人分スペースが空いてるのも気になる。
ダメだ。頭がこんがらがる。
そうこう考えているうちに目的の公園に着く。
座ればすこし纏まるだろうか。
公園に入ろうとすると話し声が聞こえる。
「・・・僕、高崎さんのことが」
まさかの告白タイムかよッ!なんで今日に限ってんなこと起きてんだ学校でやれ!
思わず入口の草むらに隠れてしまいその告白の行方を見るハメになってしまった。
しかし、俺も一介の高校生。色恋沙汰はやはり好みらしい。俺はその2人に集中する。
「好きです!付き合ってください!」
おお!あんま目立ってなさそうな男子男気あるなー!・・・まぁ、俺もあんまり目立ってないと思うけど。
んで?答えは?答えは!?
告白された女子、確か高崎さんと呼ばれていたはずだが、そっちの方を見る。
泣いてた。
Oh・・・
いたたまれなくなってきた。帰ろうか。いつもの公園に戻そうか。
「根島君」
高崎さんとやらが口を開いた。泣いているということは否定か━━━!?
「私も前から好きでした」
・・・ほう?ほうほうほう・・・。
成功やんけー!前からってことは結構長いこと好かれてたんじゃないか根島君とやらー!
俺も嬉し涙(ARだと思われる)を流す。良かったな、根島君・・・。両思いの嬉し涙だったらしいぜ・・・。
そこから2人はどこから好意を持ち始めたのか話し始めた。2人とも小学生には好きだったようだ。
へー、いいなぁ。俺告白とかされたことないし。というか自分が人に向ける好意すら気付かないのに人の好意に気付けるかよ。
今度は悔し涙を流しそうになり歯を食いしばる。と、高崎さんがベンチに座る根島君に跨った。
なん━━!?
あまりのことに口がパクパクする。何。ここ公園。エッチなのダメ。
俺は注意しようと立ち上がると
「キス、しよう」
着席。キスならいいだろう。外国では挨拶だし。愛し合うキスは誰にも止められない。ただしそれ以上はアウト。警察に突き出します。どんなに愛し合ってもな!別にひねくれてるからじゃないぞ!本当だぞ!
さすがにキスしてるところを見るのは失礼だと思い、目を逸らす。
2人の会話が始まるまで2日間のことを思い出そう。
えーと、そうだな。どこから思い出せばいいんだ。
手掛かりはこの写真のみ。日記はつけるタイプじゃないからない。
情報が少なすぎる。確かに女性の喜ばせ方を俺は知らない。
うーん。みやびとデートをするとして勉強しないのは・・・ん?待てや。
頭の中ピンク色に染まってるじゃねぇか・・・!
ああもうやめろ俺!キスシーンなんて考えてない!別にみやびと手を繋いで笑ってるところなんて考えてねぇ!
最低か!今は級友というか友人だろうが!友人にやましい気持ちを持つな捨てろ!
なんとか頭を振りピンク色の思考を吹き飛ばしていく。なんとか理性が勝利してくれたらしい。
「あっ。そろそろ帰らなきゃ・・・」
ん?ああ、キスシーン終わった?つーか帰るって・・・。時間・・・。
時刻は12時。あ、ならしゃーないか。
待てよ?帰る、だって?
つまりこっち来るんじゃ・・・!?
立ち上がって高崎さんがこっちに向かってくる。
「さ、さよなら高崎さん。また明日」
「うん、また明日ね、根島君」
あぁ、どうする逃げるか逃げれるか馬鹿野郎!
いや待て逆方向に行けばばれん!来るな!こっちに来るなァ!
が、悲しくも高崎さんはこっちに来て・・・。
視線がぶつかる。Oh・・・
「「・・・・・・」」
顔が赤くなっていく高崎さん。
・・・マジですみませんでした。
結局俺は寝ずに学校に来ていた。
放課後今すぐ家に帰って寝たい衝動を抑え、現代電子遊戯部の部室へ向かう。
このあとはラビットハウスに向かう予定にはなっているけど今日はバイトじゃない(さすがに毎日バイトというのは酷だと思ったのか日数を減らしてもらった。まぁ、現にこう部活とかで遅れてたのもあってチノが変えてくれたらしい)。
昨日出会ってしまった高崎さんにどこか話し合いができるところかないか聞かれ、咄嗟にラビットハウスって言ってしまったことが仇となり、俺と高崎さんはそこでお茶会(俺の処理ともいう)になってしまった。
とりあえず俺が死なないことを祈ろう。
俺は少しフラフラしながらも部室に辿り着き、いつもの席に座る。今のところ来てるのは俺だけらしい。
鞄からマッ缶、Monster、ドクターペッパーを取り出しまずMonsterを飲み干す。次にマッ缶のプルタブを開きLAにログイン。
暇だから自室でシャゲダンをさせながらマッ缶も飲み干す。
ここで扉が開き御聖院が入ってくる。
「こんにちは、だな、姫矢君。今日は早いではないか
「おう。御聖院。寝不足でな。少しでもなにか動かしてないと俺が死ぬ」
「授業中に寝ればよかっただろうに」
「席替えの近くの席のやつらのせいでできなかった」
何故今日に限って席替えなんてしたのか。おかげで学級委員の1人である俺は見事に担任、千尋先生に酷使され席替えを行ったのだ。狩生の手伝いがなければ俺は過労死していただろう。
席は前がカレン、右が狩生、左がみやび。一応一番後ろの席ではあるがなんだこの布陣。神様が俺を確実に殺しにきてる。
「災難だったな。別に帰ってもいいんだぞ?斎藤教諭が出した条件は部活に必ず参加することではないからな」
「わーってるよ。それができないから部室にいるんだよ」
斎藤先生が出した条件は『現代電子遊戯部の部員は可能な限り登校すること』だった。
曰く「引きこもりのゲーマーになってしまったら、ね」とのこと。よくわからんが確かに引きこもりゲーマーになっていいことはないだろう。
時刻はまだ3時半。約束の時間は5時。まだ1時間以上あるよ・・・。
と、英騎、玉置、瀬川が入って来る。
「うーす」
「こんにちは」
「疲れた・・・」
「よう。遅かったな」
「おい、純。よくも逃げてくれたな?」
「はてさて。何のことか俺にはサッパーリ」
コイツらが微妙に遅れて来た理由を俺は知っている。玉置が俺らのクラスに来てまた英騎と瀬川をなんたらこうたら。ごめんなさい。俺もよく知りません。
「しかし玉置。今のところ毎日来てんな」
「1日でも休んだら顧問辞めるって言われましたし。それに・・・」
「ん?」
「私、この部活大好きですから!」
思わず苦い顔になってしまう。笑顔でそんなこと言われても困るだけだ。
「とりあえず部活始めんぞ。ささっと席につけ」
「今の私の渾身の台詞は無視ですか!」
「無視してないだろ。苦い顔でちゃんと返した」
「それ一方的な狙撃に等しいです!」
「知るか。つーか早くしろ。今日も予定入ってて4時半ぐらいまでしかいられねぇんだよ」
「見事なまでのスルースキルだな・・・」
「英騎も修得しといて損は無いと思うぜ。このめんどくさい嫁に対して発動できる」
「あー、欲しいかも」
「失礼な!私はめんどくさくありません!」
「いやその時点でめんどくさいでしょアンタは・・・」
まったく。瀬川の言う通りである。
「そういや今日はメンテ後一発目だったな。さてとレベル上げレベル上げ」
「あっそうか。レベル上限上がったんだっけ?」
「そうそう。やっとモンスターを狩る意味ができたぜ」
俺は舌なめずりをする。さて、モンスターちゃん達。俺の経験値となれ!
「ところでルシアン」
「ん?どうしたアコ」
「今日珍しく両親が両方ともいるんですよ」
「ふーん。そりゃあよかったな」
「なのでルシアン、私の家に来てください!」
「なんでだよ!絶対に行かねぇからな!」
「私と母で料理を作るのでルシアンは父と話していてください!」
「嫌だよ!なんでいきなりお前の親父さんと話さなきゃいけねぇんだよ!つーかお前料理出来んの!?」
「母はルシアンの話をするととても嬉しそうでしたよ?」
「娘さんを俺にくれなくていいです!」
あぁ、英騎は楽しそうだなぁ。そんなに楽しそうだと俺も楽しくなってくるじゃないか。
「ゲーム内の関係とはいえ夫婦でリアルでの友人なんだ。挨拶ぐらい行ってもいいんじゃないか?」
「ふざけんな!だったら代わりに純が行けよ!」
「俺が行っても意味ねぇから。お前だからこそ意味があるんだ」
「選ばれし者というやつだな」
「嫌だー!こんな選ばれし者嫌だー!」
「ヤバい。ルシアンの不幸でメシウマ」
「まぁ人の不幸は蜜の味言うしな」
「さぁ、ルシアン!両親に挨拶を!」
「断固拒否する!」
「息子さんを私にください!」
「俺ん家来る気かお前!?」
俺はこのやり取りを見ながらドクペを飲む。人の不幸は蜜の味。今日は甘さ強めだな、ドクペよ。
んで、5時少し前。俺はラビットハウスの前に立っていた。5分前行動は基本だ。
深呼吸し、ドアを開く。
「いらっしゃいませ。・・・なんで純さんがいるんですか」
「今日バイトだったか?」
「いや、待ち合わせ。咄嗟に出たカフェがここで」
「絶対他にもあったろ・・・」
「あった。あったよ。駅前にあるとことか。でもあの時はここしか浮かばなかったんだよ・・・」
肩を落とす俺。テンパるとダメなのは昔から変わらないみたいだ。
「とりあえず席に案内します。2人でいいんですよね?」
「ああ。コーヒーはいつもので頼む」
「わかりました」
席に案内されチノはカウンターに入る。
この時間だというのに珍しく店内は俺達しかいなかった。
「今日は客少ないな」
「そうだな」
リゼがお冷を持ってきて答える。
「この時間だから少なくとも3人はいた記憶なんだが」
「最近この近くに新しい店が建ったらしいぞ」
「へー。ライバル店出現か」
「ハーブティー専門店だそうだ」
「はぁー。そりゃ女子が好きそうだな」
「そういう純はどっちが好きなんだ?」
「俺か?どっちかといえばコーヒーかなぁ」
「理由は?」
「特にねぇよ。あえて言うならたぶん味じゃねぇかな」
別に紅茶が嫌いって訳じゃねぇけどな、と付け足しお冷を喉に流す。
コップをテーブルに置くと同時に扉が開いた。
「いらっ・・・」
あぶねえ。思わずいらっしゃいませって言いそうになったぞ。慣れって怖いなオイ。
「いらっしゃいませ。何名様ですか?」
俺はあのリゼの笑顔を詐欺だと思ってる。営業スマイル。それで勘違いさせるのだ。やはり女子って怖い。
「いえ、待ち合わせです」
って高崎さんじゃないか。
「高崎さん、こっちです」
手招きをして高崎さんを呼ぶ。
高崎さんは昨日の私服とは違い俺の高校と違う制服を着ていた。確かあの制服はそれなりの進学校だったはずだ。
(¬_¬ )ジー
「・・・なんだよ。なんでそんな怪訝な目で俺を見る」
「別に。女誑しが趣味なのかな、と」
「違います。そんな趣味はございません。つーか誰が女誑しだ」
無視して水をコップに注ぎ出すリゼ。このアマァ・・・。
「知り合い、なんですか?」
「え?ああ、ここ俺のバイト先なんです。ここなら別に秘密の話しても大丈夫だと」
たぶん。
リゼがコップを置く。
「そうですか。ええと、じゃあ私はスペシャルブレンドで」
「かしこまりました」
注文を受けカウンターに消えるリゼ。
無言。俺は耐えきれなくなりお冷に手を伸ばす。さっき結構飲んでしまって一口で終わってしまったが。
えーと。
「姫矢純、陣代高校1年です」
「高崎美咲です。北箕面崎高等学校の1年」
「同い年だったんですね」
「はい。あと、その・・・」
「?なんですか」
「睨むのをやめていただければ、と・・・」
カウンターのリゼが少し噴いた。
俺はカウンターを睨みつけ、高崎さんに視線を戻す。
「睨んでないです。ただ目つきが悪いだけですので悪しからず」
「はぁ・・・」
ここで会話が途切れる。自己紹介ってカード切るの早かったか・・・?
この間に再び耐えれなくなるが残念ながら俺のコップは空。ええい、コーヒーはまだか。
数分後、両者にコーヒーが置かれる。いつもならこのコーヒーにミルクと砂糖を大量にぶち込んでMAXコーヒー風にするところだがさっき飲んだのでブラックのまま口に運ぶ。
高崎さんもミルクと砂糖を混ぜコーヒーに口をつける。
「あっ、おいしい」
「ありがとうございます。といっても俺が作った訳じゃないですけどね」
ここで俺がどんな感じのことをここでしてるのか聞かれた。答えるうちに少しづつ打ち解けて行く感じになっていく。
「高崎さんはバイトとかしてるんですか?」
「いえ、してないです。したいなぁ、って思ってるんですけど」
「働き始めて思ったんですけどお小遣いだけじゃ足りないのを実感しましたよ。やっぱり働かないといけないなぁって」
何を言ってるんだとリゼが睨んでくるがスルー。今相手をしているのは高崎さんだ。
「そうですね。ところで」
「?なんですか?」
「昨日なんであんな所にいたんですか?」
早速核心ついてきた・・・ッ!
いやしかしやましいことは何一つなかったはずだ。1から説明すれば誤解もクソもなくなるはず。
「えーと、実はですね・・・」
俺は昨日の夜の出来事を何一つ隠さず話す。
「・・・そこで高崎さんが来てしまってバレた訳です。なにか質問は」
「どこらへんから聞いてたんですか?」
「えっと、根島君?が告白するところからです」
「結構恥ずかしいところじゃないですか・・・」
顔を赤らめて俯いてしまう髙﨑さん。
「えっと、だからその覗いてしまったことは謝罪します。今日は奢りますし、高崎さんが好きなものを注文してもらって構いません」
もちろんこんなことで許してもらおうなんて思ってない。できることならなんでもするつもりだ。
「じゃあケーキセットいいかな?」
「大丈夫です」
そのくらいなら安いものだ。
ケーキセットを注文し、談笑が再開される。
話は気付けば恋愛事に・・・。
「へー、高崎さんが根島君に惚れた理由結構可愛いですね」
「そ、そうかな。姫矢君は好きな人いないの?」
「いますよ」
そう言った途端カウンターで頭をぶつけたような音が。
「だ、大丈夫か?」
「大丈夫ですなんでもありません」
そうとは思えないんだが・・・。まぁ、本人が大丈夫だと言ってるんだし大丈夫か。
「途中でやめてすみません。話を続けましょうか」
「タメ口でいいよ?私だけそうなのも変だし・・・」
「そうですか?」
そうだろうか。そうかもしれん。
「でも高崎さんが歳上に感じてなかなか直せないんですよね・・・」
「だったら慣れたらでいいんじゃないかな」
「ありがとうございます」
優しいなぁ、高崎さん。こんなに優しいのみやびぐらいしかいないぞ?そう考えると俺の周りひでぇな・・・。
「えっ?姫矢君なんで泣きそうになってるの?」
「優しい女の子が珍しくて・・・」
「???」
どういうことと俺を見る。俺は説明を開始した。俺の周りの人間関係を。
「・・・っていうことなんですよ」
「・・・ねぇ、姫矢君」
「?なんですか」
「姫矢君はその人達がどんな感情を自分に持ってると思う?」
「綾達のですか?綾は親友なんで最近俺に友人ができていくのに嫉妬しているのではないかと。忍と陽子はその状況を楽しんでるような・・・。カレンは懐いてきた犬的な感じで、幼馴染の箒は・・・あれはなんだ?」
箒に関しては本当によくわからん。綾と敵対してたと思ってたら仲良く俺を責め立てたり・・・。
「じゃあ新しく友達になったみやびちゃんと椎名さんは?」
「みやびが俺に向けてる感情っすか・・・。たぶんいい友人と思ってくれてるんじゃないですか?椎名は友達じゃなく飼い主とペットに近いんでたぶんなんでもしてくれる人としか思われてないんじゃないですかね」
「店員さん2人は?」
「リゼ?おーいリゼ」
「ん?どうした?」
「お前俺のことどう思ってる?」
「・・・戦友」
と顔を逸らしながら言った。少し頬が赤い気がするんだけど。あれか、人にどう思ってるか聞かれたらそれは恥ずかしいか。
「だそうですよ?」
「もう1人の方は?」
「チノは・・・どうなんでしょうね」
「いいお兄ちゃんだと思ってます」
「撫でていいか?」
「なんでですか・・・」
いやもう俺の妹よりいい子だし・・・。俺の妹になってくれないかな・・・。
「絶対になりませんよ」
俺そんな顔に出ます?皆ズバズバ俺の考え読んで答えるけど。
「うん、私姫矢君のこと分かった」
「え、今のでわかったんですか?」
「姫矢君、自分の恋愛事についてどう思う?」
「モテないやつ。モテたことがないやつ」
「姫矢君が鈍感なのはこれではっきりしたね」
「それはまぁ、自覚してますけど」
「1回姫矢君は女心を知った方がいいと思うよ?」
「そこまでなんすか・・・」
「自分に対する好意に気づけるようにしないとね」
「できる気がしません」
「なんで?」
「俺がモテるとは思えないので」
そう言うと高崎さんは悩み始めた。俺何か変なこと言った?
「姫矢君が鈍感の理由も分かっちゃった」
「直せるんですか?」
「姫矢君が自分に自信を持てばいいんだよ」
「自信、ですか?」
「そうしないと姫矢君」
そこで1回区切って、高崎さんは俺に告げた。
「後で苦しむことになるよ」
俺はベッドの上で考えていた。
高崎さんが言ったことが全て正しいとは思わない。でも何か俺に信憑性を持たせていた。
高崎さんはその後こう続けた。
『あと姫矢君が周りの好意に気付かないとその人自身も傷つけることにもなるよ』
でも俺はモテたことがない。彼女ができるビジョンもない。
でも。それでもやっぱり俺は、みやびが好きで。
みやびを彼女にするための努力ぐらいしていいのではないか?
俺は決意した。
立ち上がりケータイを持つ・・・ところでメッセージが入った。
「ん?高崎さん?」
『男の子にどんなアプローチすればいいの・・・?』
なんと。今俺が送ろうとした内容がそのまま来た。
だから俺はこう返事した。
『教えます。けど一つ条件が』
『何かな?』
『俺に女の子へのアプローチを教えてください!』
こうして俺は高崎さんと同盟を組んだ訳だが大学生になるまで、この同盟が微妙だったことに俺達は気付かなかった。
今回新キャラによりまたごっちゃごっちゃに・・・。この同盟のせいでどうなるのかも見て欲しいです。
サブタイトルは今回の話に似たようなものがあるゲーマーズ!から。
では次の回でまた会いましょう。
チャオー。