とある学生の難儀(?)な日常   作:九牙タイト

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ふっ…。たった数時間で書き上げてしまったぜ…。
という訳で番外編である休み時間です。最近のより短いので気楽に読んでください。
あと前回? あたりから題名の統一性をなくしました。その代わり別種のネタとして使っていくので楽しんでいただけるとありがたいです。
今回は男子高校生の日常から。前回は仮面ライダーWのサブタイトルを使用しています。
それでは休み時間その2です!


休み時間 男子高校生と平凡な休日

これは姫矢家のいつもの休日の話…。

 

朝6時半ごろ。時計は鳴っていないがいつも彼は目覚めてしまうのである。

「あぁー…。もう朝かよ…。SAOを5時までやってたからか…」

明らかに眠そうだが体は完全に起きている。習慣とは怖いものである。

「…朝飯作るか」

一階に下りキッチンに入る。思った通り彼が一番だったようだ。

冷蔵庫を見ながら純は考えた。

「どうしようか…。シンプルでいいかなぁ」

言いながらも卵とベーコンを冷蔵庫から取り出す。

メニューは目玉焼きとベーコンで決まりのようだ。

フライパンを暖めながらトースターに食パンを4枚ぶちこむ。

彼の休日は、こうして始まる。

 

時計が鳴り響く。7時になった証だ。

「ん~。っと」

二階の一室の住人、穂高みやびは体を起こした。

彼女も時計が鳴ってしまえば起きれるのでなかなか健康といえよう。…あっちは夜更かししているため完全に健康とはいかないが。

下着と服を持って廊下に出ると下から物を焼く音が聞こえた。

(毎晩遅いのになんで一番早いの…?)

これはいつも思うことだった。自分が当番じゃなくても起きる彼は一体なんなのだろうか。

一階の洗面所に入りパジャマを脱いでいく。学校があろうとなかろうと朝には必ずシャワーを浴びる。それが彼女の日課の1つだった。

シャワーからお湯が出る。

こうして、彼女の休日も始まる。

 

「…こんなもんか」

一通りの準備をし終わり服も着替えた純は先輩たちを起こすため階段を上がった。

と、そこで人影にぶつかる。

「あ、仁さん。おはようございます」

「純か。おはよう」

「朝飯できてるんで冷めないうちに食べてください」

「わかってるよ」

と、先輩の1人である仁が階段を下りていく。となると先輩はあと1人。

コンコン。

「上井草せんぱーい。起きてください。朝飯できてますよ」

「あと三時間…」

「朝飯できてるって聞こえなかったのか!? 冷めちまうわ!」

「こーはい君が暖めて…」

「意味のわからないことを言うなっ。 いいからさっさと起きろっ」

美咲の掛け布団をひっぺがす。

「暑い…」

「暑いなら掛けるな! バカ言ってないでさっきと朝飯食べてください」

「…メニューは?」

「…食パンに目玉焼き、ベーコン、サラダ姫矢家特製ドレッシングにコーンポタージュ。あと人それぞれですがヤクルトかヨーグルト」

「今すぐ行く」

「グハァッ!?」

純をタックルで吹き飛ばし駆け下りる美咲。腹を押さえながら純は立ち上がった。

「本当に宇宙人だなあの人…。いてて…」

みやびの部屋のドアは少し開いているのは確認したので起きてシャワーを浴びているのだろう。

一階に下り洗面所のドアを開く。

「穂高ー。朝飯できたから早めに…」

素っ裸ーニバル。

みやびはタオル1枚で幸い中の不幸…ではなく不幸中の幸いで全てを隠していた。

急いで背を向け走ろうとする純。

しかし間に合わず

「姫矢君のエッチィィィィィ!」

やはり薬用石鹸μ'sが純の後頭部を襲うのだった。

 

朝食を終えた姫矢家に何か異変があるのかと言われればない。ゲームをしたりケータイをいじったり、本を読んだり。人それぞれである。

純とみやびはというと。

「ほれ、お前らの朝飯だぞー」

猫たちに朝食を与え、戯れていた。

大盛りの皿2つに向かうのは赤い首輪の白猫あかぎと白い首輪の黒猫ながとだ。

しかし2匹とも太ったりしていない。なんというエネルギー効率。世界も注目すること間違いなしのレベルだった。…家計的には圧迫すれすれではあるが。

小盛りの皿にはグレーの猫ずいほうと茶色の猫はるなが向かう。

この省エネルギーも人間は見習うべきである。さらにこっちの方が家計に優しい。ついでに猫的にも純に優しい。

その中間の量の皿にいるのが白猫で首輪の金具が金色のこんごう。そして青い首輪の白猫、あかぎと姉妹のかがさんだ。

何故かがさんだけさん付けなのか。

かがさんが純にだけ厳しいからである。そのため純がかがさん呼び続けていたためそれが愛称となったのだった。

見てみよ。純があかぎと遊んでいると猫パンチが純の顎を捉えた。倒れ行く純。完全K.O.である。

しかし純曰く「これでも優しい方」らしい。

どれだけ怖い猫なのだろうか。

みやびのお気に入りははるなだ。何か気が合うらしい。そのためか家に来てから一番仲がいい。

とみやびを睨む猫一匹。こんごうだ。純の頭の上で家に来てからずーっと睨んでいる。その目はこう言っていた。

「提督は私のネー!」(あくまでもイメージです)

苦笑いするみやび。意味がわかってない純。これもいつもの光景であった。

 

昼食を取り終えるととある人物が覚醒する。

「エネルギーチャージ! 遊ぶよ、こーはい君!」

「いや、俺勉強するんで…」

逃げようとする純。しかし美咲は逃さない。純の肩をガッシリ掴み獰猛な笑みを浮かべる。

「今日は、勝つ…!」

(もうやだこの人…)

「待て」

ここで救いの声が。

「仁さん!」

「純。お前を今助けてやる!」

(やっぱり仁さんは一流だなぁ)

美咲に対して即座に対応する仁に感動する。

が、何かを握らされた。

「え…?」

「はいスイッチオン」

純の指でスイッチが押される。

それはゲーム機のスイッチ。テレビに接続されたゲーム機が唸りを上げる。

「頑張れよ、こーはいくん」

「三鷹仁貴様ァァァァァッ!」

 

「「……」」

「それでは結果を発表します」

「「……」」

「20戦中20勝で、純の勝ち!」

「っしゃぁぁぁぁ!」

「くっそぉぉぉぉぉ!」

「また美咲の全敗か…。練習してるのか?」

「してない…」

「なら負けるわ…」

仁がため息をつく。

純は勝利を噛み締めていた。

時計を見ると6時を過ぎていた。

「まだ外明るいから時間気づかなかった…」

「本当だね…」

「じゃあ、穂高。一緒に晩飯の食材を買いに行こうか」

「うん!」

 

「ほう…。今日は豚肉が安いな…。いや、牛肉もいい値段してるじゃないか」

スーパーに着くと純は完全に専業主夫の顔になっていた。全国の専業主夫に見習って欲しいものである。

「ねぇ、姫矢君。今日は鶏肉にしない…?」

「別にそこまで値段行ってないからいいけど…。なんで?」

「だ、ダイエット…」

「ダイエット?」

純は思う。毎回事故とは言えみやびの体を見てるから思うのだがそこまで太ってはいない。むしろちょうどいいといえるレベルである(個人の感想です)。確かに胸は大きいが…(個人の感想です)。

「だって今度身体測定があるし…」

「ああ、そういや、そうだったな」

今年はいろいろあり身体、体力測定が5月にずれ込んでいた。担任の交代とかも影響してるらしい。

「でもなぁ。穂高はそのままでも可愛いと思う訳だが…」

「ひ、姫矢君!?」

「えっ、あっ、いや、なんでもない!」

顔を背ける。こんな真っ赤になってる顔を見せられないから。そして、みやびの顔を見れないからだった。

「…姫矢君」

みやびが純のシャツの袖を掴む。

「!?」

「その…。うれしい…」

「そ、そうか…」

これ以降、2人の会話は途切れた。

 

家に帰ると仁がテレビを見ていた。

「何を見てるんです?」

「ニュースだよ」

内容はソ連での戦いの話だ。21世紀に入っても冷戦は終わらず最終的には人型兵器アームスレイブ、通称ASを引っ張り出すほど激化していた。

「ASね…。まるでアニメの話ですよ。人型兵器が戦うなんて」

「そうだな…。そういえば純」

「なんですか」

「ケンカでもしたのか?」

「なんの話ですか」

「さっきから穂高と顔を合わせようとしないじゃないか

「仁さんには関係ないです!」

つい意地っ張りになってしまう純だった。

 

夕飯を終え純が部屋に戻ろうとすると声をかけられた。

「…穂高か。どうした?」

「私のこと名前で呼んで欲しいの…!」

「ヘァッ!?」

意味がわからない。どうしてそうなったのだろうか。

「…理由を聞いていいか?」

「えっと…。姫矢君と私は友達だよね? 私の友達は皆名前で呼んでるから…」

「……」

言葉に詰まる。唐突だそ意味がわからない。が、意を決して口を開いた。

「…みやび」

みやびの顔が赤くなる。

(マジで可愛いなコイツ…ッ!)

心臓がバクバク言って死にそうになる。

と、みやびが口を開いた。

「…純、君」

倒れるかと思った。

「「……」」

沈黙の嵐。

「えっと…。私が先にお風呂に入るね」

「あ、ああ…」

純の横を駆け上がっていく。振り向くと嬉しそうな後ろ姿が見えた。

純は自分の部屋に入りベッドに倒れこむ。

悶えた。

 

その日、1人の少年と少女は悶え苦しみ、一睡もしなかったという…。




次回はもちろん本編に戻ります。新キャラもそろそろ出そうかと。
では。(_・ω・)_タァンタタンタァン

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